角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

子の早逝。

2015年08月26日 | 地域の話





今日の草履は、千葉県白井市の女性のオーダー草履です。ご希望配色が「完全おまかせ」でしたので、最近仕入れておいた黄色の麻の葉プリントを使ってみました。「麻」はすくすく成長する様から縁起物とされ、かつては赤ちゃんの産着に使った日本古来の模様です。赤ちゃんの誕生と成長はまさに幸せの象徴、タイトルは「幸せの黄色い草履」でいかがでしょうか。
本日の便で出発しました、もうすぐ届きますよ~(^^)/

朝ドラ「まれ」が双子の赤ちゃんを出産しました。二十三年前のわが家を見るようで懐かしく、また微笑ましいです。一説によると双子の確率は五万分の一などと云われますが、娘たちが小学校時代はほぼ学年に一組いたものです。少子化の昨今、双子の姿はさらに少なくなりましたね。ときにお客様の中で双子ちゃんらしき姿を見つけると、いつも以上に言葉を掛けないではいられません。

赤ちゃんの誕生、子どもの成長が幸せの象徴であるならば、子どもの死は不幸の極みと言えるでしょう。二週間ほど前、知人の次女が四十代の若さでこの世を去りました。がんの再発です。商いをしている両親は、落ち込む気持ちを紛らわすためにも店を開けました。お客様と話していれば自然と笑顔にもなるのでしょうが、仔細を知る周囲はそれをむしろ痛々しく感じています。

大阪で起こった中学一年男女の殺害事件は、親の立場で考えるととても心が痛いです。病気や交通事故とは違う亡くなり方に、どうしても防ぐ手立てを考えてしまうわけです。どうしたって犯人が悪いに決まっているものの、中学一年の子どもが二人、夜通し街にいることのリスクですよ。仮に犯人が極刑を言い渡されたにしても、それで良かったという話ではありません。

親より先に子が亡くなるというのは、それはそれで致し方ないこともあるでしょう。けれどもそれが何らかの手立てで防げる可能性があるのなら、それは親としてやらなければいけないと思うわけです。
「健康でさえ育ってくれたら、他はなんにも望まない」。わが子が誕生したときの感情に、嘘偽りがあろうはずもありません。
コメント (2)
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