あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道サイクリング_夏の自転車キャンプツーリング

2012年08月25日 | 旅するシーカヤック
2012年8月24日(金) この金曜日は、久し振りに有休が取れた。 この夏に落ち込んでいた気持ちもようやく持ち直してきてなんだか体を使って遠出をしたくなり、また暑い夏には敬遠していたキャンプもしたくなったので、自転車で『しまなみ海道』へ行く事に。

朝4時半。 キャンプ道具を積み込んだ自転車で、近くの駅へ。
駅に着くと自転車を折り畳み、輪行バッグに入れて準備完了。 尾道までの切符を買い、ホームに降りて始発電車を待つ。


さすがに始発電車はガラガラで、最後尾の車両の片隅に、輪行バッグと、キャンプ道具一式を詰めたオルトリーブのパニアバッグを置かせていただく。

電車は東へ。 次第に明るくなり、朝日が車内に差し込んでくる。


***

尾道駅に到着。

しまなみ海道サイクリングのメッカでもあるこの駅には、自転車組み立てスペースが設けられている。

輪行バッグから自転車を取り出し、組み立てていく。

組み立てといっても、折り畳み自転車なので至極簡単。 組み上がった自転車に、パニアバッグとソフトクーラー、ウエストバッグを取り付けると準備完了である。

今回のパートナーは、『旅する折り畳み自転車』とも呼ばれている『Dahon Speed TR』


尾道駅前の桟橋から、尾道水道を渡る渡船に乗り込み、向島へ。


***

向島では、今治までのサイクリングロードの起点として、道路には『今治まで75km』との記載が。

最初の75kmは写真に写し損ねたので、73kmを撮影。

岩子島を超え、

因島大橋へと向かう。

しまなみ海道のサイクリングロードは、結構アップダウンが激しい。

十数年前、早朝に家を出て松山までフェリーで渡り、松山から今治まで自転車を漕いで、そのまま尾道まで漕ぎすすみ、尾道で自転車を畳んで家に帰ったことがある。
今考えると、結構な距離を漕いだものだ。 その時は、さすがに最後はお尻も足も痛くなり、その後すぐにサドルを取り替えた事を覚えている。


因島大橋。

ここの自転車道は自動車道の下なので日陰となっており、快適に漕ぎすすむ事が出来る。



生口橋を超え、生口島へ。

朝、尾道駅でパンの朝食を済ませてきたのだが、ここまで暑い中を漕ぎすすんでくると、さすがにエネルギーを消耗した模様。
体がエネルギーを欲しているのが分かる! 開いていたドルチェのお店に突入した。
『レモンドルチェ。 お願いします』

日陰にある椅子に座り、しばし冷たくておいしいドルチェを堪能。 疲れた体が、レモンドルチェの一匙一匙を余す事なく吸収しているのが感じられる。
『あー、美味かった。 ようし、また漕ぐぞ』


金曜日で人も少ない海沿いのサイクリングロード。 独り、汗をポタポタと垂らしながら、ひたすら淡々と漕ぎ進む。

なかなか良い景色。


次は、多々羅大橋。

この斜張橋が美しい。



多々羅鳴き龍も、初めて知った。

これは立ち止まってトライしてみる価値あり!


***

ひたすらペダルを漕ぎ、一つ一つ橋を越えていくのが、しまなみ海道の醍醐味。
まだまだ気温は高く、漕いでいると大量の汗が流れ出す。 時折立ち止まって水分を補給するのだが、いくら飲んでも次々に体が水分を欲しているのが分かる。

次は大三島橋。

さすがにお盆も過ぎた金曜日だけあって、サイクリストもまばらである。


伯方島に入り、マリンオアシス伯方で昼休み。

今日のお昼ご飯は、塩ラーメン。


***

しばし休憩し、近くにあったコンビニで晩ご飯のサラダと弁当、そしてなにより大切なビールとそれを冷やす氷を購入し、このために持参したソフトクーラーに収納する。

ここからは、今回のキャンプ地である見近島へ。

荷物が増えたが、ペダリングは快調。

ようやく見近島への分岐点へ。

自転車と原付だけが進入可能なキャンプ場。

さすがに今日は人も少なく、キャンプ場の片隅にゴアテックスのソロテントを張らせていただいた。



静かで景色も良いキャンプ場。

テントを張り、荷物を片付けると、あまりの暑さに、海にドボーン!

透明度は少し低いが、他に誰もいない海で一人静かに体を冷やす。

『あー、気持ちいい!!!』

***

夕方、日も傾いてなかなか良い雰囲気。

今日の晩ご飯は、コンビニで買い出してきたサラダとお弁当。

エビスビールで独り乾杯だ。 私はコップ派なので、今日はペットボトルをカットして作ったカップで『グビリ、グビグビ』 『あー、たまらんなあ!』

*実際、缶から直接飲むビールと、一度カップに注いで泡で蓋をしたビールでは、その味と喉越しは全くの別物である。 コップに注いだビール、万歳!


ここからは、サンセットがビールの最高のつまみである。









夕方、うるさい学生グループがやって来たが、さすがに今日は疲れていたのか、ビールを飲んだらあまり気にならずに寝入ることができた。

***

2012年8月25日(土) 夜中、3時前に一度目が覚めたので、テントの外を眺めると満点の星空。 『おお、これは素晴らしい』

再び寝て、次に目が覚めたのは6時前。 朝から学生グループが騒がしい。
起き出すと、朝食はパンとコーヒー。 食事を終えると、顔を洗い、荷物を片付ける。

7時。 準備を終えて出発だ!

キャンプ場から伯方・大島大橋までの急勾配が、まずは今日最初の足慣らし。

空は快晴。 日が射すと暑いが、それでも風が心地良い。



舟折瀬戸では、朝の美しい瀬戸内の景色が待ち受けていた。












***

大島の南岸まで来ると、先日妻とサイクリングを楽しんだ来島海峡大橋が。

ここから今治までは、もう一息。

まだ土曜日の朝8時過ぎで、サイクリストも少ない快適な橋を漕ぎ進む。




橋を渡り切り、サンライズ糸山を超えて、今治港までラストスパート。

今治らしい造船所での美しい光景。


浜からは、先ほど超えてきた来島海峡大橋が一望できる。


***

今日は、今治港からバスで福山まで行き、そこからJRで家に戻る事にした。


今治からバスに乗り、これまで自転車で走ってきた『しまなみ海道』を戻る。


福山からはJR。 三原から、ちょうど『清盛オーシャンビュー2号』


車内では、福山駅で購入した『清盛釜めし』と三原駅で購入したビール。

清盛釜飯は、特に牡蠣が美味いのなんのって。

『ごちそうさまでした』











***

十数年振りとなった、自転車でのしまなみ海道縦断。 前回は日帰りだったが、今回はキャンプツーリングを楽しむことができ、最高の週末であった。
お盆休みで油断して増えた体重も、二日間のハードな大汗サイクリングで減少し、4月にダイエットを初めてからベスト体重に。 『いやあ、ほんまええ汗かいたなあ。 75kmを自分の足で漕いで充実感も最高や!』

『旅する折り畳み自転車_Dahon Speed TR / SpeedTR』での旅。 なんだか今年は自転車旅にはまりそうな予感。

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瀬戸内シーカヤック日記: 夏の楽しみ_地元の島でのシーカヤック教室(4)

2012年08月19日 | 旅するシーカヤック
2012年8月19日(日) 今日は盆連休の最終日、そして4年目となった夏のシーカヤック教室2012年度の最終回の日でもある。
潮の関係から今日のシーカヤック教室は午前中の設定。

朝7時半。 『ただいま』 『お、帰ってきたか! じゃあ俺は出掛けてくるよ』 夜行バスで京都から帰ってきた次男と、ちょうど入れ替わりで家を出た。

***

小潮だった先週末は、子供達との島渡りを予定していたのだが、朝から激しい雷雨のため、残念ながら延期した。

今日は、打って変わって最高のパドリング日和。 子供達も大勢参加してくれると聞いているので楽しみだ!

少し早めに付いたので、漁港の階段に座り、缶コーヒーを飲みながら海を眺める。


8時半過ぎに準備開始。 今日は人数が多いと聞いているので、家からタンデム艇を積んで来た。

パドルやレスキュー用品も、いつものように持ってきている。

今日の教室には参加しない高校生もカヤック運びを手伝ってくれ、道具一式の準備が完了。
みんなで挨拶して、準備体操。

今日は、別の施設からも先生1人と小学校5、6年生の子供3人の参加があった。 前回、その施設から先生と子供が参加して下さったのだが、その時の子供がシーカヤックを気に入って、ぜひまた参加したいと言ってくださったのだとか。

嬉しいな。

***

準備体操を終えると、子供達の経験を踏まえて一人艇とタンダム艇の舟割りを決めていく。

このシーカヤック教室での俺の役割は、子供達の安全確保と、先生方の安全意識の高揚であると認識している。

どのシーカヤックにどの子を乗せるのか、どの先生とどの子供をタンデム艇に乗せるのかは、安全確保の観点からとても大切な判断。
今回は子供の数が多く、子供用のPFDが足りなかったため、申し訳ないが先生1人と子供1~2名は陸上の木陰で待ってもらい、交代で乗ることとした。 大人用のPFDは余っていたのだが、子供にはサイズが大きすぎて、万が一沈した時にすっぽ抜けてPFDの役目を果たさないのである。 安全第一。

『ようし、じゃあ始めようか。 じゃあ、まず先生の舟に先に出てもらって、少し沖で出て行く子供達を見ていてください』
一艇一艇子供を乗せ、沖に送り出していく。


今日は風もなく、快適なシーカヤック教室日和。



初めてという先生や子供達と、前進やターン、ブレーキにバック、そしてその場回転などなど、楽しみながら基本の練習。
『うーん、いいねえ。 上手いじゃない。 そうそう、その調子』

30分程漕いではスタート地点に戻り、お茶を飲んでは交代しながらシーカヤックを楽しむ。

『次、一人で乗ってみたい人は?』 何人かの子供が手を挙げる。 『じゃあ、この舟に乗ってみようか』

子供達は、驚くほど上達が早い。 前回漕いだ小学6年の男の子は、押し手がしっかりと体のセンターを越える素晴らしい漕ぎで、後ろから見ているとまるで慣れたシーカヤッカーのような漕ぎ方になっている。

『スゴいじゃない』と声を掛けると、嬉しそうな笑顔。 好いなあ!

最初はタンデム艇に乗っていた、小学校5年生の小さな女の子は、見かけによらずしっかりと漕いでおり、30分の練習の中でどんどん上達していく。
前進はもちろん、漕ぎながらブレーキの使い方も上手くなり、問題なくみんなに付いていけている。

『どう、二人乗りと一人とどっちが良い?』って聞くと、『一人乗りが好い』との事。 やっぱそうだよね。 自分の力で、自分の行きたいところに行けるのが、自由気侭なシーカヤックの楽しいところ。

しばらく漕いだ後、出発地点に戻る時、『シーカヤック、楽しいかい?』って聞いたら、笑顔でウンって頷いてくれた。
最高に嬉しい瞬間。 一人でも二人でも楽しいって言ってくれたら、そしてほんのチョッピリでも、彼ら彼女らの夏休みの想い出になってくれたら、これ以上望むことはない。

『ようし、じゃあそろそろ上がろうか』
カヤックを一艇一艇引き揚げ、挨拶をして解散。 ここからは、先生と、再び高校生達と一緒に道具の片付けだ。

カヤックとパドル、PFDの潮抜きをして干すと、『お疲れさまでした』

いつものようにシャワーを浴び、お昼ご飯を一緒にいただく。
今年で4年目という事で、何人かの子供達とは顔馴染みで、食事をしながら楽しい一時。 なかには、中学1年から参加してくれ、高校生になった今でもシーカヤック教室を楽しみにしてくれ、参加してくれた男の子も居るのだ。
毎年夏にしか会わないのだが、一年でどんどん体も大きくなっているし、パドリングも上手くなっていくので、毎年最初は驚くとともに、まるで自分の子供の成長のように嬉しく感じている。

テーブルに座ると、その子がご飯を注いでくれ、目の前の男の子がお茶を入れてくれるとともに、メンチカツにソースを掛けてくれる。
『いやあ、至れり尽くせりだなあ、ありがとう』 『ごはんはどのくらいですか?』 『少なめにして。 お盆休みで1kg体重が増えてダイエット中なんだ』
とある切っ掛けで一念発起して4月からダイエットを始め、妻とのウオーキングや大好きなビールは飲み続けながらの食事コントロールにより8月までで約9kg落したのだが、この盆休みの一週間の油断で1kgほど戻っていたのである。 頑張らなくっちゃ。

おいしい食事を食べながら、周りの子供達と楽しい一時。

『え、好きな歌手とかいるの?』 『いますよ。 キスマイ』と中学生の女の子。
『ビッグダディって知ってますか?』 『うん、聞いた事はある』 『○○さんって、ビッグダディのお父さんに似てますよね』 『えー、そう。 それって喜んでいいの? それとも悲しんだ方がいいのかな?』
『昔はね、竹中直人に似ているって言われていたよ』と俺。 『あー、ほんとだ』

中学生の女の子が、近くに座っていた男の子が別の女の子にイラズラすると、『あんたあ、いくらイケメンでも、性格が悪いとモテんよ』と一言。
顔も性格もイケメンじゃないダメダメ50前オヤジはタジタジである。
別の小さな女の子は、隣の大きな男の子に何度もお茶を注がせていた。 やっぱ女の子は強いなあ。 さすが!

食事を終えて、『ごちそうさまでした』

食器を片付け、『9月になったら島に渡ろうな』と声を掛けて食堂を出ようとした時、お茶を入れてソースを掛けてくれた男の子が一言。 『じゃあ、ダイエットも頑張ってください!』

おれはズッコけ、食堂は大爆笑。 『うん、頑張るよ!』

***

今年4年目となった、夏のシーカヤック教室。 様々な事があってこの夏は少し落ち込んでいたけれど、今年も楽しみにしていたシーカヤック教室を無事に終えることができ、そして多くの笑顔を見ることができて、本当に沢山の元気をもらったよ。

感謝。

みんな、ほんまにありがとう。 中高生達とは、ぜひ9月に島に渡ろうな。 そして来年も一緒にシーカヤックを楽しもうや!

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瀬戸内シーカヤック日記: 盆連休の旅(2)_山陰編、出雲&三瓶山観光ドライブ

2012年08月17日 | 旅するシーカヤック
2012年8月15日(水) 今日明日は、職場の友人夫婦と一緒に山陰へのドライブ旅行。 今回は、彼らのリクエストにより、クルマ2台での旅となる。

朝7時に広島で彼らのクルマと合流し、一般道を走って日本海へ。
渋滞もなく快適なドライブ。 4時間ほどで出雲大社に到着し、まずは荒木屋さんで出雲蕎麦のお昼ご飯。

食後は、稲佐の浜から出雲大社へ。

出雲大社周辺は、イベントの影響で渋滞しており、稲佐の浜から徒歩で出雲大社へと向かう。

まずは神楽殿にお参りし、改装中の本殿へ。







再び浜に戻り、そこから日御碕へ。

***

まずは日御碕神社。

柱の朱色と壁の白、屋根の茶色、そして周囲の松の緑のコントラストが美しく、お気に入りの神社である。

トルコ人夫婦の彼らも、観光客が多く賑わっている出雲大社より、静かな雰囲気で美しいこの日御碕神社の方が気に入った様子。








***

再び移動して灯台へ。
あまりの暑さに、しばし休憩。 空調の利いた快適な空間で、きれいな眺めを楽しみながら、体を冷ます。

休憩中に通り雨もあり、ちょうど良いタイミングでの一休みであった。

『じゃあ、そろそろ散歩してみようか』





今日は天候にも恵まれ、少し暑いが絶好の観光日和。 日御碕灯台も、白い建物と青い空、そして白い雲とのコントラストが絶妙である。

***

夕方には、これまで何度かお世話になったことがあり、今回も予約しておいた『持田屋旅館』さんへ。
旅館で近くのお風呂の割引券を購入し、快適なお風呂に浸かって今日一日の汗を流し、疲れを癒す。
その後、スーパーで買い出しし、今日が記念日だと言う彼らを祝して、部屋でささやかな宴。

***

翌朝は、6時半から妻と二人で平田市を散策。


今回初めて気付いたのだが、平田市には『平田一式飾』という文化があるのだとか。

昔から代々受け継がれてきた貴重な伝統。 これからも永く続いてほしいものである。


風の吹くまま気の向くままに歩いていると、宇美神社という社を発見。

とても良い雰囲気なので、参拝させていただくことにした。







美しい庭。 様々な社。 本当に心地良い空間である。

こんな興味深い絵馬も見つけた。

『うん、今の分析では大深海油田や非在来型石油の開発が進んでいるからおそらく大丈夫。 君が生きている間に石油が無くなることはないと思うよ。 シェールガスから液体燃料を作ることもできるしね。 ただ、新興国の石油需要が2020年頃には大きく増えると予測されているから、ガソリンや灯油の価格がどこまで上がるかは心配だな』

神社の横に奉られているお稲荷さんには、油揚げが供えられていた。 キツネが油揚げが好物だと聞いた事こそあるものの、これは初めて見た光景である。


***

引き続き、木綿海道を散策。

川との距離が短い街である。 川を使った物資や人の運搬が普通だったんだなあ。



平田舟に乗船する場所も見学させていただいた。


***

宿に戻って朝ご飯を食べ、おかみさんの紹介で、昨夜同じ宿に泊まっておられたというバイクで日本一周をしている若者や、歌手志望だという方々としばし歓談。
日本一周のバイクの青年を見送った後、私たちも宿を辞す。
『どうもお世話になりました。 また遊びに来ますよ』

三瓶山に向かっている途中、川辺に並べられているカヌーを発見。

少し浅いが水もきれいだ。 少し泳いでみるか。
クルマを停めると、彼と私は水着で川に。 彼の奥さんと私の妻は東屋の下で休憩&歓談。

泳ぎに来た近所の子供達と川遊びを楽しんでいると、おじさんがカヌーに乗ってみないかと声を掛けてくださった。
お言葉に甘え、カヌーは初めてとなる彼と、無料でお借りしたシットオントップカヤックでしばしタンデムでのパドリングを楽しむ。

川で泳いで、カヤックを漕いで、なかなか楽しい一時であった。 彼も、きれいな川でのカヤックパドリングは気に入った様子。
『どうもありがとうございました』

***

途中のお店でおいしい蕎麦定食をいただき、三瓶山へ。







お盆を過ぎて人も少なく、風も吹いて快適な草原で、しばし休憩。

『ああ、なかなか良い旅だったなあ。 じゃあ、そろそろ帰るとしようか』 彼らにとっては初訪問だった島根へのドライブ旅行。
喜んでもらったようだ。 企画してよかったな。

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瀬戸内シーカヤック日記: 盆連休の旅(1)_四国編、別子銅山&しまなみサイクリング

2012年08月14日 | 旅するシーカヤック
2012年8月12日(日) お盆連休初日の土曜日はシーカヤック教室を予定していたのだが、午前中の激しい雷雨と雷注意報により、残念ながら中止となった。
今日明日は、妻と二人で久し振りに四国旅。

今回は、いつものしまなみ海道経由ではなく、岡村島~今治へのフェリーを使った旅。

朝6時50分の始発なのだが、驚いた事に港に着くとフェリーに乗船するクルマでいっぱいである。

小下島、大小下島を経由して今治へ。

最初は満杯だった自動車も、それぞれの島に帰省する人達が下船すると、残ったのは僅か3台。 多くの人が、これらの島々に帰省するのに、この朝の便を使っているのだなあ。 驚き。


フェリーは、来島海峡大橋を超え、今治へ。


船の中で天気予報をチェックすると、今日の目的地としていた山は雨の予報。 大気の状態が不安定で、雷雨の恐れもあるとの事。
『うーん、これでは景色を楽しむどころか、危険もあるなあ。 予定変更しよう。 どっか行きたいとこある?』
どうせ、宿だけ予約しての『風の吹くまま、気の向くまま』の気侭なフラリ旅。

あそこでもない、ここでもないと考えていると、ふと頭にあるキーワードが浮かんで来た。 『東洋のマチュピチュ』
『前から気になってる場所があるんよ。 ちょっと調べてみるわ』

iphoneでチェックすると、『別子銅山』は、新居浜市にあるとのこと。 これなら行けそうだ。

『ようし、別子銅山に決定や』

***

iphoneのナビに目的地を設定し、別子銅山へ。

今は、マイントピア別子という観光施設になっている。 チケットを買おうとすると、クルマで30分ほどかかり、しかもとても狭い道を走らないと行けないという『東平地区』への送迎とガイドを含めたツアーが10時からあるのだとか。

これが、通常の入場料に+300円と格安なので、すぐに参加を決定。

10時。 今回参加される計12名とガイドさん1名でマイクロバスに乗り、東平地区へと向かう。

途中からは、狭い山道。 うーん、これは対向車が来たら離合が大変だ。 運転しなくて良い気楽なツアーにして良かったなあ。


***

移動中のバスの中、ガイドさんから別子銅山に関わる様々なお話を伺った。

江戸時代に始まった別子銅山の歴史。
最盛期は2,800人程の人々がこの山に暮らしていたそうだ。 切り開かれた山には社宅が作られ、娯楽場や病院、郵便局、学校まであったとのこと。

こんな山の上ではあったがとても栄えていて、毎年5月には上方から役者を呼んで歌舞伎も観劇したそうだ。 さすがに歌舞伎役者さんに厳しい山道を歩かせる訳にはいかないので、鉱夫達が籠に乗せて送り迎えしたのだそうである。

社宅は狭く、トイレや風呂は共同だったが、無料で電気も使い放題だったとか。 また当時は子だくさんの家が多く、狭い社宅では子供達の勉強する場所がなかったので、家の中にハシゴを掛けて、天井裏で勉強したいたそうだ。
隣の家との仕切りは、とても薄い板一枚。 家には鍵を掛ける事もなかったそうだが、この山全体が一つの家族の様なもので、盗難やトラブルなどはなかったとのこと。

この山の上には、一周100メートルの運動場もあり、大人が本気で走ると山から飛び出しそうなほど狭かったとか、防火水槽の役目も兼ねて15メートルで4レーンのプールも作られ、山の子供達だったが、皆泳げたそうである。

銅山は、徐々に山の上から掘り下り、最後は海抜マイナス1,000mまで掘り進んだのだとか。 この深さでは、温度が60℃にも達し、かつ凄い圧力のために掘っても掘っても潰れたため、これ以上掘り進むのを諦めて閉山に至ったのだとか。
そしてこのマイナス1,000mは、日本で到達した最も深い場所なのだそうだ。 驚きの事実。

また、この別子銅山が、住友鉱山の始まりであり住友財閥の発展にとても重要な役割を果たした事。 別子銅山での事業を続けるために必要だった発電や植林(1tの銅を製錬するのに4tの炭が必要だったため、多くの木を使用した事に加え、精錬時に発生する亜硫酸ガスで木が枯れる問題があったため、植林専門部署をつくったのが住友林業の始まり)、公害対策(亜硫酸ガス対策として、肥料である硫安をつくる事とし、それが住友化学の始まり)、工場建設(公害対策で製錬所を四阪島に移したとき、工場や施設をつくったのが住友建設の始まり)などがきっかけとなり、住友林業や住友化学、住友建設などなどが新たに興ったことなども初めて知ることができた。

その他、亜硫酸ガスの公害対策として、製錬所が四阪島に移された経緯や、四阪島に移された後も当初の目論みとは外れて公害問題が拡大し、その対策として亜硫酸ガスから硫安という肥料を作ることに加え、外国から、残留ガスの処理技術を導入し、公害対策を進めた事で、住友にとってこの四阪島は公害対策の原点として重要視され、一旦は工場も廃止し、無人の島となったが、その後産業廃棄物から亜鉛をリサイクルする施設に生まれ変わり、活用され続けていることも教えていただいた。

先日訪れた石見銀山もそうだが、かつての日本は、鉱業が国を支える一つの重要な産業だった事を再認識させられた。
また、そんなこんなで住友5社の新居浜での地位は高く、鉱山と言えば住友鉱山の事、林業って言えば住友林業であり、頭に住友とつけないのが当然なのだそうだ。 そして自分達の子供が5社に入社が決まったら、家では赤飯を炊いて祝ったのだとか。 新居浜がm住友と切っても切れない関係があることも初めて知った。

このツアー、なかなか興味深い。

***

出発してから約30分後に、目的地に到着。

雲が多いものの、なんとか晴れ間も覗き、観光日和。 東洋のマチュピチュ、楽しみだ。




かつての鉱山鉄道の遺物が残されている。

まずは上からの眺め。 確かになんとなく、遺跡の雰囲気。




***


階段を降り、下から眺める事に。

なるほど、これがマチュピチュか。

見学を終えると、かつての娯楽場や保育園、病院跡が残る山道へ。

娯楽場には、回り舞台も設えられていたのだとか。




上に戻ると、ガスが出て回りはもう真っ白。 視界は遮られ、観光どころではない。

その後、雨も振り出し、『いやあ、良いタイミングでツアーに参加できたね』

***

再びバスで下に戻り、施設を見学。

短い距離だが、鉱山鉄道に乗り、景色を眺める。



石見銀山よりかなり大規模な開発が行われていた様子。


帰りは、鉱山鉄道ではなくガイドさんおススメの徒歩で。







ここの坑内や重要な施設には、大山祇神社の分詞として大山積神社が奉られていた。

施設に戻る直前からゲリラ豪雨となったが、なんとか無事にツアーは終了。
ガイドさんのおかげもあり、なかなか興味深いツアーであった。

***


豪雨の中、今治へと戻り、少し遅い昼食。

以前訪れてお気に入りとなった、『かねと食堂』さんへ。



地元の新聞を開くと、宇和島闘牛の広告が。

私はカツライス。

妻は中華そば。

遅めのお昼ご飯を済ませた後は、ホテルにチェックインし、着替えてから鈍川温泉へ。
気持ちの良いアルカリ泉に浸かり、この夏の心身の疲れをのんびりと癒す。

夜はホテルで魚料理をいただき、ビールで乾杯。 『急遽の予定変更だったけど、東洋のマチュピチュはなかなか面白いツアーだったねえ』

***

2012年8月13日(月) 朝起きると、天気予報をチェック。 今日も四国の山の上は曇りや雨の予報。
残念だけど、山のドライブは次回にしよう。 じゃあ今日は自転車を借りて、しまなみサイクリングを楽しむとしよう。

8時過ぎにサンライズ糸山へ。

今日は、大島までの往復であり、妻も一緒なので、電動アシスト自転車を選択。


『じゃあ、出発しようか!』

しばらく走ると、来島海峡大橋への入口。

ここからの登りで、電動アシストのありがたみが良く分かる。


少し蒸し暑いが、橋の上は心地良い風が吹き抜ける。

橋の上からの景色を楽しみながら、ゆるりとしたのんびりツーリング。

途中、馬島へ降りてみる事に。

狭い通路を抜けると、そこにはエレベータが。

自転車2台を積んで、地上へ。












島の道を走り、海水浴場を見学し、橋を下から眺めて、神社に参拝。

再びエレベータで橋に登り、料金を払って、大島に向けてスタート。


大島では、道の駅で一休み。

みかんソフトで疲れを癒す。 『うーん、美味い』


***











往復約2時間の妻とのサイクリング。 これはなかなか良い想い出になった。

自転車を返し、汗を流しに近くの温泉へ。 『あー、さっぱりさっぱり』

***

帰りは、お盆の臨時フェリーで岡村島へ。










当初予定していた四国の山岳ドライブは悪天候のため次回へと持ち越しになったが、別子銅山観光と、しまなみサイクリングで二日間楽しむことができた。

なかなか良い旅だったなあ。 『今回はだめだったけど、秋の天気のよい日に、また山岳ドライブを計画しよう!』

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瀬戸内シーカヤック日記: 4年目となる夏のシーカヤック教室_その2

2012年08月05日 | 旅するシーカヤック
2012年8月5日(日) 今日は、今年2回目のシーカヤック教室の日。 沖縄辺りを通過中の台風の影響で、私の地元は昨日から強い風が吹き続いている。
朝起きてから、ライブカメラでチェックしていたが、シーカヤック教室を行う島のエリアは風の影響が少ない模様。

『今日はなんとか実施できるかな? できるよね? うん、できますように!!!』

***

島に渡る直前、クルマを走らせているエリアでは強風が吹き荒れていたので念のため電話をしてみたが、『こっちでは、風は大丈夫です』との事。
『わかりました。 じゃあ、予定通り伺いますから』


前回は、小さい子供から中学生までが一緒に漕いだので、練習というよりもシーカヤック体験教室の雰囲気だったのだが、今回は次回の島渡りの準備としてしっかり練習したいとの意向を伺っていた。
『じゃあ』ということで、今回は私の方から提案。 『どうせ一日空けているので、午前中は小さい子供達を対象に”楽しむシーカヤック教室”にして、午後からは、大きな子供達や職員の方としっかり練習にしてみませんか?』

その提案を受け入れていただき、今日は午前と午後で対象者を分けて、まったく別メニューでの練習だ。

***

午前の部。

小学生の子供達や、別の施設からシーカヤック体験に来られた先生&子供二人を対象に、漁港内での体験教室。

幸いに、風の影響も少なく、1時間半ほどの体験教室を無事終了。 『お疲れさまでした』


***

お昼ご飯を一緒にいただき、『ごちそうさまでした』 小さな子供達にも、『毎年来る、シーカヤック教室の怪しいおじさん』ということで顔を覚えてもらえているようで、ご飯を食べながら四方山話を楽しんだ。 あー、美味しかった。

***

『午後の部は1時からですよね。 じゃあ、ちょっと散歩に行ってきます』





























40分ほどの島のお散歩。 帽子をかぶり、サングラスを着用して、海沿いの散策を楽しんだ。
なかなか良い雰囲気の夏の島。 『うん、こりゃあええなあ。 またチャンスがあったら、島でのウオーキングを楽しむとしよう!!!』

***

午後からは、中学生と高校生、そして職員の方を対象とした、本格的な練習だ。



できるだけ一人乗りのシーカヤックに乗ってもらい、スピードを出しての漕ぎや、疲れた子供達を想定したトーイング、横移動、その場回転、沈したカヤックのレスキューや、波のある漁港外でのパドリングなどなど、様々なシチュエーションでの漕ぎを体験していただく。



タンデム艇に、お茶も積んでの1時間半ほどの練習である。 午前中の楽しいシーカヤック体験教室とは違った、来週の島渡りを意識したマジな練習である。

『お疲れさまでした!』 来週は、潮は小さいから天気が良いと良いね! 楽しみだ!!!

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