あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: あるくみるきく_3泊4日、ソウル珍道中(3)

2011年10月09日 | 旅するシーカヤック
2011年10月1日(土) ソウル滞在3日目。 今日から韓国は3連休の週末。 フリープランである私たちは、この日だけバスツアーをお願いしている。

8時前、ロッテホテル2Fの集合場所へ。 そこで中型バス1台分、約10名ほどのお客さんと一緒にツアーに出発。 今日は、百済の歴史を巡る旅。

ロッテホテルを出て約3分。 後ろの方から声が聞こえてきた。 『すみませーん。 私たち、バスを間違えたようです』 一同『えーっ!』
『バスの運転手さんに確認して乗ったんですが、行き先が違っています』 ガイドさんは慌てて運転手さんとハングルで話している。

さすがに引き返す事になったらしく、バスは回り道してホテルの近くへ。 バスを間違えたお二人は、『お騒がせしました』とバスを降りていった。

波乱の幕開けである!

***

バスガイドさんも、さすがに動揺を隠せない様子。 『すみません。 ロビーで確認してそのまま乗ったものですから』 一同、『それにしても、早く気付いて良かったねえ』

今日は、高速道路を走って1時間半ほどかかる、遠い場所へのツアー。 そのまま乗っていたらどうなっていたのだろうか?

しばらく走り、交差点の赤信号でバスが停まると、横に停まったバスの運転手さんが窓を開けて何やらどなっている。 なんだ?なんだ?

すると、バスの運転手さんがバスを降り、後ろへ。 どうやら後ろの荷物室の扉が開けっ放しになっていたようだ。 これまた第二弾となる波乱の幕開け。

韓国バスツアー、恐るべし。

***

高速道路に乗ると、3連休の初日で混雑する高速道路だが、バスは中央寄りの専用レーンを快適に、しかしスゴいスピードでひた走る。

ガイドさんによると、大型、中型のバスや、6人以上乗ったワゴン車は、この専用レーンを走ることができるのだとか。 ソウルに通勤する人が多くて渋滞する高速道路では、この専用レーンがすばらしく効果を発揮する。

様々な話をされるなか、昨日見た大きな川、ハンガンの話題。 ソウルに住む人達は、デートでも、あるいは悩み事ができたときにも、ハンガンを訪れて楽しい、あるいは独り寂しい時間を過ごすのだとか。 またハンガンの橋の下は、映画で定番のヤクザが喧嘩する場所でもあるらしい。
ハンガンは、ソウルに住む人々に欠かせない場所のようだ。

ガイドさんによると、今日の『百済ロマン紀行』というバスツアーは、ソウルを何度も訪れてもう行くところが無くなった人が参加するツアーなのだとか。
実際、ガイドさんが参加者に聞いてみると、他の人達は韓国やソウル旅のリピーターであり、歴史に興味を持っている人達ばかり。
歴史にも疎く、ソウルが初めての私たち夫婦は異色の存在である。

韓国では、昔は海外旅行に自由に行ける状態ではなく、許可を得るには10日間の勉強と、北との関係有無のチェックがあったのだとか。 それが1988年に自由化されて、海外旅行にいく人が増えたのだとか。

また、『最近は少し増えましたけど、ソウルにはカラスが少ないんです。 どうしてか分かりますか?』 えー、分からないよ。
『韓国人は健康に気を使います。 昔、カラスは体に良いと言う事で食べていたんです。 なかなか良い値段で売っていましたよ』

また、韓国人は風水に命を掛けます。 前が川で後ろが山、そして日当りが良い場所がいいとされています。 スウォン/水原は、風水が良い場所として城を建てたんです。 また、大統領になった人達も、選挙で落選した時には、親の墓の場所を移して当選したりした人も多くいます。

このガイドさん、なかなかいろいろな話しを聞かせてくれて面白い。
 
途中、SAで休憩しながら、目的地である百済文化団地へと向かう。

***

出発から2時間弱。 渋滞もあって予定より少し遅めの到着。 でも、昨日に引き続き、最高の行楽日和である。
 
なかなか良い眺め。
 
『百済は滅ぼされた国なので、歴史的な遺跡や遺物、書き物はあまり残っていないんです。 百済の事を良く知ろうと思ったら、奈良に行くのが一番良いですよ』と、身もふたもないコメント。 韓国まで来て、奈良に行った方が良いって言われてもなあ。

でも、このゆるさがなんとも心地良い。 妻と顔を見合わせて苦笑する。
 
この百済文化団地はできて1年も経っておらず、まだ知名度が低いらしい。 3連休の初日なのだが、人もまばらで静かに散歩を楽しめる。
 
私には珍しく、プチ・コスプレも。 似合わねー。


***

百済の歴史を学んだ後は、バスで少し移動して、サムパブ定食のお昼ご飯。
 
別注でビールも注文し、同行の方々と楽しい食事の一時。

その後は『白馬江』へ行き、遊覧船を楽しむ。 昔、歴史で『白村江の戦い』というのを習った覚えがあるが、ここがどうやらその舞台だとのこと。
 

次は、宋山里古墳群へ。
 

最後は、山城公山城。
 

歴史に疎い私であるが、これはなかなか興味深いバスツアーであった。

***

ソウルに戻る高速道路。 行きにも気になっていた光景が目に飛び込んでくる。 ところどころ、高速道路脇に何台も停車しているレッカー車。
ガイドさんに、『行くときも気になっていたんですが、あのレッカー車は何ですか?』 『はい、あれは事故が多い場所に停まっているんです。 韓国では、事故が起きるとまずレッカー車が、2番目に保険会社が、そして3番目に警察が来るって言われています』

なるほど、そういうことか! しかしそれにしても、あれだけのレッカー車が待っていても商売になるくらい事故が多いんだなあ。 まあ、韓国のこんな運転じゃあ事故も起こるよな。

高速道路を降りて市街地に入ると、割り込み、クラクション、すり抜け、急ブレーキで、本当に生きている心地がしない。
スリル満点のジェットコースターが好きな人は、一度韓国の小型バスツアーに参加してみる事をお勧めする!

『あ、横のクルマは新婚夫婦を空港まで送っていくクルマです。 これは、友人達が運転する事になっていて、このクルマで新しいカップルができることも多いんですよ』 スリル満点のバスの中で、ささやかな憩いの一時。

バスが終点に近付くと、『じゃあ、今日無事に運転してくれた運転手さんに拍手を』って、確かに無事故ではあったが。。。 妻と苦笑いしながら拍手。

ロッテホテルに戻り、ようやく今日のバスの旅は終わった。 『あー、なんとか生きて戻ることができた!』

 
夜は、バスツアーに付いていた食事券で、サムゲタンの夕食。 『うーん、これは旨い』 まっこりは、しばらくマイブームになりそうである。

***

2011年10月2日(日) ソウル滞在4日目。 今日が最終日である。

早朝の街を散策。 まだ6時前なのに、多くのバスが既に走り回っている。 夜は夜中までバスが多く走っているし、ソウルは本当にエネルギーに満ちあふれた、パワフルな大都会である。

***

朝食は、近くの食堂でソーメンとうどん。 さすが韓国、朝からキムチがセットで付いてくる。
 

ホテルに戻り、テレビを見ながらしばし休憩。


お昼前には明洞に繰り出し、最終日はサウナとアカスリ、マッサージでゆっくり。
私は、アカスリと足裏マッサージが付いたコースを、妻も約2時間のほぼフルサービスコースを堪能。 4日間の旅の疲れを癒す。

お昼ご飯は、鮑粥と、松茸と牡蠣のそば。
 
食後は、ソウルに多いというコーヒー店でゆっくりとした時間を楽しむ。
 

ホテルに戻る途中の交差点。 信号のある横断歩道を渡っていると、笛の音が。
見ると、Uターンしたクルマが警察官に止められていた。 Uターンしたクルマを制していた警察官に向かって、そのクルマがなんと前進。
警察官の足にバンパーが当たり、警察官が帽子を投げ捨てて怒っている。
 
これは大変な事になったなあ、と眺めていると、別の警察官も怒鳴りながらそのクルマに近付き、何か喋っている。 その横で、足をぶつけられた警察官は、携帯電話を取り出し、クルマのナンバーを撮影。

ナンバーの撮影が終わると、驚いた事に、足をぶつけられた警察官が、クルマに合図してそのまま行かせてしまった。。。
後でナンバーから違反の処理をするのだろうが、予想外の展開に唖然とするばかり。
日本なら公務執行妨害で逮捕か、って感じなのだが、この韓国って国は。。。 いやはや。

***

3時。 ホテルのロビーに集合し、空港へ送っていただく。

行きと同じガイドさん。 帰りの車中でも会話を楽しみ、良い雰囲気の旅の終り。 『カムサハムニダ!』
 

飛行機に乗り込み、席に座ってシートベルトをしていると、隣に人がやって来た。 妻が、『あれ、焼肉屋さんで話した人じゃない?』
確かに見覚えのある母娘。

『こんにちは』と声を掛けると、相手方も『あー、こんにちは』と驚いた様子。 飛行機が飛び立った後、しばし会話を楽しんだ。

今回は、娘さんとショッピングを楽しむ旅に来たのだとか。 たっぷりお土産を買い込んだとの事。
『それにしても、偶然ですねえ』 『ほんと、これは何か縁があるのかも』

そしてお母さんは私を見て、『もしかして何かの職人さん?』 私は苦笑いしながら、『いいえ、よく自衛隊や漁師に間違われるんですが、デスクワークのサラリーマンなんですよ』 『そう。 うちのが大工だから、もしかしてそんな系統かと感じたもので』

その後も話していると、働いている娘さんが自動車関連で、変則休日が終わるこの4連休を利用して韓国に来たのだとか。 『うちも、その4連休なんですよ』と、またまた顔を見合わせて大笑い。

きさくなお母さんと、機内で楽しい会話を堪能し、あっと言う間に広島に到着した。
『いやあ、お母さん、これでまた一つ旅の想い出が増えましたよ。 ありがとうございました。 また香港か上海あたりでお会いしましょう!』

***

最高の好天に恵まれた4日間。 様々な出来事の一つ一つが想い出に残る、『あるくみるきく』に相応しいディープな良い旅であった。
広島から1時間で行ける韓国。 これはハマりそうな予感。 『カムサハムニダ!』 また行くけん、待っとれよー!
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