あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: バイク&カヤック、ダブルヘッダーしまなみキャンプツーリング

2011年06月26日 | 旅するシーカヤック
2011年6月25日(土) MTBとシーカヤックを積んだアテンザワゴンは、東広島へと向かう。 この週末最初のプログラムは、職場の同僚であるトルコ人との自転車ツーリング。 彼が最近購入した自転車。 今回が初のツーリングである。

天気は良いが少し風もあって、最高の自転車日和。 『さあ、出発しようか!』
今日の目的地は、中央森林公園。 さて、どんなツーリングになるんだろうか。 楽しみだ。

順調に漕ぎ進み、河内IC近くのコンビニで休憩。 『ここから登りが続くんだ。 しっかり休んでガンバロウ』

ネットで調べた情報では、ここから広島空港までは約3.6km、標高差は約140mのきつい登坂。
延々と続く登り坂。 低いギアで、えっちらおっちら、マシンと化してひたすらペダルを踏み続ける。 全身から汗が噴き出す。
普段から自転車を漕いでいる本物のサイクリストにとっては、たいした事のない登り坂かもしれないが、普段はアップダウンのない海抜0メートルで遊んでいる私にとっては、まるで延々と続く瀬戸大橋下の逆潮状態。 『いやあ、これはキツいなあ』

途中で小休憩し、なんとか空港まで辿り着いた。 空港のコンビニで昼食と飲み物を購入し、中央森林公園へ。
 
公園に着いてからも、最後の展望広場までの登りがきつかったが、なんとか無事に目的地に到着!!! 『うーん、いい眺めじゃないか』
 
眼の前に広がる景色を眺めながら、お昼ご飯を食べ、しばし休憩。 天気は最高で、ここは風通しもよく、本当に気持ち良い。

帰りは、苦労した登りとは打って変わって、スピードを楽しめる快適な走行。 最後の数キロのアップダウンでヘトヘトになりながらも、なんとか30kmのツーリングを無事に終えることができた。 『いやあ、あの登りはキツかったけど、なかなか良いツーリングだったね』
彼の家で、ちょっと休憩させてもらう。 紅茶をいただきながら、彼と奥さんとしばし談笑。

14時半。 『今日は夕方、しまなみ海道に行ってシーカヤックを漕ぐんだ。 それからキャンプして、明日の朝も漕ぐ予定。 じゃあそろそろ出発するよ』
『今度機会があったら、私もカヤックに乗せてください』 『いいよ。 ぜひ一緒に漕ごう』

***

高速道路を走り、お気に入りの生名島へ。
 
管理人さんに挨拶し、キャンプの手続き。 『今日は昼に友人と東広島で自転車を30kmほど漕いできたんです。 それで少し遅くなりました』
『じゃあ、今からちょっと海を漕いできます』 『元気ですねえ。 では気をつけて』
 
シーカヤックを降ろし、海へ。 天気は最高! 完璧なシーカヤック日和である。
 
でも今日は、シーカヤックより先にやることがある。 海へ! ドボーン!
そう、今年初海水浴だ。 自転車で汗をかいたが、シャワーも浴びていなかったので、海に浸かるとなんとも気持ち良い。 うーん、夏が来たなあ!
 
午後4時半。 さあ、漕ぐとするか。 今日は時間も遅いので、いつものお散歩ツーリングコース。 平内島の浜では、ちいさな船で遊びにきている人達が。
『こんにちは。 泳ぎの練習ですか?』 『ほうよ。 孫を連れてきて、泳ぐ練習をさせよる』 『今日は暑いから気持ち良いですね』
 
亀島を回り、鶴島へ。 小さな浜に上陸し、しばし休憩。
 
鶴島をグルリと回ると、龍神様にお参りし、キャンプ場の浜へと戻る。
午後5時半。 シーカヤックを引き揚げ、再び海水浴を楽しみ、シャワーを浴びて着替える。
***
弓削へ夕食を買い出しに行き、潮抜きをするためフェスパへ。 海を眺めながらゆっくりお湯に浸かり、自転車とカヤックの疲れを癒す。
午後8時。 キャンプ場に戻り、いつもよりかなり遅い夕食。

最初の一本は、定番のエビスビール。 プルタブをプシュッ。 コップにトクトクトクトク。 すると泡が、シュワシュワシュワワワー。
この泡を見ているだけで、喉が鳴る。 では、今日一日お疲れさまでした!
『ゴク、ゴク、ゴクリ』 『プハーッ』 うん、美味い!
最高の天気の中、気の合う友人と自転車を漕ぎ、その後はお気に入りの生名島でシーカヤックを漕ぎ、海水浴も楽しみ、お風呂で疲れを癒した後の冷えたビール。
これで美味くない訳がない。 最高!

***

夜中に雨音で一度目が覚めたが、さすがに疲れが残っているのかすぐにまた寝入ってしまった。 次に目が覚めたのは、いつもの起床時間である5時。
パラパラと少し雨音が。 目覚めのコーヒーを飲み、朝食のパンを食べていると雨も上がり、少し青空も見えてきた。

ようし、ちょっと散歩して来るか。

準備をしていると、浜におじいさんが散歩にこられた。 『おはようございます』と挨拶すると、『おはよう。 あんたはどこから来よるん?』
『はい、呉からです。 ここへは年に何度も漕ぎに来るんですよ』 『うん、知っとる。 あのクルマでこれを積んで来とるのをよう見るわ』
『あ、そうでしたか。 ここは岩城や弓削へもカヤックで行けるし、キャンプ場もあるし、気に入ってるんです』 『なるほど。 ここは浜があるしええよな。 じゃあ、気をつけて』
 
如何にも瀬戸内らしい、箱庭の様な穏やかな海へ漕ぎ出した。
 
あちらの岩を回り、造船所を眺め、こんどはこちらの島へ。 朝の海の散歩は、本当に気持ち良い。

約1時間ほどのお散歩ツーリング。 シーカヤックを洗い、道具も潮抜き。 シャワーを浴びて着替える。
『どうもありがとうございました。 また遊びに来ます』 管理人さんに挨拶し、キャンプ場を後にした。

***

帰りは竹原に立ち寄り、久し振りにお気に入りのラーメン屋さん、『太華園』さんへ。
駐車場にクルマを入れていると、店のご主人がちょうど暖簾を出され、開店。 グッドタイミング。

いつものように、カウンターの端っこに陣取り、中華そばを食べていると、ちょうど手の空いたご主人が眼の前に。 

『今日はこれから海ですか?』 以前、シーカヤックをカートップしたアテンザで来た時に、シーカヤックのお話をした事を思い出した。
『いいえ。 今日は帰りなんです。 昨日は昼に東広島で自転車を漕いで、夕方からしまなみ海道へ行って海を漕いだんですよ』
『そして夜はキャンプ場で泊まって、今朝もまた漕いで来たんです。 だから今日は、ここに11時頃着くように向こうを出発したんですよ』 『あ、そうですか。 それはありがとうございます』

『ところで、お仕事は何を?』 あ、この質問。 また聞かれたなあ。
いろいろな所で知り合った人とシーカヤックの話をしていると、不思議な事に『ところで仕事は何ですか?』とよく聞かれるのである。
以前、下関に遊びに行った時、エクストリームNさんに連れて行ってもらった2次会の飲み屋では、席に着いてくれた若いおねえさんに、『呉で漁師をしよる。 鰆漁やらなんやらしよるんや』と、ホラを吹いたこともある。 また別の飲みの場では、『海上自衛隊です。 潜水艦に乗ってます』とこれまた冗談で言った事があるのだが、いずれも全く疑われる事はなかった。
でも今日は、そんな場ではないので、『仕事ですか。 いやあ、普通のサラリーマンなんですよ。 だから海は土日だけです』

『いつも一人なんですか?』 『ええ。 たまに友人と漕ぐこともありますが、ほとんど一人ですね。 それに昔は家族で海に出ていた事もあるんですが、もう子供も大きくなったし。 だから普段は、年間50日くらい海に出てフラフラと遊んでいるんです』
『一人で寂しくないですか?』 『いいえ。 ぜんぜん寂しくないですねえ。 一人だと、行きたい時に海に行けるし、思うように漕げるし、もう帰ろうと思えば帰れるし、気楽で良いですよ』

『そうですよね。 私はバイクに乗るんですが、やっぱり一人が気楽でいいです。 人からは、仲間で行こうと誘われるんですが、一人だと思い付いた時にフラリと出掛けられるし、どこに行くか相談しなくていいし』 『そうそう。 私も全く一緒です』

そうか、なんだか同じ様な匂いがすると思った。
おいしいラーメンを汁まで飲み干し、『ごちそうさまでした。 また来ます』 『はい、では気をつけて』

家に着く頃には、雨もそこそこの本降りとなり、今回も最高のタイミングで漕ぎを楽しむことができた。 いやあ、いつもラッキーだなあ。

***

梅雨明けを思わせる最高の天気に恵まれた、バイク&カヤックのダブルヘッダー。
これで今年はようやく10漕ぎ目。 半年の引き蘢り生活があったので、いつものように年間50日は無理だが、このペースならそこそこ楽しめそうだ!

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瀬戸内シーカヤック日記: 今年も『生ちりめん丼』の季節がやってきた!

2011年06月18日 | 旅するシーカヤック
2011年6月18日(土) 11時前、倉橋島の温泉館に到着。 今年もここの名物、『生ちりめん(しらす)』の季節がやって来たのである。
 
6月に始まる、ちりめん漁。 ここ温泉館のレストランでは、6月半ばくらいから、生ちりめん丼を始めとする生ちりめん料理が供されるようになる。
 
***
11時の開店を待って店に入り、予約しておいた席に案内された。
今日は、生ちりめん定食と、生ちりめん丼、そして柳川を注文。
 
まずは、出来立てアツアツの柳川が運ばれてきた。 『うーん、美味そうだ!』 『すみません。 ビール、アサヒでお願いします』
今日は帰りのドライバーが居るので、安心して昼からグビリと飲ることができるのだ。 いやあ、うれしいな。
 
ちりめんの柳川をいただきながら、ビールをグビリ。 『うーん、美味い!』
妻には、生ちりめん定食。 私は生ちりめん丼。
 
生ちりめんの刺身。 これを待っていたんだねえ。

生ちりめんと大根おろしの和え物。 うーん、あっさりしていておいしいな。

ちりめんのつくね揚げ。 おお、これは! 塩をパラリと振って口に入れると、アツアツ、フワフワの食感がなんとも堪らん。
塩味がとても合う。

しらすの茶碗蒸しもおいしいね。

そしてなにより本命の、生ちりめん丼。 白くて透明な生ちりめんに、玉子の黄身のコントラストが美しい。
醤油をタラリと落とし、混ぜて口に運ぶと、刺身とはまた違ったまったり濃厚な感じがなんとも旨い。

ビールをグビリ。 『あー、ええ休日や』
***
『ごちそうさまでした』 食後は温泉へ。 気持ちのよいお湯に浸かり、雨降る海沿いの景色を眺めながら、のんびりまったり。
 
うん、今年も楽しみにしていた生ちりめんの季節がやって来た!

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瀬戸内シーカヤック日記: ちょっとだけ贅沢気分の島根半島快適ツーリング

2011年06月12日 | 旅するシーカヤック
2011年6月11日(土) ウィルダネスシステムズのケープホーンを積んだアテンザは、雨の瀬戸内を後にして、北へと向かう。 この週末の目的地は、この時期に毎年訪れるお気に入りのスポット、島根半島。

週末が近付くと、天気予報をチェックするのが日課となるが、この週末はどうやら雨となる模様。 じゃあ天気図は? お、もしかして、これなら行けるんじゃあないか。 と言う訳で、週末の目的地は島根半島に決定!

中国山地を越え、松江に入ってもまだ雨が降り続いている。 うーん、さすがに晴れは期待できないか。 まあいいや、小雨ならスカノラックを来て漕ぎ出す事にしよう。

まだまだ北上し、野波を越えて小波、多古へと近付くと雨も上がり、次第に青空が広がってきた。 『うん、読みはバッチリ! 良い感じじゃあないか。 まだまだ嗅覚は生きているようだ』
***
いつも出艇場所として使わせていただいている小さな港へ。 そこに居られた方に『すみません。 クルマ、ここにしばらく停めさせていただいていいですか?』と断りをいれる。

『ああ、ええよ』 『毎年この時期にはここに漕ぎに来るんです。 今日も、七つ穴へ行こうと思って』
『そうか。 でも今日は、雨の後やから、洞窟には入らん方がええ』 『え、そうなんですか?』

『あそこは、石と泥が混ざった土地や。 特に最近は、松が全部枯れてしもうて、雨が降った後は、根っ子があった穴から水が染み込んでいく。 じゃから、石が落ちて来るかもしれんよ。 気をつけんさい』 『そうなんですか。 知りませんでした。 じゃあ今日は洞窟には入らないように気をつけます』
***
『ところで、いつもはどんな漁をされよるんですか?』 『わしか。 潜りじゃ』 『じゃあ、サザエにアワビ。 ワカメはどうですか?』 『ワカメは後の手間がかかる。 サザエやアワビは漁協に出せばそれで終りやけど、ワカメは干したりせないかんから、わしはやらん』

『冬も潜られるんですか』 『一年のうち、何ヶ月かはサザエやアワビの禁漁期間があるが、それ以外は潜るよ』 『冬なんか寒いでしょう』 『うん、去年と今年は水温が低かった』

『温暖化なのに、水温は低いんですか?』 『うーん、確かに温暖化もしよる。 夏なんか、見た事が無い様な熱帯魚みたいなんが居るよ。 でも、冬には居らんから、死んでしまうんじゃろうなあ』

『冬は荒れるから、あまり潜られんでしょう』 『そうやね、週に1日か2日位かね』 『じゃあ、アワビも値が上がるんですか?』 『いいや、変わらんよ。 でもまあ、贅沢もできんが、それなりに暮らしよるわい』 『それがええですね。 こんな景色がええとこで、おいしい魚食べて、ええじゃないですか』
***
『十何年前にここに来たとき、地元の方がアメフラシを獲られよりました。 食べるんじゃいうて言われよりましたが、ありゃあ、どうやって食べるんですか?』 『あれは、まず内蔵を出して、それから二回ほど茹でて、薄くスライスして酢味噌で食べる』 『時期はいつ頃がええんですか?』 『そうじゃなあ、今はもうだいぶ大きくなっとるから、まあ春先じゃなあ。 酢味噌に木ノ芽を加えて食べたらええよ』

『ところで、小波のところに「日本海」いう飲み屋さんがありましたが、もうやめてしもうたんですか』 『そうよ。 もう店は閉めた。 あこは、わしと同い年の知り合いがやっとったんよ。 よう知っとるから、うちのも忙しい時には手伝いに行きよった』 『そうなんですか。 それは残念ですね。 じゃあ、ちょっと漕いできます』

雨の後の七つ穴の危険性、サザエとアワビ漁の事、アメフラシの食べ方、そして気になっていたスナック『日本海』の情報など、なかなか貴重な情報を入手することができた。

久し振りの日本海。 今日は風も弱く、穏やかな海。 さて、出発するとしようか!
 
毎年訪れるお気に入りのエリア。 雨の後の澄んだ空気の中、気持ちの良いパドリング。
 
波は低いが、瀬戸内とは違うリズムとうねり。
 
景色もやはり日本海。
 
瀬戸内を離れて日本海を選択した読みがバッチリ当たり、梅雨とは思えない絶好のツーリング日和に遭遇して、気分は最高。
 
約1時間半ほどのツーリングを、たっぷりと堪能することができた。
***

シーカヤックを引き上げ、荷物を片付け、カートップしていると、近くで声が聞こえてきた。 どうやら、港の片隅で、おばあちゃんとおばさんが話をされているようだ。
 
『こんにちは』 近付いて挨拶。 一人の方が、大きな魚を包丁でさばき、鱗と内蔵をとっておられる。
『この魚はお昼ご飯のおかずですか?』 『そうよ。 さっき獲れたから、この人にあげたん』 『それにしても大きいですねえ』
しばらくすると、魚を捌いていたおばさんは魚を手に家に帰られた。

するとおばあちゃんが、『どこから来られた?』 『広島からです。 多古の七つ穴が好きで、毎年この時期にここに漕ぎに来るんですよ』
『そうねえ、広島から。 昔はここらの人は、毎年広島に行きよったよ』 『え、そうなんですか?』

『昔はね、ワカメやスルメを先に広島に送っておいて、汽車で広島に行って、宿に泊まりながら売って歩きよったよ。 仲良うなって、なじみになってくれる人もおったそうな』 『それは何月頃ですか?』
『そうねえ、3月から5月くらいじゃったろうか』 『じゃあ、冬のうちにスルメやワカメを干して、売りに行きよったんですね。 おばあちゃんも行かれたんですか?』
『いやあ、わたしゃあここのワカメやなんやの仕事が忙しゅうて。 でもしゅうとめさんが行きよったよ』 『それは知りませんでした』

『昔はねえ、ワカメも天日で干しよった。 今は乾燥機じゃけど、やっぱり天日干しが一番おいしいね』

『じゃあ、そろそろ帰るよ。 あんたも、またおいでんさい』 『はい、ありがとうございます。 また漕ぎにきます!』
***
 
島根半島の美しい海岸線の景色を楽しみながら、予約してあるホテルへと向かう。 途中の食堂で、『カニトロ丼』でお昼ご飯。
その後は、皆生温泉で潮抜きをしてサッパリ。 『おお、最高の気分じゃのお』
 
***
今日の宿は、米子全日空ホテル。
 
いつものキャンプツーリングとは少し雰囲気を変え、少しだけ贅沢なホテル泊にしてみた。
ネット割引で、ビアホールでのビール飲み放題の夕食と、バイキング形式の朝食が付いた、お得なプラン。 たまにはこんな雰囲気もいいんじゃないか!

夕食までは少し時間があるので、米子駅前をしばし散策。 少し寂れた感じの商店街をそぞろ歩き。 ああ、ビールが待ち遠しい!
***
 
レストランが会場となるビアホールでの夕食。 バイキング形式ではなく、セットメニューが一品づつ運ばれて来る。
 
料理はおいしいし、ビールがなくなれば『次は何にいたしますか』と声を掛けて下さる。 さすがは全日空ホテル。 良い雰囲気で食事を楽しむことができる。
 
1時間半、一人でゆっくりと食事とビールを楽しんだ。 『ごちそうさまでした』 大満足!
***
翌朝は、7時に朝食を摂り、チェックアウト。 今回は、ここのこのプランにして大正解だった。
部屋は広いし、食事はおいしいし、地ビールを含めビール飲み放題でこの料金。 いやあ、今回のツーリングは良い感じじゃないか。

今日は曇りで、午後から雨の予報。 まずはクルマで今日の出艇予定地へ。
ここは、約15年前に一度来たことがあるのだが、その後は訪れる機会がなかったポイント。 ロケハンを兼ねて、すこし散策してみるつもり。

小さな浜からシーカヤックを出す。 小さな漁船で帰ってこられた漁師さんに、『何が獲れたんですか?』と伺うと、バケツから50cm位の魚を取り出し『ハマチが一匹だけ』と笑いながら返ってきた。
 
15年前に来たときより、エリアを広げて漕ぎ進む。 うーん、ここはなかなか好いねえ!
 
約1時間の、快適な朝の海でのお散歩ツーリングを終え、シーカヤックを洗ってカートップしていると、『おや、これは?』

ポツリ、ポツリと雨が落ち出した。 なんとツイているんだろう。
昨日は快晴、今日はツーリングが終わったら雨が降り出した。 ツーリングプラン&宿泊プランとも、今回は全てが大当たりだ。

これで今年はようやく8漕ぎ目。 やはり海旅の視点では『失われた半年』は大きいが、ここのところ楽しいツーリングが続いているので、それも良しとして楽しんで行こう。
久し振りの島根半島、日本海お散歩ツーリング。 次はいつ来よう?

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瀬戸内シーカヤック日記: 『瀬戸内三兄弟、固めの蝋燭?』キャンプツーリング

2011年06月05日 | 旅するシーカヤック
2011年6月4日(土) この週末は、地元の海でキャンプツーリング。 それも私にしては珍しく、グループでのツーリングである。
先日、引き蘢り生活がようやく明けたとブログに書いたところ、いつも大変お世話になっている”五さん”から、復活祝いを兼ねたツーリングにお誘いいただいたのだ。
復帰以降、毎週のように様々な方々にお世話になっている。 本当にありがたい事だ。 感謝

朝9時前。 待ち合わせ場所である音戸大橋の駐車場に行くと、すでにお二人は到着されていた。
今回のメンバーは、”五さん”と、せっかくの機会なので声を掛けさせていただき今回が初顔合わせとなるブログ仲間の”上海五郎さん”。 残念ながら、”レ隊長さん”が急遽参加できなくなり、オヤジ3人組での開催となった。
***
お気に入りの日帰りツーリングコースにご案内することとし、海岸へ。
 
梅雨の晴れ間。 気持ちのよい日差し、風も弱く、海は穏やか。 絶好のツーリング日和。
 
グルリと島を回り、流木のある気持ち良い浜へ上陸。
***
浜でのランチタイムは、五シェフの登場!
慣れた手つきで焚き火台をセットし、スキレットを使ってアッと言う間においしい、本格『カルボナーラ』 うーん、これは美味い。
 
カルボナーラを食べ終えると、次は『トマト味のポモドーロ』 自家菜園で採れたというバジルも登場だ。

ネットリ濃厚なカルボナーラの後は、あっさりポモドーロという、緩急自在のなんとも憎い演出である。 『おいしいですねえ。 お腹一杯になりました。 ごちそうさまでした』
 
荷物を片付け、浜へと戻る。
 
瀬戸内でも貴重な自然海岸沿いに漕ぎ戻り、今日のツーリングは終了である。

*** 北吉鮮魚店

キャンプ場に移動し、テントを張って着替える。 この後は、温泉で潮抜きして、本日のメインイベントである『北吉鮮魚店/さしみ屋さん』での宴会。
あー、温泉でサッパリして、早く冷たいビールが飲みてえ。

問題は温泉とさしみ屋さんへの移動である。 いつもなら、お酒を飲まれないレ隊長さんが帰りは運転して下さるのだが、今日は『ビールを心待ちにしている』オヤジ3人組である。
五さんが半分冗談で、『じゃあ誰か一人ガマンするって事で』というと、『いやあ、それだけはムリでしょう!』

タクシーで行こうかとか、クルマで行って帰りに代行を呼ぼうかという話も出たが、ここは地元民の強みを活かし、バスでの移動を提案。
本数は少ないものの、ここから少し離れたバス停からバスで行けるはずなので、旅には欠かせなくなったiPhoneを取り出し、時刻表をチェック。 じゃあ、このバスで行きましょう。

まずは、温泉館行きのバスに乗り込み、温泉へ。 お二人は、カヤックの旅でバスを使う事はほとんど無いとの事なので、これもなかなか良い旅の雰囲気だと好評である。

終点の温泉に付くと、まずは室尾行きのバスの時刻をチェック。 運の良い事に、ちょうど良い時間のバスがあるようだ。
温泉で潮抜きしてサッパリ。 じゃあ、次行きますか!

海沿いを走るバスに揺られながら、北吉鮮魚店へと向かう。 バスの中では、地元のおばあちゃんと会話が弾み、ローカルバスならではの雰囲気を楽しむことができた。

『どこからきんさった?』から始まり、うちの家族がお気に入りの尾立の醤油の事、北吉鮮魚店の事、造船の事などなど。 バスを降りられる時には、『じゃあ、せっかくじゃから、ゆっくり楽しんで帰って下さい』 『はい! ありがとうございます』 うーん、これは良い旅だ。

終点の室尾で降りると、さしみ屋さんへ。
今日は、最初の刺身と、お気に入りの『(魚の)内蔵煮込み』はお願いしてある。

まずは、生ビールで乾杯! 『グビ、グビ、グビリ』 『プハーッ、これは美味い!』
 
最初の肴は、イカゲソの『ゆびき』 ピリリとよく効くカラシ酢味噌が、これまた旨いのだ。
 
今日のメインの一つ、刺し盛り登場。 これがまた、いつもながらの絶品である。
ここには、『辛口』と『甘口』の2種類の醤油があり、五さんは辛口が、私は甘口が好みであり、それぞれお好みの醤油で新鮮でおいしい刺身に舌鼓。

次は、もう一つのメインである『内蔵煮込み』 もうこれは最高である。 うーん、ビールが旨い。

*** 瀬戸内三兄弟、固めの蝋燭?

宴もたけなわ。 『皆さん、ではそろそろ参りましょうか』

『女将さん、島豆腐をお願いします』
豆腐が出て来ると、私はペリケースから『蝋燭』を取り出した。 しきたりに則り、蝋燭を一本一本、島豆腐に立てていく。

すると、気を利かせた女将さんが、『電気を切りましょうね』 他にお客さんが居るので申し訳ないのだが、なんとも嬉しい気遣い。
立てた蝋燭、一本一本に、主役の上海五郎さんが火を点していく。

『では参ります。 五郎さん、一息に吹き消して下さい』 『フーッ』 火が消えると、みんなで拍手。
瀬戸内三兄弟、固めの杯ならぬ、固めの蝋燭の儀式は無事終わった。 これで、晴れて兄弟分である。
 
実は、上海五郎さんは数日前に誕生日を迎えられたと言う事で、『北吉鮮魚店と言えば、バースデイ島豆腐』と言う密かな文化を伝承するため、ロウソクを持参したのである。
ロウソクを立てていると、それを見た女将さんが、『あ、前にもやっておられましたよね』と覚えておいて下さり、他のお客さんも居られたのだが、電気を消していただくという、ありがたい演出があったのだ。

これで、五さん、私、そして上海五郎さんと、3人はここでバースデイ島豆腐&ロウソクを経験したことになり、名実共に、兄弟分になった。
***
午後7時過ぎ、さしみ屋さんを出ると、バスの時間までしばし町を散策。
 
瀬戸内の島らしく、道こそ狭いが、立派な家が多い。 夕刻の島の散策、静かでなかなか良い雰囲気だ。

再びバス&徒歩でキャンプ場まで戻り、レ隊長さん差し入れのおいしいチーズをいただきながら、これまた五さん差し入れの新潟の名酒で2次会である。
兄弟分となったオヤジ3人組の長くて熱い夜は、政治談義やグローバルな話題にも触れながら、賑やかに更けていった。 本当に楽しい一時。

*** 2011年6月5日

翌朝、久し振りに海から昇る朝日を見た。 うーん、これぞキャンプツーリングの朝。
 
今日も朝から五シェフが大活躍。 塩漬け豚肉がその場で燻され、おいしいベーコンが完成。 トースターでパンが焼かれ、ベーコンエッグと玉子スープ、野菜&リンゴがたっぷりのサラダまで。 食後は、レ隊長さん差し入れのコーヒー。 『あー、美味かったあ。 ごちそうさまでした』

今日は、奥の内湾お散歩ツーリングである。
 
海はベタ凪。 暑くもなく寒くもなく、絶好のツーリング日和。
 
のんびりまったりとパドリングを楽しみ、滑るように海を進み、今日も流木のある浜へ上陸。

なかなか雰囲気の良い浜だが、なぜか今回、『米なしインド浜(左手は駄目よ)』と名付けられることになった。
***
今日のランチタイムも、五シェフにお世話に。

おいしいビビンバ、キムチにフィレミニヨンのステーキ。
 
このフィレステーキが、軽く火を通すだけで、塩もソースも付けずそのままいただいたのだが、なんとも言えない絶妙の塩味が最高であった。
へーえ、おいしい肉って、何も付けなくても美味いんだ!
 
食後、お二人はしばしのお昼寝タイム。

思いがけないハプニングや出来事があったが、これも平気な顔して対処し、何事も無かったようにランチタイムを楽しめた。 こういうのも、旅のエッセンス。
いい想い出になるんだなあ。
 
『さて、そろそろ帰りますか』 浜を漕ぎ出し、キャンプ場の浜へ。
荷物を片付け、シーカヤックをカートップ。 『漕いで、食べて、飲んで、笑って。 本当に楽しいツーリングでした。 ありがとうございました』

兄弟の契りを交わした瀬戸内三兄弟。 私は三兄弟で一番年下である。 『よう兄貴。 これからも、よろしゅう頼むけん。 こがあなこと言うのもなんじゃが、わしの座右の銘は「生涯不良」じゃけえのお』

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瀬戸内シーカヤック日記: 夏の予感!

2011年06月03日 | 旅するシーカヤック
半年に及ぶながーい引き蘢り生活が明け、ようやく普段通りの『あるくみるきく_旅するシーカヤック』生活に戻りつつある。
***
先日、会社を少し早めに上がり、少し寄り道。 訪れたのは、とある漁協。

『こんにちは。 突然で申し訳ありません。 漁協で管理されている桟橋を一晩お借りできないか相談に来たのですが』、と受付の方に伝える。
すると、奥に居られた方が出てこられ、『ではこちらへ』と、応接室に案内された。

プライベートの名刺をお渡しし、『実は、昨年「旅する櫂伝馬プロジェクト」というのをやりまして、今年もまたぜひ実行しようと言う事になったんです』と切り出した。

旅する櫂伝馬プロジェクト(1)
旅する櫂伝馬プロジェクト(2)
***
昨年の新聞記事や構想書を取り出して、大崎上島から阿賀を経由し、宮島まで、木造和船の櫂伝馬に乗り、人力で漕ぎきった一泊二日の旅についてお話しした。
すると、その方も『旅する櫂伝馬プロジェクト』の事をご存知だったようで、良い雰囲気で話が弾んでいった。
 
『それで今年は9月に実行予定なんですが、少し早めに宮島に着いて向こうでの行事を充実させたいと言う事で、こちらの桟橋に一晩停泊させていただけないかとご相談に伺ったんです』

先日、フレックスを利用して会社を早めに上がり、いくつかの桟橋を下見しにきた事。 本命と考えている桟橋では、そこを利用されている漁師さんにもお話を伺い、こちらに相談に行くように言われた事などなどをお話しする。

『分かりました。 せっかくですから、できるだけ協力できるようにしましょう。 あの桟橋がその日に使えるかどうか、そこを使っている人に確認してまた電話します』と前向きなお返事をいただくことができた。
『ありがとうございます。 本当に助かります』
 
その後、この町には昔の和船文化が残っていないか尋ねたところ、『ええ、残念ながらここには櫂伝馬とか櫓漕ぎ船とかの文化は残っていないんですよ』との事。

『でもね、昔はここの漁師さん達も、豊島の船のように対馬や九州の方まで漁に出ていたそうです』 『え、そうなんですか』
『ただ、豊島は夫婦で乗って行かれますが、ここらの人は、小さい船で一人で行ったそうです』 『なるほど。 確かに、豊島の夫婦船は結構珍しい形態なんですよね』

やはり、漁師さんや漁協関係の方には、興味深いお話を伺うことができる。 これも貴重な『あるくみるきく』。

数日後、ケータイに電話が入ってきた。 『先日は突然お邪魔して申し訳ありませんでした』 『いいえ、それで確認したんですが、せっかくだから一晩なんとか使ってもらおうと言う事でOKが出ましたよ』 『いやあ、助かります!』
『あのもう一隻の大きな船も大丈夫でしょうか』 『ええ、さっきあっちに行く用があったんで、港のスペースを測ってみましたが、なんとか泊められそうです』 『え、そこまでしていただいたんですか。 それは本当にありがとうございます』

本当にありがたい事である。 突然お邪魔し、唐突に桟橋を一晩お借りしたいと願い出た事に対し、こんな前向きな対応をしていただけるとは。
これで、一つの壁はクリアすることができた。 その後も、宿泊先として良さそうな候補も見つけることができ、大崎上島での啓志君を中心として、一歩一歩実行に向けた準備が進んでいる。

『旅する櫂伝馬プロジェクト』 新たな瀬戸内海洋文化の一つとして、本当に大事に育てていかなければならないと再認識した。

***

その後、4年前からお世話になっている島の施設の先生から電話をいただいた。
『こんにちは。 ご無沙汰しています』 『今年もまた、シーカヤック教室をやりたいんですが』 『ありがとうございます。 またぜひお願いします』
 
とても嬉しいことである。
豊島の家船文化を調査する『あるくみるきく旅』で偶然知り合った島の方からの紹介がご縁で始めたシーカヤック教室。 今年で4年目になる、私にとっては真夏の楽しみの一つとなっている恒例行事。

家船の島、豊島

夏のシーカヤック教室(1)
夏のシーカヤック教室(2)
夏のシーカヤック教室(3)

 
また、あの子供達の輝く様な笑顔と、驚くほどの成長に出会えるのは、とても楽しみである。
今年は新たな企画を取り入れながら、『安全第一』で取り組んでいこう。

***

週末のキャンプツーリング。 旅する櫂伝馬プロジェクトの準備。 そして、夏のシーカヤック教室の企画。
ああ、夏の予感!

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