角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

手に入れる達成感。

2016年02月22日 | 実演日記







今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[五阡二百円]
同柄色違い三色で「さくら三昧」を編んでみました。一番上が定番配色⑧の「夜桜」です。一番下のエンジ基調は準定番の扱いでときどき利用しているのですが、真ん中の白基調は「汚れ」の点で敬遠していました。ところが装飾用ミニ草履に使いたいというカミさんの要望で仕入れてみると、これがなかなかいいんですね。二ヶ月後には桜満開、春爛漫の角館になっていることでしょう。

秋田市からお越しのおばさまが実演席に着くなり、『ようやく買いに来たわよ~!』。少しして思い出しました。昨年の夏か秋くらいでしたか、そのときは持ち合わせがなかったかの理由でお買い上げを断念したおばさまなんですね。あれから数か月の間、「ゼッタイ買いに行く」と心に決めて本日達成したというわけです。売り手が言うのもナンですが、「おめでとうございます!」の心境でしたね。

人には「手に入れたい何か」が一つや二つはあると思います。おカネや地位なんかは話題として楽しくありませんし、また信長や秀吉のように「天下」と云われても大きすぎます。まず日常に存在する中で「欲しいモノ」ですね。
人は歳をとると欲しいモノがなくなるといいます。代わりに多くの人々が挙げるのが「健康」なんだそうです。私も五十三歳になって、その点はごもっともと思いますよ。

今日のおばさまが執念を持ってお求めにいらした理由も、角館草履に健康効果を感じたからではないでしょうか。草履を手に入れた達成感よりも、これから感じる足の健康感のほうがより大きいことを願っています。
コメント (2)
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