あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 情島/小情島/鈴鹿島、緑色の瀬戸内_日帰りお散歩ツーリング

2012年01月29日 | 旅するシーカヤック
2012年1月29日(日) 今日は妻がバレーボールの試合で遅くなるというので、夕食用のカレーを作った後、ゆっくりと家を出る。
昨年は試験のために冬~春まで家に引き蘢り生活であったが、今年は海に出ることができる時はできるだけ出ようと、シーカヤックは年初からクルマに積みっぱなしにしているので、準備といっても日帰りクッキングセットとドライスーツを積み込むだけの簡単なもの。

***

海沿いの道を走り、30分ほどでいつもの浜へ。 途中、クルマの外気温計の表示は5℃。
今年の冬は、本当に寒い。 妻と広島市内に買い物に行った昨日も、街を歩いていると冷たい北風で体が芯まで冷え込んだ。 ブルルッ!

ほんと、昨年秋にドライスーツを買ったのは大正解だった。 これがあるおかげで、こんな寒い日でも気軽に海に散歩に行って来ようかという気になる。

シーカヤックを浜に降ろし、安全装備とトランギアのストームクッカー、水筒、お昼ご飯一式を積み込み、ダウンベストを脱いでドライスーツを着込む。 今日は、暖かい下着の上下に、ジャージの上下でここまで運転してきた。 漕ぐ時は、この上にコーカタットのゴアドライスーツを着るだけである。 なんとも簡単。

日帰りツーリングの簡単な準備を終えると、静かな海に漕ぎ出した。

昨日と違って風もなく、朝のうちこそ曇りがちであったが、漕ぎ出した頃には日が射してきた。 ラッキー!

***

まずは、情島の北端を目指して漕ぎ進む。

この辺りの海の色は、緑色である。 決して海が汚い訳ではなく、そこそこ透明度もあるのだが、決して真っ青ではない。

私のテリトリーである芸予諸島でも、”とっておきのパラダイススポット”で、かつ夏の日差しが良い時には、下の2枚の写真のように、青い空と青い海がセットで楽しめることも確かにある。

これで珊瑚や熱帯魚があれば、沖縄の海といっても通りそうなほど美しい海。 でも、こんな景色に出会えるのは、年に数えるほどである。

兵庫県の家島から岡山~広島~山口県の関門海峡まで自分の手で漕いだ事のある私の中には、『瀬戸内海が真っ青』というイメージはない。 ほんと、驚きである。

***

情島の北岸を回り込み、時計回りに漕ぎ進む。

情島でキャンプする時、愛用している浜。

気温こそ低いものの、下着が暖かいので、日が照ると汗がジンワリにじんでくる。 快適な冬のお散歩ツーリング。




情島の南端からは、小情島へ向かい、そこから南に転進して鈴鹿島へと漕ぎ渡る。

広島の海らしく、牡蠣筏が並ぶ海域を一人静かに漕ぎ進む。


***


さて、そろそろお腹も減ってきた。 最近お気に入りのこの浜で、いつものように昼食にしようか。

シーカヤックからお昼ご飯セットを取り出し、準備開始。 今日のプチ高級カップラーメンは、札幌濃厚味噌『すみれ』

ストームクッカーでお湯を沸かし、カップラーメンが出来るのを待つ間に、おむすびを温める。

お湯を入れてから4分経過。 『いただきます』

まずはスープをゴクリ。 おお、ほんま濃厚味噌味や、なかなかええなあ、体も温まるわ。 続いて麺をズルーリ、ズルズル。 再びスーブをゴクリ、そして麺をツルリ、ツルツル。 『うん、美味い』 冬のツーリングでは、おむすびも少し温めるとおいしさが一段レベルアップ。

きれいな景色を眺めながら食べるお昼ご飯は、なんとも心の贅沢である。 これぞ、OFFの楽しみ! 『ごちそうさまでした』

***

しばし浜でのんびり過ごした後は、再びお湯を沸かして今度は『マルタイの”しるこ”』

寒い日には、ぜんざいやお汁粉が、体と心を温めてくれ、漕ぐエネルギーも与えてくれる。
トランギアを股火鉢状態にして暖をとりながら、お汁粉のデザートを堪能。


昼休憩を終えると、トランギアを片付け、水筒やゴミとともに、ソフトクーラーに入れて片付け完了。 『じゃあ、そろそろ帰るとするか』

お昼ご飯を終える事には再び雲が多くなり、日差しがグッと減ってきた。 ちょうど良い時にお昼休みを楽しめたなあ。

浜に戻り、シーカヤックと道具の潮抜きをして、ドライスーツを脱げば片付け完了。

清盛人気で少し賑わいを見せている音戸。 第2音戸大橋も、順調に工事は進んでいるようだ。

今年こそは、再びこの音戸の瀬戸を櫂伝馬で漕ぎ抜け、大崎上島~音戸~宮島/厳島までの『きよもり海道』を旅したいものである。 あの感動をもう一度!

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瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_雨でも快適お散歩シーカヤックツーリング

2012年01月22日 | 旅するシーカヤック
2011年1月21日(土) この週末は、今年初めての一泊二日のツーリング。 残念ながら日曜日は、仕事の関係でやらなければいけないことがあるため早めに家に戻らなければならないのだが、それでも一泊二日の泊付きツーリングは楽しみだ。

今回目指すは、お気に入りのキャンプ場がある、愛媛県上島町の生名島。

いつもの浜に到着。 シーカヤックを降ろし、準備をしていると雨が落ち始めた。 『??? 今日って、雨の予報じゃなかったよなあ』

『ま、いいか。 ドライスーツだから多少の雨は関係ないはず。 岩城島一周は諦めて、お気軽お散歩ツーリングにするとしよう』 コーカタットのゴアテックスドライスーツという最強の武器を手に入れたので、のんびりまったりお散歩ツーリングが大好きな私も、今回は冬の雨にも強気である。

日帰りクックセットを積み込み、出発!


まずは鶴島へ。

ここには、良い感じの岩が海から頭を突き出している。 勝手に、『鶴島富士』と命名。

亀島に向かう途中には、『龍神様』が。

毎年、年明けにこのエリアを漕ぐ時には、龍神様にお参りして航海の安全を祈願することにしている。
『どうか今年も一年、安全に漕げますようにお守り下さい』 頭を下げ、手を合わせる。

***

平内島に向かう前に、少し沖にある岩に寄り道。

『これは、富士というよりフジツボだなあ』 岩のてっぺん付近にへばりつくように映えている草木が凄い。
なんだか、頭のてっぺんが寂しくなった中年オヤジの哀愁も漂わせてはいるが、それにしても大した生命力、忍耐力である。


雨は少しだけ強くなりつつあるが、ちょうど良い時間になったので、平内島に上陸。 お昼ご飯の準備である。


浜に上陸して私が最初にすることは、キッチンの準備。
浜を歩いて椅子やテーブルになりそうな流木や漂流物を探すのである。 『お、この流木、椅子に良いねえ』という訳で、キッチンの位置は決定。
『さて、テーブルは。。。』 『うん、これでいいかな』

という訳で、今日の簡易キッチンは準備完了。 見た目はショボイが、この椅子とテーブルがあるかないかで、お昼ご飯の快適性は天と地である。


***

今日のお昼ご飯は、最近はまっている『少しだけ高級カップラーメン&おむすび』

『山頭火』のラーメン、おいしいな。

食後は、ドリップコーヒーを楽しみながら、瀬戸内の海の景色を堪能。

お昼ご飯を誰もいない静かな浜でゆっくりと楽しみ、少し漕いでキャンプ場の浜に戻る。

明日は早朝に引き揚げる予定なので、シーカヤックと道具の潮抜きをして片付け。 片付けの最後は、着たままのドライスーツに、簡易電動シャワーの水を首から足下まで掛けて潮抜き。

『それにしてもドライスーツっていいなあ。 冬の雨の日のツーリングでも、本当に快適快適』 

***

キャンプ場利用の手続きをし、管理人さんといつもの四方山話。 これも楽しみの一つである。
『じゃあ、お風呂に行ってきます』


以前は、フェリーで因島の銭湯に通っていたのだが、橋が架かって以降はフェスパにお世話になっている。

雨と風の天気の中、露天風呂に入って笠岡諸島を眺め、サウナで汗を流し、のんびりまったり。

何より大事な食料、ビールを買い込んでキャンプ場に戻る。

この頃には雨も上がったので、ロープを張ってスプレースカートやPFD、グローブなどなどを干させていただく。


今日の晩ご飯は『おでん』 昨夜の残り物を、タッパーに入れて持ってきたのだ。

そして、途中のスーパーで、からしを購入。 いつも家ではチューブのからしを使っているのだが、キャンプ用にと缶入りの『からし』と、今後の刺身購入なども考えて同じく缶入りの『粉わさび』を購入。

うん、俺たちが子供だった頃は、チューブのわさびやからしなんてなくて、缶入りのやつを水で練って毎回つくっていたよなあ。 『ああ、懐かしい』

『プシュッ』と缶ビールのプルタブを開け、『トクトクトクトク』とカップに注ぎ、『グビーリグビグビ、プハーッ旨い!!!』

『やっぱシーカヤックツーリングはこれこれ』 お気に入りのエリアでシーカヤックをのんびりと漕ぎ、大きなお風呂に浸かって汗を流し、いつもと違う場所でおでんをつつきながら、独り静かに飲るビール。 これぞまさに自分を開放する自由な時間、この世のパラダイス。

『これなくして、何がシーカヤックツーリング。 やっぱりシーカヤックは、泊付きツーリングに限るわい』

***

夜は、ヘッドランプで借りた本を読む。 瀬戸内寂聴(以下、引用)。

☆☆☆

わたしは定命(じょうみょう)という言葉が好きです。
人間には定命があります。
まさに良寛のいう、『死ぬときは死ぬるがよろしく候』なのです。

(いつ死んでも悔いはないように、いつもやりたいことを志を持ってやっている(つもり):筆者注)

☆☆☆

男の魂は、孤独の美と楽しみについて敏感です。
女はそれを承知して、愛する者に惜しみなく自由を与え、その間に自分自身も悠々と疲れを回復させて、いつも新鮮さを保つべきなのです。
相手の自由を認めることは、自分にも自由と孤独の時間が得られるということです。 男の好みに全てをあわせては、両方の個性が弱められてしまいます。
『あの人は、何をしていてもいいの。 たづなの端は、いつもあたしがしっかり握っているから』
こういいきれるようになった女こそ、恋の真の意味の成功者です。

(ほんま、自由に海旅に行かせてくれる妻に感謝:筆者注)

☆☆☆

あなたが平凡な家庭を守り、平凡な人生を送りたいと思っているならば、分かれ道に立った時に平穏な道を選ぶべきです。
その方が穏やかに暮らせますし、つらい思いもしないですむでしょう。
けれどももし、人よりもすばらしい世界を見よう、人の歩いたことのない道を歩いて、そこにある宝にめぐり逢おうとすれば、どうしたって危険な道、剣呑な道、こわい道を歩かねばなりません。
いつも断崖絶壁の淵に立って、こっちへ落ちれば身がこなごなになるかもしれない、あっちへ落ちれば獣に喰われるかもしれない、そういう道を求めて歩くのが才能に賭ける人の心がまえではないでしょうか。

(無頼になりきれないが、やはり座右の銘は『生涯不良』:筆者注)

<引用終り>

いやあ瀬戸内寂聴、これは凄い。 やっぱ普通の坊さん(?)じゃないね、本当に驚いた。 今回のキャンプツーリングで、最大の収穫だったかも。

他にも様々心に響く言葉が綴られている。 歳を重ねた自由奔放なソロシーカヤッカーが、独り静かにキャンプツーリングの夜に読むと、ジンワリじわじわ、心の奥底に染み込んでくる本であった。

***


日曜日の朝は、雨も上がって晴れそうな雰囲気。 残念だが、帰ってやることがあるので、今回は引き揚げるとしようか。

『どうもお世話になりました。 また遊びに来ます!』 お気に入りの生名島、次はいつ来ようか。 楽しみだ!

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瀬戸内シーカヤック日記: きよもり海道、奥ノ内湾日帰りツーリング_これぞ瀬戸内スタイル

2012年01月15日 | 旅するシーカヤック
2012年1月15日(日) 土曜日が出勤日だったため、この週末は日曜一日だけのお休み。 残念ながら曇り空ではあるが、幸い風もなく穏やかな一日になりそうな予報なので、日帰りツーリングに出掛けることにした。

ウイルダネスシステムズのケープホーンは、先週末からクルマに積みっぱにしていたので、日帰りツーリングセットと、コーカタットのドライスーツを積み込んで、家を出発。 途中のスーパーで、カップラーメンとおむすびを買い込み、出艇する浜へと向かう。

この浜と、ここのエリアも、先週訪れたパラダイスと同様、20年前から日帰りツーリングコースとしてずーっと楽しんでいる海域である。
昔は、湾の奥には自然海岸が多く残っていたのだが、かなり前に道路工事が行われ、残念ながら海岸の様子はだいぶ変わってしまっている。 それでもなんとか昔の面影は残っており、まだまだ日帰りツーリングコースとしては充分楽しめるエリアなので、今でも通っている訳だ。

***

清盛で活気づく音戸に到着。 シーカヤックを浜に降ろし、スペアパドルと日帰りクックセット、安全装備を積み込む。

運転してきた格好から、ダウンベストを脱いでそのままドライスーツを着込み、ネックウオーマーとニットのワッチキャップを冠ると、出艇準備は完了だ。

澄んだ真冬の瀬戸内の海に、独り静かに漕ぎ出した。


奥ノ内湾の湾内に漕ぎ進むと、遠くにヨットの一群が。 今日は風が弱いので、あまりヨット日和とは言えないな。



今年初めての奥ノ内湾だったので、弁天島に立ち寄り、弁天様にお参り。 『今年1年、海旅の安全をお守り下さい』


ここからバウを東に向け、鈴鹿島の方に漕ぎ進む。


時間もちょうどお昼前。 昼食を摂るため、『左手は駄目よ_米なしインド浜』へ上陸。

シーカヤックを引き上げ、テーブルと椅子になる流木やガラクタを探していると、浜には大きなイノシシの足跡が。

『いやあ、最近はどこの浜も、イノシシが出没しているなあ。 キャンプする浜も選ばないと』

***

椅子とテーブルをセットすると、ストームクッカーを取り出し、アルコールを満たして火を点け、お湯を沸かす。

ストームクッカーは、燃料が手に入り易く、風にも強く、コンパクトなのが気に入っており、シーカヤックツーリングで愛用している。


お湯が沸くと、カップラーメンとおむすびで、簡単なお昼ご飯。

***

穏やかな冬の休日。 ちょっと散歩にでもといった気軽な気持ちで家を出て、クルマで30分もかからず出艇場所に到着。
普段着の上に、ポーンとドライスーツを着て、小さな島が点在する透明度の高い穏やかな海に漕ぎ出し、小さな小さな手漕ぎ舟で、まるで箱庭の様な白砂青松の景色の中を、海を歩くように散歩を楽しむ。

漕ぎながら音楽を聴く訳でもなく、友達とワイワイガヤガヤ楽しむ訳でもない。 ましてやロールやサーフィンの練習をする訳でもなく、漕いで行った先に、おいしい料理屋さんがある訳でもなく、ただひたすら、のんびりまったりと海の散歩を独り楽しむ。 

お腹が減ったら、自分のお気に入りの小さな浜に小舟を引き上げ、浜で見つけた流木を椅子とテーブルにコンパクトなキッチンをセットして、簡単なお昼ご飯を準備する。
小さな島々が点在する箱庭の様な景色を眺めながら、暖かい食事で体を温め、食後はドリップコーヒーやぜんざいで、静かな時間を堪能する。

これぞ、瀬戸内スタイル! そしてなにより芸予諸島スタイル! まあ、こんな恵まれた自然環境の中で漕げるのだから、のんびりツーリング派になるのも仕方ないか!

これまで、フェザークラフトK-1を使った尺取り虫方式で、兵庫県の家島から山口県の関門海峡まで漕いだことがあり、その後も下関から島根半島まで、日本海側にも尺取り虫のルートを延ばした。
また横浜単身赴任時代は、三浦半島や伊豆、外房などでもツーリングを楽しんでいたし、島根半島や丹後半島、九十九島、沖縄、津軽海峡、ミクロネシアなどでもシーカヤックを漕いできたが、このようにまるで箱庭の様な海域で、のんびりまったりのシーカヤックツーリングを、海辺の四季を体で感じながら一年を通して楽しめるのは、瀬戸内の『芸予諸島エリア』であると確信している。

とびしま海道エリア、しまなみ海道エリア、そして平清盛所縁の宮島から音戸まで能美島&倉橋島を含むエリア(とびしま海道&しまなみ海道に合わせて、これを勝手に『清盛海道(きよもり海道)』と名付けてしまうが)などなどを包含する『芸予諸島』 これまで100を越える島々に渡ってきたが、このエリアで真面目に漕いでいるシーカヤッカーならそれはあたりまえのこと。 数年前、暇な日にたまたまこれまで渡った島を数えたら、100を越えていたというだけである。

シーカヤッカーとして、こんな場所に生活の拠点があることを、とても嬉しく思っている。

***

食事の後、温かいぜんざいで体の芯までホッコリと暖まった。 『さて、帰るとするか』


鈴鹿島を越え、小情島、情島を経由して、出発した浜へ。


晴れ間こそなかったものの、穏やかな冬の瀬戸内を、のんびりまったりと堪能。


年明けから日帰りツーリングが続いているが、キャンプツーリング派の私としては、そろそろ一泊二日の旅に出たいものだ(本音では、日帰りツーリングでは、本来のシーカヤックツーリングの楽しさの1/100も感じられないと思っている)。
今年も、瀬戸内スタイル/芸予諸島スタイルで、のんびりまったり楽しんでいこう!

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瀬戸内シーカヤック日記: Ninja250Rで日帰りツーリング_三原のステーキ中村屋&筆影山

2012年01月09日 | Weblog
2012年1月9日(月) 今日は長男が休日出勤。 昨夜、晩ご飯を食べながら、『明日、バイク貸してくれや』 『ええよ』
という訳で、今日は久し振りにNinja250Rで日帰りバイクツーリング。

『さて、どこ行こうか?』 竹原の太華園のラーメン? それとも尾道の朱華園&コモンのワッフル? 『うーん、せっかくやから、行ったことないとこがええな』
という訳でネットをチェックすると、三原においしいステーキ屋さんがあるとの情報が。 『よっしゃ、今回は三原でステーキに決まりや!』

朝9時。 『じゃあ、行ってくるけん』

防寒対策バッチリのウエアで、瀬戸内沿いの道をゆっくりと走る。 バイクの良い所は、気軽に寄り道ができること。
前から気になっていた、二窓の神社にお参りしてみた。

幟には、『神明さん』と書いてある。
 
こじんまりとした、だが雰囲気の良い神社。

***

11時過ぎ、約2時間で三原に到着。 開店までしばし時間があるので街を散策。
 
ステーキ屋さんは、少し分かり難い場所にある。
時間になったので、狭い路地に入っていくが、まだ看板に灯りが点いていない。 路地を歩いていくと、階段を降りてくる人の足音が。
『あ、すみません。 もう開きますから』 『はい、ありがとうございます』

 
開店したばかりで、私が最初の客である。
『お一人様ですか』 『はい』 『では、4人掛けの席、どこでもどうぞ』

ヘルメットをおき、上着を脱いで席に座る。 メニューを開き、『お昼のステーキセット、ヒレでお願いします』
サラダとスープが運ばれてきた。 もう一つの容器は、ステーキソースだそうだ。

しばらくすると、ステーキが運ばれてきた。 熱々の鉄皿に載せられ、油が跳ねておいしそうな香りが漂ってくる。 『うーん、美味そう。 いただきます』
 
最初はステーキソースを付けずにそのままパクリ。 『お、これは肉の旨味がなんとも良い感じ』

次に、ステーキソースを付けて食してみる。 『うん? これは』 どうやら、ステーキソースなしの方が、肉の旨味をたっぷり味わえるようだ。
と言う訳で、その後はステーキはそのままでいただくことに。 さすがは、肉屋さんが経営するステーキハウスである。

『あー、美味かった。 ごちそうさまでした』

食後は、デザートとコーヒーをいただいて、のんびりまったり。

***

おいしいステーキの中村屋さんを出ると、おやつを購入。
 
おいしそうなバーククーヘン。 店のおねえさんに、それぞれの味について教えてもらい、3品をピックアップ。 『これでお願いします』

再びNinja250Rに跨がり、目指すは『筆影山』

今日は、曇り空&霞掛かっているのが残念だが、ここは芸予諸島の絶景が楽しめるスポットの一つ。
 
しばし景色を堪能した後は、ベンチに座ってお茶の準備。

トランギアのアルコールバーナーにチタンのスタンド、ステンレスのコッフェル、コンパクトなウインドスクリーン、沖縄で手に入れたパイナップルの水筒。
 
こんな日帰りお茶セットで、『筆影山カフェ』の開店である。 お湯が沸くと、コーヒーをいれ、三原で購入してきたバームクーヘンのおやつ。
寒いバイクツーリングの一日ではあるが、熱いコーヒーで芯から温まる。 これぞ、冬のツーリングの楽しみ!

***

本当は、黒ではなくKawasakiグリーンがお気に入りなのだが、このバイクは私のではなく息子のなので仕方ない。

他にも、細部を見るとチープな造りと長時間ライディングには向いていないポジション&シートという不満こそあるものの、バイクにとって大切な走り感では、低回転でも意外と粘る私好みのトルク特性を持つツインエンジン、そしてアクセルワークに応じて滑らかに、だがある程度の回転数以上になると官能的でレスポンスの良い加速は適度な音もあいまって心地良く、バイクに乗ることそのものの楽しみを思い出させてくれる好いバイクであることは確か。

ただ、久し振りにバイクに乗って、バイクツーリングの楽しさに目覚めた50前のオヤジとしては、維持費が安い125ccに興味があり、スズキの名前を冠したGN125なんて中国製のディープな原付二種に興味津々。
『自分のバイクが欲しい』なんて、悪い病気が再発しなければいいのだが。。。

『さて、帰るとするか』
 
芸予諸島の景色を堪能しながら、筆影山の狭い山道を降りていく。
 
今日の海沿いは風が強く、曇りがちで気温も低いので、シーカヤックツーリングだと辛かっただろう。
この週末は、晴天に恵まれた昨日はシーカヤックツーリングを、曇天の今日はバイクツーリングを楽しむことができ、とても充実した休日であった。

『さあ、また明日から1週間がんばろうか!』

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瀬戸内シーカヤック日記: 2012年の初漕ぎは、20年楽しんでいるお気に入りの楽園エリア

2012年01月08日 | 旅するシーカヤック
2012年1月8日(日) 気温こそ低いものの快晴の今日は、2012年の初漕ぎへ。
年末に引いた風邪が、それほど酷くはならないものの思いのほか長引き、なかなか治らなかったのだが、ようやく昨日頃から大分調子が戻り、今朝はいつも通りの体調に回復。

昨日は出勤日だったので、日月休みのいつもと変わらない二日休みの週末。
回復したばかりなので無理せず、キャンプツーリングはお預けにして、『今日は日帰りで海に行ってくるよ』

***

日帰りセットとドライスーツを積み込み、お気に入りの日帰りツーリングエリアへ。
シーカヤックを浜に降ろし、ダウンベストを脱ぐと、運転してきた服の上からドライスーツに体を通す。
中のウエアは保温だけ考えればよく、普段着の上にポーンと着れば気軽に漕ぎ出すことができるので、ドライスーツは本当に楽である。 ほんと、良い買い物だった!


気温は低く、日陰では少し寒いが、日の当たる穏やかな海を漕いでいると少し汗ばむほど。 絶好の初漕ぎ日和である。

この辺りは、20年前にシーカヤックを始めた頃からツーリングを楽しんでいる、お気に入りのエリア。

自然海岸が残り、海の透明度も高く、お昼ご飯をゆっくり楽しめる小さな浜も多く、日帰りツーリングには絶好の海域である。

***







***

今日も、小さな浜にシーカヤックを引き揚げ、お昼ご飯。

まずは浜をグルリと見回し、椅子になる流木を見つけてキッチンの場所を決める。
少し歩き回ってテーブルになる平たい板を探し、椅子の前にセット。 ガスバーナーを取り出し、ウインドスクリーンを立て、お湯を沸かす。

お湯が沸くまでの間、しばし浜を散策。

***

眼の前に広がる、瀬戸内らしい景色。

冬はよりいっそう海の透明度が上がり、とても美しい。

自然海岸の続くこのエリアが、いつまでもこのままで残りますように。

まるで箱庭の様な、こんな美しい景色と海を独り占め。 ほんと、瀬戸内の、それも芸予諸島のシーカヤッカーで良かったと実感する一時。

***


お湯が沸いたら、カップラーメンとおむすびのお昼ご飯。

『いただきます。 うん、美味いなあ』 寒い冬の日帰りツーリングでは、この暖かいカップラーメンが体と心を温めてくれる。
カップラーメンもこのクラスになると、下手なラーメン屋さんで食べるよりおいしいな。

食後は再びバーナーに火を点けてお湯を沸かし、青い海と空を眺めながら、シェラカップで熱いチャイをゆっくりと楽しむ。


2012年の初漕ぎは、20年来のお気に入りのエリアをゆっくりと堪能することができた。
さて、今年はどんな『あるくみるきく_旅するシーカヤック』が待っているのだろうか。 楽しみだ!

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瀬戸内シーカヤック日記: 謹賀新年_生涯不良@芸予諸島

2012年01月04日 | Weblog

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瀬戸内シーカヤック日記: 年末年始は京都の冬堪能の旅_その2

2012年01月03日 | 旅するシーカヤック
2012年1月1日 朝起きると、今日も徒歩で下宿へと向かう。

途中、妙心寺の近くに来た時、ふと時計を見ると9時であった。 『たしか、昨日歩いたとき、最初の拝観案内は9時10分からだったよな。 元旦も、やっとるんやろうか?』

もしかしたら間に合うかもということで、北門の守衛さんに聞いてみると、今日も拝観はあるとのこと。 じゃあってことで急いで受付に。
『今日は、大切な行事が法堂で行われているので、雲竜図を法堂の中に入ってゆっくり見ていただけることはできないんです。 その代わり、庫裏などへもご案内し、雲竜図も入口から少しの時間だけ見ていただくことはできますが、どうされますか? もうすぐ始めますが』

『せっかくなんで、拝観させていただきます』 『そうですか。 そういう状況なので、ご招待ということでこれは無料としております』 ありがたいことだ。

という訳で、2012年元旦最初の拝観案内に参加させていただくこととなった。 これも何かのご縁であろう。

2012年最初の拝観は、私たち夫婦と、3人組のご家族、計5人である。 最初に庫裏を案内していただき、いよいよ雲龍図のある法堂へ。
 
法堂では、大勢のお坊さんが集まって行事の真っ最中。 厳かな雰囲気である。

手を合わせて一礼し、入口のスペースに座らせていただいて、楽しみにしていた 『雲龍図』 を拝見。
いやあ、これは素晴らしい! 辰年の元旦に拝見させていただく龍の画。 これはなかなか良い一年の始まりではないか!

その後、明智風呂を拝見し、『ありがとうございました』とお礼を述べて拝観は終了。
 
いやあ、なかなか良い元旦の朝である。

***

妙心寺から歩いて下宿に到着。 妻は、事前に家から送っておいたお雑煮セットを取り出し、朝ご飯の準備である。
『じゃあ、今年一年、よろしくお願いします』 『ではいただきます』

お雑煮の朝ご飯を終えると、嵐電でお出かけだ。

まずは嵐山。
 
冬の渡月橋を散策。

初詣は、車折神社へ。 しかし行ってみると、本殿への参拝客は長い列。 一瞬で諦め、芸能神社にだけお参りさせていただいた。
 

その後、お昼ご飯を食べてから『太秦映画村』に向かったのだが、年末から引き摺っている風邪が治らないのに加えて、昨日の3万歩弱の歩きで疲れが出たのか体調が思わしくない。
『俺が一緒だとゆっくり廻れないから、三人で行っておいで。 先に下宿に戻ってゆっくり休んどくわ』

一足先に下宿に戻り、いつの間にやら1時間半ほどのお昼寝。 やっぱ疲れていたんだなあ。

夜は、みんなで晩ご飯を食べ、いつものように宿に戻った。

***

2012年1月2日 今日が、冬の京都の旅の最終日。 今日のメインは、『祇園よしもと』での漫才と新喜劇である。
宿からタクシーで下宿に向かい、二人をピックアップしてJRの駅へ。 京都駅で荷物をコインロッカーに入れると、バスで祇園へと向かった。

開演までには時間があるので、しばし祇園を散策。 まずは八坂神社へお参り。

祇園の下町を散策。 静かで良い雰囲気である。
 
北区や右京区辺りと違い、さすがにここは京都観光の中心地。 多くの人で賑わっている。
 
この辺りは観光地の京都の正月。 次男の住む、寺が多くかつ高級住宅街である下宿の周辺は、普段住まいの京都の正月。 今回の旅では、それぞれ異なった雰囲気を味わうことができ、なかなか良い経験ができた。
 

***

12時半に開場。 さすがに『よしもと』は人気らしく、満席である。
 
まず漫才は、ジャルジャル、NON STYLE、平成ノブシコブシ、海原さおり・しおり、そして西川きよし。 普段あまりテレビを見ない私は、よく知らなかったのだが、ジャルジャルやNON STYLEが面白く、思い切り笑ってしまった。

新喜劇の座長は、内場勝則。 これまた大爆笑の一時をたっぷりと堪能。 『これ、テレビで見るより10倍くらいオモロいな!』

***

 
地下鉄で京都駅まで戻り、ここで解散。 『じゃあまた』

京都駅の新幹線のホームは、上りと下りで全く違う雰囲気。

東京方面への上りは人で一杯だが、下りは閑散としている。 うん、この時期の京都への旅ってのは正解だった。
 

京都の年末年始の雰囲気を肌で感じることができた、今回の旅。

静かな雰囲気の仁和寺や妙心寺の散策を楽しみ、辰年の元旦には、 『雲龍図』 を拝観させていただいた。
また二日には、八坂神社へのお参りと、大笑いで楽しんだ『祇園よしもと』。 そしてなにより、元気だった次男と一緒に久し振りに食卓を囲み、銭湯に通い、冬の京都をたっぷりと堪能することができた。

いやあ、本当に良い正月休みだったなあ。 2012年のスタートは上々である!

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瀬戸内シーカヤック日記: 年末年始は京都の冬堪能の旅_その1

2012年01月02日 | 旅するシーカヤック
2011年12月30日 今日から我が家は旅に出る。
年末年始の計画を、ああでもない、こうでもないと考えていた秋のある夜。 『そうや。 せっかくやから、今年の正月は京都に行ってみるか!』

今年から大学生になった次男が京都に下宿しており、狭いながらもそこに長男一人なら泊まることができる。 探してみると、その下宿からちょうど良い距離の場所に、安い旅館も見つけることができた。

『よっしゃ、これで決まりや! 京都の正月、どんなんか、楽しみやなあ』 妻と長男は、次男の下宿に行ったことがあるのだが、私は初めてなのである。

***

もう十年ほど前になるが、私が横浜に単身赴任していた時、家族を呼び寄せて横浜で年末年始を過ごしたことがあった。 みなとみらいでのカウントダウンや、中華街のお正月などなど、広島とは違う年末年始の雰囲気を堪能することができ、今でも家族の良い思い出になっているのだ。

こうして家族の想い出が、一つ一つ増えていく。

知らない土地で過ごす年末年始。 本当に楽しみだなあ。

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30日の夕方、広島から新幹線で京都へ。 京都からは在来線で次男の待つ駅へ。
 

息子二人は下宿で待たせ、妻と二人でまずはタクシーで宿に向かい、チェックインを済ませる。
ここからは、歩いて下宿まで。
 
暗い夜道を歩くこと、約40分で到着。 近いもんだ。

『お待たせ。 じゃあ、どっか飯でも喰いにいこか。 おススメのとこ、あるんか?』 聞いてみると、時々学校の友達と行くという串カツ屋さんがあるとのこと。
『じゃあ、そこにしよ』

さすが関西圏。 二度浸け禁止のソースがたっぷり入った入れ物が出てくる。 『へえ、やっぱり違うのう』
 
友達と来た時には、さすがにみんなそんなに余裕がある訳ではないようで、全員が予算を気にしながらケータイで計算しつつ注文しているんだと聞き、(『おうおう、そうか。 スマンノウ。 たっぷり仕送りできんけえ、苦労掛けるよのう』と心の中で呟きながら)『今日は、遠慮のう食べえよ』

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でもまあ、自宅を離れての下宿生活というのはそんなもんなんかもしれんのう。

私自身、東京で暮らしていた大学時代、お昼ご飯は学食でご飯とコロッケ、サラダをセレクトしたものを、勝手に180円定食と名付けて毎日毎日食べていたし、お金がない時は近くのスーパーで買った100円のカップラーメンで晩ご飯を済ませていたこともある。

たまに寮で飲む320円のサッポロの瓶ビールは本当に贅沢だったし、たまに新宿や渋谷、吉祥寺で友人と飲むのはとびきり最高の一時であった。
今でも忘れないが、近くの酒屋で買った一升が確か800円くらいの日本酒(?)を、安い安いと喜んで寮に持ち帰って飲んだ時は、コップ一杯飲むと頭が痛くなり、『なんじゃこの酒は! メチルか?』と驚いたこともあった。

また、当時住んでいた寮に広島時代からの友達が来たとき発した最初の言葉は、『なんか、ビジネスホテルみたいな部屋やのう』
そう、当時私はあまりモノを持っておらず、部屋にあったのは、炬燵兼用のテーブルと、引っ越してから購入した中古の木製勉強机、その上にはラジカセと電気スタンド、そして本、本、本。 後は、押し入れに入るだけの布団とウエアだけであったのだ。 これぞ本物のシンプルライフ? ああ、懐かしき良き時代よ!!!

ジーンズといえば、当時府中の駅近くにあったジーパン屋さんで、たまに傷物B級品(確か当時で一本千数百円)を買うのが楽しみだった。
テレビは大学4年になってから、ようやく近くの質屋さんで中古の白黒小型テレビを購入し、文化的な生活?が始まったが、卒業する直前には勝手にボリュームが大きくなってスイッチを切らざるを得ないという情けない品物。
テレビを買うまで夜の友はラジオ。 覚えているのは、当時人気だった工藤静香がDJをしている番組なんかを聞いていたこと。 でもたまに、寮の友人達と寮の共有スペースで麻雀をした時には、その部屋にはテレビがあったのでオールナイトフジを見ながらみんなで盛り上がったのを覚えているなあ。

その頃から好きだった旅は、テントを大学や友人から借りての、中古のバイクでの貧乏キャンプツーリングだったけれども、それはそれでとても楽しかったし、今でも良い想い出になっている。

そう、野田知佑も言っているではないか。 『さて、諸君、ここまで教えたからにはすぐ今からパドルを握って野に出たまえ。 暖衣飽食は老人にまかせて、少し辛いがスリルに満ちた荒野を一人で漕いで行きたまえ。 あらゆる面白いこと、そして沢山の苦難が諸君の上に振りかかることを祈る』 そう、全ての経験には意味があるのだ!

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大学生活や部活動の事など、いろいろな話を聞きながら、久し振りの再会の時を楽しんだ。 『あー腹一杯じゃ。 じゃあ、そろそろ帰ろうかの』
 
下宿でしばしゆっくりした後、妻と私は嵐電で宿の最寄りの駅まで戻り、そこから歩いて十分ちょっとで宿へ。
『あー、なかなかええ一日じゃったのう。 じゃあ、おやすみ』

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2011年12月31日 今日は、初めて京都で過ごす大晦日である。

朝、宿を出て今日も歩いて次男と長男が待つ下宿へ。
 
この宿は、二人で三泊、素泊まりで約2万5千円と格安。 そのせいか、お客さんの多くは外国からの観光客であるが、下宿には歩いて行ける距離だし、部屋は広くてきれいだし、なかなか良い宿を見つけることができた。

途中にコンビニがあるのだが、なんだか雰囲気が違う。

屋根や看板、広告塔の色が普段目にするものとは異なり、入ってみると店内の照明も少し抑えめ。 やはり周りに由緒あるお寺や神社が多いこの地区では、外観にかなり気を使っているようだ。 納得。

少し先には『仁和寺』が。

以前次男の下宿に来た時に観光でこのお寺にも来たという妻が、『ここ、すごく良い感じよ。 ちょっと入ってみる?』 『じゃあ、ちょっと行ってみようか』
 
立派な門。 迫力のある仁王様。 門を入ると広くて整然と整備された敷地。 『おお、京都のお寺さんは立派やなあ。 こんな広いんか。 驚きや』

『ここ、またゆっくり来ようや』

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下宿に到着すると、次男にキッチンとトイレ&バスの大掃除を頼まれているという妻は、さっそく作業を開始。 私は家族を残して『じゃあ、ちょっと散歩してくるわ』

好天の京都の大晦日。 街は正月の準備で活気がある。


少し歩くと、『北野天満宮』 参道は、屋台の準備で忙しい。 なるほど、今日の夜からが稼ぎ時だ。
 
さすがに大晦日の午前中は、参拝する人も数えるほどで、一足お先にお参りを済ませる。 『2011年もいろいろあったが、まあ終わってみれば、ええ年やった。 今年一年、ありがとうございました』
 

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北野天満宮を出ると、パワーストーンがあるという『平野神社』へ。
 
ここは、ほとんど人がおらず、静かにお参りができた。

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平野神社から少し歩くと、息子が通う大学。
門の所に居られた守衛さんに『ここ、入っても大丈夫ですか』 『いいですよ。 休みですから建物は全部閉まってますが。 どうぞ』 『ありがとうございます』
 
閑静な高級住宅地の一角を占める、大きなキャンパス。 たしか、『鴨川ホルモー』のロケでも使われていた。
冬休みで人気のないキャンパスを歩いてみると、なかなか良い雰囲気である。 『へえ、こんな所で勉強してるんだ。 うらやましい』

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たっぷりと1時間半ほど歩いて下宿に戻ると、妻はまだ掃除中。 『ねえ、悪いけど、レンジフードとスリッパ買ってきて』
(『えー、息子二人下宿に居るのに、なんでわしがいかなあかんねん』と心の中でつぶやきながら)『はいはい。 行ってくるよ』、と再び歩いて近くのスーパーへ。

昼前にようやく掃除が終り、家族で大晦日の買い出しに行く事になった。 クリスマスプレゼントとお年玉を兼ねて欲しいものがあるという次男のリクエストに応えるため、京都駅周辺まで行く事に。
駅まで行く途中には、『妙心寺』 これまた仁和寺とは違う雰囲気を持つが、やはり広大な敷地を持つ立派なお寺である。
 
『お前、こんなええ場所が近くに一杯あるなんて、ほんまうらやましい学生生活じゃのう』 『ほうかね。 自分じゃ分からんよ』 『お前のう。 こんなんは、卒業して引っ越してから、後で分かるもんなんよ。 今のうちにたっぷり楽しめよ』 『うん、確かにそうかもしれんねえ』

お昼ご飯を食べて駅に向かう途中、地元の小さなお蕎麦屋さんで、年越し蕎麦を売っていた。

見ると『ニシン蕎麦』が。 さすが関西圏や。 うちじゃあ、毎年天婦羅ソバに決まっとる。 『よっしゃあ、わしは今年はニシン蕎麦で年越しや!』

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京都駅周辺での買い物も無事終え、夕方から少し近所を散策。

『お、zoom zoom やて! どっちが古いんかなあ?』

朝チェックした、仁和寺へ。 息子達はここに入るのは初めてなんだとか。
 
夕日に映える五重塔。 大晦日の静かな雰囲気は、なかなか好いものだ。


帰りには、次男が好きだという近所の豆腐屋さんへ。 ざる豆腐、湯葉、木綿豆腐、プリンなどなどを購入。

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大晦日の準備を終えた後は、家族で近くの銭湯へ。
さすがに、ワンルームのユニットバスに浸かる気にはなれない。 久し振りに、長男、次男と一緒に入る風呂。
1年の疲れを大きなお風呂にのんびり浸かって癒し、さっぱりさっぱり! 『あー、気持ち良かった』

夜は彼の下宿で大晦日のささやかな宴。

『今年一年、お疲れさまでした』と私はビールをゴクリ、ゴクゴク。 『プハーッ、やっぱ旅先で飲むビールは最高に美味いなあ』
近所で購入した豆腐も美味い。
 
息子二人はキツネ蕎麦、妻は天婦羅ソバだが、私の〆はもちろんニシン蕎麦で年越しである。

11時半過ぎ。 『じゃあ、今日は帰るわ』と、近くの嵐電の駅から電車に乗り、昨日と同じ駅で降りて宿へ。
少し大きな交差点に近付くと、神社がある。 時刻は11時55分。 『お、せっかくやから初詣していこか』
 
12時になる前にお参りしたのでは『初詣』にはならないので、時計をみながら12時を待つ。 近くの若い娘達からも、『あと30秒』、『あと15秒』と聞こえてくる。

12時を過ぎると、それまでひっそりとしていた地元の小さな神社にも人が集まり始めた。 私たちは、12時1分頃に初詣を済ませ、静かで暗い道を宿へと向かう。

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『いやあ、お疲れさん。 ああ、今年もええ年やった。 明日はいよいよ京都の正月やな、楽しみや。 じゃあ、おやすみなさい』 今日は、朝から晩まで歩き通し。 後で、最近買い替えたケータイの機能として付いている万歩計を見てみると、今日の歩数はなんと2万9千歩。 『疲れたはずじゃあ。 ほんま、よう歩いた歩いた』


『あるくみるきく』2011年の〆は京都。 こりゃあ最高の〆やないか! 終わりよければ全て良し。 シャンシャン!!! 

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