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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「首長主導の教育改革」の「失敗」にどう向き合うのか、松井大阪市長?

2019-05-19 12:32:11 | 受験・学校

松井大阪市長 学力向上へ“教員増やす” (ABCニュース、2019年5月14日)

これは数日前にニュースで流れたものですね。

内容的には「大阪市の松井市長は市内の小中学校を視察し、語学力の向上などに向け教員を増やす考えを示しました」という趣旨のもの。

ただ松井市長は「課題のある子どもたちをサポートする、そういうマンパワーを増やしていこうということです」と記者たちに語ってはいるものの…。

他方で、「大阪市は、全国学力テストで2年連続政令市で最下位となり、吉村前市長は、最下位脱出を掲げていました。松井市長は吉村前市長の方針を引き継ぐとしながらも「一朝一夕には改善できない」としています」ということも、この記事では言ってますね。

それにしても…。松井市長が本気で教員を大阪市に呼び戻したかったら、橋下・吉村両市政でやってきた教育改革を全面否定するくらいのことしなくちゃねぇ。

つまり、「首長主導の教育改革」の「失敗」に、松井市長、これから任期中、ずっと向き合っていかないといけないということですね。

それこそ、本気で大阪市の教育をよくしていこうと思えば、たとえば…。

教育行政基本条例や学校活性化条例の廃止もしくは全面改正。

初任給をアップするかわりに30代後半で昇給停止、「主務教諭」なる職を導入した教員の給与体系等々の見直し。

チャレンジテストを早急に廃止すること。

学校選択制と結びついたかたちでの学校統廃合の見直し。

そうそう、校長公募制は外部からの応募者がほとんどいないから、「廃止」でいいわけだし…。

あと、教職員だけでなく、学校事務職員も全然たりてないから、それも増やさないといけないですし…。

こういうことを全部、ひととおりやった上で、なおかつ…。

「教組を中心とした教職員団体を敵視した施策を全部やめること」

「首長が教育行政に余計なおせっかいをすることをやめること」

「子どもたちが多様な人々と共にこの大阪で生きることを前提とした教育施策を実施すること」

「学力向上よりも前に、子どもたちが生きていく基盤となる衣食住の生活や、遊びを中心としたさまざまな体験の機会を保障すること」

を軸にして、大阪市の教育の基本的な計画自体から練り直す必要があります。

でもこれって、橋下・吉村両市政の頃にやった教育改革を全面否定しないと、大阪市の教育、よくならないという話です。

だからこそ、そんなこと、たぶん、この松井市長、やらないでしょうね。

そう考えると、このテレビのニュースでいちばん松井市長が言いたかったことは、「吉村市政の教育改革を引き継いで学力向上というけど、自分の任期中には結果でないよ。だから、それで文句言わないでね」という話でしょうね。記事の最後の部分にある「一朝一夕にはよくならない」が、松井市長のホンネでしょうね。

「都構想=大阪市解体構想」への対応で忙しいから、マスメディア向けには「教員増がんばります」とはいうけど、「何年かけて、どのくらいまで増やしていくか?」は具体的に言わない。

そうやって、橋下・吉村両市政の頃にやった教育改革の「失敗」への批判をひとまず「はぐらかす」のが目的で、ひとまず松井市長が学校現場を見に行って「教員増やす」といってみた…というのが、今回の学校訪問の目的なのでしょうね。

特に先月の大阪首長W選のときには、対立候補の陣営から学校教育の改善について、かなり積極的な提案がでていましたからね。いまここで何か「やってます」アピールでもしておかないと、さすがに松井市長も「やばい」と思ったのではないかと思います。

ただ、「教員増やす」と言った以上は、松井市長には「本気でやってほしい」と思いますし、それに本気で取り組むということは、松井市長が橋下・吉村両市政の頃にやった教育改革を「失敗」と認め、それを批判して乗り越えていくことだと私は思っています。ぜひとも、教員増に松井市長、チャレンジしていただきたいです。

それにしても、誰ですか、「首長が主導したら教育改革はうまくいく」みたいなこと言った人は?

「誤った考え方の首長に教育改革やらせたら、余計に混乱したり、かえってダメになったりしますわ。この大阪の現状、見てください。こんなことでいいんですか?」

と、私は言いたいですね。


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今日(5月19日)のプリキュアの話です。

2019-05-19 10:25:49 | プリキュア話

おはようございます。今日も日曜日なんで、今朝のプリキュアの話を書いておきます。

前々から書いているとおり、どうやら夏休み前までは、星空界(=架空の宇宙)とプリキュアたちの過ごす学校の話を交互に繰り返しながら、今年の物語をすすめていくようです。先週は星空界のゼニー星で、怪盗ブルーキャットに会う話でした。なので今週は学校の話に戻ります。

さて、今週の学校の話は、まどかちゃん(キュアセレーネ)の弓道大会の話。去年も大会で優勝したので、今年も…と期待が集まるまどかちゃんですが、彼女は「父のためにも勝ちたい。大会で結果を出したい」といいます。

まどかちゃんは、最近、父親の仕事がうまくいってないことを気にしています。それは自分のせいではないかと思っています。というのも、政府高官として宇宙人対策(=宇宙人追放)を担当する父の仕事を、友達のララちゃん(キュアミルキー。惑星サマーンからやってきた異星人)をかばうためとはいえ、まどかちゃんたちがじゃまをしたと思っているからです。ちなみに、父親はまどかちゃんに、弓道は「自分をきたえる」ためのものだ…と常々、語って聞かせてきたようです。

そんなまどかちゃんですが、今回は弓道王を決める大会に出ます。去年も優勝したようですが、今年は強力なライバル・ゆみかちゃん(中1)がでてきます。他のプリキュアたちやまどかちゃんの母親が応援するなか、大会が始まります。でも、ゆみかちゃんは「友達なんて集中のじゃま。なかよしごっこしているから、弱くなったんじゃないか」と、まどかちゃんに声をかけます。それを聴いて、少し動揺するまどかちゃん…。ただ、ゆみかちゃん・まどかちゃん、ふたりが予選を勝ち進んで決勝戦に残るかたちで、昼休みを迎えます。

お昼休みは、エレナちゃん(キュアソレイユ)がつくってきた弁当を、まどかちゃんを囲むようにしてみんなで食べます。そこでも、さっきゆみかちゃんに言われたことを、まどかちゃんがずっと気にしています。そんなまどかちゃんに、ひかるちゃん(キュアスター)がお守りを渡して、「私たちもいっしょにいるよ、大丈夫」と声をかけます。ちなみに、今回、プリキュアたちが使ったお守りをつくる道具=フォーチュンカプセルメーカーは、そのうちにお子さま向けのおもちゃになるんじゃないですかね?

一方、ゆみかちゃんがひとりで弁当を食べているところに、「本当はさみしいくせに」といって、アイワーンとバケニャンがやってきます。アイワーンたちはゆみかちゃんの心をダークペンで塗りつぶし、ノットリガ-にします。そのことに気付いたプリキュアたちは、ノットリガ-にされてしまったゆみかちゃんを助けるために変身します。そして、キュアセレーネは「(ゆみかちゃんは)じゃまものじゃない。すばらしい選手。決勝戦を戦いたい」と言い、セレーネアローでノットリガ-の動きを止めます。ここから先は、まぁ、いつもの4人の合体技・サザンクロスショットを使って、ゆみかちゃんを救い出すわけですね。

そしていよいよ決勝戦。まどかちゃんは「頼れるのは自分だけ」と思いつつも、「でも、今は一人じゃない」と言って勝負に臨みます。「ずっとひとりでがんばってきた。だから負けたくない」と思って放ったゆみかちゃんの一矢が的から外れます。「みんなの応援を背にして、自分を信じる」と思って放ったまどかちゃんの矢は、見事に的に命中。これでまどかちゃんの優勝が決まります。

その優勝が決まった瞬間を、まどかちゃんの父親も見ていました。どうやら会場に来ていても、決勝戦まではまどかちゃんを一人で戦わせようと、どこかに隠れていたようです。でも、そんなまどかちゃんの父親も、今回、プリキュアたちの応援が力になったことを認めたようです。そして、「来年も会いましょう」「負けないわ」と声をかけあって、まどかちゃんはゆみかちゃんと別れたのでした。

まぁ、今回はこんな感じのお話でしたね。次週は再び星空界に行き、怪盗ブルーキャットと出会う話になるようです。


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