自分の作りたいものを自由に作っていると、当り前だけどテーマやモチーフがある方向へ固まってくる。
私の場合は、カチッとした幾何学形よりも螺旋や流線型のような曲線の形体が好きだ。
だから花や葉や実という自然の造形も好きなのだけど、やはり何といっても鳥の翼(羽)に萌ぇ――(〃д〃)――!!である。
それは天使という存在の象徴でもある。
このところ、自分の志向性のルーツはなんだろう?といったことを考えるチャンスがあって、幼いころの(心の)原風景ををひも解いてみた。
私はとにかく家にある本を読み漁ることが趣味で、それは百科事典も例外でなかった。
当時家にあった百科事典は、巻末に有名な絵画や彫刻の写真もたくさん載っていた。
その中で心を奪われたもののひとつが「サモトラケのニケ」だった。
(他にもムリリョの「無原罪の御宿り」とか、やはり天使がらみの絵画にビビっときた)
紀元前190年のギリシャ文明の彫刻。
勝利の女神ニケを題材にした、ダイナミックな彫像である。
私にとって、失われた女神の頭部や両腕がどんなものだったかということは問題でなく、むしろ女神の顔がわからないがために心をわし掴みされてるとさえ思うのだ。
心惹かれるのは、単純に「美しいから」だと思う。
そういえば、このレプリカがムサビにもあったな・・・なんて今頃思い出した。
私も後世に美しいものを遺せればいいな。