ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

茨城県原子力センター(14日朝)モニター結果では問題ない

2011年03月14日 | 時事問題
茨城県14日5午前9時発表の空中放射線量は過去の測定範囲内で問題は無いようだ。福島県内各地点の空中放射線量測定では12日12時までの数値で、過去のモニター値にくらべて増加していない。ただし13,14日のモニター値は記入されていない。
福島県原子力センターのURLは
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/top.html
茨城県のセンターのURLは
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
噂に惑わされないよう、数値の発表に注意

文藝散歩 坪内稔典著 「正岡子規ー言葉と生きる」 岩波新書

2011年03月14日 | 書評
言葉に生きた明治の群像 子規評伝 第2回

 幕末というか、明治元年(1967年)に生まれた子規は、明治時代とともに成長した。明治の年がそのまま子規の年齢となるので分りやすい。いま司馬遼太郎作「坂の上の雲」のテレビドラマは、日露戦争の秋山好古、参謀秋山真之と正岡子規の愛媛生まれの3人を主人公とした、明治という近代日本の勃興期をいかに生きたかを描き、青春群像小説でもある。弱体な基盤しか持たない近代国家としての日本を支えるために、青年たちが自己と国家を同一視し、自ら国家の一分野を担う気概を持つ明治期特有の人間像である。好古における騎兵、真之における海軍戦術の研究、子規における短詩型文学と近代日本語による散文の改革運動等が描かれている。秋山兄弟は日露戦争を闘い日本の存在を世界に認めさせ、子規は俳句・短歌・文章という3つの分野で文学に新風をもたらした。子規は新しい日本の言葉をめざして、短い34年の生涯を終え、日露戦争前に死んだ。では正岡子規の評伝について、本書に従って進もう。
(つづく)

読書ノート 近藤宣昭著 「冬眠の謎を解く」 岩波新書

2011年03月14日 | 書評
シマリスから冬眠特異的蛋白質(HP)の発見への道 第9回 最終回

4) 冬眠の意義

 冬眠をする動物には体内冬眠時計が埋め込まれているようである。周期的な機能には「概日時計」と「概年時計」があり、「概日時計」は明暗の周期に支配されているが、「概年時計」のほうは別の機構が働いているようだ。冬眠といっても哺乳動物種や個体によってかなり変動が大きい。そこで冬眠の定義を「体温が10度以下に下がり、それが1日以上続いた後、自力で元の体温に戻れること」とした。「浅い休眠」、「日内休眠」、「冬篭り(巣篭り)」と区別するためである。動物は体温を上げるために代謝だけでなく筋肉という運動器官を用いる。亀など爬虫類は変温動物といい大きな体を有し、体温の保持が楽になったが、低温ではやはり凍死する。筋肉を使って体温を一定に保持できるのは哺乳類と鳥類の獲得した恒温性である。脳の視床下部の体温調節中枢が重要な役割を果たしている。この恒温性動物からさらに省エネモードを獲得したのが冬眠動物といえる。変温動物の冬眠中の体温はすべて自然任せで、環境温度が上がるまで冬眠から脱することは出来ないが、哺乳類の冬眠動物は体温調節機構が安全装置となって、冬眠中でも何度も覚醒を起こせる。冬眠期間の長さを「冬眠能力の高さ」という。では何のために中途覚醒を起こすのだろうか。代謝老廃物の排泄、および水分摂取であろうといわれている。シマリスの生存曲線を比較すると、冬眠するシマリスは典型的な逆S字型曲線を示すが、暖かい恒温室で冬眠をしないシマリスは時間にそって直線的に下降し、最終的には最高生存年齢が11年である事に違いは無い。寿命には個体差が大きいが普通である。そして驚くべきことはHPが概年周期で変動しないシマリスは若年で死亡することであった。冬眠能力を持っていない個体は普通の鼠並みに2年が寿命であった。少なくとも冬眠能力を持ったシマリスは持っていない個体よりも健康で生きている。しかしやはり8年ごろから急速に死亡率は高まる。これを冬眠の秘密という。後進国と先進国の死亡率の比較のようだ。こうして変温性から恒温性、そして冬眠能力の獲得という風に進化が進んできたのかもしれない。
(完)

筑波子 月次絶句集 「早春寒甚」

2011年03月14日 | 漢詩・自由詩
柳條初放剰寒侵     柳條初て放ち 剰寒侵し

老骨徘徊冷入襟     老骨徘徊して 冷は襟に入る

破臘百花知漸近     臘を破て百花 漸く近きを知る
 
東風剪剪損春心     東風剪剪と 春心を損ず


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(韻:十二侵 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)

CD 今日の一枚 セザール・フランク 「交響曲 ニ短調」ほか

2011年03月14日 | 音楽
セザール・フランク ①「交響曲 ニ短調」 ②「交響詩 プシュケ」
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
DDD 1986 ドイチェ・グラモフォン


セザール・フランク(1828-1890)はドイツ生まれのベルギー人で、サンサーンス、フォーレやドピッピッシーらとフランスロマン派近代音楽を切り開いた。