できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

新しい年度を迎えるにあたって

2011-04-01 14:31:27 | 受験・学校

今日は4月1日(金)。新しい年度、2011年度がスタートしました。

今は長時間パソコンを打つとなぜか右腕が冷たくなってきて、指先の感覚がなくなってきたりしていますので、短い文章になりますが、新年度を迎えて今、思うことを書いておきます。

さて、3月11日に起きた東日本の大震災から、今日でちょうど3週間がたちました。この間、本来であれば青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県といった、主に東日本の太平洋沿岸の各県で、積極的な被災者支援の取り組みや、行方不明者の捜索、遺体の収容作業などが行われていなければならなかったはずです。

その一方で、ご承知のとおり、大震災のあとに起きた東京電力の福島県内の原子力発電所の事故によって、地震や津波の被害にくわえ、原発事故の被害を受け、さらなる避難を余儀なくされた方も多数おられます。また、計画停電や農作物の風評被害等の形で、原発事故にともなうさらなる被害を受けている方も、たくさんおられることかと思います。そして、東日本の大震災からの復旧・復興の取り組みや、被災者救援の取り組みにも、この原発事故の発生がさまざまな影響を与えているのではないかと推測されます。

これだけ大きな地震・津波、そして今後もどうなるかわからない原発事故と続きますと、正直なところ関西圏にいても、私などはなかなか気持ちが沈みがちです。学生や卒業生のなかにも、東日本の被災地域出身の人もいるわけですし、いろいろと気がかりなことも多々あります。

でも、こういうときこそ、被災地域にいる人たちの声に耳を傾けながら、関西にいる私たちは、「できることを、できる人が、できるかたちで」動く時期なのかな、とも思います。

そんなわけで私は募金活動もさることながら、たとえば福島県内の大学にいるある教育学研究者とメールで連絡をとりあって、阪神淡路大震災のときに学校がどう再開されたか、そのとき教職員はどう動いたか、といったことがわかるような文献・資料を紹介してみたり、必要なものはコピーして送ったり、ということに取り組みました。先日このブログで紹介した本3冊は、そのために読んだものですね。

今後もおそらく、被災地域の子どもの状況によって、向こうからいろんな情報提供を求める声が私などのところにも飛び込んでくると思います。それに対して、阪神淡路の震災時の経験をつづった文献などをこちらであたって、紹介していくこと。これも大事な支援になるのかな、と思っています。私自身がまずは、東日本の大震災に関して、これからの新しい年度の間、「できることを、できるかたちで」取り組んでみたいと思います。

最後に、関西圏ではこれから統一地方選挙がはじまります。地震や津波といった災害への対策という観点からみた場合、「大阪都構想」が本当にいいのかどうか。あるいは、この3週間の被災地支援の取り組みについて、大阪府内や大阪市を含む関西圏の各自治体の長、自治体の議会関係者が、どんなことを発言し、どう行動したのか。そのあたりをよく見極めて、みなさん、投票をしていただければと思います。

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