できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

学校事故・事件や子どもの自殺ケースにも検証作業を

2011-02-24 19:06:32 | ニュース

もうひとつのブログにも書きましたが、昨日は(社)子ども情報研究センター主催の学習会に朝から出かけていました。

その学習会は、津崎哲郎さん(花園大学)のお話を聴く会で、テーマは大阪市社会福祉審議会児童福祉専門分科会児童虐待事例検証部会(これが正式名称。しかし長すぎる!)が去年の暮れに出した、子どもの虐待死事例の検証結果報告書のこと。

なお、この報告書そのものについては、大阪市こども青少年局の下記のホームページで見ることができます。http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000084699.html

また、これは私も先ほど知ったのですが、大阪市は去年の暮れに、「児童を虐待から守り子育てを支援する条例」(条例の趣旨はさておき、もうちょっといいネーミングはないものか・・・・?)を制定しています。これも、下記のホームページで見ることができます。http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000106580.html

どちらも大事な取り組みだと思うし、大阪市が子ども施策の面でかなり「がんばっている」と思われるので、ここで紹介しておきます。

その上で、報告や条例の内容はこちらのホームページを見てもらう形で脇に置くとして、津崎さんの話を昨日伺っていて思ったのは、やっぱり、ここ最近私がこだわっている学校事故・事件や学校関連の子どもの自殺に関すること。

子どもの虐待防止については、「児童虐待の防止等に関する法律」(児童虐待防止法)の趣旨にもとづいて(具体的には第4条第5項)、死亡事例のような深刻なケースが起きたときには、その事例への対応を分析・検証し、今後の防止策の改善へとつなげていこうという方向性がはっきりしています。だからこそ、児童相談所での仕事に長年たずさわってこられた津崎さんのような方を外部から呼んで来て、児童福祉行政が自分たちのケース対応の問題点などを検証する作業が、根拠法令にもとづいて行われるわけですよね。

しかし、これが学校事故・事件や学校関連の子どもの自殺の場合だと、こうはいかない。そもそも学校事故・事件や子どもの自殺について、学校や教育行政当局の対応のどこに問題があったのか、それを検証する作業を義務付けるような根拠法令すら「どこにあるの?」というような状態。そして、学校事故・事件の被害者・遺族や、子どもの自殺に直面した遺族たちが「事実経過を知りたい」と申し出ても、多くのケースでは学校・教育行政当局からは十分な説明もないままに時間が過ぎる・・・・。そういうことが繰り返し、続いています。

児童福祉の分野でも、子どもの虐待防止においてこのような死亡事例の検証作業がはじまるまで、おそらくかなりの時間がかかったかと思います。それでも一応、徐々にではありますが、今回の大阪市での取り組みのように、虐待による子どもの死亡事例の検証作業が進んできているわけです。

学校教育の分野でも、私は、児童福祉の分野に学んで、学校事故・事件あるいは子どもの自殺に関しては、このような検証作業を行う必要があると考えます。文部科学省や各地の教育行政の関係者、そして学校関係者や他の教育学研究者のみなさんは、どのように考えますか?

<追記> 

このブログを読んでおられるある方が、ご自身のブログで、「すみともさんのブログとかの読んでるとほんまにすっきりする」と書いてくださっています。

まずは率直に、「ありがとうございます」と、お礼の気持ちを伝えたいと思います。

ちなみに私、このブログでも、日記帳ブログでも、要は自分が「納得いかない」と思ったら、「どうしてそれが納得いかないか?」を、自分にも、読み手にもわかるように、できるだけていねいに書く。自分が「これはいいな」と思ったら、「どこがいいと思ったのか?」ということを、自分にも、読み手にもわかるように、できるだけていねいに書く。そして、「まずは書いた自分が一番納得して、自分の思いが再確認できるように文章を書こう」ということ。そのことを、2つのブログでは心がけています。

あとは・・・・。「さて~」とか、「ところで~」とか「だから~」とか、「しかし~」「一方~」「ちなみに~」といった「接続詞」の使い方と、段落わけかな、工夫をしているところは?(笑)

ついでにいうと、論文などを書く場合においても、この点をわりと意識して文章を書くようにしています。ご参考までに、書いておきますね。

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