角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

独り国文祭。

2014年10月11日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
紺の濃淡を組み合わせてみました。紺色は性別も年齢も問わず人気の色調です。23cmですから基本的に女性向けとなりますが、やはり年齢は無関係にお好みの方がいらっしゃるでしょう。
入荷した新柄を少しずつでも在庫にしたいところですが、知ってか知らずか目新しいと早く選ばれていきます。昨日の「相武紗季さん風」も、男鹿市からお越しのおばさまがお持ち帰りになりました。
「今日の草履」の平生地はこちらになります。




千葉県市原市からお越しのおじさま一人旅。『は~、草履…ですか!?』とおっしゃりながら実演席の丸太椅子に腰を下ろされました。角館草履の素性を一通りご説明すると、『着物の機会が多いので、こうした履物は興味があるんですよ』とおじさま。男性用サイズは未だ在庫がゼロですから、26cmでオーダーを賜りました。

着物の機会が多いとうかがったので『そういうお仕事ですか?』とお訊ねすると、『いや、そういうわけではないんですけど、謡曲をやっていましてね。明日秋田市で集いがあるんですよ』。なるほど、現在秋田県内各所で開かれている「国民文化祭」の出場者だったんですね。
今月四日からスタートした国民文化祭(国文祭)は、来月三日までに110の事業が展開される計画です。わが仙北市でも明日の12日、田沢湖市民体育館を会場に「田沢湖・角館短歌大会」という催しがあり、ここのテント村に角館あきんど塾も出店することになっています。

なにしろ広い秋田県のあちこちでイベントが続きますから、角館へどのくらいのお客様がお越しになるのか見当がつかずにおります。先のおじさまは毎年の国文祭に参加されており、少なくとも一日は観光してお帰りとのこと。そしてほとんどの県外出演者がそんな行動計画でいるのだそうです。開催期間中は多少なりともそんなお客様がお越しになるでしょうから、私も出会いを楽しみに草履を編みたいと思っています。

そういえば今日、『いつもここで草履を編んでらっしゃるんですか?』と訊かれました。おそらく国文祭イベントの一つと思われたのでしょう。確かにかつてのワラ草履は日本を代表する文化と云えます。一年中人様の前で草履を編んでいる私は、さしずめ「独り国文祭」ですかね。
コメント (2)
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