角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

久しぶりの賑やかさです。

2011年10月09日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔4,000円〕
【2012年1月1日より4,800円】
ベースは何度か登場してお馴染みですが、この生地にはいろんな色を組み合わせたくなるんですよ。と言うわけで、今日は辛子色のいらかプリントにしてみました。落ち着いた優しい配色になった気がします。

「今日の草履」をお持ち帰りは、帰りの新幹線まであまり時間のないご夫婦の、ご主人のほうでした。夕方になって人影も少なくなった頃、草履コーナーの前でふと足を止められたんですね。いつものように角館草履の素材やら健康効果をご説明すると、奥様がご主人へお勧めでした。

そして1足しかなかった24cmが「今日の草履」というわけです。でもご主人は残り物を仕方なくお買い上げ…というのではなく、この配色をとても気に入ってくださったんですね。昨日編んだばかりですから、もちろん残り物ではありません。
面白かったのは、ご主人のお帰り際の言葉でした。『いつもなら気にせず歩くのに、なんで立ち止まったんだろ!?』。
それが「縁」というものでしょうね。

三連休の二日間は、少し久しぶりに賑やかさが戻っています。これくらい間断なくお客様がお入りになるのは、もしかしたらお盆や大曲の花火以来かも知れません。角館のお祭りよりは間違いなく多いですね。
ちょうど今米蔵では、「絣展」が開かれています。中高年のおばさま必見のアイテムですから、そんなことも賑わいのひとつなんですね。

今年は娘たちの受験や引越し、そして大きな震災がありましたから、いつもの年より草履が編めていません。それがここにきて展示パネルにしっかり出ています。在庫はほとんど空っぽになりました。店としては寂しい限りですが、もちろん「おかげさまで…」と言わなければいけませんね。

角館の散策シーズンも、いいとこあと一ヶ月です。お客様が少なくなればなるほど、また「縁」を感じる出会いもあるでしょう。出来るだけ休まず実演を続け、在庫を増やしながら出会いを待つことにしましょう。
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