ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

前原氏献金問題の情報源は、自民党だった

2011年03月08日 | 時事問題
asahi.com 2011年3月7日23時42分
「これはいける」 自民の前原氏つぶし、あっけない最後
 世論調査で人気の高かった前原誠司氏を外相辞任に追い込んだことは、自民党の政権奪還戦略にとって大きな意味を持つ。「ポスト菅」の本命をつぶし、不人気の菅直人首相のまま、解散・総選挙に追い込むことが、理想的な展開だからだ。  自民党は今国会、野田佳彦財務相、蓮舫行政刷新相、枝野幸男官房長官ら、ポスト菅世代を狙って次々とスキャンダルを追及した。中でも力を入れたのが、前原氏だった。
 そんな中、西田昌司参院議員のもとに京都の支援者から「前原氏を熱心に応援している飲食店がある」との情報提供がもたらされた。調べると経営者は在日韓国人であることを公言し、前原氏に献金をしていた。「これはいける」。
 
asahi.com 2011年3月8日3時12分
年金救済策混乱、厚労相「私に責任」 野党、首相問責も
 細川律夫厚生労働相は7日の参院予算委員会で、専業主婦の年金届け出漏れ問題の対応の混乱をめぐり、「責任は私にある」と答弁した。これを踏まえ、野党は細川氏の参院問責決議案の提出の検討を本格化させる。菅政権が前原誠司氏の外相辞任に続く閣僚の「辞任ドミノ」を警戒するなか、野党は、菅直人首相の問責提出も視野に入れる。与野党攻防は緊迫してきた。

第1の権力は保守勢力と財界 第2の権力は検察と司法、第3の権力はメデイアと書いたが、今回の情報源は自民党の調査だったようだ。政権を潰すために、執拗に閣僚のスキャンダルを追う。まさに長年の手練手管だ。しかしこの闇の筋書きを書いているのは、小沢氏ではなかろうかという気がしてきた。

文藝散歩 興膳宏著 「漢語日暦」 岩波新書

2011年03月08日 | 書評
漢語の季節感 第2回

「和漢朗詠集」の編集も本書と同じような季節別になっている。ちなみに、
上巻(季)
春 :立春 早春 春興 春夜 子日付若菜 三月三日付桃花 暮春 三月尽 閏三月 鶯 霞 雨 梅付紅梅 柳 花 落花 躑躅 款冬 藤
夏: 更衣 首夏 夏夜 納涼 晩夏 橘花 蓮 郭公 蛍 蝉 扇
秋 :立秋 早秋 七夕 秋興 秋晩 秋夜 八月十五夜付月 九日付菊 九月尽 女郎花 萩 槿 前栽 紅葉附落葉 雁付帰雁 虫 鹿 露 霧 擣衣
冬: 初冬 冬夜 歳暮 炉火 霜 雪 氷付春氷 霰 仏名
下巻 (雑)
風 雲 晴 暁 松 竹 草 鶴 猿 管絃附舞妓 文詞附遺文 酒 山附山水 水附漁父 禁中 古京 故宮附故宅 仙家附道士隠倫 山家 田家 隣家 山寺 仏事 僧 閑居 眺望 餞別 行旅 庚申 帝王附法王 親王附王孫 丞相附執政 将軍 刺史 詠史 王昭君 妓女 遊女 老人 交友 懐旧 述懐 慶賀 祝 恋 無常 白
(つづく)

読書ノート 近藤宣昭著 「冬眠の謎を解く」 岩波新書

2011年03月08日 | 書評
シマリスから冬眠特異的蛋白質(HP)の発見への道 第3回

 本書は第1章で冬眠モードの心臓筋肉細胞の変化を、第2章で冬眠特異的蛋白質の発見、第3章で強制的に冬眠を起こさせる方法、第4章で冬眠型動物の寿命について述べられている。第1章から第4章まで、話は一応実験動物であるシマリスに限ったこととして話を進める。実験データがあるわけではない外の話題には飛ばないことにしよう。まして第5章の「ヒトと冬眠」は想像の範疇を出ないので、著者には悪いが無視する。想像は自由だが、本書を読む人が本当にするといけないので省略する。科学論文は、「序論」、「方法」、「結果」、「討論」で構成され、「討論」では得られた結果の範疇でしかその意義を述べてはいけないことになっている。外の動物や人にまでシマリスの結果が他の動物、まして人間にまで普遍的に及ぶという保証は無いのである。そして本書は科学論文では無く啓蒙書に類する「新書」ではあるが、全く実験結果を示さずに、新たな物質を発見したとか、大変重要な結論を述べているところが数箇所あり、はやる著者の気持ちは分るが、認めろと言われても困るのでこれも無視する。要するにシマリスから冬眠特異的蛋白質(HP)を発見したということが、本書の意義である。学会はこの結果をどう評価しているかは知らない。恐らく決定的な証拠とするには、物質の同定・結晶化・構造解析および遺伝子配列解析がされていないこと、精製された物質または遺伝子的に作られたその物質で強制的に冬眠を導入することが出来たかどうかについて、本書ではよく分らない。新しい蛋白質の発見というにはまだ少し足らないのではなかろうか。
(つづく)

筑波子 月次絶句集 「春宵論文」

2011年03月08日 | 漢詩・自由詩
梅花撲雨乱紛紛     梅花雨に撲れ 乱れて紛紛

心静幽斎読典墳     心静に幽斎に 典墳を読む

悪友叩門頻勧酒     悪友門を叩いて 頻に酒を勧め
  
春宵酔醒再論文     春宵酔醒めて 再び文を論ず


○○●●●○◎
○●○○●●◎
●●●○○●●
○○●●●○◎
(韻:十二文 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)