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できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

施設統廃合反対の取り組み

2009-05-23 15:10:08 | 国際・政治

先日、用事があって大阪市内の某人権文化センターに行ったら、「私たち利用者の『居場所』をなくさないで! 一方的な『廃館』決定に断固抗議します。」という表題の署名用紙が置いてありました。これは「人権文化センター・青少年会館・老人福祉センターを利用する市民の会」が行っているもので、その署名に際しての要望事項は、次の3点です。以下、そのまま引用しておきます。

(1)2007年度末に「青少年会館」「老人福祉センター」の両条例が廃止されました。この1年間利用してきた私たちにとって、両施設は今も地域の居場所です。それを「施設統合」といって、十分な説明もなく一方的に「廃館」とすることに断固抗議します。両施設を有効に活用できるように条件整備を行ってください。

(2)「老人福祉センター」「青少年会館」を利用している市民・グループの活動に支障をきたすことがないよう、必要な施設整備の充実と条件整備を行ってください。

(3)「人権文化センター」で取り組まれている相談活動は、様々な困難を抱えた市民の自立を促すことを支援するためには、継続的な働きかけが必要不可欠です。相談を希望する市民の利益をしっかりと担保・保障することができるように必要な条件整備を行ってください。

個人的には表現上の好みで、要望内容のことばをもう少し手なおししたいところはありますが、でも、(1)~(3)で訴えている趣旨には、まったく異論ありません。

また、少なくとも現在、私の知りえている範囲や私の個人的な経験からいえば、今の人権文化センターやもと青少年会館には、いわゆる地区内の利用者だけでなく、地区外からも利用している人々が一定の割合で存在しています。

というか、今ももと青少年会館で活動中の人々と話を聴いていると時々出てくるのですが、2007年3月末の条例廃止によって、夏休み中の青少年会館でのプール開放がなくなりました。そのことによって、今まで地区外から子どもをプールに行かせていた人たちが困っているとか。また、私には、例えば青少年会館の各種学習会や体験活動、館まつりのような地区内外の子どもたちが多数参加する行事もなくなったことで、かえって地区外の子どもが学校外で参加できるような学習活動、イベント等も減っている感もあります。

それに、もと青少年会館の施設を使って、今、いろんな人たちがさまざまなサークル活動を続けていますが、施設統廃合でその活動すらできないようにしてしまえば、各地区内に遊休施設をますます増やすだけでしょう。そうなれば、ますます、各地区のコミュニティ形成がしづらくなるだろうし、街がますます、さびれていくのではないでしょうか。そういうことを、大阪市役所も市議会も、容認するのでしょうか? 

だから、統廃合後の施設の使い方についての説明や、各地区の今後のコミュニティ形成について行政と住民とが話し合う機会などが何もないのに、ただ「ここをとじます」とだけいうのであれば、行政当局はいったい、住民生活の何に責任を負うのでしょうか? また、そういう行政当局のあり方を容認する地方議会もまた、問題が多いのではないでしょうか。

要するに、今ある施設の統廃合によって不利益を被るのは、現在の各施設の利用者だけでなく、地区内外から各施設の取り組みなどに参加したり、各施設を何らかの形で利用する可能性のある人々「すべて」なのです。そのことを意識して、今の大阪市役所も市議会も、この施設統廃合について動いているのでしょうか?

今ここで、地区内外から数多くの市民の声が集まって「施設をなくすな!」と言っていかないと、例えば「あれは、利用者だけのことだから」とか、「あれはあの地区の人たちの問題だから」とか言って「自分に関係ない」と思っているあいだに、大阪市内で次々に、利用率低迷だとか財政上の問題等々の理由をつけて、今後も次々に市民が利用可能な施設が閉じられていくことにだってつながりかねません。

そのことをふまえて、現在の各施設の利用者はもちろんのこと、地区内の多くの住民と、地区外のさまざまな人々から、「この施設をなくすな!」という声があがることを願ってやみません。もちろん、何かお手伝いできることがあれば、私もできることをさせていただきます。

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