あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: ロードスターの燃費が!

2008年06月22日 | 旅するロードスター/アテンザ
シーカヤック運搬用&家族での移動用に使っているステーションワゴンとは別に、ドライブ&通勤用にロードスターを使っている。

↑ 一年中、雨や雪が降らない限りはオープンドライブ。 通勤も、もちろんオープン。 海沿いの道を走る通勤は、会社に行くという事も忘れるくらい爽快である。

毎日の通勤に使っているこのロードスターの燃費が、最近スゴい事になっているのだ。
前々回の給油時が、15.1km/L、この週末に入れたときは、なんと15.4km/L。

NB、1.6L_5MTのカタログ燃費が、10.15modeで14.2km/Lなので、実燃費がそれを大幅に上回っている。 これは驚きであった。
***
自分で余裕駆動力を調整できるMTの良さを駆使して、通勤時には余裕駆動力ミニマム制御で走行しているため、以前から燃費は良く、通勤主体で、春から秋は14km/Lを少し越え、冬は暖気運転とライト点灯の頻度が高まる影響からか13.6km/L絡み。 また遠出では、一部高速を使った下関までの往復ドライブで、17km/Lを超えた事もある。
これでもすごいと思っていたのだが、通勤主体での最近の15km/L超えは驚異!

この理由ははっきりしていて、オイルの影響。
私はディーラーのカード会員になっていて、特に銘柄指定せず、ディーラーが設定したオイルに交換しているのだが、以前は純正のSL_5W-30だったのが、最近交換した時にはECO_0W-20に変わっていたのである。
その時には『フーン、オイル変わったんだ』程度に思っていたのだが、給油してみてその効果に驚いた。

走り屋ではなく、屋根を開けてのんびりまったりと走るのが好きなので、低粘度オイルで充分だろう。
こんなに変わるのなら、次にタイヤを替える時にはエコタイヤも検討してみるかなあ?
***

↑ 妻とのドライブにも活躍。

↑ ミニマムパッキングに徹すれば、二人でキャンプにいく事もできる。 長男とキャンプに行ったこの時には、ダッジオーブンや折りたたみ式のコットも積んで行った。

↑ もちろんワインディング走行も楽しい。 まさに人馬一体! ヒラリ感!

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瀬戸内シーカヤック日記: 御手洗&岡村島、初夏のキャンプツーリング(2)

2008年06月15日 | 旅するシーカヤック
無料貸し自転車をお借りして、初めての自転車による岡村島一周を終え、JAのスーパーでビールを買って浜に戻ってきた。

初夏の日差しはギラギラと照りつけ、白い砂による照り返しもあって、浜はかなり暑い。
ようし、お気に入りの書斎へ行くか!
***
本とペットボトルのお茶、そしてiPodを持って、お気に入りの書斎へと向かう。
急な坂を登りながらiPodから聴こえてくるのは、『Best Jazz 100』の一曲、『Besame Mucho』

↑ ここが、岡村島での私の書斎。
茂った木々で夏の日差しが遮られ、小高い丘の上にあるので涼しい海風が吹き抜ける。
また、板の床がひんやりと心地良いので、夏の暑い日中に、板の上に寝転がって本を開くのは至福の一時なのだ。
手を合わせてお堂に頭を下げ、ひととき場所をお借りする断りを入れる。

寝転がって目に入ってくるのは、こんな眺め。 これほど快適な書斎を、私は知らない。

瑞々しい新緑が目に優しい。 今日の本は、これまた本棚から引っ張り出してきた『ジャッカルの日』
この本を開くのは数年ぶりだが、その面白さに時を忘れてページをめくる。
***
さあて、そろそろ浜に戻って夕食の準備をするか。

日がだいぶ傾いてきた。
***

テーブルにちょうど良い流木をセットし、トランギアのストームクッカーをセットする。
ピンク色のKittyちゃんのケースは、以前ダイドックのツーリングでご一緒させていただいた方々から、プレゼントとしていただいたもの。 その時のメンバーの方々は、私がいつも手にしている黄色いペリケースがかなり印象的だったようで、じゃあということで、これを選んでいただいたとの事。
これが、キャンプツーリングの調味料入れにぴったりで、愛用させていただいている。
***
オピネルでピーマンを切り、タマネギを刻み、魚肉ソーセージを小さくして準備完了。
ストームクッカーのフライパンにオリーブオイルを垂らし、クレージーソルトで味付け。 そこにソフト麺を加え、軽く炒めたら、粉末ソースを絡め、簡単ナポリタンの完成。
次は、残しておいたタマネギとピーマンを再び炒め、卵を二つ割り入れて、オムレツをつくる。

ふわふわでなめらか、具沢山のオムレツ。 これに、オタフクお好みソースを掛けていただく。
***

夕焼けを眺めながらスパゲティを食べ、ビールを飲み、オムレツをつつく。

すると上から、『おにいちゃん。 あの舟で来たんね?』 振り返ると、一人のおばあちゃん。
『こんにちは。 そうなんですよ』 すると、おばあちゃんは階段を降りて来られた。
『ようあんな小さい舟で。 よう、ひっくりかえらんもんよ』 そして、テントや調理器具などを見回しながら、『これ、全部あのフネで持ってきたん?』 『ええ、あのフネは結構荷物が積めるんですよ』

食事はいったん休みにして、おばあちゃんの近くに腰掛け、缶ビールをすすりながらしばしの四方山話。
11月に豊浜大橋が掛かるので、戸締まりや鍵掛けをしないといけなくなること。 『わたしら、鍵なんか掛けたことがないけん』
お昼ご飯を食べた御手洗の食堂のことや、そこの中華そばのこと。 町村合併で今治市になったことによる変化。 島に仕事が少なく、若い人が出て行って年寄りばかりになり、人も減っていること。 船便も昔に比べて減って不便になったことなどなど。 こんなとき、宮本常一ならどんな事を考え、アドバイスし、自分で動き、支援するだろうか?

毎日この浜まで散歩に来て、夕日と観音様を拝んで帰るというおばあちゃん。 『じゃあ、そろそろ帰るわ。 気をつけてね』
『はい、ありがとうございます』
***
翌朝、いつもよりゆっくりと起き出し、海を眺めながらストームクッカーでお湯を沸かし、チャイを入れる。
まだ太陽は山の陰になっており、ひんやりとした空気が心地良い朝の一時。
玉子うどんの朝食を食べ、再びチャイを入れる。
***
荷物を片付け、パッキングして出発。

昨日の夕方強くなっていた西の風は静まり、海は穏やか。 片道約14kmの距離を、横断隊ペースをイメージしつつ漕ぐ。 県民の浜まで、約1時間45分で到着。
体格に恵まれていない私が、一部の行程ではあるが横断隊に参加させていただき、遅れないようについていくには、普段から漕ぎ続けるのみである。

県民の浜に近付くと、右手に見えてくるのは『豊島大橋』
今年11月に開通予定のこの橋が、豊島、大崎下島、岡村島に、どんな影響を与えるのであろうか?
北前船が、地乗り航路から沖乗り航路に変わった事で、栄えていた湊がさびれ、新たに栄える湊ができた。 そしてその後、運輸の主流が船から陸上交通に変わった事によって、瀬戸内の島々は更に大きな影響を受けた。 瀬戸内の島々は、それらを取り巻く状況によって、時代背景に応じて、常に変化しているのである。
旅するシーカヤック。 これからも瀬戸内の島々を訪れ、あるくみるきくのスタイルで島の今を知り、記録し、定点観測を続けていきたいと思う。

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瀬戸内シーカヤック日記: 御手洗&岡村島、初夏のキャンプツーリング(1)

2008年06月14日 | 旅するシーカヤック
2008年6月13日(金) 今日は有給休暇。 梅雨時期だが、運良くこの週末も晴れ間が出るとの予報。
久し振りに、愛媛県の岡村島に行ってみるか。
***
御手洗&岡村島コースでは、いつも出発地点としてお世話になる『県民の浜』
今日はいつもより人が多いようだ。 横断隊でも大変お世話になっているIさんもそこに居られたのでお話を伺ってみると、藻塩作り体験の4万人目だとかで、テレビ局も取材に来ているらしい。 なるほど!

それらを横目に見ながら、シーカヤックを運び、パドルを運び、荷物を運ぶ。
今日は穏やかで良い天気。 絶好のキャンプツーリング日和である。

今日は、コックピットの後ろに、かなり前のアカデミーで購入した、シーカヤックの目印となる旗竿を付けてみた。 この付近は漁船も多いので、少しは役立ってくれるといいな。
***
県民の浜を出ると、まずは豊島へ渡る。 豊島の南岸は、潮が速くて複雑だ。

今日も潮は小さいのだが、この辺り一帯は波がザワザワと騒がしい。

豊島の南岸を抜けると、次は大崎下島の南岸へ。
ここからは、東の風が吹き出した。 強すぎず、弱すぎず、ちょうど良い風だ。
風を受けやすいように少し沖に出て、追い風に背中を押してもらいながら、快調に漕ぎ進む。

***
今日は風も味方し、1時間半ほどで御手洗へ到着。
小さな浜へシーカヤックを引き揚げ、貴重品の入ったペリケースだけ持ってお昼ご飯を食べに行く。

↑ 私のトレードマークの一つである、黄色いペリケース。 これまで使ってきたものが、蝶番部分の金属製のシャフトが少しゆるくなり時々抜けそうになってきたので、ストックしておいた新品に最近入れ替えた。 とはいえまだまだ使える古いペリケースは長男へ。
新しいペリケースには、先日安全祈願で訪れた『大山祇神社』で手に入れてきた、シーカヤックにピッタリの『防水お守り』を貼付けた。 神様、これからも手漕ぎ舟による海旅の安全を見守って下さい!

いつもの食堂へ行き、いつものラーメンを注文。 地元の方にも評判の、年に何度か味わうこの食堂の中華そば。 これがおいしいのである。

食事を終えると、町中を通って浜へ。 11月の豊島大橋開通を睨んでか、かなり町中の改装や整備が進んでいるのに驚いた。
豊島大橋は、観光面ではかなり期待が大きいのだなあ。
***
岡村島はもう目の前。
大崎下島は広島県だが、岡村島は愛媛県。 そう、この狭い海峡を渡ると、そこは愛媛県なのである。
あっという間に渡り終え、シーカヤックを引き揚げ、荷物を運び、小さなテントを設営。 シーカヤックでの海旅のルーチンワーク。

さあて、ビールの買い出しも兼ねて散歩に行ってくるか。
フェリー乗り場まで歩いて行き、自動販売機で野菜ジュースを購入。 日陰で良く冷えた野菜ジュースを飲む。 カラカラに乾いた喉に、野菜のエキスが染み渡る。 いやあ、美味い。
港の回りをぷらぷらと歩いていると、『貸し自転車』の看板が目に飛び込んできた。 これまで何度も来たはずなのに気がつかなかったなあ。
見ると、無料と書いてある。 特に手続きも要らないらしい。

フレームやカゴには錆びが浮いており、不安になったが、よく見るとギアには油が注してあり、さわってみるとタイヤの空気もしっかりと入れてある。 すばらしい。 ちゃんと手入れがしてあるんだ、管理されている方、ご苦労様です。

では、ありがたくお借りします!
***
内装4段変速のママチャリでしばらく走ると、小さなガソリンスタンドが。 でもこれは、船用のようだ。

看板には、『関前機帆船協同組合』 なんと、機帆船時代の名称がそのまま使われているのだ。 感涙。

登り坂を立ち漕ぎで乗り切り、景色の良い坂を気持ち良く下る。
***
海岸沿いに走る島の道を、結局自転車で一周した。 岡村島一周、約11km。
観光用の無料貸し自転車。 これから、新たな楽しみが増えた!

JAのスーパーでビールを購入し、浜へと戻る。
さあて、お気に入りの書斎へ行って、本でも読むか!

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瀬戸内シーカヤック日記: あるくみるきく_倉橋島の里ラムネ

2008年06月13日 | Weblog
2008年6月9日(月) 土日のダイドック祝島ツアーに参加した翌日は、有給休暇。
朝、いつもよりかなりゆっくりと起き出し、ゆったりとした心持ちで朝食を摂る。
今日は、大事な任務が待っている。
***
家族全員で愛用している倉橋島のおいしい『刺身醤油』が底を尽き、息子二人が風呂上がりに愛飲している里さんの『ラムネ』が残り2本になってしまったのである。
『今日は特に予定はないけえ、わしが買いに行って来ちゃるわ』
***
クルマで妻を職場の近くで下ろし、そのまま倉橋島へと向かう。
曲がりくねった狭い、だが風光明媚な海沿いの道を走り、室尾の集落へ。
ここからは、更に細く、クルマ一台がやっとの家と家との間の路地を、そろりそろりと進んで行く。
里ラムネさんに到着。

駐車場にクルマを入れていると、作業場の開いた窓からおじさんが顔を覗かせた。
私はクルマの中から会釈すると、ニコリと笑顔が返ってきた。
クルマから降り、『こんにちは。 また、買いにきました。 2ケースお願いします』
空瓶の入った軽いケースを店の前に置き、ラムネが詰まった重いケースをクルマへと積み込む。
***
私はいつものように、興味津々で作業場の中を眺めながら、『今日は暑いですねえ』 すると、『ほうじゃのお』
『今日は、ラムネ、詰めないんですか?』 『今日は、瓶を洗おうとおもうて準備しよったところ』
こうなると、ラムネにまつわる話を伺うのが好きな私のことを知っているおじさんは、作業場の前のスペースに置かれた台に腰を落ち着け、四方山話モードに入った。
***
『今年は暑いけえ、ようけえ売れりゃあええですねえ』 『なあに、売れたけゆうても知れとるよ。 まあ一夏に○○本くらいじゃけえ』
『最近は、瓶はどうなんですか?』 『それがのお、だんだん減って行きよるわ』 そう、昔ながらのラムネ瓶にこだわる『里ラムネ』さんのような製造元では、既に生産されていないラムネの瓶の確保が大きな問題なのである。
飲んだ後の空瓶は、店に戻され、洗浄され、再びラムネが詰められて商品になる。 まさに、リユースを前提にした商売なのである。
『今は、口の所がプラスチックになっとる瓶があるじゃないですか。 あれはどうなんですか?』 『あれはだめよ。 やっぱりガラスじゃないと。 プラスチックのやつは、どうしても口元が冷えん。 いっぺん、飲み比べてみたらええよ』
***
作業場の片隅に、皮の輪っかが置いてある。 『これ、この前見せてもろうたパッキンですよね?』
『そうよ。 端がすり減って漏れるようになったけえ、交換したんよ』 『どれくらい保つんですか?』
『うん、だいたい2年くらいかの』

↑ パッキンの構造を説明していただいた。 ここの穴で砂糖水が入って、ここで炭酸を入れて、ここで炭酸を少し抜いて。 これを瓶が回りながら3回繰り返す。 最後の炭酸を抜く工程で、下向きになった瓶の『ラムネ玉(ビー玉)』が炭酸に押されてパッキンに押し付けられ、栓がされる。

この、穴の開けられた皮のパッキンが、シーケンサーの役目をしている訳である。 なんとも素晴らしいじゃないか。

↑ 立ち上がり、奥に入って行ったおじさんが見せて下さったのは、新品の皮。

『これが、新品のパッキンよ』 『穴はどうするんですか?』 『そりゃあ、機械に合わせて自分で開けるんよ』
『ドリルかなんかで?』 『そう、最初はドリルで。 その後は、焼けた火箸で少しずつ広げて行く』
なるほど、それで長穴が開けられるんだ。 それに、穴のふちが黒く焼けたようになっている訳も分かった。

『前のは、外周がすり減って切れとるじゃろ。 じゃけえ今回は、径を少し大きゅうしてもろうたんよ』
『厚みも、もう少し厚いのがええんじゃけど、これ以上厚うすると、値段が跳ね上がるそうじゃ。 前は、2枚を接着して厚うしてもろうとったこともあるよ』
***
しばし、作業場の中を見学。 見ると、電動機からプーリーを介して動力を伝える長いベルトの継ぎ目が目に入ってきた。

↑ 木で作られたプーリー。 ベルトでこすられ、歴史を感じさせる良い艶が出ている。 感涙!

『ベルトって、こんな風にして継いであるんですか!』

するとおじさんはニコニコしながら再び奥に入り、小さな箱を取り出してきた。 『これよ。 この金具で留めるんじゃ』 『なるほど』
***
『今日は、今から瓶を洗うとこ』

↑ お客さんの所から返ってきた瓶は、まずは大きな洗浄機で洗われる。 その後は、一本一本、高圧水や電動機に取り付けられたブラシで丁寧に洗うのだ。

昔の瓶は、一本一本微妙にサイズが異なるのに加えて、ラムネの場合は瓶の中にビー玉が入っているので、ブラシのサイズを変えないといけない場合もあるそうだ。
更に、洗われようとしている瓶を見ると、パッキンがないものがある。 『これ、パッキンがないですが』 『弱っとるパッキンは外すんよ』 たしかに、作業場には交換用のパッキンが置いてある。 『こりゃあ、ほんまに大変ですねえ』

『一本一本大変ですね』 『まあ、手間はかかるよねえ』

『いやあ、今日もいろいろとお話を聞かせてもろうて楽しかったです。 ほんまにありがとうございました。 また来ます』
『じゃあ、気をつけて』
***
里ラムネさんを後にし、次は倉橋のおいしい刺身醤油を仕入れ、室尾の集落をしばし散策。
ああ、今日は倉橋に来て良かった。 倉橋島室尾での、『あるく みる きく』となった一日。

こうして一本一本、大変な手間暇を掛けて詰められる『里らむね』
夏が近付き、ラムネのおいしい季節がやってきた。
たまにはビールじゃなく、ラムネをプシュッと開けてグビリと飲るか!

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瀬戸内シーカヤック日記: ダイドック祝島堪能ツーリング(2)_練塀と祝島の鯛とスナメリ

2008年06月10日 | 旅するシーカヤック
祝島名物の一つである『枇杷』狩りで、もぎたてのビワをたっぷりと堪能し、山を降りると民宿『くにひろ』さんへ。
荷物を置き、風呂に入ってシーカヤックとビワ狩りでかいた汗を流す。 あー、気持ち良い!
***
風呂から上がり、他の方が風呂に入っておられる間に、長男を誘ってしばし集落を散策。

祝島は、『練塀』で有名な島。
この練塀は、家の構造壁を形成するとともに、防風、防火、防波の機能、加えて集落の景観を良くする機能も持っているのだそうだ。
以前訪れた時に比べて練塀がきれいだなあとは思っていたのだが、帰って調べてみると、2007年に『練塀修復プロジェクト』が行われたとのこと。 ふむふむ、道理で漆喰の白さが際立っていた筈である。
***

夕食には、島の魚や島豆腐などなど、祝島の民宿ならではの料理が並んだ。 これは美味そうだ。
おいしい魚を食べ、ビールを飲み、途中からは島の方々も加わっての大宴会となった。
ごちそうさまでした。 また、楽しい時間を過ごさせていただきました。 本当にありがとうございます!
***
翌朝。 朝食を食べると、最近設置されたという島の掲示板に、昨日産まれた豚の子供の記事が出ていると教えていただき、みんなで見学に行くことに。 明日には、見学会も催されるとのこと。

島で豚の子が産まれたことをみんなで祝い、喜びを共有するこの雰囲気。
これこそが、本来のコミュニティであろう。 最高じゃあないか!
***
私と長男は、そのまま島の散策へ。

↑ 上関の白井田の神社でもそうだったが、祝島の神社にも、本殿の前に『橋』のような構造物が設置されている。 これまであまり見た記憶がない。 今後のフィールドワークの宿題が、一つ増えた。

↑ 祝島では、時折吹く強い風に対応するため、窓枠に木の板が嵌め込めるようになっている。 板には一枚一枚、『東1』とか『西5』とか、嵌め込む場所と順番が記されていた。
***
散策を終えると民宿に戻り、民宿のご主人とダイドックとともに、島の生活や今後の展望、シーカヤックで訪れた瀬戸内の島々の話で盛り上がる。 こういう時間がまた一際楽しいものだ。

『そろそろ行きますか!』の声で、荷物を片付け、宿のご主人とおかあさんにお礼を言って浜へと向かう。
浜では民宿のご主人と、K先生が見送ってくださった。 『本当にありがとうございました! また、遊びに来ます』
***
今日も、少し雲と霞が掛かってはいるが、風も波もなく、シーカヤックツーリングには最高のコンディション。

ダイドックが以前のツアーで祝島に置いていたシングル艇に、昨日収穫した大量の『祝島の枇杷』と、ダイドックへの祝いとして送られた『祝島の鯛』とを積み込み、出発した。
海峡横断も、ほとんど潮の影響を感じることなく順調に漕ぎ進み、長島に渡って小休憩。

ここで、『おい、お前後ろを漕いでみるか?』と長男に提案。 彼は、小学校高学年の頃には、妻や次男を乗せたタンデム艇でスターンを漕いではいたのだが、私とペアの時には常にバウマンであった。
でも、そろそろ世代交代、次世代への継承を考える時期である。 今日はコンディションも良いので、彼に任せてみよう。

バウとスターンを入れ替わり、小休憩した浜を出発。
私はこれまでのカヤック人生の中で、イベントの試乗会ではタンデム艇の前を漕いだことがあるが、実際のツーリングでバウを漕ぐのは初めての経験である。
普段と違う風景と、後ろの人のパドリングのリズムに合わせる感覚、そしてなにより人にラダーを任せる感触がなかなか馴染まないが、これも彼の経験のためである。
***
お互い慣れない感じのまましばらく漕ぎ、お昼ご飯を摂る予定の浜へ。

ここは、景色が良くて良い浜だ。 今日のメニューはパスタらしい。 『せっかくなんで、祝島でもらった鯛を入れてみますか』とダイドック。 『それはいいねえ!』 『鯛スパゲティか!』

クーラーバッグから取り出された2匹の祝島鯛は、それは美しい鯛であった。 『この鯛は、ほんとうにきれいだねえ』

今朝絞めたばかりという新鮮な鯛をダイドックが手早く捌き、あっという間に、おいしい『鯛スパゲティ』の完成。

みんなで浜に座り込み、おいしい鯛スパを平らげる。 うーん、美味い。 K先生、ごちそうさまでした!

昼ご飯の後は、きれいな砂浜に寝転がり、海を眺め、空を眺め、のんびりまったり、ダイドックと四方山話。
***
ここから出発地点までは、もう目と鼻の先。 最後も息子にラダーマンを任せて漕ぎ出した。 先ほどよりは少し、この感覚に馴染んできたうようだ。 彼も、自分なりに考えながらラダーを操作していることが感じられる。

他の人より先に漕ぎ出したので、待つ間、少し沖に漕ぎ出してみた。 しばらくすると長男が、『父さん、あれは?』
見ると、海面からヌッと頭がでて消えて行った。 少し離れた場所でも、大きな陰が動いている。
『スナメリだ! おー、あっちへ行ってみようぜ』 漕いで行くが、スナメリは姿を消してしまい、残念ながら写真に撮ることはできなかったが、これは良いものを見た。
『生野島にキャンプツーリングに行った帰りに、竹原沖で見た時以来だなあ』 『うん、そうだねえ』
***
しばらく漕ぎ、無事出発地点に戻って来た。 お疲れさまでした!
荷物を片付け、ダイドックがお祝いにもらった鯛のお裾分けをいただいた。 これで、祝島の枇杷』と『祝島の鯛』が、家で待つ妻と次男への良いお土産となった。 うれしいな。

祝島の皆さん、ツアーをご一緒させていただいた方々、そしてダイドック。 本当にありがとう。 おかげさまで息子も私も祝島をたっぷり堪能できました。 また、一緒に漕ぎましょう!

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瀬戸内シーカヤック日記: ダイドック祝島堪能ツーリング(1)_最高にジューシーな裸ビワ

2008年06月08日 | 旅するシーカヤック
2008年6月7日(土) この週末は、久し振りの商業ツアー。 カヤック仲間であり、横断隊仲間でもある『ダイドック』の看板ツアー ”祝島ツーリング” に、長男とともに参加することになっている。
***
久し振りの祝島訪問。 最初は、ダイドック創業後の初ツーリングで、2回目は瀬戸内カヤック横断隊で、そして今回が3回目となる祝島。 今日は、長男と一緒にタンデム艇を漕いで祝島に渡るというので、とても楽しみだ。
5月連休に初めてチャレンジした、ダブルのアークティックウインドを準備し、集合場所へと向かった。
***
今回は、男女のペア1組と私たち親子、そしてガイドであるダイドックの計5名。 タンデム2艇、シングル1艇と、まとまりの良いツアー。

恒例である、出発前のナビゲーション。
女性の方は初めてのシーカヤックと言うことだが、今日は天候も安定しており、良いツーリングが期待できそうだ! それにしても、初のシーカヤックツーリングが祝島ツアーとは、うらやましい限りである。
***
べた凪の瀬戸内海。 かんかん照りでもなく、かといって寒い訳でもなく、梅雨時期にしては最高のパドリング日和。 

瀬戸内では珍しいと思われる、ホワイトとブルーのアークティックウインドのコンビで、快調に漕ぎ進む。 気分爽快、クルーはバウもスターンも奇々怪々だが、パドリングは絶好調!
家に帰ってから、ダイドックに渡したカメラで撮ってもらった写真を見たが、タンデム艇でのアークティックウインドのコンビは、なかなかいいじゃあないか!
***

途中のきれいな浜で休憩し、追い潮に乗って一気に祝島へと漕ぎ渡る。

ここは、風が吹くととんでもなく荒れる海峡なのだが、今日は幸いにもベタベタの凪。 行き交う船に注意しつつ、潮に乗ってあっというまに祝島へ。
***

少し遅めの昼ご飯は、ダイドック特製のエスニックカレー。 漕いだ後のカレーは、格別である。
もちろん、缶ビールのプルタブを『プシュッ』と開け、『ゴクリ、グビリ』と飲る。 あー、たまらんなあ!
***
食事を終え、少し休憩すると、今回のメインイベントである『ビワ狩り』へ。

山を登り、ビワ畑へと向かう。

ビワ畑に到着すると、ビワもぎの説明を受ける。 今回もぐのは、袋掛けのしていない『裸ビワ』
畑に入り、ビワの木に登り、教えられた通りにビワをもいでいく。
これが楽しいのなんの! ハサミなんか使わない。 軍手も不要だ、素手で充分。 蚊なんてへっちゃら。
野生の本能が騒ぎ出し、おいしそうなビワを見つけては、枝から枝へ、木から木へ。 喉が渇くと、時々『ガブリ』ともぎたてのビワにかじりつき、ジューシーで味の濃いビワを堪能ながら、祝島名物の一つであるビワを収穫しては息子に手渡していく。

時を忘れるとは、まさにこのこと。 他の人がもう取り終え、畑から上がって休憩しているのに、あまりの面白さに我を忘れて収穫していた。

収穫した裸ビワは、お土産にしてもよいということだったので、一つ一つ丁寧に切り取り、息子と二人でパッキングしていく。

詰めても詰めてもまだまだかごの中に残っている。 いやあ、こんなに取っていたかなあ?
家族に、親に、そして近所に、これは良い土産ができた。
今回のツアー参加者の最高齢だというのにお恥ずかしい限りであるが、歳も忘れてビワ狩りを心底楽しませていただいた。
本当に楽しく、そしておいしい一時であった。 お世話になった方々には、感謝しております。
本当にありがとうございました!
***
山を降りると、荷物を持って民宿へ。 さあ、これから楽しい晩ご飯だ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 生野島キャンプツーリング(2)

2008年06月04日 | 旅するシーカヤック
2008年6月1日(日)

生野島キャンプツーリング二日目の朝。 シュラフの中で目を覚ます。
テント中はまだ暗く、日は出ていないようだ。 時計を見ると4時半過ぎ。 日の出までにはまだ時間がある。
***
シュラフにくるまったままペットボトルのお茶の蓋を開け、一口ゴクリと飲む。 乾いた喉と胃に染み渡る。
ラジオのスイッチを入れ、ニュースや天気予報を聞きながら、しばらくゴロゴロと過ごす。

5時過ぎ。 テントから這い出すと、結構涼しい。 長袖のキャプリーンを纏い、その上からTシャツを着たのだが、それでも少し寒いくらいである。
6月初旬。 昼間こそ半袖で充分なくらい気温は上がっているが、まだまだ朝晩は冷えるのだなあ。

そうこうしているうちに、東の空は次第に明るくなってきた。

冬にキャンプに来た時に比べると、かなり太陽が出てくる位置が変わっている事が分かる。

静かな浜で、独り美しい日の出を眺めながら、トランギアでお湯を沸かし、コーヒーを入れる。

↑ これは、最近手に入れた小さな『槌目急須』 無人の浜でのキャンプに生活感が出て、これはこれでなかなか風情を感じさせるものである。

昨日の残り野菜を入れたうどんで簡単な朝食を終え、コーヒーを飲み、急須で日本茶をいれ、ゆったりまったりのんびりとした朝の時間を堪能する。
***
ゆっくりと片付けを終え、カヤックに荷物をパッキングして、出発準備完了!
今朝は時間もたっぷりとあるので、久し振りに大久野島、小久野島経由で出発地点に戻る予定である。

生野島の浜を出発して、真っ直ぐに小久野島へとバウを向ける。 穏やかで波静かな瀬戸内の海を、常に周囲をワッチしながら、自分の手のように感じさせるナローブレードのアークティックウインドで、淡々と横断隊ペースで漕ぎ進む。

約1時間で、小久野島へ。 大久野島側へ回り込み、浜にシーカヤックを揚げて一休み。
お茶を飲み、行動食として持って来た小さなバームクーヘンを食べて浜を散策。

この浜は広くて山菜もある。 ここは、キャンプに良いなあ!

しばし休憩し、ここからはバウを西北西にとって、下げ潮に乗って出発した浜に向かう。
出発してから2時間後、無事、いつもの浜に戻って来た。
***
梅雨入り前の、初夏を感じさせる穏やかな瀬戸内の海を堪能した週末のシーカヤックキャンプツーリング。
お気に入りの島は、何度訪れても飽きることはない。

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瀬戸内シーカヤック日記: 生野島キャンプツーリング(1)

2008年06月01日 | 旅するシーカヤック
2008年5月31日(土) 梅雨入りを目前に控え、晴天に恵まれた週末。 海水浴シーズンに入って行けなくなる前に、お気に入りの島である『生野島』へ一泊二日のキャンプツーリング。
***
いつもの浜を漕ぎ出す。 今日は天気も良く、時間もたっぷりとあるので、バウを南西に向けて、まずは契島へと向かった。

周囲が1.6kmと小さいこの島は、全島が亜鉛の精錬工場になっており、別名『軍艦島』とも呼ばれている。 

定期船もあるのだが、工場関係社以外は立ち入り禁止とのことであり、未だ上陸したことがない未知の島。
うーん、一度見学してみたいものだ。
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生野島の西岸を漕ぎ抜け、南岸を通っていつもの浜に上陸した。 午後1時前。 あー、腹減ったあ。
浜を何度か往復して荷物を運び、シーカヤックを揚げる。
まずは、お気に入りの東屋に陣取り、お待ちかねのビール! うーん、こりゃウマーい。
途中のスーパーで買って来た290円のお弁当を食べ、ビールを飲み、海を眺める。

お気に入りの場所であるここからの景色は、私にとって最高の”ビールのつまみ”である。
今日はもう、何もする予定はない。 のんびりまったり、この最高の景色の中で、”のんべんだらり”と過ごすだけである。
2本目のビールのプルタブを『プシュッッ』 『グビリ』 『プハーッッッ』

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2本目のビールを空けるとエアクッションに空気を入れ、それを枕にしてベンチにゴロリ。
今日の本は、久し振りに引っ張り出して来た『蘇る金狼(大藪春彦、角川文庫)』 痛快なハードボイルド。 たまにはこんな本もいいんじゃないか!
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夕方。 これからが、シーカヤックにテントを積んで島に渡るキャンプツーリングの中で、最高に楽しい時間である。
午後5時を過ぎてもまだまだ明るいが、お腹が減って来たので夕食の準備にかかる。
今日のメインは、簡単なスパゲティ。 最近お気に入りのオピネルを取り出し、ピーマンを切る。 その次はタマネギだ。

オリーブオイルでまずは野菜を炒めておき、適当な所でソフト麺を入れる。 更に2分炒めてから、粉末のソースを絡めると、簡単スパゲティの出来上がり。

一本目のビールは『エビス』 スパゲティもイケる。
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エビスビールを飲み、スパゲティを食べ、次第に暮れて行く瀬戸内の海を眺め、そしてまたエビスビール。
次のつまみは、キュウリだ。
洗ってオピネルの背の部分でトゲを削いだキュウリを『ポキリ』と折り、シェラカップの上で塩を『パラリ』と振って『ガブリ』と齧る。 そしてビールを『グビグビグビリ』

次第に暗くなって行く東屋の下でヘッドランプを点け、ビールから焼酎へ。
ほど良く気持ち良くなって来たところでシュラフに潜り込み、あっというまに眠りに落ちた。

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