あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 廃航直前_尾道~弓削航路体験&尾道夜景堪能の旅

2012年05月28日 | 旅するシーカヤック
2012年5月27日(日) 午前中に会社で行われた行事を聴講した後、JRの駅へと向かう。 この週末は、久し振りに月曜日に有給休暇を取ることができたので、カヤック抜きでの一泊二日旅を計画した。

その切っ掛けは、先日の中国新聞の記事

お気に入りの生名島にキャンプしているとき、何度もこの航路を使って尾道に散策に出掛けてみようと思っていたのだが、最終便が早い事や、生名島に来る途中に尾道を通るため、途中寄り道して朱華園のラーメンや、こもんのワッフルを食べることもできていたので、今までその機会がなかったのである。
しかしながら、今月末で廃航となるということなので、チャンスはこの週末だけ。 月曜日に有休も取れた事だし、これは行かねばなるまい。

***

会社近くの駅からJRに乗り、尾道へと向かう。

今回の旅は、ホテル泊まりの一泊二日の旅なので、荷物は少ない。 先日手に入れた、お気に入りのコンパクトなバッグで気軽なバックパッキング旅である。

山陽本線沿いの景色を楽しみながら、久し振りとなる列車での旅。

お客さんも少なく、のんびりまったりの旅気分。

運転が好きなので、長距離移動は全く苦にはならないのだが、たまには、運転しなくていよい気軽な旅もいいもんだ。

途中の糸崎で乗り換え、1時間半ほどで尾道駅へ。

***

ここからは、商店街を抜けて朱華園へ。

久し振りの朱さんのラーメン。

3時前と少し遅めの昼食だが、日曜日なのに並ばなくてよいのは中途半端な時間のおかげ。
ここまでお昼ご飯をガマンしてよかった。 『いただきます』

***

お腹を満たし、一旦駅へ。 駅前の店でビールと明日の朝食を買い込み、ホテルへと向かう。

このホテルが、一泊夕食付きで6,000円弱と安いのだが、山の上にあるので、結構登りが大変である。
まあ、坂の多い呉の町の住人でもあり、最近はウオーキングで一日1万数千歩ほどは歩いているので大丈夫だろう。

とはいえ、結構な急坂と階段が続く。 気温も高く、汗が噴き出してくる。

えっちら、おっちら。

もうすぐだ。

ようやく到着。 汗を拭き拭き、チェックイン。

***

部屋に入ると、まずは窓からの景色に感動!

さすが、山のほぼ頂上にあるホテル。

眼の前には、尾道水道の絶景が。


夕食前には、千光寺公園を少しお散歩。

日曜日の夕方という事で、周りはカップルばかり。


***

ホテルでの夕食は、タイ料理。 グリーンカレーが好物の私には、ピッタリのコースである。

良く冷えたタイビールをグビリと飲りながら、本格的なタイ料理を堪能。

トムヤンクンは、辛味と酸味が暑さに疲れた今日の体に滲みていく。

スパイシーなグリーンカレーは絶品。

尾道水道の景色を眺めつつ、ひとり美味しいタイ料理を楽しんだ。


***

部屋に戻ると、暗くなりつつある尾道水道の景色を眺めつつ、ビールをグビリ。

こんな時間に、こんな場所から尾道の夜景を眺めるのは初めてだ。

次回はぜひ、妻をここに連れてきてやろう。

では、オヤスミナサイ。


***

2012年5月28日(月)

尾道での日の出。 今日も晴れそうだ。

部屋で昨日購入したアンデルセンのパンで簡単な食事を済ませ、ホテルをチェックアウト。
坂道を下り、定期船乗り場へと向かう。

途中、地図も見ないまま、昨日とは違う路地へ。

まるで迷路の様な尾道の坂と路地が、私の地元の呉の様で面白い。

***

ここからが、今回の旅のメインイベント。

これが、今月末で廃止になる尾道~弓削航路をつなぐ定期船である。

今回は、尾道~因島の土生までのチケットを購入。

船内は、7人ほどのお客さん。

この航路廃止の理由の一つに、生名橋開通による乗客の減少が挙げられていた。
あるところが便利になると、別の思わぬところにしわ寄せが行くのだなあ。 この世の中、何が正しくて、何が正しくないのかなんて、本当は誰も判断できないのではないだろうか。。。

定刻になると船は出発。 まずは尾道水道を西進し、途中からは因島に沿って南下。

この航路を利用するのは初めてだが、周囲が島々に囲まれたエリアを航行し、瀬戸内らしい景色がたっぷりと堪能できる。

『うーん、こんな良い航路が廃止とは。。。 残念だ』


『ありがとう。 短かったけれど、楽しい一時だったよ。 乗ることができて良かった!』


***


因島の土生からは、広島バスセンター行きのバスへ。

向島経由で尾道まで戻ってきた。

さらに広島市内まで戻り、簡単な食事を摂り、街をウオーキングして、今度は呉行きのバスへ。


呉では、前から気になっていたお店を訪問。 『三とり_本通店』

ここでは、『おつかれさんセット』ということで、飲み物と焼き鳥、小皿がセットになったメニューが人気である。

『生ビールのセットでお願いします』

冷えたビールをグビリと飲り、ひとり旅の打ち上げ。

店のおねえさんと、たわいない会話を楽しみつつ、ビールを飲み、焼き鳥を食べる。


途中、『ところで仕事は何しよるん?』 『はい、会社員です』 『ほうねえ、自衛隊か消防士か思いよった』
『よう焼けて、坊主頭なんで、時々自衛隊かいうて、言われますよ』 『ガタイもええし、話し方もシャキシャキしとってじゃけえ、自衛隊か思いよったんよ』

『ごちそうさまでした。 また、遊びに来ますよ』 『ええ、今度はぜひ、奥さんときんさい』 『はい、そうします』

JR、船、バス、そして徒歩で楽しんだ、尾道&しまなみの旅。 あの航路が廃止になるのは残念だが、おいしいビールと焼き鳥で〆ることができ、なかなか充実した旅であった。

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瀬戸内シーカヤック日記: 絶品ランチ_榮互の牛丼@広島

2012年05月27日 | 旅するシーカヤック
2012年5月26日(土) この週末は、日曜日の午前中に会社の講堂で行われるとある行事に参加せよとの事だったので、キャンプツーリングの予定はせず、久し振りに妻と広島へ買い出しへ。

午前中の買い物を終え、いったんクルマへ荷物を置いて、再び手ぶらでお昼ご飯のお店へと向かった。

久し振りの広島市内なので、『どうせなら、今まで行った事の無い店にしようや』ということで事前に調べておいたのが、このお店。

肉料理専門店、『榮互』さんである。

開店そうそうなので、まだお客さんは少ないが、お店は明るく綺麗で、とても良い雰囲気。

これは期待できそうだ。

今日は、ここの人気メニューであるらしき、『榮互牛丼』。
しばらくして運ばれてきたのがこれだ。

軽く火を通しただけのおいしそうな牛肉がたっぷりと乗った丼。 これが牛丼?って感じの、チェーン店の所謂牛丼とは全く世界の異なる料理である。
これに、卵、お味噌汁、大根おろし、漬け物がセットされている。

店員さんに、『食べ方はご存知ですか?』と聞かれたので、『初めてなので知りません』と答えると、教えてくれる。
『まず、卵を割ってかきまぜ、肉を溶き卵に潜らせて食べてください。 味噌汁とご飯はお替わり自由で、ご飯は少なめに盛ってあるので、最後は溶き卵に醤油を垂らして卵かけご飯で食べてください』との事。 なるほど。

『では、いただきます』

卵を割ると、黄身が違う。 『この卵、なんだか美味しそうだね』

ほとんど生に近い美味しそうな肉を、溶き卵に潜らせ『パクリ』 『おお、これは旨い』
ご飯を食べながら、おいしいお肉をバクリ、ペロリ→ パクリ、ペロリ。

『いやあ、これまでの牛肉の概念が、ガラガラと音を立てて崩れていくねえ。 これはホンマに美味いなあ』

***

肉がなくなると、溶き卵に醤油をタラリと落し、卵かけご飯。
他のお客さん達は、2杯、3杯とご飯のお替わりをしているが、うちは小食なので最初のご飯で充分な量が残っている。

ワシワシと掻き回し、再びイタダキマス。

あの黄身が元気で色の違う卵である。 そして、おいしいお肉の肉汁がご飯に混ざっているのである。 これが、おいしくない訳がない。
『ごちそうさまでした』


食後は、デザートとコーヒーも供され、これでひとり1,200円也。 大満足で店を出た。


肉料理専門店『榮互』 今日は本当に好い店を見つけたなあ。 また一つ、お気に入りの店が増えた。

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瀬戸内シーカヤック日記: かつては”お気に入りの島”であった『生野島』郷愁キャンプツーリング

2012年05月20日 | 旅するシーカヤック
2012年5月19日(土) 朝5時過ぎ。 いつものように、『さて、この週末はどこへ行こうかな?』

この土日は、高気圧に覆われて穏やかな天気の予報。 『ふむふむ、そうか。 久し振りに、生野島へ行ってみようか!』
最近多かったベースキャンプ方式でのツーリングと異なり、片道1時間弱のお気楽ツーリングとは言え、島に渡ってのキャンプとなると、それなりに慎重な判断をしなければならない。

今週末は大丈夫そうだ! 『今日は、生野島でキャンプしてくるけん』 『はい、気をつけて』

***

家から1時間ほどで、出艇地の浜に到着。

風もなく、穏やかな瀬戸内海。

空は青く、絶好のキャンプツーリング日和である。

今日は島に渡ってのキャンプツーリングという事で、久し振りにニヤックを引っ張り出してきた。 イザという時に頼りになる信頼性は、やはりニヤックのものである。

バウとスターンのハッチにキャンプ道具を詰め込み、島に向かって漕ぎ出した。 『行ってきます』

フェザークラフトK-1を使った、尺取り虫方式での瀬戸内横断の第一回目の初日に地元呉の海水浴場を漕ぎ出し、初めてキャンプ泊したのが生野島であった。 それから年に何度もキャンプツーリングに通うようになり、一番の”お気に入り”の島となった生野島。

距離も適度で景色が良く、海も綺麗で、海水浴シーズンを除けば最高のシーカヤックツーリングエリア。

最近は少し足が遠ざかっていたが、今回はどんなスローライフが楽しめるだろうか。

楽しみだ。


順調に漕ぎ進み、1時間弱で生野島に到着した。


シーカヤックを引き揚げ、荷物を運ぶと。。。 ??? *** !!!

『なんじゃこりゃー。 うそやろ』

なんと、お気に入りの東屋は立ち入り禁止。

この何もない生野島の、最高の観光資源はこの東屋であると、これまで信じて疑わなかったのだが、その東屋が立ち入り禁止。
一瞬言葉を失い、荷物をカヤックにパッキングし直して出艇地に戻ろうかとさえ思ったのが正直な気持ちである。 とはいえ、『旅する櫂伝馬プロジェクト』でお世話になっている大好きな町が立ち入るなというのなら、残念ではあるが、それはそれで受け入れよう。

シーカヤックで瀬戸内の島々の定点観測を始めてから20年。
静かな自然海岸が気に入っていたエリアのすぐ上に道路が設置されたり、フェリーでしか渡れなかった島に橋が架かって島の雰囲気が変わったり、地元の貴重な足であった定期船やフェリーの航路が廃止になったり、お気に入りだった店が閉店したり、キャンプが楽しめたビーチにイノシシの足跡が観られるようになってキャンプできなくなったりと、様々な変化を自分の眼で観てきた。
それでも私は全ての変化を受け入れ、その変化をブログに記録し、場合によってはそのエリアを漕がなくなったり、新たなエリアを開拓したりしつつ、常に自分が置かれた状況や変化の中で如何に楽しむかを工夫してきたつもりである。

それにしても、今回の状況変化は寂しい限り。
今後、私が生野島について語る時は、『かつてはお気に入りの島だった”生野島”』というしかないのが、本当に残念でならない。 『嗚呼!』



***

少し遅めのお昼ご飯は、パスタの代わりにうどんを使った『なんちゃってパスタ風_蟹のトマトクリームソース』
うどんを使うと、気分は、小学校の時に大好きだった給食の『ソフト麺スパゲティ』である。

ビールを飲み、うどんパスタを食べる。

食後は、久し振りに竿を出す。 釣れるのは、『ササノハベラ』ばかりだが、なかなか良い大きさのものもあり、夕食のつまみにはピッタリだ。

夕方、釣った魚をオピネルで捌く。 俺のオピネルは、炭素鋼バージョン。 海旅で使っているので錆びるのが難点だが、研げばその切れ味は最高である。
コンパクトでもあり、切れ味も握った感触も気に入っているので、キャンプの調理には愛用している。
今日のササノハベラは、キャンプの定番魚料理である『オリーブオイルとクレージーソルトのソテー』に。

エビスビールを飲みながら、ベラのオリーブオイル焼きを食す。 『うん、美味い』

もう一品は、『ウインナーとタマネギのトマトソース風』 これまたコクのある味で『旨い!』


夕暮れの瀬戸内の景色を眺めながら、ビールを飲み、かつての生野島を想う。





『おやすみなさい』

***

2012年5月20日(日) 離島のキャンプで、朝テントで目覚めると、まず気になるのが風。 シュラフに包まりながら耳を澄ますが、風の音は聞こえない。
『うん、今日は穏やかな朝だ』

朝5時過ぎ、テントから這い出し、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。

『うん、良い朝だ。 気持ち好いなあ』


シュラフを片付け、テントを畳み、再びお湯を沸かしてスープとパンの朝ご飯。


食後のコーヒーを楽しむと、荷物を片付けて、ニヤックにパッキング。

お気に入りだった東屋が使えなかったのは、本当に残念だけど、今回もなかなか良いキャンプツーリングだったなあ。


朝7時過ぎに生野島を出発。

穏やかな朝の瀬戸内を漕ぎ戻る。


***

かつてはお気に入りだった『生野島』
変わってしまったけれど、長年キャンプツーリングではお世話になった。 お気に入りではなくなってしまったけれど、また気が向いたら遊びにくるよ!
『今まで楽しませてくれて、ほんとうにありがとう』

一度は愛した生野島。 冷たくされてもすぐには嫌いにはなれないな。 残念ながら東屋からの最高の景色は、今ではかなわぬ想い出になってしまったけれど、俺は、あの頃の生野島を、いつまでも忘れない。

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瀬戸内シーカヤック日記: 子離れ夫婦二人旅_蕎麦三昧の島根半島一泊ツーリング

2012年05月13日 | 旅するシーカヤック
2012年5月12日(土) 連休後半の牛窓キャンプツーリングから、アテンザワゴンに積みっぱなしにしてあったタンデムカヤック。 この週末は、2週連続となる妻と一緒のツーリングを楽しむため、北に向かった。

今回はキャンプではなく、お気に入りのコテージがたまたまこの週末だけ空いていたので予約して、お気軽一泊ツーリングである。 このコテージは大人気で、連休明けのこの週末を除くと、土曜日の夜はこれから数ヶ月もう予約でいっぱいなのだ。 ラッキー!

土曜日は風が強く波が高い予報なので、今日は観光の日。 さて、いつもはあまり行かない場所を巡ってみるとしようか。

***

まず最初に向かったのは、出雲の羽根屋さん。

以前、地元の方にそばのおいしい店を訪ねたところ、教えていただいたお店である。 妻と20年ほど前にも訪ねた事はあるのだが、大昔なので味の記憶はない。
妻は三色割子を、私は石臼挽きのざる蕎麦を注文。

『いただきます』 ズルリ。 『お、これは美味いなあ! いやあ、最高だ』

『ごちそうさまでした』 あー、本当においしい蕎麦を久し振りに食べさせていただいた。 満足満足。 なんだか、良い旅になりそうな予感。

続いては、出雲大社の近くにある『稲佐の浜』へ。

朝は曇りがちであったが、このころから青空が広がり、気持ち良い景色が眼の前に広がる。


次は、日御碕。

風は強いが、灯台の上からの眺めは素晴らしい。


***

灯台からしばし海沿いの道を歩くと、日御碕神社。

出雲大社に比べて訪れる人は少ないが、とても雰囲気の良い神社で、お気に入りに。

澄んだ青空と、朱のコントラストがなんとも美しい。

『いやあ、今までここを知らなかったのは残念だったなあ。 また来よう』


その後、平田市で前から気になっていた生姜糖を購入。

また、近くにあった地元の醤油屋さんで、妻は醤油ソフトクリームとみたらし団子。 わたしも、みたらし団子のお相伴にあずかる。
『お、このみたらし団子はうまいなあ。 醤油の香ばしさと甘辛い感じが、なんともおいしいね』


***

島根半島の海沿いは、なかなか良い景色である。






夕方、『マリンパーク多古鼻』に到着。 手続きを済ませ、コテージへ。

風が収まっていたら、小波を漕ごうと思っていたが、東風が強くとても漕げそうな状況ではない。 『ようし、ウオーキングに行く事にしようか』
最近日課となっている、妻とのウオーキング。 旅の楽しみの一つである。

まずは、マリンパークの敷地内を散策。

いつもながら、最高の眺めである。

海が好きな人にはたまらないロケーション。

今日は東風が強くて海がザワついており、傾きかけた太陽に照らされ、メタリックな感じがこれはこれで美しい。

ここのロケーションは、妻も気に入ってくれたようである。 『よかったよかった』


ここからは、敷地内を出て海沿いの漁港まで。 目指す港は、多古の七つ穴を漕ぐ時に、いつも出艇させていただく小さな港である。

長い急坂を下っていく。

いつもとは違う、クルマでは通れない狭い路地を散策。

漁港からみると、七つ穴のあたりは白波が。 明日は、風が落ちるといいなあ。

途中の路地で、商店を見つけたので、ビールを一本買い足す事に。
『こんにちは。 ビール下さい』 『ハイハイ』 『500mlの缶、一本お願いします』 『えー、冷えてるやつね。 じゃあ、冷やし賃込みで315円』

みると、壁に料金表が張ってあるのだが、冷えたビールとそうでないビールとで値段が違う。 500ml缶の場合、冷えてないと305円なのだが、冷えていると315円。
かつて、冷蔵庫が貴重だった時代の名残で、冷やし賃が、10円なのだ。

このやり取りで思い出した。 子供の頃、おつかいでビールを買いに行ったとき、冷えたビールと冷えてないビールを買ってくるよう頼まれたものだ。
そう、昔は私の地元でも冷やし賃をとっていたのだ。 そのため、その夜に飲むビール1 本は冷えたものを、次の日用には冷えてないビールをということだったのである。
この小さな漁港には、まだまだその文化が残っているのだなあ。  この町は、まるでタイムカプセルのようである。 感涙。

いやあ、やはりたまには路地を歩いてみるものだ。

***

急坂を歩いてコテージに戻ると、風呂で汗を流し、海を眺めながらビールで乾杯。

『いやあ、今日も楽しい一日だったね。 乾杯』


ここからは、サンセットをのんびりと楽しむ。











本当に、このコテージは最高だ!

***

2012年5月13日(日) 今日の朝ご飯は、昨日の焼肉の残りの椎茸をつかった、椎茸蕎麦。
刻みネギをたっぷりと入れ、昨日のうちに出汁で味付けしておいた椎茸も大盛りに。 仕上げは、日本海の天婦羅(辛い味付けのさつまあげ)を載せて出来上がり。
『いただきます』 ズルリ、ずるずる。 『おお、美味いなあ』 朝から簡単メニューの出雲蕎麦を堪能した。

コテージの外は、東風が結構吹いている。 『え、今日は高気圧で好い天気なんじゃなかったのか???』 『まあいいか。 まずはウオーキングにいってみよう』

まずは展望台から海を眺め、

昨日とは別の漁港へ歩いて向かう。 この坂は、勾配12%の急勾配。

路地を歩いて海へ。 散策している途中、ワカメを船から揚げているご夫婦が居られたので聞いたところ、この漁港の邪魔にならないところから、カヤックを出しても構わないと言っていただいた。 『ありがとうございます。 じゃあ、後からここに伺います』

ここなら、風裏なので、お散歩ツーリング程度なら楽しめそうだ。 歩いた事で、今日の出艇地を見つけることができた。

***

コテージに戻り、着替えて漁港へ。 二人でタンデムカヤックをクルマから降ろし、海へ。







風裏となる海沿いを、しばしお散歩ツーリング。 いつもながら、海の透明度は抜群で、最高のお散歩気分である。

『いやあ、ほんの1時間程度だけど、今日は漕げてよかったなあ。 海も綺麗だったし、リフレッシュできたよ』


***

コテージに戻り、お風呂で潮抜きして着替え。 今日はチェックアウト時間を1時間延長しているので、余裕がある。
日本海を眺めながら、iphoneで音楽を音楽を流し、ドリップコーヒーをのんびり楽しむ。 最高の一時。
『さあ、そろそろチェックアウトしようか』

帰り道では少し寄り道し、これまで行った事がない温泉へ。 食堂があったので、まずはお昼ご飯。

妻はやまかけ蕎麦、私は青ネギおろし蕎麦。

この食堂では、サービスに漬け物セットを出してくださるのだが、これが激ウマ! 『おー、この漬け物、ほんまに美味いなあ』

食後は、温泉に入る前の腹ごなしも兼ねて、山道をウオーキング。

10%以上はあろうと思われる新緑の美しい激坂を登り、道が途切れたところでUターン。 今日は少し少ないが、1万歩を超えたので、まあ良しとしよう。

温泉は、ちょうど時間が良かったのか、他のお客さんと入れ替わりで貸し切り状態。 浴槽は狭いが、少し温めのお湯で肌触りも良く、しっかりと体が芯から温もる良いお湯だ。
『あー、気持ちえかったなあ。 ここは食事もおいしいし、ウオーキングにもピッタリだし、温泉も気に入った。 ええとこ見つかったなあ。 また来よう』

***

呉に戻る途中、少し小腹が空いたので、久礼竹さんへ。

ざる蕎麦を二つ注文。 以前訪れた時はお昼時で人が多かったので、かなり待ったのだが、今日は3時過ぎということで他のお客さんは居らず、さっと蕎麦が湯掻かれた。
『はい、お待ちどうさま』

妻はこの盛りを見て眼が点に。 私も、小腹が空いたので、蕎麦を軽くたぐって帰ろうと思っていたのだが、以前来た時に量が多かったことを完全に忘れていた。

おいしい蕎麦を食べていると、ご主人が『よければ、これどうぞ』と、ワラビを出してくださった。
『これは茹でてないんです』との事で、茹でずにアクを抜く調理方法を教えてくださった。 『へえ、確かにこれって、いつも茹でて食べるのとは、まったく食感が違いますね。 シャキシャキしておいしいです』

これを切っ掛けに、ご主人と奥さんから、蕎麦や出汁へのこだわりや、そばとうどんの様々な違い、食べ歩いている蕎麦店でのエピソード、ここの水の良さなどなどについて伺うことができた。
興味深く、楽しい一時。 時間があれば、ブログに記録しておきたい様な話題が沢山あったのだが、今日はもう疲れたのでまたの機会に。
『ごちそうさまでした。 ワラビも美味かったです』

***

土曜日のお昼ご飯、日曜日の朝食、昼飯、そして3時のおやつと、蕎麦三昧の旅。
蕎麦を楽しみ、日本海の景色を楽しみ、妻とのウオーキングを楽しみ、カヤックツーリングと温泉を楽しんだ。 またまた最高の休日であった。
さて、来週末はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: 歩く漕ぐ観る_牛窓連泊キャンプツーリング

2012年05月06日 | 旅するシーカヤック
いよいよゴールデンウイーク後半。 さあ、どこ行こうかな?

今回は、昨年秋にポイント5を手放して手に入れたタンデムのリクリエーショナルカヤックをアテンザワゴンに積んで、妻と2泊3日のキャンプツーリングに行く予定である。 前日の午後、キャンプ道具とカヤック道具を準備し、いつものようにMacBookProを開いて天気予報をチェック。

『うーん、島根半島は残念ながら雨の予報』 『しまなみ海道でもいいけど、連休前半に行ったばかりだし』 『お、ここは少し風が強い予報だけど、なんとか漕げそうな感じやなあ。 うん、今回はここにしようか!』

***

2012年5月3日(木) 朝6時に家を出て、クルマの多い山陽自動車道を東へ。

フェリーで10分ほどの狭い海峡を渡ると、キャンプ場のある島に到着。 浜からシーカヤックが出せることに加え、妻が一緒なので、そこそこ施設が充実していて、しかも人が多い場所が苦手な私にとって重要なそれほど混雑しない場所として、ここを選定。
今回は、牛窓の前島にあるサンビーチ前島にベースキャンプを設け、2泊3日で牛窓周辺を、歩く漕ぐ観るでたっぷりと堪能しようという計画である。

フェリー乗り場で手続きを済ませ、キャンプ場へ。

クルマを止めると、眼の前に見覚えのある人物が。。。

『おー、井出っちや!』 そう、私が参加させていただいていた初期の瀬戸内カヤック横断隊員の一人である愛媛のプロガイド、井出君である。
挨拶を交わし、ここにキャンプして遊ぶ計画であることを話す。 聞いてみると、この日は前島でのツーリングが盛況なので、四国からわざわざ応援に駆けつけたとの事。
しばし旧交を温め、思わぬ再会に嬉しい一時。

ツアー準備が始まったので、『いやあ、久し振りに会えて嬉しかったよ。 それじゃあ、また!』

***

少し風はあるものの、晴れ間も覗きそうな気配。 なんとか海に漕ぎ出せそうだ。

今日は、このタンダムカヤックの進水式。 バウをマッコリで清め、今後の航海の安全を祈願。 『ようし、行くか』

井出君達のカヤックツアーは、黄島を一周すると言っていたので、邪魔をしないように、私たちは青島を目指す。

徐々に青空も広がり、なかなか快適なパドリング。 『うん、なかなか気持ちええのう』

青島の手前でしばし休憩し、そこから反時計回りに青島を一周。
このタンデムカヤックは、以前所有していた『ポイント5』と違ってリクリエーショナルカヤックなので、荒れた海に漕ぎ出すことはできないが、安定性と居住性が良く、パドリングタッチも軽くてそこそこスピードも出るので、妻や友人達と気軽なショートツーリングに出掛けるには良い舟である。
そしてなにより全長が短いので、カートップしてツーリングに行く時に、いちいち積載許可申請をしなくて良いのが最大のメリット。

申請が煩わしくて、ポイント5はここ数年、カヤックラックの重石になっていたのである。 これで、今年は妻とのツーリングが再開できる。 嬉しいな。

青島を一周し、キャンプ場に戻る途中、黄島の北を越える頃からそらは再びドンヨリと曇り、西風が強くなってきた。

『よっしゃ、ここから少し真面目に漕ごうか』

アークティックウインドの強みを活かし、向い風の中をグイグイと進むタンデムカヤック。 しばし波と戯れ、1時間半ほどのツーリングを楽しんで、無事にキャンプ場に戻ってきた。
『二人で漕ぐん、久し振りやったなあ』 『うん、前半は空もきれいやったし、楽しかったね』

***

カヤックを浜に上げ、濡れものを干し、温水シャワーを浴びて着替えると、キャンプ道具をセット。

今回は、久し振りに『コールマンのスチールベルト』と『ガタバウトチェア』を引っ張り出してきた。 約20年ほど前、まだ小さかった子供達を連れ、家族でキャンプを楽しんでいた頃に愛用していた品々。
当時は、モンベルのムーンライト6型のテントに、スノーピークのウイングタープ、コールマンのシングルマントルランタンとスチールベルトのクーラーボックス、そしてマクラーレンのガタバウトチェアが我が家の定番。 ボンゴワゴンにこれらの道具を積んで、海や山、川でキャンプを楽しんだものだ。

今日のお昼ご飯は、ホットサンド。 風が強いので、カセットコンロは諦め、風に強いストームクッカーでホットサンド作り。

ビールを飲みながら、出来立てホカホカのホットサンドを頬張る。 『うん、ビールも美味いし、ホットサンドも最高や!』

***

『ごちそうさまでした』 食事を終え、コーヒーをゆっくりと楽しむと、最近続けている妻とのウオーキングを兼ねて、前島の散策へ。

高台から見ると、風が強くなっている事が良く分かる。 『うん、良いタイミングでツーリングを楽しんだなあ』

少し早足で、アップダウンのある道を、西へ。

黒島が眼の前に見える場所に到着。

しばし、眺めの良い景色を堪能。

『風次第だけど、明日はこっち方面に漕ぎに来ようか』


少し大回りになるが、ここから前島のフェリー乗り場側を廻って戻る事に。

牡蠣殻を積上げて作られた畑。 カルシウムを利用しているのかな?

海の景色を眺め、藤の花を愛で、新緑を楽しみ、離島らしい散策を堪能。


***

ウオーキングの途中、喫茶店を発見。 『喉も乾いたし、ちょっと入ってみようか』
ドアを開け、中を覗いてみるが人は居ない。 『こんにちは』と声を掛けてみたが、誰も出てくる気配がない。『残念、だれも居ってんないような感じやな。 ほな行こか』とドアから出ようとした時、奥のテーブルの辺りが動いた。

『犬か?』と身構えると、『あー、ごめんな。 少し横になっとった』とおばちゃんが起き上がってきた。 『気温もちょうどええし、昼寝には最高ですよね』と、笑いながら私が言うと、『ほんま、気持ちよかったよ』

『ちょっと何か飲みたいんじゃけど、大丈夫ですか?』 『飲み物しかやっとらんけど。 それでええ?』 『はい、じゃあ、カフェオレとアイスティーお願いします』

注文の品を作っていただいている間、『どっから来たん?』 『はい、広島の呉です。 今日は、サンビーチにキャンプしてシーカヤックを漕いで、それから島を歩いて廻ってるんですよ。 喉が渇いたところに、ちょうど喫茶店があったから寄ってみました』
『そうね。 シーカヤック。 海を漕いで優雅な遊びじゃねえ』 『いやあ、そげなこたあないですよ。 潮にまみれ、汗にまみれて遊んでます』

『この島は、やっぱり海水浴シーズンが賑わうんですか?』 『そう。 でも今は人は減ったね。 バブルの前までは凄かったんよ』
『バブルの頃は、この狭い島に自家用車やバスでどんどん人が来て渋滞』 『ここは道が狭いから大変じゃったでしょう』

『そうなんよ。 休みが終わって帰る日には、フェリー乗り場からクルマの列がずらーっと並んで、私ら用事があって島から出よう思うても、いつ出られるんじゃろうかいう感じで、そりゃあ大変じゃった』 『この店もね、お客さんが大勢来て、朝から晩まで、そりゃあ忙しかったよ。 昼は喫茶店、夜はスナックもしよったし、時にはお客さんにも手伝うてもろうてやりよったねえ』

***

『前島は、昔に比べて変わりましたか?』 『そりゃあ大違い』

『わたしゃあ、前島で生まれ育ったんじゃけど、子供の頃には電気もガスも水道もなかったよ』 『そのころは、水いうたら井戸で汲んで運びよったし、ガスはもちろんないから、松の枯れ枝を集めて炊事に使いよった』 『風呂焚き? そんなもんに松の枯れ枝を使うのはもったいないから、浜に流れ着いた木を集めて風呂焚きに使いよったねえ』 『百姓仕事やから野菜はあった。 肉はほとんど食べんかったけど、親は漁師じゃったから、メバルやなんや、魚は食べよったね』

『小さい頃から百姓仕事でいっぱい働いて大変じゃったねえ。 仕事が終わったら、まず海に飛び込んで汗と汚れを落としてから、風呂に入りよったもんよ』 『ほんま、一杯働いたわ。 でもそのお陰で今でも体は元気。 遅かれ早かれ苦労はするんじゃから、苦労は早いうちにしとった方がええよ。 お兄さんらも、優雅にカヌーで遊んどらんと、早いうちに苦労しとかんと』 『いやあ、ほうですねえ』と苦笑い。

『前島には学校がなかったから、牛窓に通いよったよ。 じゃから、台風の時なんか前島の子は早う帰れいうて言われて、牛窓の子らには羨ましがられた。 でもね、ほんまはええ事はないんよ。 その分、勉強せんだけじゃけえね』と笑う。

『昔はね、夏になると舟の後ろにロープを延ばしてもろうて、それに掴まって沖の方まで連れて行ってもらいよった』 『そして、ここからなら戻れる思うところでロープを話して泳いで帰るんよ』
『楽しかったですか?』 『そりゃあ楽しかったよ。 昔は、そんなことしか楽しみいうてもなかったからねえ』

その後も、カフェオレとアイスティーをいただきながら、趣味だと言う本格的な画や生け花の話や息子さん達の話を伺い、昔の写真、最近の写真を拝見。
バイタリティとユーモアに溢れたおばちゃんの半生記を、時には感心し、時には三人で大笑いしながら楽しんだ。

『ごちそうさまでした。 いやあ、偶然立ち寄ったんですが、面白い話を聞かせてもろうて、とても楽しかったです』
『私も楽しかったよ。 またこっちに来たら寄りんさい』 『はい、また是非来ます!』

***

『いやあ、ほんま楽しかったなあ。 それにあの画と生け花には感心したね』と妻と話しながらキャンプ場へ戻る。

夕方には風も止み、夕食の準備。

今日のメインは、『里山コンロ』でタケノコ、しいたけ、キャベツにピーマンの炭火焼。 冷えたビールを飲みながら、瀬戸内の夕暮れを楽しみ、炭火焼でお腹を満たす。


夜は静かなキャンプ場。 なかなか良い雰囲気である。 『楽しい一日だったなあ。 おやすみなさい』


***

2012年5月4日(金) キャンプ二日目の朝。 朝から強い風が吹いている。 天気予報をチェックしても、夕方まで風は落ちそうにない。
ということで、今日の予定は、牛窓散策して、夕方に風が落ちればカヤックを楽しむ事にしよう。

簡単な朝食を済ませ、朝のコーヒーをゆっくりと楽しむ。

『さあ、そろそろ出掛けるか』

強風の中、クルマはキャンプ場に置いたまま、空のソフトクーラーを担いで、まずはフェリー乗り場へ。 歩くこと30分程でフェリー乗り場に到着し、そのままフェリーで牛窓へ。


ここからは、牛窓散策。

古い町並みを歩く。

狭い道路は、鞆の浦にも似た雰囲気。

造船所が立ち並ぶ通り。

風は強いが晴れ間が覗いている。 空気は澄んで、空の青さと雲の白さのコントラストが美しい。

観光センターの人には、歩いて行くのは大変だと言われた牛窓海水浴場に到着。 『えー、ぜんぜん大変じゃないじゃん。 近いもんだ』

眼の前に広がる抜けの良い景色をしばし堪能。

なるほど、ここは出艇地に良さそうだ。


ここから反時計回りのコースを歩き、牛窓のメインストリートに戻ってきた。

コンビニで今日のビールを買い出しし、中光商店で地元のおいしい『かまぼこ』を購入。

しばし散策し、フェリーで前島に戻ってきた。

***


前島のターミナルで、大きく立派なキャベツを売っていたので、家用に購入。

ビールがタップリ入ったクーラーバッグを肩に掛け、片手にはキャベツ、片手には中光商店のかまぼこという、奇妙な出で立ちで、再びキャンプ場まで30分のウオーキング。 これで本日は、午前中だけで2万歩超え。 『ああ、今日もタップリ歩いたな。 後は風が落ちるのを待つだけだ』

キャンプ場には、シーカヤックを積んだクルマが一台停まっていた。 同じシーカヤッカーどうし、せっかくなので挨拶に伺い、しばし四方山話。
伺ってみると、岡山市内の方で、ここは近いので良く来ておられるとの事。 今日はお子さん達とキャンプ&シーカヤックを楽しまれるご様子。

風が落ちないので、まずはお昼ご飯。

今日は、蕎麦とかまぼこ、そしてビール。 『お、このかまぼこ、本当に旨いねえ』

夕方。 ようやく少し風が落ちたので、カヤックを海に浮かべた。 『ようし、ちょっと黒島方面に行ってみようか』

快適なパドリング。 小豆島を眺め、屋島を遠望し、海岸洞窟を眺め、黒島に渡る直前の岬まで漕ぎすすんだ。 が、ここまで来ると、強い北西の風が回り込んでくる。

嫌な風の吹き方なので、ここから引き返す事に。

再び強くなってきた風に押されつつ、キャンプ場へ。

明日は、早朝にここを発つ予定なので、カヤックの潮抜きをしてカートップ。 温水シャワーを浴びて着替え、二日目の晩ご飯。

夜は、満月に近いきれいな月に照らされ、なかなか良い雰囲気の浜であった。


***

2012年5月5日(土) 牛窓連泊ツーリング最終日。 今日は、犬島を散策する予定。
いつものように朝5時に起床し、シュラフやテント、道具を片付け、6時前にキャンプ場を出発。

定期船の出る宝伝に向かう途中、朝の美しい景色に出会う。


宝伝港まで行くが、駐車場の場所が分からない。 クルマを停め、近くで作業されていた方に駐車場の場所を教えていただいた。
『ありがとうございます。 じゃあ、行ってみます。 ところで、これ、海苔ですか?』 『そう。 青海苔。 今日から解禁なんよ』

『量は少ないんじゃけど、品質がええけえ、単価は高いよ』 『なるほど』

『あんたらどっから来たん?』 『広島の呉です。 今朝まで牛窓の前島にキャンプして、遊んでたんです。 今日は、犬島を観光しようと思うて』
『まさかあのカヌーで渡るん?』 私は笑いながら『いいえ、今日は定期船で渡ります』 『ほんま、ありがとうございました。 駐車場、行ってみます』

教えていただいた駐車場にクルマを停め、料金を支払うと、船の時間まで余裕があるので、しばし散策。 『せっかくやから、宝伝海水浴場へ行ってみよう。 出艇場所の下見もしたいし』

宝伝海水浴場からは、犬島は目の前。 駐車場もあるし、今度はここから犬島に渡ってみるとしよう。 『次回は、ここからタンデム艇で渡ってみようや』

港に戻る途中、海苔のお兄さんに再び会った。
『さっきはどうも、ありがとうございました』 『おお、これ、少しバクってやってみる?』
『え、いいんですか?』 『このままじゃあ海水じゃけ、あっちの水道水で洗うて食べてみんさい』

『ありがとうございます』

『この海苔は、乾燥させたらええ香りが出る。 生のままじゃと、香りは薄いがの』 水洗いした生の海苔を、妻と二人で試食させていただいた。
生まれて初めての生海苔の試食。 『なるほど、確かに香りは微かですね。 でも良い海の香りです。 ありがとうございました』

港に向かいながら妻と、『あの人、見た目はゴッツイけど、ほんまええヒトやね』


***

8時の船で家島へ。

早朝だというのにさすがゴールデンウイーク、船は満席である。

9時から見学できるという、製錬所跡の見学チケットを購入し、時間までしばし島を散策。


9時。 製錬所跡見学の一番乗りである。















私は犬島訪問は2回目(前回はカヤックで訪問)、妻は初めてであるが、製錬所跡の見学は二人とも初めてである。 廃墟見学は、なかなか興味深いものであった。

***

見学後は、センターハウスのカフェで少し早めのお昼ご飯。

せっかくなので、地元の食材を使っているというお弁当、祭りずしを注文。

『おお、この酢漬けの”ままかり”、美味しいね』

『ごちそうさまでした』 食後は、船の時間まで再び島を散策。



きれいな庭。

離島の心地良い木陰。

塗り直されたばかりの櫓。

老人と靴。


犬島を後にする頃には、穏やかだった瀬戸内海に再び強い風が吹き始めた。

『荒れてきたね。 今日は、カヤックで渡らなくて正解だったなあ。 でも次回はぜひ、カヤックで一緒に渡ってみようや』

***


風は強かったものの、なんとか二日間カヤックツーリングを楽しむことができ、日々のウオーキングもたっぷり堪能し、喫茶店のおばちゃんの半生記&かつての前島の貴重なお話を伺うことができた。

やはりシーカヤックの旅はキャンプツーリング。 一泊二日のツーリングは、日帰りツーリングの何倍も楽しいが、連泊ツーリングになると、さらに楽しさが倍増する。
訪れた地をじっくりと堪能することができ、たっぷりと時間を贅沢に使ってのんびりまったり地元を味わい尽くせる感じが、連泊ツーリングの醍醐味。
これで、また一つ旅の想い出が増えたなあ。

息子二人が成人となった子離れ夫婦の、『歩く、漕ぐ、観る』旅。 最高のゴールデンウイークだ。

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瀬戸内シーカヤック日記: お気に入りの生名島_雨のキャンプツーリング&ウオーキング

2012年05月01日 | 旅するシーカヤック
2012年4月30日(月) この連休は、五さんとお気に入りの生名島でご一緒する予定だったのだが、急遽都合が悪くなったとのことで、予定を一日前倒しし、一人でしまなみ海道へ行く事にした。
予定では、今日は大三島でキャンプし、雨の瀬戸内を眺めながらビールを飲み、晴れになる予報の明日は生名島で漕ぐつもりであった。

雨の中、忠海からフェリーで大三島へ。

いつもの海水浴場に到着。

しばらく様子を見ていたが、北から北東の風は強く、雨脚は弱くなる様子を見せない。 クルマから降りて、しばし散策してみたが、直前までバイクでキャンプしていたグループが残していったらしきゴミも放置してあり、あまり気分も良くない。 『うん、今日はあまり気が乗らないな』

ケータイを取り出し、いつもお世話になっている管理人さんに、予定変更への対応可能性を打診。 すると、『いいですよ』と、うれしい返事が帰ってきた。
『ありがとうございます』 という訳で、今日の夜はお気に入りの生名島泊となった。

予定が決まると心も安心するので余裕ができ、傘をさして大三島の海水浴場周辺をウオーキング。 適度に汗をかいた後は、マーレグラッシアへ。

潮湯にゆっくりつかって、日頃の疲れを癒し、サウナで汗を流し、水風呂でサッパリ。

じゃあ、生名島へ行くとするか。

***

夕方少し前、生名島のいつものキャンプ場へ到着。

未だ、雨は降り続き、風もピューッと吹き抜ける。 いつものように手続きを済ませ、管理人さんとしばし四方山話。

ベンチの位置がいつもと変わっており、少し早いがそこで夕食をいただくことにした。

見晴らしの良いベンチにキッチンをセットし、まずは、エビスビールで一人乾杯。
お気に入りのカップにトクトクトクトク。 すると泡がシュワワワワー。 『おー、これはこれは。 いただきまーす』 グビーリ、グビグビ。 『ああ、外で飲むビールは、ほんまに美味しいな!』

今日は、差し入れの地元産『茹でタケノコ』と『タケノコの佃煮』がビールのつまみである。 『うーん、こりゃあ旨いわ』

茹でタケノコを酢味噌でいただくと、これがビールのつまみにピッタリなのである。

タケノコの佃煮も、これまたビールに合うんだなあ。

今日のメインは、肉味噌仕立てトマト風味のうどんである。 これに、大三島産の新鮮レタスをタップリ入れて、ズルリといただく。

これまた、たまらんなあ!

大三島で買ってきた島豆腐。 瀬戸内の様々な島では、地元のお店で豆腐を作って売っているが、沖縄の島豆腐同様、少し固めで味がしっかりしていて美味しいのである。

それぞれの島で味わう『島豆腐の味』は、瀬戸内キャンプツーリングの楽しみの一つ。

島豆腐は、もちろん冷や奴でもいただくが、今日は肉味噌仕立てトマト風味のソースが残ったので、『なんちゃってマーボドーフ風』でもいただいた。


食事の後は、少し小雨になったので、しばしウオーキング。

最近、とある事情からウオーキングに嵌っており、休日はもとより、平日でも仕事から帰った後に、妻と二人で夜のウオーキングを楽しんでいる。
少ない時で1万歩ちょっと、多い時では2万歩越えのペースで楽しんでいる。


お気に入りの島の、お気に入りのキャンプ場。 今日は雨と風でシーカヤックもサイクリングも楽しめなかったが、お気に入りの景色を眺めながらのおいしい夕食と、食後のウオーキングでたっぷりと『しまなみのゴールデンウイーク』を堪能することができた。

***

2012年5月1日(火) 朝起きると、まずは朝食の準備。
今朝は、パパッとライスの半分と、最近お気に入りとなった天野フーズのフリーズドライシリーズから親子丼、そしてインスタントの麦味噌汁の朝食である。

『ごちそうさまでした』 食後は、おいしいコーヒーを楽しみ、のんびりまったりの島時間。

少し風はあるが、雨は大丈夫そうだ。 今日は漕ぐとしようか。
今日は曇り空で風もあるので、のんびりまったりツーリングの気分でもないなあ。 最近のパターンとして、岩城島一周や生名島一周が続いていることだし、久し振りに、赤穂根島の南端にでも行ってみようかな。

いつものようにシーカヤックを浜に降ろし、安全装備とドリンクをセットして準備完了。


このゴールデンウイーク初漕ぎである。

今日は気温も少し高いので、アンダーウエアは着ているものの、Tシャツ&短パン姿での漕ぎである。 『ついこの前までドライスーツで漕いでいたのに。 ああ、夏も近いなあ』


場所によっては時折強い東風が吹き抜けるなか、ウイルダネスシステムズのケープホーンで南下する。

生名島を越え、赤穂根島へ。 島の西岸を漕ぎ進む。

自然海岸が続く気持ち良い海を漕ぎ、しばらく南下すると、赤穂根島の南岸に出て、津波島(つばしま)が眼の前に。 『ようし、ここまで丁度1時間。 そろそろ引き返すとしよう』

バウを回し、ここから北上。

生名橋を眺めながらのパドリング。 結局今朝は、往復2時間ほどの朝のお散歩ツーリングとなった。


***

シーカヤックと道具の潮抜きをし、アテンザワゴンで弓削島方面へ。
生名橋の入口にクルマを停め、ここから生名橋往復のウオーキング。

東から北東の風が吹き抜ける中、今朝漕いだばかりの海域を眺めつつ、気持ち良い歩きを楽しんだ。


クルマに戻り、フェスパへ移動。 フェスパの駐車場にクルマを停め、ここから再び弓削島散策を堪能した。
松原を歩き、住宅街を抜け、商船高専の横を通って、再びフェスパへ。 これで、今日は午前中だけでほぼ一万歩。 『うん、なかなかいいペースじゃないか』

その後、フェスパで潮を抜き、体の疲れを癒し、サウナで汗を絞り出した。 『あー、ほんまに気持ちええなあ!』

連休後半は、天気も回復しそうな予報。 さて、後半はどんな旅が待っているのだろうか? 楽しみだ!

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