角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

お祭りの日取り。

2015年08月24日 | 地域の話
大曲の花火が終わると角館は、にわかにお祭りムードが高まってきます。一年間小屋に格納されていたヤマを出し、飾り付けを開始するのが「曳山(ヤマ)出し」。昨日の日曜日までに、十八台すべての曳山が小屋から出されています。角館衆は一年中がお祭りと云われながら、このヤマ出しが事実上のお祭りスタートではないでしょうか。地元民の話題にも、お祭りの天気具合が次第に多くなってきました。

昨日出会った花火明けのお客様から、『さっき作ってたのがお祭りなんですか?』と数人に訊かれました。『お祭りはいつなんですか?』が続く質問で、角館のお祭りは九月七日・八日・九日。神明社と薬師堂に由来するため、曜日と無関係に日にちが固定されています。すると『今年の曜日は?』が質問に続き、これが「月・火・水」とまるで平日なんですね。盛岡市からお越しの女性には、『うわぁ、無理だぁ』と即答されてしまいました。

近年少子高齢化と過疎化が進み、日常に角館で暮らす人口は目に見えて減っています。町の中心部が特に顕著で、若者会会員の名前を空読みで全員言えるなんて話も、まんざら冗談とは言えません。するとどうしても、県外在住者のお祭り帰郷を待ち望む声が高まります。これは十八台の曳山に総じて言える現象ではないでしょうか。ヤマ出しには参加できない県外在住者も、もう気持ちはお祭りに入っていることでしょう。

観光振興あるいは地元商いの観点から、お祭りを「金・土・日」に設定したらどうかという話が漏れ聞こえます。先の盛岡市の女性もそこが理由でした。まったく意味ナシとは私も思いません。ただ、日々旅人と出会う生活をしていて、お客様の多くは「ありのままの角館」をいかに尊重しているかが分かります。観光に迎合しないとでも言いますか、脈々と受け継がれてきた伝統と文化に、みなさんとても高い評価をくださるわけです。

過去お祭り三日間が金・土・日に当った年を、興味深く観察しました。私には目に見えて見物者が増えたとは思えませんでしたね。週末開催のメリットで一つ言えるとしたら、お祭り帰郷の若者たちが上司から言われる嫌味が少なくなることでしょうか。
曜日配列はいかにも悪い今年ですが、ご都合のつく方にはぜひお越しいただきたいと願っております。
コメント (2)
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