角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

2007年桜まつり総括。

2007年05月07日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、5月4日、千葉県船橋市からお越しくださった奥様のオーダー草履です。
プレゼント用と合せて3足、本日の便で出発しました。

昨晩の「桜まつり頑張った慰労会」は、ほんとに楽しい会になりました。アトリエフィエスタさんさんさん企画サンも、それぞれに手作り品で商いをしていますから、その苦労も面白さも肌で知っている顔ぶれです。
そんな仲間が「角館の桜まつり」を乗り切ったわけですから、その笑顔には安堵の色が濃かったですね。

2007年桜まつりを少し振り返ってみます。
暖冬一色で経過した今冬、さぞ桜も早く咲くだろうと云われてましたが、結局いつもの年と何も変わらなかったです。「桜は早い」を予測した方は、早めのホテルや新幹線チケットを予約しましたから、『なんだぁ、まだ咲いてないじゃない~』の声は今年も聞くことになりました。
『帳尻って合うようにできてるんですねぇ』、これが合言葉のように使われた今春です。

桜まつり期間の人出発表はもう少しあとになると思いますが、一部の報道では4月29日が25万人で過去最多と出てました。翌30日もおそらくそれくらいの人出でしょうから、やはり4月末の三連休がピークと思います。好天で桜も満開、お客様の笑顔が思い出されます。

この時期の実演も三年目になると、二度目・三度目のお客様がとても多くなりました。これまでのブログでいくつもの再会をお伝えしてますが、その後角館をテーマにしたサイトではカリスマ的存在の20年ぶりさんが一年ぶりに、昨日はブログの大先輩ぢぞうさんが初めてお訪ねくださいました。
そして茨城県のYさんご夫妻、今年もお元気に旅をされています。頂戴した「足裏健康」の本は、これから勉強させていただきます。

ほかにもたくさんのお客様からお声を掛けていただきました。『おっ、今年も頑張ってるねぇ』『また来ちゃったヨ~』『今年も満開に当たらなかったよぉ』、毎年この時期の角館訪問を年中行事とされている方が実に多く、私の草履購入もそのスケジュールに入れてくださっている方もおりました。ほんとにありがたいことだと思います。

「土踏まず付き」のご好評には、私自身少し驚いています。今年はこのまま完全オーダー制を続けますが、来年以降は定番在庫を考えてみたいと思っています。
「イ草一足分材料」も思いのほかご好評です。イ草で綯った芯が品不足になって粟を食いましたが、それだけ私の草履に魅力を感じてくださった証しと思います。「編み方ビデオ」と同時購入の方は幾分安心ですが、『まぁなんとかやってみますヨ』でお帰りになった方、頑張ってらっしゃいますでしょうか。

草履台のお買い上げも次々でした。昨日福島県相馬市にお住まいのお母さんから、『帰ってから考えたんですけど、やっぱり草履台を欲しいと思って‥』とのお電話をいただきました。明日には発送いたしますので、ぜひ頑張って草履職人になってください。こちらで延べ61人目となります。

いろんな想い出が残る桜まつりでしたが、最も強く感じたのは、在庫が豊富であれば「疲れ」が少ないということです。
展示パネルに草履が少なくなると、その分オーダーが増えることになります。一日に編める数は決まっていますから、展示品とオーダー品を同時進行するには体力的にかなりしんどいものでした。それにオーダー品の発送が遅れ気味になると、これは精神的にしんどいことになります。
今年は冬場の努力が実を結び、桜まつり最終日まで展示パネルいっぱいの草履をご覧いただけました。展示品の補給を考えなくて良い分、オーダー品に全力を傾けることができます。桜まつり期間のオーダー草履は、あと一両日中にすべての発送を終えることができそうです。

桜まつりを無事に終えることができたといっても、これからまだまだ実演は続きますし、草履需要期はむしろこれからが本番とも言えます。今一度ふんどしを締め直して、これから先を考えなければいけません。
5月の最終日曜までを西宮家とし、6月は「路上ライブ」を中心に実演計画を立てるつもりです。具体的な会場が決まり次第トップページにアップしますが、昨年の11月に初挑戦した内町(武家屋敷群)ライブはぜひ取り入れたいと思っています。
それも在庫があればこそ‥ですから、やはり全力で編み続ける生活になりますね。

今日、群馬県沼田市からひとり旅を楽しんでおられるお若い女性と、しばしおしゃべりをしました。東北の伝統芸能に関心があるとのことで、当地の秋のお祭りを話題にしました。
『角館の文化に興味が湧きそうですか?』とお尋ねすると、『はい、今のお話で興味が湧きました!』、お帰りの際には、『これからも素敵な草履を作ってくださいね』。
角館と、そして布巻草履に関心を寄せてくださるみなさまには、これからも草履職人が全力でお相手仕ります!

コメント
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