角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

若返る草履職人。

2016年02月18日 | 実演日記







今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き[五阡六百円]
紺の唐草に赤のとんぼプリントを組み合わせてみました。色調としては定番配色①に近いのですが、とんぼプリントが男性用をイメージさせます。「とんぼ」は前だけを向いて縦横無尽に飛び回ることから、日本の武将が縁起を担ぎ兜の前立てに使っていました。別名「勝ち虫」と云われるそうです。時代を超えて、とんぼには男子が似合いますね。

一昨日五十三歳を迎え、facebookの個人ページにたくさんの方々からお祝いメッセージをいただきました。その中に体を気遣ってくださるコメントが複数あって、もうそういう年齢なんだなと感じ入っています。草履職人生活も十二年目に入り、確かに体のケアは日常になりました。家族からももう少し休みを増やすよう進言されているのですが、もうしばらくは月3~4日程度のお休みで頑張っていこうと思います。

今日のお昼頃、ケータイが鳴りました。出てみると女性の声で、『今日も西宮家にいますか?実演を見せていただきたくて…』。かねてよりのご愛用者で、ご自身も角館草履に挑戦するため、草履台やらイ草材料をお求めくださっていた女性です。ようやく自由になる時間がとれたというお話を聞くと、今日が私の休みでなくて良かったと思いましたよ。

常連さんやお顔馴染みではない旅人との出会いは、まさに「一期一会」と心得ています。誕生日の日に出会った千葉県からお越しのおばさまお二方が、それぞれお好きな配色をお買い上げでした。武家屋敷通りの見どころなどおしゃべりすると、記念にと三人で写真撮影です。初角館の思い出に少しは役立ったかと思えば、その日一日西宮家にいた甲斐があったというものでしょう。

毎朝スマホに届く「致知一日一言」。誕生日に届いた言葉は奇しくも…

何事にも一期一会の気持ちを忘れないこと。

人に対してだけでなく、仕事に対しても一期一会。

そう考えると、情熱が持てます、若返ることができます。

松原泰道(南無の会会長)



これまでの年間実演日数は、おおむね320日です。一期一会を忘れず若返ることが出来れば、大きく減らすことなく務められるかもしれませんね。
コメント (2)
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