ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

この事件の情報源はどこか 闇の権力が動く

2011年03月07日 | 時事問題
asahi.com 2011年3月7日5時2分
献金した女性「私のせいで」 前原外相辞任
 前原外相に献金した京都市山科区の在日韓国人女性の携帯電話には、6日午後9時前、前原氏本人から連絡が入った。女性によると、前原氏は「辞めます」と告げ、「ごめん、ごめん。迷惑かけてごめんなさい」と何度も謝っていたという。  焼き肉店で仕事中だった女性は「こちらも迷惑かけて申し訳ない。これからもがんばりや」と返答した。電話を切った後は「私のせいで辞めなあかん」と手にしたふきんで涙をぬぐった。 女性は気を取り直し、朝日新聞の取材に「まだ若いんやから、また戻ってきたらええ。すぱっと辞めるのは男らしい。みんなに頭を下げて回ったらええ」と話した。

この情報をメディアにリークした情報源はどこだろう。恐らく総務省の官僚筋であろう。日本を実質支配するエスタブリッシュメント階級は、保守政治家、財界、官僚であろうか。自民党政府という保守政治のあまりの無能さから民主党に政権は移ったが、その民主党にも愛想が尽きたらしい。政権を潰す能力を持つのは、第2の権力といわれる検察と司法、第3の権力といわれるメディア(無論第1の権力は保守政権)の連携宜しく民主党を激しく揺さぶっている。

文藝散歩 興膳宏著 「漢語日暦」 岩波新書

2011年03月07日 | 書評
漢語の季節感 第1回

 著者興膳 宏(1936年10月生まれ)氏は、中国文学者、京都大学名誉教授。福岡県生まれ。京都大学文学部卒、同大学院博士課程中退。1989年「中国の文学理論」で京大文学博士。京都大学文学部教授、文学部長を経て、2000年退職、名誉教授、京都国立博物館長を務めた。財団法人東方学会常務理事。主な著書には、『潘岳 陸機』 (筑摩書房 1973年)、 『中国の文学理論』(筑摩書房 1988年)、 『異域の眼:中国文化散策』(筑摩書房 1995年)、 『風呂で読む陶淵明』 (世界思想社 1998年 )、『乱世を生きる詩人たち:六朝詩人論』 (研文出版 2001年)、 『古典中国からの眺め』(研文出版 2003年)、 『中国名文選』 (岩波新書 2008年)、 『中国古典と現代』(研文出版 2008年)、 『杜甫:憂愁の詩人を超えて』(岩波書店 2009年)などがある。本書は2009年4月1日から2010年3月31日まで京都新聞に毎日連載したコラム「漢語歳時記」をまとめたものである。桑原武夫編「一日一語 」(岩波新書 1956年)に倣って、新聞コラムに手を入れたそうだ。漢語とは中国の言語のことであるが、日本で国家形成がなされて以来、ずっと政治体制、文化、言語のお手本となってきた。千年間はいわば日本文化の血肉化したものだが、それも明治時代から西欧文明をお手本にするようになって、急速に中国文化は忘れ去られた。文学者、小説家において漢語文化の影響を色濃く表現した人は、]夏目漱石、森鴎外、永井荷風までである。森鴎外の文章に独特のリズムがあるのは漢文のおかげである。平安時代以降、漢語は漢詩、儒教文化と深く結びつき、いわゆる支配層の必須教養となった。明治時代には漢語文化は江戸趣味と結びつき文人墨客のバックボーンを流れる教養であった。
(つづく)

読書ノート 近藤宣昭著 「冬眠の謎を解く」 岩波新書

2011年03月07日 | 書評
シマリスから冬眠特異的蛋白質(HP)の発見への道 第2回

 冬眠の研究が難しいことの第1は、体温の低下によって判断されるが、冬眠の原因を知るには体温は指標としては全く役に立たないのである。第2の難関は冬眠に入った動物に何らかの刺戟を与えると、動物は異常を察知してすぐに覚醒して体温を正常に戻してしまう。第3の難関は冬眠が1年に1度しか起きないことである。これではスピードが大切な研究には向かない。そして冬眠動物の遺伝的に均一な系統が入手できず、バイオ研究の常套手段である遺伝子操作技術をつかえないもどかしさがある。冬眠を研究している学者はよほどのんきで浮世離れした人々なのであろうか。冬眠=体温低下という定義は正しいのだろうか。体温低下は結果であって、冬眠の原因ではない。これまで世界中の「冬眠」科学者(決して多いわけではない)が冬眠の原因を見つけようとしなかったわけではない。冬眠できない動物、非冬眠中の動物と、冬眠中の動物で変化する遺伝子を追い求めてきたが、決定的な結果は得られていない。冬眠の意義は明白である。環境温度が低くて餌の取れない季節では「省エネ生活」モードにはいることである。冬眠の能力を獲得したことは、動物の進化において有利な戦略であろうか。冬眠動物は餌と水を十分に与えて環境温度を23度に保った飼育室では冬眠はしない。ヒトにもその能力はあるのだが、必要がなくて働かないだけの事だろうか
(つづく)

筑波子 月次絶句集 「生涯無学」

2011年03月07日 | 漢詩・自由詩
春朝窓外雨潜潜     春朝窓外に 雨潜潜

閉鎖柴門旧稿刪     柴門を閉鎖して 旧稿刪る

無学生涯貧且楽     無学の生涯 貧にして且つ楽しむ
  
誰知我嬾臥常     誰か知る我が嬾 臥して常になり


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(韻:十五刪 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)