あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: アテンザワゴンで『しまなみ』キャンプツーリング(2)

2009年03月31日 | 旅するシーカヤック
2009年3月30日(月) 浜に張ったテントの中で目を覚ます。 冬用のシュラフだったので、寒さを感じる事も無く熟睡できた。 テントの外は静か。 特に風も無い様子。
***
テントから這い出すと、気温は低い。 うーっ、サブっ。
朝食は、昨日の鯖味噌煮缶鍋の残りに、ご飯と追加の春菊を入れて一煮立ちさせた雑炊と、蟹玉スープ。

寒い朝。 暖かい食事を摂る事で、体の芯からジワジワと温まっていくのが実感できる。

『ごちそうさまでした』 食事を終え、残ったお湯をコッフェルに入れて箸とスプーンで表面を刮げ、きれいにする。
ストームクッカーでお湯を沸かし、熱い紅茶を飲む。 独り、静かな浜辺で過ごすキャンプツーリングの朝。 何とも言い表せない、心地良い雰囲気。

***
ゆっくりと出艇準備。 今日は、大横島でお昼ご飯でも食べるかな。 大横島は目の前なので、少し回り道してみることにした。 浜から漕ぎ出すとバウを南西に向ける。
浜をチェックしながら岸沿いを漕ぎ進み、浦戸へ。
 
そこからUターンして、バウを北北西に。 大横島へと向かって漕ぎ上がる。
大横島の傍まで来た頃、次第に北東の吹き出しが強まってきた。 時間とともに風が強くなり、あっと言う間に白波が立ち始める。

ここは、北東方向に海峡が開けているので、北東や南西の風が強くなると荒れてくる。 今日は幸い北東の風でオフショアのため、それほど波は高くないが、あまり気持ちのよいものではない。 大横島での休憩と昼食は取りやめにして、浜に漕ぎ戻る事にした。

こうしてみると、結構な向かい風。 スプラッシュを顔に浴びながら、風に向かって、時には間切って、一漕ぎ一漕ぎ、しっかりキャッチしながら漕ぎ上がる。 今朝は、お散歩ツーリングというよりは、朝のトレーニングのようなパドリングになった。
***
浜に戻り、しばらくすると風向きが変わってきた。 風も少し落ちたようで、海はきれいである。
 
それにしても、今年は風が強い日が多い。 『風の年』である。
コンディションが良ければ連泊も、と考えていたが、今朝の風で連泊する気も失せ、家に戻る事にした。
***
シーカヤックとキャンプ道具を片付け、クルマに積み込む。 近くにある『マーレグラッシア』に立ち寄り、温泉でゆっくりと旅の疲れを癒した。

帰り道、大三島の北東岸に出てみると、生口島との間の海峡は強い風が抜けており、バシャバシャと白波が立っている。 いやはや、なんとも。。。
大浜PAに立ち寄り、昼食を摂る。 ここのお気に入りは、『タコ天丼』 揚げたて熱々のタコ天丼に、つゆを回し掛けて食すのだが、これがウマいのである。 『ごちそうさまでした!』
『タコ飯』と『タコ唐揚げ』に始まり、『タコ天丼』で〆。 しまなみらしい旅になった。

アテンザワゴンに換えてから、初めてのカヌーツーリング。 運転が楽しく、長距離移動が一層快適に。 そしてなにより、カーブが来るのが楽しい。

帰り道、納車から505kmを走行した時点で給油してみた。 得意のエコ運転の結果はどうかな?
燃料系の針はちょうど真ん中辺りを指しており、給油量は42L。
計算すると、燃費は12.0km/L。 カタログの10.15モード燃費が、12.4km/Lだから、モード燃費の約97%を達成!

ロードスターと違ってATだから、ドライバーの制御自由度が限られているなかで、これはなかなか良い燃費じゃあないか。
それに、500kmの内、100km弱は長男と妻の運転も込みだから、私だけのエコ運転ならモード燃費越えも可能?

運転が楽しく、長距離移動も楽で、燃費も良い。 キャリア取り付け位置が絶妙の場所で、シーカヤックを積む時の前後バランスがバッチリ。 これは、シーカヤックスペシャルとして最高かも。

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瀬戸内シーカヤック日記: アテンザワゴンで『しまなみ』キャンプツーリング(1)

2009年03月30日 | 旅するシーカヤック
2009年3月29日(日) 朝、4時半に起床。 PCを立ち上げ、各地の風をチェック。
日本海はまだ強い風が残っているようだ。 瀬戸内は? こちらも日曜、月曜とも風が強い予報。
うーん、これはなかなか判断が難しいな。

5時を過ぎたので、最新の天気予報を確認。 日本海側はまだ少し波が高い状態が続きそう。 瀬戸内は、風はあるにしても波の高さは0.5mの予報。 それも、どちらかというと岡山寄りの東側の方が条件は良さそうだ。

起きたばかりの妻に、『じゃあ、行ってくるよ。 一応、福山の横島から出て、近くの島でキャンプするつもりだけど、まあ風次第。 また連絡するよ』 『気をつけて』
***
シーカヤックスペシャルのアテンザワゴンで東に向けて一般道を快適に駆け抜け、横山海水浴場に到着。
しかし、風が強い。 北東から東の強風である。 うーん、これは。。。
妻に電話。 『横島まで来たけど、北東の風が強くて出せないなあ。 もしかしたら家に帰るかも。 また電話するから』

地図を開き、『さあて、どうしようか?』 しばし熟考。 ケータイで風の情報もチェック。 島根?鳥取?笠岡?生名島?
この風なら、大三島の西岸は風裏かも。 今日は高速料金も1000円だし、ようし行って見るか。
***
風は強いが快晴の日曜日、『しまなみ海道』こと西瀬戸自動車道を走り、大三島へ。
いつもの海水浴場だが、シーカヤックをするためにここまでクルマで来たのは初めてである。 いつもなら、竹原から出艇してここまで漕いで来るのだ。
 
浜にクルマを止め、しばらくすると一台のバイクがやってきた。 そのおじさんは、カゴからバケツとザルを取り出し、海へと向かう。
『こんにちは。 何か採れるんですか?』と聞くと、バケツを指差し、『これ、さっき採ってきたんよ』
見ると、大量の”岩ガキ”。 『こりゃあ、えっとありますねえ』 すると、『3時間ほどの成果じゃ』とうれしそうな返事が返ってきた。
『どうされるんですか?』 『今からここで殻やゴミをきれいにしよう思うて』

『岩ガキはウマいですよねえ。 私らも、冬にカヌーを漕ぎよって、岩場で休憩する時は、時々採って食べよります』 『そりゃあ、この牡蠣が美味いよ。 酢ガキが一番。 でも、採るんは3月くらいまでじゃの。 わしゃあ、今からこれを持って帰って冷凍しとくんじゃ』 『ああ、そうすりゃあ、なごう食べられますね』 『うん、もう3月も終わりじゃけえ、火を通して食べよう思うとるけどなあ』
***
さあて、ちょっと漕いでくるかな。 ここは予想通りの風裏。 少し風は抜けてはいるが、全く問題ない。
 
しばしお散歩ツーリング。 なかなか良い感じである。
 
***
浜に戻ると、遅い昼食。 横島の手前にある地元産品を売る店で購入してきた、『蛸飯』と『蛸の唐揚げ』
タコ天はよくお目にかかるが、唐揚げはあまり食べた事がないので選んだもの。

タコ飯は、ご飯にしっかりと蛸の味がしみ込んでおり、とてもおいしい。 蛸の唐揚げは、天婦羅とは違って香ばしく、表面のカリッ/サクッとした感触と、柔らかい身のコントラストが何とも言えない。
うーん、ビールに合うなあ!
***
そろそろ散歩に出掛けるか。 潮が引いた浜を歩いて、まずは伯方の塩の工場へ。 多くの観光客に混じって、私も工場見学させていただく。
 
そこからしばし歩いて、海の神様である大山祇神社にお参り。 海旅の安全を祈願し、数ヶ月前に新品に入れ替えた黄色いペリケース用に防水お守りを購入。
 
***
しばし商店街を散策。 途中で、村上井盛堂というおまんじゅう屋さんを発見。 すぐ横で作っている、焼きたての神島饅頭をバラ売りしてもらい、店の前で頬張る。

『うまい!』 やっぱり焼きたてホカホカは、香ばしくてなんとも言えないおいしさである。
***
さあ、浜に戻ろうか。 歩いてもたいした距離ではないのだが、せっかくなので地元ローカルのバスに乗り込む。

行きは徒歩、帰りはこのバスというのが、私の大三島でのパターンだ。 時間は5分ほどで、料金は初乗り分の90円。 安いなあ。
***
さあて、そろそろ食事の準備。 今日も簡単メニューである。
 
お昼ご飯の残りである、蛸の唐揚げを載せた『タコ唐揚げカレー』と、サバの味噌煮缶を使った『サバ味噌煮鍋』
鍋には、途中で買ってきた春菊をたっぷりと入れる。 味噌煮なので味が付いており、そのまま食べられるし、春菊を入れる事で野菜も取れる。 シンプルでおいしいソロツーリングメニューである。
 
美しい浜の夕暮れを眺め、ビールを飲む。 食後のつまみは、先日の鞆の浦ドライブで購入してきた、『田淵屋さんのスモークチーズ』 鋼製のオピネルで薄くスライスしたスモークチーズをつまみに、お湯割りの焼酎を飲る。 うーん、最高!

明日は風が落ちてくれると好いなあ。

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瀬戸内シーカヤック日記: アテンザワゴン_シーカヤックスペシャル

2009年03月28日 | 旅するシーカヤック
2009年3月26日(木)夕方。 うちに、アテンザスポーツワゴンがやってきた。
11年間愛用していたステーションワゴンが徐々に不調になり、最近ではエンジンストールや警告灯の点灯、異音などが発生する様になっていた。
車検も控えており、じゃあということで、1モデル前のアテンザワゴンの中古を探したところ、走行距離も短く、お気に入りの色のクルマが見つかった。
ディーラーに見に行ったところ、一目惚れ!
***
不調になったステーションワゴン。 11年間の家族の想い出が一杯詰まっている。 長男はまだ小学生、次男は幼稚園の頃から一緒に過ごしてきたクルマ。

日本海に家族で漕ぎに行ったり、錦川を4人で川下りしたり。 横浜単身赴任の時には、シーカヤックを積んで何度か広島と横浜との間を往復したし、遊びにきた家族を連れて伊豆にドライブに行ったりもした。

シーカヤックスペシャルとして、沢山の荷物を積んで走り回り、海水を浴び、砂まみれになり、頑張ってきた。
『11年間、本当にありがとう。 お疲れさまでした!』
***
2009年3月27日。 アテンザスポーツワゴンで長男と竹原にドライブ。 目指すは『太華園』
ここのラーメンは、うちの家族の大好物の一つである。 今日は、鶏の唐揚げも頼んでみた。
 
『やっぱり美味いねえ』と長男。 『朱華園とは、やっぱり違う?』 『うん、スープが違うよ』

初心者マークを卒業した彼とも交代で運転したが、彼もアテンザの走りは気に入ったようだ。
***
2009年3月28日(土) 今日は、妻と一緒にドライブ。 『鍋焼きうどん』が好きだと言う妻を連れて、御手洗の『みはらし食堂』へと向かう。
運転を交代しつつ、海沿いの景色を堪能しつつ、『とびしま海道』を快適に走り抜ける。
 
***
みはらし食堂に到着。 店に入り、中華そばと鍋焼きうどんを注文する。

ここの中華そばは、私が御手洗に漕いで来た時の定番昼ご飯である。 さて、もう一つの評判メニューである『鍋焼きうどん』はどうかな?
 
懐かしいアルミの鍋で出てきた『鍋焼きうどん』 なんと、具の一つとして煮穴子も入っているではないか。
『いただきます』 うどんはどうかな? スープを『ズズーッ』、うどんを『ズルリ、ツルツル』 『うーん、こりゃあ旨い!』

『ごちそうさまでした』 食堂のおばあちゃんに、『いつもは中華そばなんですけど、鍋焼きうどんもおいしいですねえ!』というと、ニコニコと『そう! ありがとう』
***
 
お土産屋さんで、『みかん味噌』を発見。 ???
店のおねえさんに、『これ、どうやって食べるんですか?』と聞くと、『ごはんに載せたり、豆腐に付けて食べてもいいですよ』との事。
『結構、おいしいって評判です』 『じゃあ、これ一つ下さい』
 
途中で島豆腐を購入し、家に帰ってから、恐る恐る『みかん味噌』を付けて食べてみた。 『お、美味いじゃん』
『全く違和感ないよ。 豆腐も好いし、これはおいしい』
***
シーカヤッカーがクルマを選ぶ時に気にするポイントの一つが、全長。
先代アテンザスポーツワゴンの場合、全長が4690mm。 5159mmのシーカヤックまでは積載できるので、5050mmのニヤックは全く問題ない。
 
早速、新しいベースキャリアを装着し、前のワゴンからバーやカヤックラックを移植して、2艇積みのシーカヤックスペシャルに改装。 ニヤックを積んでみると、前後バランスもバッチリ! 前のステーションワゴンよりも車高が低く、車形もスポーティーなので、シーカヤックをカートップした姿がなかなか好い感じである。

7年前に新車で購入したロードスター以来、久し振りに購入したアテンザスポーツワゴン。 走りが良いとは言え、もちろんライトウエイトスポーツ&オープンカーの『ロードスター』と比べるのは酷だが、それでも運転が楽しいのは事実。
出発地点までのドライブも、今まで以上に楽しめそうである。 さあて、このクルマでどこに漕ぎに行くかな?

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瀬戸内シーカヤック日記: 春のお花見ツーリング

2009年03月21日 | 旅するシーカヤック
2009年3月21日(土) 週末の早朝、いつものように天気予報をチェック。 あー、明日はやっぱり雨。。。
予報は変わらず。 残念だけど、今日は日帰りツーリングにしよう。

『じゃあ、行ってくるよ!』 『気をつけて』
***
日帰りツーリングのコースはいくつかあるが、ここは一番お気に入りのコースである。

朝こそ少し涼しいが、日が当たり始めるとポカポカと暖かくなってくる。 今日は、お花見ツーリングかなあ。
 
いつも潜る海蝕洞は、潮が引きすぎて今日はシーカヤックで潜る事はできなかった。 そこから少し漕ぎ進むと、海沿いにきれいに咲いた桜があった。 『うん、これはいいなあ。 まさに今日は、お花見ツーリング』
***
 
のんびりまったり、コースタルツーリングを楽しんでいると、至る所に桜の花が。
***
いつものお気に入りの浜に上陸。 もちろん、だれも居ない。
 
瀬戸内の美しい景色を目の前に、静かな浜を独り占め。 なんとも贅沢な空間。
 
今日のお昼ご飯は、インスタントの天婦羅ソバと、焼きおにぎり。 『うん、ウマい』

食後は浜を散策し、のんびりと海を眺める。
しばらくすると、再びお湯を沸かし、チャイとクッキーで一休み。 クッキーは、大好きなバッケンモーツアルトの『からす麦のクッキー』
***
『さあて、そろそろ戻るとするか』
 
出発地点に戻る途中の浜にも、桜、桜、桜。
春のお花見ツーリング。 毎年の定番だが、桜の咲く海沿いをシーカヤックで散歩するのは気持ちのよいものだ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 鞆の浦へドライブ

2009年03月20日 | Weblog
2009年3月15日(日) 今日は春の鞆の浦へドライブに出掛ける事にした。
『どう、久し振りにドライブに行こうか。 どこか行きたい所はある?』 『うーん、鞆の浦かねえ』 『じゃあ、行ってみよう』
***

眺めの良い海沿いの一般道を、東に向かって走る。
***
10時頃に、鞆の浦に到着。 すでに多くの観光客が通りを歩いている。
 
海沿いでは、おいしそうな干物や、茹でたイイダコを売っている。
『おはようございます。 このタコ、なんぼくらいするんですか?』 『1000円から包んであげるよ』 『ここ、何時までやってます?』 『夕方までおるけえ、帰りに寄りんさい』 『はい、そうします』
 
鞆の浦は、雛祭り。 街の家々に、ひな人形が飾られ、観光客の目を楽しませている。
***
今日は、いままであまり歩いた事のない裏通りを、ゆっくりと散策することにした。
 
『インスタント食品』の古い看板。 まだ、インスタント食品が目新しかった時代の名残だろう。 チキンラーメン、ボンカレーなどなど、ちょうど私が小学生の頃なのだろうなあ。
家々の玄関には、今では珍しい、節分の飾りである『鰯の頭』 ここ鞆の浦には、しっかりと昔ながらの風俗/文化が残っている。

これは昔の電話番号? 当時は二桁で充分だったのかなあ。
***
大きな神社に参拝。 ここからは、仙酔島も見ることができる。
 
神社の敷地内にあった『能舞台』 説明を読むと、なんとこの能舞台は組み立て式で、移動可能だという。
それにしてもクルマがなかった時代、人馬でこれを運ぶのは大儀だったであろう。
***
 
少し風は強いが、快晴で絶好の散策日和。 神社やお寺を巡り、裏通りを通って海沿いへ。
 
賑わっているこの通りでは、『村上水軍商会』の村上さんが、干物屋さんで仕事中。
挨拶を交わし、干物を試食して、おみやげに購入。 鞆の浦でのおススメのお風呂も教えていただいた。

昼食を予定していた『田淵屋』さんに行ってみると、今日は団体の予約でいっぱいとの事。 残念!
おみやげに、ここの名物の一つであるスモークチーズを購入し、再び通りに出て、お昼ご飯を食べるお店を探す。
***
散策中に気になっていた、私好みの匂いがする食堂、『ともせん』さんへ。
 
妻は日替わり定食を、私は焼肉定食を注文。 『うん、こりゃあおいしいね』 『ここは、肉屋さんだからじゃないん』 『ああ、そうじゃねえ』
ごちそうさまでした。 これは、いいお店を見つけたなあ。
***
食後は、村上さんおすすめの『鴎風亭』でお風呂に入る。
ちょうどお昼で、人も少ない。 目の前に仙酔島が見える絶景の露天風呂で、のんびりまったり。 『あー、気持ちええ』

温泉に入っている時、露天風呂から、仙酔島辺りを漕いでいるシーカヤックが一艇見えた。 今日は、海沿いを散策中にも一艇見たし、この辺りを漕ぐシーカヤッカーは増えているのだなあ。
***
 
駐車場に戻る途中で、朝に立ち寄った海沿いの干物屋さんへ。
『おばちゃん、来ましたよ』 顔を覚えていた下さったようで、『え、また買いにきたん?』
『朝は寄っただけで、後から買いにくるゆうたじゃないですかー』と笑いながら言うと、おばちゃんも笑いながら、『そうじゃったかねえ』

『街を散策して、お昼ご飯を食べて、さっき鴎風亭で風呂に入ってきたんですよ』 『なんねえ、それなら、鴎風亭でご飯を食べて風呂にはいりゃあえかったのに』 『ほうなんですよ。 ホテルに行ったら、お昼ご飯を食べたら風呂は無料じゃゆうて聞いたんです。 知らんかったから、次ぎに来る時は、そうしよう思います』

『じゃあ、タコもらえますか?』 『なんぼしょうか?』 『千円ほど』 すると、ゆであがった味付きの小さなタコを包丁で切り、私たちに渡してくれた。 試食分である。 『いただきます』 うん、ウマい。 これはビールのつまみにピッタリだ。

タコを包んでくれている間、『あんたら、どっから来たん』 『はい、呉からです』
『ほうね、私の弟が、呉の学校へ行きよったんよ。 ○○へ』 『え! そうなんですか。 私も○○の出身なんですよ』
『うちのは2期生』 『そりゃあ、優秀じゃったんですねえ。 1期、2期頃の人らは、優秀な人が多かったゆうて聞いとりますよ』
『駅の裏のあそこら、知っとる?』 『ええ、もちろん』 『弟は、そこらに住んどったん。 昔、行ったことがあるねえ』 『そこら辺りは、もう昔とは大分変わっとりますよ』 『ほうじゃろうねえ』
***
味付きの茹でイイダコ。 お土産屋さんで見ると、小さなパックで千円近くするのだが、ここでは『え、千円って言ったのに、二千円分と間違えられたかな?』と思うくらい、たっぷり入っている。
『また、鞆の浦に来たら寄りんさい』 『はい、また来ます』

久し振りに妻と訪ねた、あるくみるきく_春の鞆の浦。 良い一日であった!

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瀬戸内シーカヤック日記: 呉の地ビール

2009年03月14日 | Weblog
2009年3月13日(金) 夜、呉の街へ。 今日は久し振りに、妻との外食。
地元にありながらこれまで行った事がなく、ビール好きの私には気になっていたお店、『呉ビール/海軍さんの麦酒舘』
***

今日は、予めコースを予約しておいた。 地ビール飲み放題付きである。
 
まず、私はアルト、妻はピルスナー。 まだ少し寒い夜は、チーズフォンデュがうれしい。 ビールにピッタリ!
 
たっぷりのサラダ。 定番のソーセージ。
ビールは何しよう? ゴールドハーフアンドハーフ。 うん、美味い。
 
ピザ。 パスタ。 3,500円のコースだが、私たちには充分なボリュームの料理。 これで飲み放題付きだから、リーズナブルである。
また途中では、地元出身で海外で活躍されていると言うマジシャンの方が各テーブルを回り、見事な手品で盛り上げてくれる。
目の前で繰り広げられる不思議な世界。 なんで、こんな近くで見ているのにだまされてしまうのか? うーん、素晴らしい!これは、月に2度ほど行われる週末のサービスなのだそうだ。
***

『ごちそうさまでした』 ピルスナー、ケルシュ、ヴァイツェン、アルト、ハーフアンドハーフ、ゴールドハーフアンドハーフ。 全種類のビールを堪能。
3月の週末と言う事で送別会などの団体客が多く、店員さん達は忙しそうだったが、細やかなサービスで気持ちよく食事をすることができた。
満足、満足。 このお店、ビール好きにはコタエラレナイなあ。

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瀬戸内シーカヤック日記: あるくみるきく_似島再訪自転車旅(2)

2009年03月08日 | Weblog
自転車での似島一周を終え、集落に戻ってきた。 さて、そろそろテントを張るか。
 
昼間に教えていただいた方向に歩いて行きながら、テントを張るのに良さそうな場所を探す。 住民の方の迷惑にならず、きれいで平らな場所。 『おー、ここなんか最高じゃん!』

ソロ用の小さなテントをパニアバッグから引っ張り出し、ポールを通して張る。 中にシートを敷き、マットを膨らませ、シュラフを広げると、アッと言う間に今日の寝床が完成。
どんな場所に旅しても、テントを張り終わるまではなんだか落ち着かない。 気に入った場所を見つけ、テントを張り終わると、ようやく自分の居場所が出来た感じがして、ホッと落ち着くのである。

しばらくすると、近くにある商店の前に置いてある椅子とテーブルに、漁から帰って来られた漁師さん達が三々五々集まり、宴会が始まった。 みるとそのなかに、昼間テントを張っても良いと言って下さったおねえさんが居られた。
『昼はありがとうございました。 ここに張ったんですが、良かったですか?』 『ここにしたん。 ここは潮は上がって来んかねえ?』と、周りの漁師さん達に聞いて下さる。
『なあに、潮が来てもプカプカ泳ぐ気じゃったらええじゃない』と、笑いながら漁師さん。 もう一人の方は、『今日は潮が大きゅうないけえ、大丈夫よ』
するとおねえさんは、『ちょっと北風があるが、大丈夫かねえ』 『ええ、ここならなんとか凌げると思います。 本当にありがとうございました』と私。
***
晩ご飯までは少し時間がある。 集落を散策してみるとしよう。
 
メインストリートを歩くと、肉屋さんが開いていた。 その近くには魚屋さんも営業中。
小さな島には魚屋さんがない所も多いのだが、ここには魚屋さんがあるんだ。 新たな発見。

似島峠にも上がってみた。
***
夕方、5時半過ぎ。 再び『みなとや食堂』の暖簾をくぐる。 店に入ると、いつもの席に。

『こんにちは。 来ました!』 『テントは張ったん?』
『はい、おかげさまで助かりました。 昼間にあの人に会えて良かったです』 『あの人は、ようここにも来るんよ。 あっさりしてええ人じゃろう』 『はい、ホンマですね。 夕方前から、近くの商店の前で、漁師さん達と楽しんでおられましたよ』

『何にする?』 『ビールとおでん。 おでんは何があります?』 『ここへ来て、好きなん選びんさい』

まずは瓶ビールをコップに注ぐ。 『トクトクトク。 シュワーッ』
『いただきます』 『ゴクリ、ゴクゴク。 プハーッ。 こりゃたまらんなあ』 おでんをつまみにビールを楽しむ。
***
店には、地元のおじさんとおばさん、そして私の3人の客。 おばちゃんと、他のお客さん達は、テレビを見ながら話している。 私も時々会話に加わりつつ、おでんを食べ、ビールを飲む。

『ここは、やっぱり夏が忙しいんですか?』 『いやあ、そうでもない。 キャンプや海水浴も、それほどじゃないよ』
『最近は、貝掘りをやらんようになったけえね』 『どうしたんですか?』 『貝があんまり育たんようになった』 『前はテレビで、エイが食べる言うとりましたね』 『そんなんもあるじゃろうね』

『民宿は人気があるようなよ。 広島から宴会に来る』 『予約しとらんとだめじゃけどね。 わしらも時々宴会をやるよ』

『餅撒きが有名じゃゆうてパンフレットに載っとりましたが』 『それが、最近はないんよ。 家を建てる人も少のうなったし、漁船を新造する人もあまり居らん』 『船を造ったときもやるんですか!』 『そうよ。 でも今の不景気じゃ、船を新しゅうつくろう言う人はおらんのじゃないか』 『そうですよねえ』
***
おでんがなくなり、ビールも空に。 『おばちゃん、何かご飯を作ってもらおう思うんじゃけど、何がええじゃろうか?』
『ほうじゃねえ、焼き飯を食べる人が多いよ』 『じゃあ、焼き飯。 ビールももう一本』

『あんたあ、釣りに来とるんか?』 『いいえ、違うんですよ。 先週、カヌーで来たんですが、キャンプできんかったから、今日は自転車で来てキャンプさしてもろうとるんです。 ここで一杯やりたかったんで』
『ほうね。 そういや、魚が好きなかったら、朝早うここに売りにくるで』 するとおばちゃんが、『今朝売りに来たけえ、明日はないよ』 『ほうか。 そりゃあ残念じゃったのう』
『ここに売りに来るんですか?』 『そうよ。 朝早いけどの』

『この時期は、牡蠣を焼いて食べるじゃろお。 昔はその時、いっしょに鳥を焼いて食べよった』 『鳥、ですか?』
『ほうよ、野鳥。 あれがおいしかったよ』
***
そのうちテレビでは、野球が始まった。 1回の日本の攻撃が終わったところで、心地良いほろ酔い状態に。
『ごちそうさまでした。 おいしかったです。 なんぼですか?』
支払いを終え、いろいろなお話を聞かせて下さったおじさんにも『おかげさまで、とても楽しかったです。 ありがとうございました』 そしておばちゃんには、『ありがとう。 また来ますけえ』
すると、『明日の朝ご飯は大丈夫?』 『はい、パンやうどんを買ってあります』

ふらりと立ち寄った一人の旅人の朝ご飯を心配して下さる。 必要なら、開店前に店を開けてご飯を作ってあげようかとの心遣い。 ほんとうに嬉しいことだ。 感謝感謝。来て良かった!

***
テントに戻り、シュラフに潜り込んで今日一日の出来事を思い出す。 至福の一時。

天気予報を確認した結果、急遽シーカヤックでのキャンプツーリングを取りやめて、自転車にテントをつんで訪れた似島。
様々な出合いに恵まれ、『あるくみるきく_旅するシーカヤックならぬ旅する自転車』となった、想い出深い旅に。

これまでシーカヤックで訪れた島は、瀬戸内だけで有人島/無人島含めて数年前の時点で100を越えている。 しかし今回の旅で再認識したのだが、その島を訪れたというだけではなく、訪れた島での様々な出合いを通じ、その島の歴史やそこに住む人々の生活を知り、あるくみるきくの精神で記憶にそして記録に残していく事にこそ価値があるのだと実感した。
それにしても似島は最高だ。 また一つ、お気に入りの島が増えたなあ。

*** はてさて、天気予報の結果は? ***
翌朝。 フェリーで呉に戻る途中、ケータイで風をチェック。
すると、広島湾は穏やかだが、予定していた島の付近では6m/sの強い北東風が吹いているとの事。 やはり、予定を変更していて正解だったようだ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 似島再訪_自転車でキャンプツーリング(1)

2009年03月08日 | Weblog
週末が近付いてくると天気予報をこまめにチェックし、ビールを飲みつつどこにキャンプツーリングに行くか具体的なイメージを固めていくのは、平日の夜の楽しみである。 そして、行き先を決める時の重要な要素の一つである天気予報は最近かなり精度が高く、特にシーカヤッカーが気にする『風の予報』は頼りにしている。

さて、この週末はどこにキャンプツーリングに行こうかな? 金曜日の夕方の天気予報を確認し、行き先を決めた。
金曜日のうちにシーカヤックをカートップし、キャンプ道具一式もパッキングして準備完了!
***
2009年3月7日(土) 朝起きると、まずは天気予報を確認。 すると、予定していた島の付近は、今日は穏やかだが日曜日は強い北東風が朝から吹く予報。 その海域が大荒れになる西風じゃないのが救いだが、それにしてもこれだけ吹くと、のんびりまったりツーリングにはなりそうもないなあ。

ひとまずコーヒーを飲んで、週末の予定を頭の中で組み立て直す。 。。。 。。。 。。。

『ようし、この週末は久し振りに自転車でキャンプツーリングに行ってみよう』 『目指すは、先週キャンプできなかった似島だ!』
***
まだ暗い早朝、凍えるような寒さの中、カートップしていたシーカヤックを降ろし、ORTLIEBの防水パニアバッグを引っ張り出す。 自転車のパニアバッグだと、シーカヤックほどの荷物運搬能力はないため、自転車旅用のミニマムパッキングに急遽変更。

テントはソロ用のシングルウオールテントに。 シュラフはダウンのコンパクトなやつにして、シルクのシーツで保温性を確保。 食事は『みなとや食堂』を基本とし、シェラカップ&イワタニジュニアバーナー、そして非常用のカロリーメイト。
iPodと本は、旅のお供として欠かせない。 最小限の着替えやヘッドランプなども含めて、リア用の二つのパニアバッグにピッタリと収まった。
***
今回は自転車旅とはいえ、基本は似の島一周を漕ぐくらいで、似島までは瀬戸内らしいフェリーを使った旅にするつもり。
と言う訳で、ネットでフェリーの時刻をチェックしプリントアウト。 後は、みなとや食堂が営業するか否かだけである。
電話を掛け、『もしもし、今日は開いていますか?』 『ええ、やってますよ』 『夜は何時まで?』 『だいたい、7時くらいまでかねえ』 これで準備はすべて完了!
『じゃあ、行って来るけん。 明日は昼前には帰るよ』と妻に告げ、家を出発した。 久し振りとなる自転車でのキャンプツーリング。 楽しみだなあ。
***
まずは、呉港へ。 家から半時間ほどで到着。
 
もう10年近く前に購入した古いSPECIALIZEDのMTB。 タイヤは街乗り仕様のセミスリック。 ペダルには、今時見ないクリップを装着。 そしてリアには、ORTLIEBの防水パニアバッグ。 ライトはミニマグライト。『うーん、旅気分』
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呉港からフェリーに乗り込み、出航。

宇品港までは45分ほどの船旅である。 途中、左手には『安芸の小富士』と称される似島が見える。
 
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宇品港に入港した時、ちょうど似島行きのフェリーが出発するのが見えた。 そう、この松山~呉~広島フェリーの到着時刻と、似島行きのフェリーの出発時刻が同じなのである。

次のフェリーまで1時間半。 宇品の街をゆっくりと自転車で巡り、港前の公園でしばし休憩。
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12時30分のフェリーに乗り込み、似島へ。 20分ほどの船旅である。

フェリーを降りると、まずは『みなとや食堂』へ。
『こんにちは』と店に入り、先週と同じ席に座る。 『中華そば一つ下さい』
 
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おいしい中華そばを食べていると、先に来ておられたお客さんも帰っていかれ、地元のおねえさんと店のおばちゃん、そして私の3人になった。
『あのう、この近くでキャンプできるところはありませんか?』と聞いてみた。 すると、地元のおねえさんが『そうよねえ。 △△は連絡すりゃあキャンプできるけど、今は季節外れじゃけえ整備しとるかどうかわからんね』
『実は先週、カヌーで漕いで来たんですが、キャンプできる場所が分からずに帰ったんですよ。 その時に、ここで中華そばとおでんを食べたら美味かったから、今日はこの島でキャンプして、夜はここでおでんを食べながらビールを飲もう思うて来たんです。 ○○へ行けば、テント持ち込みでキャンプできるとは聞いとるんですけど』

『ほうね。 じゃあ朝電話してきたんはあんたじゃったんね』と店のおばちゃん。 『はい。 そうなんですよ。 せっかく来ても、店が閉まっとったら何しに来たんか分からんですけんね』
するとおねえさんは、『○○行きゃあキャンプはできるじゃろうけど、遠くて不便じゃろ。 うちのは漁師じゃけえ、その漁港の近くでテント張ってもええじゃろう言うて、一言いうとったげるよねえ。 別に悪い事すりゃあすまあ』 『もちろんです。 自転車で似島を一周して、夜はここで一杯飲みたいだけなんです』
『じゃあ、あそこら辺でテント張りんさい。 いうとったげる』 『ありがとうございます』

漁師の奥さんらしい、さっぱりとした気っ風の良いおねえさんと、店のおばちゃんと、しばし会話で盛り上がる。 私は、カヌーにテントを積んで、瀬戸内の島を旅して回っている事を説明し、おねえさんからは、似島の漁の事を伺った。
『冬はナマコ。 じゃけど、ナマコはそろそろ終わり』 『減っとるかって? そりゃあナマコの漁もだんだん減っとる』
『ナマコが終わったら、次はエビじゃね。 このわた? うちらは作って売ったりはしよらん。 袋詰めのなまこだけ。 このわたは、家で作って食べるだけよ。 珍味珍味』
『この食堂で、よう宴会するんよ。 台所代わりに使わしてもろうて、チヌが採れたらチヌを持ち込んで料理して食べる。 広島から来た人が偶然一緒になったりしたら、そりゃラッキーよね。 料理を一緒に食べさしちゃる。 もちろんその分のお金はもろうたりせんし。 あんたも、そういう時に一緒じゃったらええね。 顔を覚えとくわ』
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『ごちそうさまでした。 じゃあ、テント張らしてもらいます』 『今から自転車で一周して来るんじゃろ。 帰ってきたら張っときんさい』 『はい、ありがとうございます。 おばちゃん、また夜にきますけん』

自転車に乗り、時計回りで似島一周に出発。
 
海のすぐ傍の狭い道を漕ぎ進むサイクリングは爽快である。 広島湾の奥なのだが、海は澄んできれいだ。
 
瀬戸内らしい景色が堪能できる、快適なサイクリングコース。 牡蠣棚も見える。 牡蠣屋さんの前には養殖に使うプラスチックパイプがきれいに整理された状態で大量に置かれていた。

自然の家には、シーカヤックが。 自転車で来て、ここで借りて乗るのもいいかも。

島の南側はアップダウンもあり、結構良い運動に。 約10kmの爽快なサイクリングを終え、フェリー乗り場のある集落に戻ってきた。
さあて、テントを張るとするか。

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