角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

政治家の右と職人の右手。

2013年12月26日 | 製作日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
濃色同士を組み合わせると、何となく温かみを感じます。冬場も五本指ソックスで草履を履くのに問題はありませんが、やはりどちらかといえば暖色系が好まれますかね。そういう意味では冬にうってつけの配色かもしれません。

年末休みの初日は、ほとんど家から出ないで過ごしました。文字通りの「お休み」です。この六日間は草履も編みません。1足でも在庫が出来ればそれに越したことはないのですが、とにかく手を休ませることを第一にしたいと思っています。
草履を編むという作業は、右手も左手も同じように使うはずなんですが、なぜか右手に疲労感が大きいですね。布を巻く作業が負担なのか、つまり利き腕が「右」だからかもしれません。

安倍首相がとうとう(?)靖国神社を参拝しました。中国や韓国の反発も予想通りのようです。観光地で仕事をしていると、外国人もお客様として出会います。心底日本が嫌いな人は旅行地に選ばないでしょうから、私たちの現場はまずにこやかなものです。ただときどきですが、『お国はどちらです?』の問いに対して、少々遠慮気味に答える外国人がいますね。

歴史的な蔵の中で草履を編んでいるおっさんを見て、外国人が「生粋の日本人」を感じるのはある意味自然でしょう。万一極右的思想の持ち主であったなら、旅先でイヤな思いをするかもしれない。お国の名前を笑顔で即答しないのは、そうしたリスクを感じたから…というふうに考えたこともありました。もちろん考えすぎならそれに越したことはありません。

私は職人である前に商人と思っています。つまり品物を売って御代をいただくのが絶対的使命ですから、お客様が嫌がる恐れのあることは言いません。私が政治家に不向きな決定的な要因は、それじゃないかと思いますね。外国からの観光客一千万人を目指し、そして到達させた安倍首相。けれども一方では、隣国が激怒するのを分かっていて靖国神社を参拝しました。私が尊敬する政治家のひとりであります。

あとは政治家に不向きな人たちが、それぞれの道で外国人と親交を深めるのがいいでしょう。私に出来ることは草履実演をご覧いただくこと。その場に歴史認識の違いなどは存在しません。「右」はとても大切ながら、案外疲れるものです。
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