角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

あって良かった出会い。

2015年08月16日 | 実演日記









今日の草履は、東京都中野区の男性のオーダー草履です。ご希望配色は「完全おまかせ」でしたので、ご職業の「噺家さん」をイメージし、「和モダン」をテーマに編んでみました。噺家さんというのは、日常の会話も噺家口調なんですね。とても面白いと思いました。ちなみに私も、仕事とプライベートの変化が分からないと言われます。

静岡県からお越しのご家族旅。六十歳ほどの男性兄弟にお母上様の三人です。うちの男性おひとりの『秋田は佐竹家が治めていたんですよね?』のご質問から、おしゃべりは30分以上にも及びましたか。角館の起こり、現在の街づくり、もちろん角館草履の話題も十分でした。こちらの男性とさらなるご縁を感じたのは、一点だけ残っていた28cm草履がピッタリだったことです。29cmと30cmはだいぶ前に完売しており、28cmだけが一つあったわけです。

初めての仙北市旅行は十分愉しめたご様子で、角館草履との出会いもとても喜んでくださいました。ご家族は前日の晩、秋田内陸縦貫鉄道にある「打当(うっとう)温泉」にご宿泊でした。そこは「マタギの里」として有名な土地で、マタギさんの案内で山歩きも愉しめます。男性は、『いや~、面白かったですよ。ほんとのクマに出会えればもっと面白かったんですけどね!』。

もし本当のクマに出会っていたら、その後に訪れる角館草履との出会いはなかったかもしれません。
コメント (2)
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