あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 江田島湾_海軍術科学校を海から巡るお散歩ツーリング

2011年11月27日 | 旅するシーカヤック
2011年11月27日(日) この週末は、土曜日にロードスターでのオープンドライブを楽しんだので、今日は久し振りの日帰りツーリングとなった。
天気も良さそうだし、どこへ行こうか考えたのだが、せっかくだからこれまで漕いだ事がないエリアを開拓する事に。

先日、瀬戸内三兄弟の長兄である五さんと一緒に飲んだとき、今度は江田島湾を漕いでみたいと言われていた事を思い出した。 ここにある術科学校は、五さんの親類縁者も卒業されたとの事で、以前のツーリングで強風のため停滞となった時、その方の写真を探すため、一緒に陸路で見学に訪れたことがあるのだが、そこを海から眺めてみたいのだとか。

***

家から1時間ほどで、出発地点となる浜に到着。

今日は日帰りツーリングであることに加え、お昼ご飯はツーリングが終わってからお目当ての店で食べる予定なので、安全装備と行動食のみを積み込んで出発した。

これまで江田島湾は、道路から見た印象であまり水もきれいでなく、景色もいまいちっぽかったので敬遠していたのだが、漕ぎ出してみて驚いた。

水が透明に澄み、とてもきれいなのだ。 今は満潮に近いのだが、水面下には牡蠣棚も見えている。 『うーん、どうやら江田島湾を誤解していたようだ!』

***

ところどころ、良さそうな浜に立ち寄ってはチェックを入れ、ロケハンツーリング。

『じゃあ、そろそろメインの場所へ向かうとするか』


バウを東に向け、術科学校へ。

近付いてみると、カッターが海に降ろされ、訓練をしている様子。

これまで何度か見学に行った事はあるが、海から眺めるのは初めてである。 なかなか新鮮だ。


***

海を向く砲塔。

卒業式の時にも使われるという、本当はこちらが表玄関となる桟橋。

訓練用のカッター。

1術校の文字。


***


術科学校を越えたところで、しばし休憩。

家でポットに詰めてきた熱い紅茶を飲み、昨日のドライブで、小谷SAで買い込んで来た新作もみじ饅頭を行動食に。

ここから先は、単調なパドリング。 可もなく不可もなくって感じ。

私の場合、漕ぐ事を目的に海に出る事はほとんどなく、休憩したい浜や、キャンプしたい島、訪れたい集落まで漕ぐのがいつものツーリングなので、目的地であった術科学校見学が終わった後は、パドリングに気合いが入らない。 まあ、ロケハンを兼ねてと漕いでは見たが、まあそこまで。

広島湾を望める北側に抜けた水道まで行き、出発した浜へ戻った。

***

結局今日は、2時間弱のお散歩ツーリング。 シーカヤックを引き揚げ、潮抜きをしてカートップすると、そのまま今度は私の潮抜きのために温泉へ。

ゆっくりと気持ちのよい温泉を楽しみ、今日は少し贅沢をして、温泉施設にある整体へ。 イタ気持ち良い至福の50分で体も心も軽くなり、普段の仕事の疲れも芯から抜けていったようだ。

温泉施設を出たのは2時前。 なんとか、お目当てのお店の閉店時間に間に合いそうだ。 『天婦羅ざる蕎麦、お願いします』

『いただきます』 おいしい蕎麦を手繰り、揚げたて熱々天婦羅を、塩でいただく。 『うん、美味い』

『ごちそうさまでした』

漕いで、お風呂に入って、整体で体をほぐし、おいしい蕎麦でお腹を満たした。 ああ、この週末もええ休みやったなあ。 また一週間、頑張るで!

*五さん。 下見はバッチリです。 いつでもいらして下さい。 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀬戸内シーカヤック日記: ロードスターでオープンドライブ_『笠岡の”しゃこ丼”』

2011年11月26日 | 旅するロードスター/アテンザ
土曜日の朝、8時半。 さて、そろそろ出掛ける時間だ。 今シーズン初めて引っ張り出してきたバーヴァーのジャケットを羽織る。
冬のシーズンだけとは言えオープンドライブ用に何年も着続け、すこし背中の肩の辺りが日に焼けて色褪せつつあるが、生涯不良を座右の銘にしながらも無頼になりきれない草臥れた中年男にはちょうど良い。 手放せない一着。
撥水の表面処理のため、少し表面がべたつく感じも懐かしい。 裾を開くことができ、運転し易いダブルジッパーを引き揚げる感触。 うん、このシーズンがやって来た。

リモコンキーでロードスターのロックを解除してドアを開け、低い姿勢で狭いシートに体を滑り込ませる。 このコックピットのタイトさこそが、ライトウエイトスポーツである。
ニット帽を深く被り、指先の出る薄手の手袋を嵌め、オークリーの偏光サングラスをフィットさせる。 いつものルーチンワーク。 オープンカーを運転するための、冬の儀式である。

いったん体の全ての動きを止めてフーッと静かに息を吐き、前を静かに見つめ、次のステップに。
右手を伸ばして、まずは右側のラッチを外す。 『ガチャリ』 次は左手を伸ばして左側のラッチを同じように『ガチャリ』

幌のフレームの真ん中に設けてある凹みを持ち、一気に幌を後ろに放り出す。 『パタリ』

少し薄暗かった車内には、一気に朝日が差し込み、それと同時に、晩秋の早朝のキリリと冷えきった切れの良い空気がコックピットを満たしていく。 一瞬、『ギュッ』と体の芯まで温度が下がり、気が引き締まる。

ギアがニュートラルである事を確かめ、ブレーキを踏み、クラッチを踏み込んで、イグニッションキーを捻る。 『ブルルンッ』 一発で、1.6L-NAのエンジンに火が入った。 12万キロ真近のエンジンは、普段からこまめにオイル交換やメンテナンスをしており、まだまだ快調である。

***

この秋は雨の週末が多かったので、妻とのドライブ旅行も快適さ優先でアテンザワゴンの出番が多かったのだが、さすがにこのドライブ日和の今日は、オープンドライブが外せない。

さあ、出発しようか! 最高の行楽日和となった今日は、妻と二人、ロードスターでのオープンドライブ。
『どこへ行こう?』 『うん、せっかくだから笠岡へ”しゃこ丼”を食べにこう』

幌を下ろしたロードスターは、朝の山陽自動車道を東へ。

ETCゲートを通り、少し登りのランプウエイを3rdギアでアクセルを踏み込みながら駆け上って行く。 合流エリアでは、右後方からのクルマがない事をミラーと目視で確認し、アクセルを踏み込んで一気に流れに乗る。

オープンならではの、風を感じるドライブ。 一般道の時よりヒーターの風量を少し上げ、快適なドライブを堪能。

ロードスターはFRである。 同じ前足でクルマを引っ張り、かつ曲がって行くFFと異なり、後ろ足は大地を蹴って進むことに専念でき、もう一方の前足は大地を捉えて進むべき方向に曲がって行く役割を受け持つ。 また、FRならではの前後荷重ほぼ50:50を実現しており、ドライバーを中心にしたナチュラルな動きが楽しめる『人馬一体』の運動性能を手にしている。

10年以上前のエンジンで、かつ僅か1.6LのNA仕様ではあるが、軽い車重もあいまって、アクセルのON/OFFに応じたリニアなレスポンス、指の幅半分ほどの微妙なドライバーの操作にも的確に反応するリニアなハンドリングが最高に楽しい。

いつもの通勤では、時速50-60km/h、エンジン回転数では1500-2000rpm.あたりでの巡航だが、今日は高速道路という事で、3000rpm.付近の気持ち良いゾーンでの巡航ということもあり、周囲のクルマの流れに乗りながら、微妙なアクセルワークとステアリング操作の一つ一つが気持ち良い。

運転操作を楽しみながら、次第にFun to Driveの快感に浸っていく。
オープンなので、風を感じる事はもちろん、音や匂い、周囲の気配までもリアルに感じながらのドライブ。 鉄とガラスに囲まれた閉空間のコックピットとは一線を画する空気感。
『あー気持ち好い! ほんと、ゾクゾクしてくるよ』 まさにこれぞ『運転する楽しみ。 人馬一体』 ほんと、ロードスターで良かった!

***

少し時間に余裕があったので、笠岡ICの手前の福山東ICで降り、しゃこ丼のお店へ。

10時50分過ぎにお店に到着。
開店少し前だったが、ちょうど店の方が開店の札を出し、暖簾がかけられた。
 
『こんにちは。 お願いします』 お店に入ると、まだ店の方は仕込みの最中。
ご主人が仕込みの手を止め、お茶を持ってきてくださる。 私は、『すみません。 しゃこラーメンと、しゃこ丼定食をお願いします』
 

***

 
ここのお店では、漬け物がサービスで供される。 しばらく待っていると、料理が運ばれてきた。
 
しゃこラーメンは、笠岡ラーメンに『しゃこフライ』がたっぷり。 しゃこ丼定食は、ミニしゃこ丼に、しゃこフライ、しゃこの酢の物、そして味噌汁。
うーん、これは美味そうだ!

『いただきます』 妻と料理を分け合いながら、しゃこ尽くしをたっぷりと堪能した。 『ごちそうさまでした』

いやあ、やっぱり『しゃこ』は美味い!!!

***

食後は、少し笠岡ドライブを楽しむ。
 
公園を散策し、次は海へ。
 
お気に入りの海岸では、気持ち良い晩秋の太陽の日をたっぷりと浴びて、食後の日光浴を楽しみながら、途中で買ってきた缶コーヒーと、おいしいチーズケーキでデザートを楽しむ。

暖かい海辺で、瀬戸内の景色を眺めながら、のんびりまったり。
 
『あー、気持ち良かったね』 『旨いしゃこ尽くしもたっぷり楽しんだし、久し振りに海辺でのんびりしたし、リフレッシュできたなあ。 じゃあ、そろそろ帰ろうか!』

ロードスターに乗り込み、帰りも山陽自動車道のオープンドライブを堪能した。 最高の週末!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀬戸内シーカヤック日記: とびしま海道で遊撃隊サポート

2011年11月20日 | 旅するシーカヤック
2011年11月19日(土) この週末は、高松からシーカヤックで漕いでくる五さん&Uさんと、岡村島で待ち合わせという楽しみな休日。
それに加えて、HORIZONの尾崎さんに、長年愛用してきたシースケープポイント5を下取りしてもらって購入した、タンデムファンカヤック&ドライスーツを受け取る週末なのである。

尾崎さんと連絡をとり、岡村島に到着するフェリーと合流。
 
尾崎さんツアーの出発地点となる浜で、様々な想い出が詰まったポイント5を引き渡し、これからお世話になるタンデムファンカヤックとドライスーツを引き取った。

とある事情でポイント5の出番が少なくなり、これまでカヤックラックの重石になっていたのだが、この短いタンデムカヤックを手に入れた事で、久し振りに妻や長男との日帰りツアーが楽しめるようになるなあ。 楽しみだ!!!
 
今回のHORIZONツアーには知り合いのカヤッカーも何人か参加しており、久し振りの再会で近況報告の会話を楽しむ。 五さん達との待ち合わせまで時間があったので、蒲刈までの下見ドライブにも同行し、ロケハンをお手伝い。 その後、午後1時過ぎにはツアーは出発。 『じゃあ、気をつけて!』

***

HORIZONツアーを見送った後、宿泊施設の手続きや買い出しを終え、雨の中、生名島から漕いでくる二人の事を想って風呂を沸かし、鍋料理を準備して、準備万端。
これはまるで、長旅から帰ってくる家族を待つ家族の様な気持ちである。

午後3時頃、五さん&Uさんが、待ち合わせ場所である浜に到着。 午前中の大雨が上がり、晴れ間が覗く岡村島の浜に近付いてくる姿はなかなか格好良い!

両手を振って合図しながら、ランディングを記念撮影。
 
一週間を越えるシーカヤック旅装備の重いカヤックを、えっちらおっちらと、3人で浜に引き揚げる。 『お疲れさまでした』
 

***

 
二人が上陸するのを待っていたように、雨が上がって雲が晴れ、太陽が顔を覗かせた。 うん、良いねえ!

五さんは、瀬戸内三兄弟の長兄である。
『兄貴。 雨の中のパドリング、ほんまにお疲れさまでした。 風呂を沸かしときましたけえ、ゆっくり入って旅の疲れを癒してつかあさい。 その後は、わしが作るんじゃけえ、なんじゃ言うても簡単なもんじゃあありますが、温かい鍋料理と、冷えたビールを準備しとりますけえ』

『ほうか。 まあ、その気持ちがありがたいよのう』 『何を言うとられますか。 わしゃあ兄貴にゃあ、いつも言葉に尽くせんくらい世話になっとるんですけえ。 これくらいのこたあ、させてもろうてあたりまえじゃ、思うとります』

***

着替えて濡れものを干した後は、予め準備しておいたお風呂に入ってもらい、疲れを癒していただく。 お二人が風呂から上がってこられた後は、もちろんビールで乾杯である。 鍋をつつきながら、再会を祝って乾杯! こういう時のビールは最高である。

アラフィフ&アラカン、中年男3人の宴である。 あんなことやこんなこと。。。 そげなことやほげなこと。。。 いやあ、それはそれはディープな岡村ナイトである。
ほんま、楽しいのお。 こげな楽しいカヤック仲間との宴、こりゃあ、やめられんわい。

***

翌朝、天気予報でこのエリアが強風であることを確認したお二人は、停滞を決定。 じゃあ、朝のなんちゃってお散歩ツーリングと、御手洗観光を楽しみますか!

味噌汁にうどんを入れた朝食をいただいたあとは、役場に行って連泊の手続き。 その後、着替えて朝のお散歩ツーリングに出発である。
 
このエリアは、1時間や1時間半ほどで、とびしま海道らしい景色を堪能できる良いコースがあるのだ。
 
最初は北上して橋の掛かった島の景色を楽しみ、そこからUターンした後は、追い潮追い風に乗って、御手洗沿いを漕ぎ進む楽勝のお散歩ツーリング。


***

浜に戻り、シーカヤックを引き揚げ、しばし休憩した後は、御手洗散策に出発。
 
Uさんは御手洗散策は初めてとの事だったので、ここの定番である展望台にまずはご案内。

御手洗の町並みを楽しみ、
 
遊郭跡と神社を巡り、
 
お昼が近くなったので、ご飯を食べる事に。

散策の途中で見つけた、気になるお店に決定。
 
『こんにちは。 ここはご飯が食べられるんですか?』 『そうじゃの。 何か作れるじゃろう』
『何か嫌いなもんはないか』 『いいえ、わたしらなんでも食べますけえ、お任せしますけえ』 

『ほうか』 『ところで値段はなんぼでしょうか?』 『ほうじゃの、500円じゃ』 『じゃあ、それでお願いします』

気さくなご主人&奥さんとの会話を楽しみながら、食事ができるのを待つ。

『待っとる間に、これを出しちゃれえ』と、ホットの生姜湯が供される。 『うん、体が温まります』
『あんたら、玉子は大丈夫か? 味噌汁に入れようかと思うんじゃが』 『ええ、お願いします。 玉子入りの味噌汁は大好物なんです』

『ゴボウは食べられるか?』 『ええ、好きですよー』 『じゃあこれ。 こんなが拵えたゴボウサラダじゃ』

食事の合間に、『タイタイ先生』と呼ばれていたという中村春吉の裏話も伺い、残念ながらさすがにここには記す事ができないが、その話がツボに入って大爆笑。 しばらく笑いと涙が止まらなかった私。
『いやあ、こりゃあたまらんわい。 ほんま、面白いなあ』 その後しばし、怪しい中年3人組の合い言葉は、『タイッ! タイッ!』 そしてある時は、『替わりべんたん、替わりべんたん』
通りすがりの人が聞いたら、なんやこの怪しい三人組はと思うやろうなあ。

何かある度に、『タイッ! タイッ!』 『カワリベンタン! かわりべんたん!』って言いながら笑っている。 やっぱり、春吉の事を詳しく記したあの石碑をしっかりと読み込んでイメージしていた春吉と、あの食堂で裏話を伺った春吉のイメージはピッタリじゃったのお。 さすがわしらは、ええ嗅覚しとるわい。
 
ご飯にゴボウのサラダ、卵入りのおいしい味噌汁、ラッキョにたこ焼き。 『味噌汁、美味しかったですよ』 『ほうか、じゃあお代わりはいらんか?』
『じゃあ、せっかくなんでいただきます』 『一味、いただけますか。 ゴクリ。 うん、やっぱりほんまにこの味噌汁は美味い!』

『わしらはの、もうけようなんて考えてないんよ。 それより、せっかく来てもろうたお客さんに、楽しんで帰ってもらうんが一番じゃと思うとる』 なるほど、本当にありがたいことである。 おいしい味噌汁をお代わりし、デザートは自分の畑で採れたという蜜柑。

『ちょっと待っとれ』と言ってご主人は籠を背負って店の外に。 15分ほど待っていると、蜜柑が詰まった籠を背負って帰って来られた。
蜜柑を選別しながらネットに入れてください、『こりゃあ、わしの気持ちじゃ』とお土産まで。 『ありがとうございます。 わしら、遠慮せんけえ、ありがたくもらって帰ります。 ほんま、おいしい料理でお腹一杯になりました。 また来ますけん』

これはまたまたディープなお気に入りのお店が見つかった。 『あるくみるきく』の海旅って、本当に楽しいなあ。

***

その後は、停滞泊の五さん&Uさんと、ビール&食材の買い出しへ。
 
施設に戻り、コーヒーをいただきながら四方山話。
 
『じゃあ、そろそろ帰りますわ』

気のおけないカヤック仲間と過ごしたこの週末。 とても楽しく充実した二日間であった。 『ほんま、ええ休みじゃった!』

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀬戸内シーカヤック日記: 秋の瀬戸内、『生野島』キャンプツーリング

2011年11月13日 | 旅するシーカヤック
2011年11月12日(土) 雨続きで漕がない週末が2週も続いたが、ようやくキャンプツーリング日和の土日がやってきた。
さてさて、どこへ漕ぎに行こうか?

うん、そうや! 久し振りにお気に入りの生野島に渡ってみるとしよう。
 
家から1時間で、いつもの浜に到着した。 少し雲はあるものの、風もなく、暑くも寒くもない絶好のツーリング日和。 いやあ、最高!最高!

 
アテンザワゴンからキャンプ道具を引っ張り出し、ニヤックにパッキングしていく。 ミニマムパッキングに徹してはいるのだが、それでも調理道具に食材、ビールにワイン、そしてテント、シュラフ、着替えとなると、かなりの量になる。

これだけの荷物が運べるというのは、シーカヤック旅ならでは。

それにしても、眼の前に広がる景色は、『シマ』『島』『しま』。 やはりこの辺りは『しまなみ海道』っていう表現がピッタリである。
アイランドホッピングを楽しむ『旅するシーカヤッカー』にとっては、垂涎のフィールド。
 
『さあ、出発しようか!』

***

海水浴場から漕ぎ出し、穏やかな秋の瀬戸内での2週間振りのパドリングを堪能しつつ、約1時間で生野島に到着した。
 

 

カヤックを引き揚げ、何度も往復して荷物を運び上げる。 11月半ばとは思えない気温で、汗がジンワリと噴き出してくる。
 

ちょうどお昼ご飯の時間である。 今日のお昼は、途中のコンビニで買って来たお弁当。
特等席に陣取り、絶景の瀬戸内海を眺めながら、まずはビールで独り乾杯!

『プシュッ』 『トクトクトクトク、シュワワワー』 『いただきまーす!』
『ゴクッ ゴクッ ゴクッ 、 ゴクリ』 『うーん、こりゃあ最高じゃ!』

***

お昼ご飯を食べていると、なんだか腕が痒い。 えー、なんやこれ。 見ると、2ヶ所ほど蚊に刺された痕が。
もう11月の半ばだというのに、東屋の下は蚊が何匹も飛び交っているのだ。 すぐに蚊取り線香を取り出して火を点け、厚手のジャージを羽織る。
いやはや、温暖化もここまで来たか。

食事が終わると、のんびり過ごす贅沢な時間がたっぷりと待っている。 何もない静かな島の浜辺で独り、のんびりまったり。
 

ゴロリとベンチに寝転がり、本を開く。 今日はなぜだか、『ATの変速機構 及び 制御入門』
 
疲れてきたら、最近手に入れたキュートでビビッドなアシアナ航空のカップで赤ワイン。 何とも贅沢な時間である。

***

夕方。 キャンプ用のキッチンをセットし、晩ご飯の準備。
 
今日も簡単スキレット調理。
ミニコンロに200円スキレットを載せ、オリーブオイルで野菜やウインナーを炒めて、塩や醤油でパクリ。 エビスビールをゴクリ。

椎茸、長ネギ、ピーマン、ウインナー。 シンプルだが、ビールがメインの独りの夜はこれで充分なのである。


食事が終わると、ラジオを聞きながらビールやワインをゆっくり楽しむ。
 
『ああ、月もきれいだなあ』 『じゃあ、おやすみなさい』

***

2011年11月13日(日) 温かいシュラフに包まり、たっぷり睡眠をとって快適な目覚め。
 
朝食は、キャンプの朝の定番である『うどん』。 昨日の残りの長ネギを刻んでたっぷりといれ、玉子も追加して、ちょっとした朝の贅沢。

食事を終えると、朝のコーヒーの時間。 ドリップコーヒーを啜りつつ、波のリズムを聴き、お気に入りの景色を眺める。
『さて、そろそろ戻ろうか』

シュラフを片付け、テントをたたみ、何度も浜に往復して荷物をパッキング。
浜を出ると、追い潮に乗って快調なパドリング。 1時間弱で、出発した浜に戻って来た。
 

***

久し振りに訪問した『生野島』 浜にはイノシシの足跡が残っており、テント泊を少し心配したものの、お気に入りの東屋からの景色はやはり最高であった。
独り静かにのんびりまったりと過ごした週末のキャンプツーリング。 『生涯不良』、やっぱ俺には、こういう時間が必要なんだ。

秋の瀬戸内海、さて次はどこ行こう?

*** 追記 日曜日の夜 ***

そして、日曜日の夜。 今日は、オヤジの72歳の誕生日。
刺身好きのオヤジを、一度『さしみ屋/北吉鮮魚店』に連れて行きたいと思っていたので、今日の夜に誘っていたのである。

夕方4時に家を出て、両親と妻&長男と一緒に倉橋島へと向かう。 途中、とてもきれいな夕日を堪能。

さしみ屋さんに到着すると、店の女将さんが見えたので挨拶。 『こんにちは。 よろしくお願いします』

『あと、豆腐を一つ、切らないで出していただけますか』 すると女将さんは笑いながら、『ロウソク立てるんですか』
え、覚えてくださってたんだ! 『ええ、そうなんです。 今日はオヤジの誕生日なんですよ』

***

まずは、北吉鮮魚店恒例の、バースデイ島豆腐!


続いて、なんといってもこれがないと始まらない『刺し盛り』である。

これまたおいしい『湯引き』

そして天婦羅。

***
おいしいビール、焼酎、そして日本酒。 美味い魚を堪能し、おいしいお酒を酌み交わす。
〆は内蔵の煮込み。 ここ、北吉鮮魚店ならではの魚の内蔵の煮込みである。 これがなんといっても最高だ!

『ごちそうさまでした。 ほんま、美味かったです。 刺身好きのオヤジも、大満足でした』


生野島へのキャンプツーリング。 そして夜は、大のお気に入りの北吉鮮魚店で、オヤジの誕生日の宴。
いやあ、この週末も最高に楽しかった!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀬戸内シーカヤック日記: 思い立ったが吉日_俵山温泉堪能、一泊二日のドライブ旅行

2011年11月06日 | 旅するシーカヤック
木曜日の夜。 最近は仕事が忙しく、特に今週は金曜日が締め切りのタイトな仕事が入っているため、怒濤の一週間。
その〆切を明日に控え、連日の朝7時から夜の7時過ぎまで仕事をこなして帰ってきた夜の食卓。 この時間ということは、通勤時間を含めると、朝6時に家を出て、夜は8時過ぎに家に戻ってくるという事になる。

『あー、今日も疲れたわ。 いよいよ明日が〆切の日や』 さて、週末の天気はどうかとMacBookをチェックすると、『えー、今週末もやっぱり雨じゃ』

『いやあ、これじゃあ何週間もずっと週末は雨じゃないか。 これじゃあカヤックにも行かれんし、旅にでも出ようかの。 最近、ほんまに仕事が忙しゅうて、心底疲れとるんよ。 久し振りに、温泉宿でのんびりまったりしたいよのう』


お気に入りの温泉をターゲットに、いつもお世話になっている楽天トラベルのHPをチェックすると、『おお、こりゃあ安うて評判の宿が空いとるわ。 ここに行って来ようかの』

すると妻は、『ええよ、温泉でゆっくりしてきんさい』 いつもの事ではあるが、自由奔放な生活しかできない私には、とてもありがたい言葉。
『ほうか。 いつも放し飼いにしてもろうてすまんのう。 ほいじゃあ、せっかくじゃけえ甘えさせてもろうて、ここにしようかの』と、予約しようとした。

が、なぜか気になり、せっかくなので人数を二人に増やして再度チェックしてみると、『お、ここの宿は二人で1万4千円じゃ。 美容院以外に予定がないんじゃったら、一緒に行かんか?』 いくら泉質が良いとはいえ、俵山温泉で中年男が一人ツルツルの肌になっても『うーん、こりゃあなんか、やれんのう』と感じるのも事実。

どうせ行くんじゃったら、一人より二人の方が楽しい。 独りで旅をしたくなる事が多いのだが、せっかく料理も評判の温泉宿。 今回は、妻との二人旅で決まりである!

『よっしゃ。 じゃあ、このドライブ旅行を楽しみに、明日一日頑張ってくるわ』

***

今回の目的地は、山口県の『俵山温泉』 これまで何度か通ってお気に入りの、アルカリ性の美肌温泉である。
 
美容院に妻を迎えに行き、昼前に出発。 雨の高速道路をひた走り、午後4時には宿に到着した。 俵山温泉、4時間ならある意味近いものである。
 
宿に荷物を置き、宿泊者専用の温泉手形を購入してお風呂へ。 この手形があれば、土曜日の昼から日曜日の昼まで、温泉街の二つのお風呂が入り放題で千円である。

浴槽に入ると、『ヌルリ』とした感触が俵山温泉であることを肌で感じさせられる。 『うーん、やっぱりこのお湯は特別だ』

1時間ほどゆっくりと、最高のお湯を堪能し、宿に戻る。 しばらくすると、晩ご飯の時間。
 
俵山温泉の宿は、基本的に部屋食である。 この宿は、期待を上回る晩ご飯のメニュー。
 
『うん、これは凄いなあ』 『え、これって松茸の香り?』 『えー、まさか。 あっ、ほんまや。 これは松茸じゃ!!!』

なんと、茶碗蒸しとお吸い物に、松茸が使われているのである。
魚料理もおいしいし、ご飯もピカピカつやつやホカホカでおいしいし、茶碗蒸しには栗も入っていた。 『いやあ、これは秋尽くしじゃのお、完敗。 またまた、ええ宿をみつけたわい』

***

『ごちそうさまでした!』
 
食後、しばらく休憩した後は浴衣を羽織り、再び温泉へ。
 
ちょうど端境期の時間で、だれも居ない湯船を独り占め。
 
お風呂を楽しんだ後は、部屋に戻ってビールと酎ハイで乾杯! 部屋にはなぜか『安倍晋太郎』の色紙が。 さすが、山口である。

***

翌朝は、6時の放送で目が覚める。 なんで田舎って、夕方と早朝に音楽を流すのだろうか? 日本の田舎の七不思議である。
 
朝食は8時からなので、まずは朝風呂で体を伸ばす。 『あー、気持ちええ!』

食卓に並べられた朝食は、正しい日本の朝ご飯。
ご飯はおいしいし、おかずもたっぷりで朝からおかわりしてしまった。 『ごちそうさまでした』 美味かった!


***

朝食を摂り、少し休憩して、再び温泉へ。 この週末旅で4回目の温泉である。
雨が降る朝、温めのお風呂にゆっくり浸かっていると、ジンワリと汗が噴き出してくる。 うん、ほんまにええお湯やなあ。

宿に戻り、浴衣から着替えて出発準備。 『お世話になりました。 ほんま、食事がおいしかったです』

***

今日も雨の予報。 広島に真っ直ぐ帰ろうかと思ったのだが、せっかくだからと遠回り。
 
まずは、SAで『ふく天丼』と『瓦そば』

その後は、中国自動車道を走って吉和へ。 中国自動車道は、利用するクルマが少なく、景色も良くて、ドライブには最適な道路である。

***

『もみの木森林公園』に到着した頃には、雨も上がり、曇り空ではあったが紅葉を堪能することができた。
 
ここは、結婚する前にはドライブで、子供ができてからは冬の雪遊びで通った懐かしい場所である。
 
二人の息子はもう22歳と19歳になり、雪遊びに来たのも、10年位前の懐かしい話だ。
 
雪の上を、ソリやスノースラッシャーで遊んでいた芝生広場を散策していると、雨が降り始めた。 『じゃあ、そろそろ帰ろうか』

クルマに乗り込むと、雨は本降りに。 『こりゃあ、ええタイミングで紅葉を楽しめたのお』
 

 

***

直前に思い立ち、ふらりと出掛けた妻と二人でのドライブ旅行。 最高の泉質である俵山温泉で、リーズナブルな料金でおいしい料理を楽しめる宿を見つけることができ、想い出の『もみの木森林公園』で紅葉も堪能することができた。

『お気に入りの宿も見つけたし、紅葉もピンポイントのタイミングで楽しむことだできた。 いやあ、ほんまにええ週末じゃったのう。 明日からまた、がんばろうかのお』

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする