角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

風邪は万病の元。

2011年10月24日 | 実演日記




今日の草履は、千葉県市川市からお越しくださった女性のオーダー草履。『茶系でおまかせしま~す』がこちらになります。
茶系のお洒落感は先日のブログでもお伝えしましたが、これはお若い女性にも支持されています。「今日の草履」の発注主さんもまさにそんな女性で、この配色をきっと気に入ってくださるでしょう。
茶とグレーに桜花が美しい平生地はこちらです。



週末のヘンな暑さに汗をかいたせいか、昨日から喉が痛くて困っています。風邪の初期症状ですね。そんな体調のくせに、仙北市産業文化祭に出店した角館あきんど塾の仲間たちと、昨晩は打ち上げで盛り上がってしまいました。喋りすぎも喉には決して良くありません。

紅葉シーズンを迎え、散策のお客様が間断なく入って見えます。今日は由利本荘市から、おばあさんの団体さんがお越しでした。角館草履を見つけるなり、『おやおやおや~、なんと綺麗に編むもんだな~』。
喉の痛みなど頭から消えうせますね。しばし草履談義に花が咲き、イ草材料と布地材料をふたりのおばあさんがお買い上げでした。

角館草履をご愛用の方はもちろん、そうでなくとも実演を知っているおばあさんたちは、ほぼ必ずお声をかけてくれます。これからのシーズンに多いのは、『寒くなるとたいへんだね』。大型ストーブと綿入り作務衣があれば、少々の寒波は平気です。とは言いながら、大雪と大寒波はぜひ避けたいところです。

今日西宮家から戻ると、一通のFAXが届いていました。東京都目黒区から女性のお名前で、草履のご注文です。文面からお若い女性でないのはすぐに分かりました。
何点かお訊ねしたいことがあり早速お電話をしてみると、やはりおばあちゃんと呼ばれるご年齢のようです。

お訊ねの要件が済むとおばあちゃんは、『私は足が悪いもんだから、あなたの草履がないと困るのよ。私が死ぬまで、ゼッタイに元気で草履を編んでて頂戴ねっ』。
西宮家で出会ったのがもう五年ほど前と言いますから、もしかしたら年齢的な記憶が曖昧なのかも知れません。「草履職人」というだけで、かなり年長者のイメージですからね。

まずフツーであれば、おばあちゃんよりは長生きするであろう草履職人ですが、風邪をひいたときにこういうお言葉をいただくのも、なにかの縁でしょう。風邪は万病の元とも言いますから、今後数日は早目の就寝といたします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする