ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

福島第1原発廃炉へ チェルノブイイと同様 文明の墓銘碑に

2011年03月21日 | 時事問題
asahi.com 2011年3月21日5時30分
福島第一原発全6基の廃炉、東電も「不可避」の見方
 東京電力内で、福島第一原発の廃炉は避けられないとの見方が強まっている。東電関係者によると、建屋の爆発や炉心溶融が問題になっている1~4号機は、技術的に再稼働が難しい状態。損傷のない5、6号機についても「地元の住民感情を考えると再開は厳しく、6基とも廃炉にせざるを得ない」とみている。

3月21日午前8時茨城県空間線量率データー
東海村石神      602nGy/h  風東北東 4.5m/s
ひたちなか市堀口  1348      北東  4.4
水戸市吉沢      350     東北東  3.5
昨日に較べると高い値を示している。本日は雨で空中の放射性物質が落ちてきているためと思われます。

読書ノート ぺートル・ベックマン著 「πの歴史」 ちくま学芸文庫

2011年03月21日 | 書評
円周率πの歴史から数学の幅広い展開へ 第7回

2)円周率に偉大な足跡を残した人々 (2)
2.1) ヒッピアスの円を正方形にする作図
 古代ギリシャの時代、円周率に関係する幾何学者に面白い人物が4名いる。アナクサゴラス(BC500-428)は円と同じ面積をもつ正方形を作図する事を始めた。アンテフォンは「埋め尽くしの原理」という重要な手法を考案した。それは円に正方形を内接させ、次々に辺を2倍にした正多角形を内接させる考えで、かぎりなく多角形の周辺の長さは円周に近づくであろう。この原理はユークリッドによって正当化された。ヒポクラテスは半月という曲線の求積法を作図した最初の人である。そしてヒッピアスは直線や円以外の曲線を初めて定義した(しかも0で発散する超越曲線)。「クアドラトリックス」という曲線であるが、後にパッボス(3世紀)がこの曲線上で「円周率πを幾何学的に作図」することが出来ることを証明した。
(つづく)

文藝散歩 坪内稔典著 「正岡子規ー言葉と生きる」 岩波新書

2011年03月21日 | 書評
言葉に生きた明治の群像 子規評伝 第9回

4)病床時代(明治33年まで) (4)

 明治30年1月松山で「ホトトギス」が創刊された。柳原極道が主催したのだが、1年ほどで行き詰まり、虚子、子規が話し合って再興することになり、31年10月東京版「ホトトギス」が出た。こうして新聞「日本」で俳句運動のメドが立ち、ホトトギスに受け継がれた。ホトトギスで子規が新たに力を注いだのは写生文の実践であった。「小園の記」、「車上所見」、「吾幼児の美観」、「雲の日記」、「墓」などを次々と発表した。誌上でお題を決めて文章を募集したり、「1日記事」を試みた。写生文の制約のもとで意外な面白さが描けるのである。このホトトギスを場にした文章運動をのちの柳田国男は「文章と生活の結合」と呼んだ。淋しがりやの子規は生活のいろいろな面で他者とともに楽しむ事を実践した。食材料を各自が持ち寄る「闇汁会」の規則が面白い。うまきもの、安直なるもの、珍しいもの、趣向あるものの2つの条件を兼ね備えたものという。病気の境涯では、毎日毎日が病気であるから、病気そのものに面白さを求める以外にないという心境で生きた。自分が動けないので、友人に来てもらって楽しむ会を開催した。
(つづく)

筑波子 月次絶句集 「悼犠牲者」

2011年03月21日 | 漢詩・自由詩
鬼哭啾啾草木悲     鬼哭啾啾 草木悲しみ

肉親涕涕断腸辞     肉親涕涕 断腸の辞

被災暴死真堪惜     被災暴死 真に惜しむに堪え
 
救助無来已訝遅     救助来る無く 已に遅きを訝る


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(韻:四支 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)