tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

源左衛門と名乗った蚊は・・・

2014-09-28 18:05:20 | 日常雑感
9月28日(日)
昨日と同じで爽やかな秋晴れの行楽日和でした。
今日は完全休養日でした。

何の予定も入れずのんびりとした一日を過ごしました。
何日か前の毎日新聞に面白い俳句が載っておりました。

   秋の蚊の 源左衛門と 名乗りけり   子規

正岡子規の俳句だというのでビックリしてしまいました。
源左衛門と聞いて何を思い浮かべるでしょう?

謡曲の「鉢木」を思った方も多いいと思います。
秋の力ない蚊を「源左衛門」と言い換える面白さ中々思いつかない発想だと思います。


   

   酔芙蓉

そしてもう一句は

   秋の蚊の よろよろと来て 人を刺す   子規

こんな句が並んでいれば、誰でもが「佐野源左衛門常世」を思い出します。

謡曲「鉢木」は、雪の降りしきる上野国佐野(群馬県高崎市)辺りで、雪に降り込められて難儀している旅の僧が一夜の宿を求めるが、貧しい暮らしの為に一度は断るが、旅僧の姿に哀れを感じ呼び戻し泊めることにしたのです。

わずかな粟飯を供し、愛蔵の梅・松・桜の鉢の木(盆栽)を焚いて旅僧に暖をすすめるのです。
「このように落ちぶれてはおりますが、いざ鎌倉ともなれば、やせ馬に跨り馳せ参じる所存である」と源左衛門はいう。

時を経て、鎌倉に兵を集めるとの知らせが届くと、やせ馬に跨った源左衛門は真っ先に駆け付けたといいます。
その旅僧が執権北条時頼であり、源左衛門の忠誠心を償で、梅松桜に縁のある三ヶ荘を与えたという物語です。

この謡曲「鉢木」は、お茶席に良く登場する物語です。
雪、梅、松、桜、武士、馬、長刀、鎌倉、などを取り合わせてお茶会などをして見たくなりました。


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コメント (4)
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