あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_生名島~岩城島一周ツーリング&魚島散策

2010年11月22日 | 旅するシーカヤック
2010年11月19日(土) しまなみ海道の中でもお気に入りのツーリングエリア、上島町にある生名島のいつもの浜で、出艇の準備を開始。
今回は久し振り、ほぼ2年振りに『ソルスティスSS』を引っ張り出してきた。

1992年にフジタカヌーのSG-1を中古で購入して始まった、私のカヌーライフ。 その後、海用にアクアテラのスペクトラムを、川用にダンサー・プロラインを追加して楽しんでいたが、徐々に海で遠出ができるようになってきたので本格的なシーカヤックが欲しくなり、1996年に購入したのがカレントデザインの『ソルスティスSS』

カートップでも映える細身で美しいラインと、ラダーを使わなくてもウエザーコックしにくい直進性の高さ、荷物が増える冬のキャンプツーリングにも充分対応できる積載能力が気に入っている。 コックピットは自分の体に合わせてフィッティングしてあり、まるでオーダーメイドの靴を履いているようにピッタリと体に馴染み、ロードスターの人馬一体ならぬ、船馬一体となって自由自在に海を歩くことができるのだ。
 
久し振りの相棒に乗り込み、しまなみの海へと漕ぎ出した。 ニヤックとは全く異なる漕ぎ味を感じながら、紅葉を楽しみつつ、岩城島へと向かう。 今日は、私の定番ツーリングの一つ、岩城島一周コースを楽しむ予定。
***
穏やかな晩秋の瀬戸内を漕ぎ進み、1時間ほどでいつもの浜へ。
 
シーカヤックを引き揚げると、まずは『タムラ食品』さんへ。 今日は、岩城島へ行くという事で、妻から『芋菓子』の買い出しを頼まれていたのである。
『岩城島に行くんなら、芋菓子買ってきて。 久し振りに食べたくなった』 『OK。 俺も食べたいと思ってたんだ』
 
次はお昼ご飯。 いつものようにターミナルとスーパーを覗いてみたあと、『よし正』さんへ。
いつもはここの定番『よし正定食』なのだが、今日は別のものにしてみよう。 『島豚カツ定食、お願いします』

『ごちそうさまでした。 それにしても今日はいいお天気ですね』 『ほんと、そうですね。 今日も海ですか?』
『ええ。 いつものように、シーカヤックで漕いできました。 今から帰るんですよ』 『どちらへ?』 『はい、生名島に戻ってキャンプなんです』 『気をつけて』
***
浜に戻り、買い込んで来た『芋菓子』をバウハッチに納めると出発だ。
 
今日は大潮。 この辺りは数えきれないくらい通っているエリアなので、潮流の感じはほぼ分かっているつもり。 ザワつく海も、穏やかな海の単調さをまぎらしてくれる良い刺激である。
 
当然潮にも依るが、このルートを漕ぐときは、今回のように時計回りがお気に入り。 岩城島の東側に比べて、西側の景色の方が好みなので、お昼ご飯を食べた後、気持ちの良い眺めを楽しみながら生名島へ漕ぎ戻るのが気持ち良いのだ。
 
天気も良く、体調もバッチリ。 風景を楽しみながらも、休憩無しで漕ぎ続け、午後2時過ぎに生名島へと戻ってきた。 今日は結局、岩城島での買い出しとお昼ご飯を含め、4時間ちょっとのツーリング。
***
 
シーカヤックと道具を潮抜きし、着替えると、いつものように因島へ。 目的は、銭湯での私自身の潮抜きと買い出しである。
  
スーパーで食材とビールを買い出し、誰もいない銭湯でゆっくりと体を伸ばした。 夜は、簡単鍋の夕食の後、差し入れでいただいた『食べるラー油きくらげ(これが、香りが良くてとてもおいしいのだ!)』をおつまみにビールとワインをグビリ。 『うん、今日も良い一日だったなあ』
***
2010年11月20日(日) 今日は、定期船で『魚島』を訪問し、散策する予定。
 
魚島訪問は、これで2回目。 前回は冬であったが、静かな集落と美しい海が印象的で、また訪れたいと思っていたのである。
 
前回と同様、しずかな佇まい。 基本的に釣り人以外の観光客はほとんど居ないようだ。
他に誰もいない静かな山道を歩き、景色を堪能する。
 
紅葉と青い海。 これぞ、瀬戸内の離島らしい楽しみ方だ。
 
太陽の光を受けてシルエットが美しい瓢箪島。 キラキラと輝く伊予灘。
 
お昼ご飯は、因島のコンビニで買い込んで来たお弁当。 きれいな浜に座り、波打ち際でお弁当を開くと、島の商店で買ったビールを『プシュッ』
 
『グビリ』 うーん、美味い! こんな景色を眺めながら飲むビールは最高だ!!!
***
食後は、しばし浜辺で海を眺めながら、ゆったりと流れる島時間で体と心を癒す。
 
再び港のある集落に戻り、路地を散策。 ある家の玄関の軒先には、サメの顎とアワビの貝殻が掛けられていた。 これは魔除けかな?

次回は是非、魚島でゆっくりと一泊したいものである。
 
天気にも恵まれ、岩城島一周ツーリングと、魚島散策をたっぷりと満喫した。
やっぱり『しまなみ海道』は最高だ! さて、次はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: 初めての『金のエンゼル』と『宇宙缶』

2010年11月15日 | 旅するシーカヤック
先日、宅配便が届いた。 『なんだろう?』 見ると、森永製菓からである。 『おーい、届いたぞー!』
***
事務所での午後3時。 パソコンの画面とにらめっこしつつ、あーでもない、こーでもないと呻吟しているとき、引き出しを開けて取り出すのは『チョコボール』
次々と降ってくる難題に向き合い、無い知恵を絞り、脳みそに汗をかきながらコツコツとプランをまとめていく仕事。 だから疲れてくると、自然と脳が甘いものを欲してくる。 そんな時には、価格も内容量も手頃なチョコボールが、一時の安らぎを与えてくれるのだ。

夏にはシーカヤック旅の日焼けでいつも真っ黒な俺。 坊主頭で真っ黒だから、かつては一部の同僚から『チョコボール』と呼ばれていた時期もある。 いってみれば『共食い』でもある。

プラスチックの包装を開け、いつものように『どうせ外れだよな』と心の中でつぶやきつつクチバシを開く。 すると其処には!

キラーンと光る『金のエンゼル』が。 47年生きてきて、初めて拝む『金のエンゼル』 一瞬、何が起こったのか理解できないまま、しばしパッケージのクチバシを眺める。
 
『当たった!』 仕事中の職場。 一人心の中でニヤリとし、冷静さを装いながら、一粒のチョコボールを取り出し、口に放り込んだ。

『うーん、美味い。 今日の味は格別だ』
***
実は家には『おもちゃの缶詰』が5,6個ある。 小さい頃からチョコボールが好きだった次男が、コツコツと銀のエンゼルを貯め、集めてきたコレクションだ。

40代半ばの俺は、さすがに職場では黙っていたが、家に帰ってからは『見てみて。 これ、スゴいやろ』 すると妻も息子も、『おー、スゴい。 初めて見た』

あれだけオモチャの缶詰を集めてきた次男と妻も、金のエンゼルは初めてだそうだ。 幸い、今年の9月から新しいコンセプトの缶詰に変わったとの事。 さて、いったいどんな缶詰が送られてくるのだろう?
***
届いた宅配便を、次男がさっそく開けてみた。 9月から変わった最新版の缶詰、『宇宙缶』である。

『お、なんか今までと違うねえ』 『え、こんなのが入っとる』

中身の写真を撮ろうとしたとき、妻が一言。 『これ、ブログに書いたらいけんよ』 『そうなん?』 『そりゃあそうよ。 中身を楽しみにしとる人が、たくさんおるんじゃけんね』 なるほど!

と言う訳で、『宇宙缶』 皆さんも中身は届いてのお楽しみに!
***
2010年。 今年は、『旅する櫂伝馬プロジェクト』は成功したし、産まれて初めて『金のエンゼル』は当たった。 天候不順な年ではあるが、休日には40日以上の充実した海旅も楽しめているし、夏には3年目となった『島でのシーカヤック教室』も無事終えることができ、更に平日はやりがいのある仕事にも恵まれて、なかなか良い一年だ。

2010年も、残り一ヶ月と半分。 ラストスパート、たっぷりと楽しんでいこう!

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瀬戸内シーカヤック日記: 海と夕日と岩ガキと_秋の『しまなみ』キャンプツーリング

2010年11月07日 | 旅するシーカヤック
2010年11月6日(土) 朝起きると、いつもの様にMacBookで天気予報をチェック。 『えー、マジ! 日曜日は雨じゃん』 水曜、木曜と続いていた、抜ける様な秋の青空は、残念ながら長続きしないようだ。

この週末は、ニヤックにキャンプ道具一式を積み込み、島に漕ぎ渡って一泊二日の海旅を楽しもうと思っていたが、日曜日に雨の中を漕ぎ戻るのは気がすすまない。

俺にとってシーカヤックとは、生活道具一式を積み込んで海を歩き、誰もいない静かな浜で、独り静かに充実した時間を過ごすための道具。 そして時には偶然出会った地元の漁師さんやおじいちゃん・おばあちゃんから貴重なお話を伺うため、自分の力で島を訪問する道具。 決して修行や鍛錬の道具でも、ましてや争うための道具でもないから、基本的に天気が良く楽しめる日しか海には出ない。
そんな気持ちの良い日だけを選んでも、年間40日から50日は海旅を楽しむことができるのである。
***
この週末は、土曜日は晴天でバッチリ漕げるが、日曜日の朝は雨を覚悟しなければならない。 でも、せっかくだからキャンプツーリングにしたい。 そう、日帰りツーリングとキャンプツーリングは全く別物。 その楽しさは10倍以上差があると思っている。

漕いだ後、温泉でサッパリと潮抜きをし、浜辺に座って海と夕日を眺めながら飲むビール。 日が沈んだ後は、ヘッドランプの明かりで簡単な食事を摂り、時には焚き火を眺めつつ独り静かに物想いながら、チビリチビリと飲るお酒。 これなくして何が人生かっていうくらい、海辺で過ごす一夜は、私にとって、とても大切な時間なのだ。

うーん、そうなると。。。
あそこはどうだ? うん、こっちがいいかな。 いやあ、やっぱりここだ! 『日曜日は雨だっていうから、予定を変えてあそこに行ってくるよ』
***

今日の目的地は大三島。 秋の海は人気もなく静かである。 出艇の準備をしていると、バケツやザルを持った方がやってこられた。 スロープに座り、なにやら準備されている。
 
『こんにちは。 あ、こりゃあ岩ガキですね。 今日採られたんですか』 『ほうよ。 潮が引いた時にあっちの方に行ってみんさい。 あるよ』

『もう食べられるんですか?』 『そうじゃね。 11月になったら大丈夫。 でも今年は夏が暑かったからか、少ないのお』 『ほんま夏は暑かったですね。 8月にここに来た時、海に入ったら温泉か思うくらいでしたよ』 『ほうじゃろう』

『これは、どがあにして食べられるんですか?』 『牡蠣飯にしてもええし、味噌汁にいれても美味いよ』 『なるほど。 わしも後で採ってみます。 ありがとうございました』

その後、畑の肥料にするため、流れ着いた藻を拾いに来られた方ともお話しし、海へ。
***
明日が雨とは信じられないくらい良い天気で、穏やかな海。 目指す大横島までは、片道30分ほどだ。
 
穏やかな秋の瀬戸内海を、のたりのたりと漕ぎ進む。 『あー、ええ気分や!』
 
大横島に到着すると、島の紅葉を眺めながら、大横島を時計回りに一周し、その後は小横島を半時計回りに一周してみる。
 
一回りした後、小さな浜へとシーカヤックを引き揚げた。 『さて、昼ご飯にしようか。 あー、腹減った』
浜に落ちていたプラスチックのミカン箱を洗って椅子にし、途中で買い込んで来たお弁当を食べ、家でポットに詰めてきた温かいお茶を飲む。

なんちゃってプライベートビーチで過ごす、楽しい一時。 『ごちそうさまでした』
***
お昼ご飯を食べている間に潮が引き、岩場を散策すると『岩ガキ』が!
数は多くなく、サイズも小さめだが、一人が夜のおつまみにするには充分だ。 レスキューナイフを使って、少しだけ海の幸をいただいた。 『夜が楽しみだなあ』
 
***
浜に漕ぎ戻り、シーカヤックの潮抜きをして道具を洗って片付ける。 今日は、結局2時間半のツーリング。 その後はマーレグラッシアへ行き、自分自身の潮抜きをしてサッパリ。
『さて、なかなか良い時間じゃないか。 じゃあ行ってみようかな』 そう、今日ここ大三島に来た目的はもう一つあるのだ。
 
『鷲ヶ頭山』 ここからの瀬戸内の眺望がお気に入りなのだ。 いつか、ここから夕日を眺めてみたいと思っていたのである。
 
少し靄がかかっているが、やはりここからの眺めは最高である。
 
日が沈むまでの約1時間。 誰も来ない山の中腹で、次第に傾いていく夕日を静かに眺める。
 
金色に輝く瀬戸内の海。 なんて美しいのだろう。

『ああ、やはり今日は大三島にして正解だった!』 え? 男一人で夕日を眺めて楽しいかって? そりゃあ楽しいに決まっているじゃないか!
***
日が沈むと、再び浜へ。 まだ明るさが残る中、テントを張り、炭火を熾して夕食の準備に取り掛かる。 今日は、『里山コンロ』で獅子唐と茄子、ピーマンを炭火焼。
 
昼間に小横島で採取してきた『岩ガキ』 半分は、オリーブオイルで炒め、クレージーソルトをパラリと振る。 さて、どんなお味かな?
『パクリ』 うーん、これは旨い! 小さな岩ガキの、濃厚な味と海の香り。 これはオリーブオイル&ソルトと相性ピッタリだ。 これは堪らんと、ビールを『グビリ』

残りの岩ガキは、水から茹でて味噌汁に。 これまた、口の中に瀬戸内海が広がっていく。 いやあ、岩ガキ最高!
 
里山コンロの残り火で暖をとりつつ、ビールをグビリ、焼酎をチビリ。 『やはり、俺にはこんな時間が必要だ』
***
2010年11月7日(日) まだ暗い中、テントの中で目を覚ますと、雨の音が聞こえてきた。 いやあ、天気予報って、ほんとよく当たるよなあ。
でも雨が降るという予報だったからこそ、ここを選んだのだ。 ショパンの調べの様な雨音を聞きながら、快適なテントの中でiPodを取り出し、目覚めの落語。

6時にはテントから這い出して、朝食の準備。 今朝は、昨日買っておいたかき揚げを入れた天婦羅うどん。
さすがに晩秋の朝は冷える。 今朝は雨なので放射冷却がなく、冷え込みは和らいだ方だが、それでも温かいうどんが体を中から暖めてくれる。
 
『ごちそうさまでした』 食事を終え、道具を片付け、お湯を沸かしてコーヒーを楽しむ。 キャンプの朝、海を眺めながら飲むコーヒーは、俺にとってキャンプツーリングの楽しみの一つ。

クルマに荷物を積み込んでいると、船で釣りに出ると言う方が二人来られた。
『これから出られるんですか?』 『うん、出ようかどうしようか考えよるんよ』 『今は、何が釣れるんですか?』 『アジとハゲ』
『ハゲ、良いですね! 肝は?』 『おお、もうだいぶおおきゅうなっとるで』 『そりゃあ、堪らんですね』
もう一人の方は、昨日の夕方お会いした方。
『お、昨日はあれからまた漕ぎに出たんか?』 『いいえ、あれからはご飯をつくって、ビールを飲みよりました』 『ほうか、一人で?』 『ええ、一人です。 独り静かに浜で飲む酒が美味いんですよ』
『寒うなかったんか』 『大丈夫。 冬用のシュラフを持ってきましたからねえ』
***
『じゃあ、失礼します』と、浜を後にした。 いつもならこのまま家路につくのだが、今日はちょっと寄り道してみよう。

生口島に立ち寄り、
 
一度行ってみたかった、クルマ一台がやっと通り抜けられる『素堀りのトンネル』を抜け、
  
お土産に、『玉木商店のチキン』と『ドルチェのジェラート』を購入した。

天気予報がバッチリ当たり、予報を見て急遽変更したキャンプのプランもピッタリと大正解。 今年45漕ぎ目となった『しまなみ』キャンプツーリングは、『海と夕日と岩ガキ』をたっぷりと堪能。 あー、またまた良い週末であった。

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