まず、大阪市議会に続き、堺市議会でも、文教委員会のレベルで、大阪維新の会提出の教育基本条例案は否決されました。そのことは次の産経新聞の記事でわかります。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111209/osk11120902010001-n1.htm (教育基本条例案を否決、堺市会委、維新除き反対。msm産経ニュース2011年12月9日づけ)
また、文科省がこの教育基本条例案には現行法上数々の問題点があることを指摘しているそうですが、そのことについては、条例案が出た段階から、次のウェブサイトで明確に指摘されていたことでもあります。ちなみに、このサイトの運営者も、橋下新市長と同じ弁護士です。
http://o-bengosi-hp.web.infoseek.co.jp/kyoikujorei3.html
にもかかわらず、橋下新市長は文科省の指摘に対して、「ばかみたいなコメント」等々、相変わらずの「悪態」をついていますね。そのことは、下記の記事からもわかります。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111208-OYT1T01060.htm (橋下氏、文科省指摘に「バカみたいなコメント」。読売新聞2011年12月8日付ネット配信記事)
まぁ、これで彼にしてみると、自分たちの「維新」への抵抗勢力は「霞が関だ、文科省だ」とアピールするかっこうの材料ができたのでしょう。でも、その「バカみたいなコメント」という言葉には、かつてほどの勢いを感じることはありません。
いま、私の印象では、たとえば市民サイドからの批判、学識経験者からの批判、文科省からの違法性の指摘、そして大阪市や堺市での議会の否決という結果などを受けて、確実に「教育基本条例案」を今のままでは出せないようにする包囲網は、前よりも狭まってきている感があります。
また、少なくともこの「教育基本条例案」の問題に関しては、ここへ来て、マスメディアがだんだん、橋下氏や維新の会サイドに寄った情報ばかり流せなくなってきています。
これは、大きなチャンスです。ここで一歩でも、二歩でも、条例案撤回に向けて、アピールを強めていく必要があります。
と同時に、次に注意すべきは、この動きです。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201112080026.html (教育条例案、共同で作成 教育委員と一転合意、松井知事。朝日新聞2011年12月8日付ネット配信記事)
おそらく、今のままボロボロの条例案を出しても、大阪府議会で徹底的に批判されることが予想されること。また、すでに堺市や大阪市の議会で否決されていること。このようなことを受けて、「ハシズム」批判などを回避する意味でも、「条例案の修正」や「教育委員との対話」といった動き方で「矛先をかわそう」としているのでしょう。
しかし、つい数日前まで、この教育基本条例案について、年内に委員の進退を明らかにせよと、府の教育委員に対して「恫喝」を加えていた松井新知事です。また、府の教育委員の反対の意見表明を「教育委員会の政治的中立性を犯す」と、自分たちのことをたなにあげて非難するような、そんな府会議員のいるのが大阪維新の会です。
今後、大阪府市統合の改革本部でどのような形で議論を行い、どのような条例案を出してくるのか知りません。ですが、やはり今後も、維新の会の意向を受けて条例案がでてくるのであれば、『教育基本条例案なんて余計なものはいらん! 修正案もいらん!』と言い続ける必要性があるのではないかと思います。
そもそも、維新の会や橋下新市長・松井新知事と私たちとの間では、教育や子どもに対する理解がずいぶん異なるわけですから、どのような案がでてこようが、「いらんものはいらん」の一言で終わりです。