角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

三女からの忠告。

2011年10月10日 | 実演日記




今日の草履は、横浜市港北区からお越しくださった女性のオーダー草履。『青とか紫が大好きなんですぅ~』がこちらになります。
四人ほどのグループのうち、ひとり先にお見えのおばさまがお買い上げくださいました。その数分後に他のお仲間を連れて再度お越しになり、『さっきの健康の話、また聞かせてっ』。

そして最もお若いとお見受けした女性が、「今日の草履」の発注主さんです。お約束通り、今まで編んだことのない一点ものですよ~。と言うことで、まったく同じ配色は封印となりました。
明日の便で出発します。届いたらすぐに履いてくださいね。

7月1日のブログでお伝えしておりますように、2012年1月1日から角館草履の価格が変わります。ブログでお伝えした翌日から、草履コーナーの展示パネルにも同様の「お知らせ」を貼っています。
これを読んだお客様の多くは、『あれっ、来年から値段が上がるの?』と訊かれますね。角館草履のご愛用者であるなしに関わらず、ご来店のたび関心を持って見てくださる方々には、大事な情報でしょう。

五ヶ月も前から値上げの告知を始めたのは、出来るだけ早くお客様にお知らせしたかったからなんです。と言うのは、「次はお金を用意して買いに来よう」「好きな色と出会ったときに買おう」「今度は○○さんへプレゼントに買おう」というお話が、これまでいくつもありました。

こうしたご購入の「予定」があるお客様に対して、突然値段が上がるのは心苦しいと思ったわけです。半年ぶりや一年ぶりのご来店であればやむおえないとしても、五ヶ月の告知期間があれば相応の常連さんへお知らせできると考えました。
もっとも数年間仕入れ続けていても、布地屋さんはほぼいきなりの値上げでしたけどね。

先日晩飯を食べながらテレビを見ていると、有名人の年収がいくらとかいう番組をやっていました。人様の稼ぎになにほどの関心はありませんが、お笑いの人も売れてくると数千万円の年収があるんですね。
バウムクーヘンが大当たりしているマダム信子さんは、年収1億2千万円だそうです。ご自身がこの金額を公表するときに、『私はすごく働くからね~』と言っていました。

角館の草履職人も年間労働日数はかなりのものです。1億2千万円を聞いたときに、『うわ~、オレの草履少し安ぐね!?』と言うと、三女の顔がピクリと反応しました。『とーさん、あんまり調子こぐなよっ』。

三女からの忠告は真摯に受け止めますが、来年元日からの値上げは決して調子こいでるわけではございません。
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