冬の実演席。

今日のお昼過ぎ頃でしたか、仕事が休みで自宅にいる三女から電話があり、『山形県から草履のお客さんが来たよ。西宮家を教えたからね～』。
自宅へお訪ねくださるお客様はとても珍しいです。まず予想されるのはホームページで角館草履を知った方でしょう。西宮家での実演をご存じなければ、トップページ記載の住所は自宅ですから。

間もなくしてご夫婦がお越しでした。やはりホームページで角館草履を知ったとのことで、『よくある布草履とは違うみたいなので、実物を見たいと思いまして…』。
山形県酒田市で手作りアクセサリーなどのお店を経営されている奥様は、布草履にも関心がおありとのことです。『これまで何度か買ってみたんですけど、どうもしっくり来ないんですよねぇ』と奥様。ご主人共々角館草履の素材、編み方、この十年の沿革までじっくり聞いてくださいました。

試し履きをされてその感触を実感されたご夫婦は、次に配色についてとても興味をお持ちです。今はまだ主に定番配色のオーダー作りに追われていますから、彩り豊かな草履の展示をご覧いただけません。例年11月に入ると次第に在庫が増えるお話をすると、すかさずご主人が『12月にもう一回来ようよ！』。
それが叶うなら私も嬉しい限りです。12月の再会をお約束して今日のところはお帰りになりました。

今日は福島県・愛知県・東京都のお客様からオーダーを賜りました。遠く県外からお越しくださり、角館草履にご縁を感じていただけたのですからありがたいことです。でも若干悔やまれるのは、配色豊かな草履の数々をご覧いただけなかったことですね。編める数が決まっているのですから致し方ないのは事実なれど、せめて県内あるいは近県にお住いであれば、12月から翌4月の実演席を観ていただきたいものと願っております。