角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

進化する草履。

2006年12月28日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズSサイズ20cm〔2000円〕
チェック柄の綿生地をベースに、緒はクリスマスシリーズに利用した緑です。真中にエンジをアクセントしたことで、可愛らしさが引き立ったと思います。

今日の角館は、朝から雨が降り続いています。気温も高く、およそ年末の天気とは思えません。マスコミもこのところ、「暖冬の弊害」を伝えてますね。
予報によると今晩から雪に変わり、明日の朝は景色が変わっているそうです。昨冬と比較してすでに一ヶ月間は得していますから、これからの二ヶ月間フツーの冬になるのは、みなさんそんなに怒らないと思います。この地の人間は、古から雪と共に生きてきたんですから、フツーの冬であればそれが一番合ってるんじゃないですかね。

今年の春から思い続けていた新仕様を、一昨日から試作しはじめました。「土踏まず」に盛り上がりを持たせる新仕様です。
イ草だけでも足裏の刺激に十分とは思っていますが、これに土踏まずが出来たらどんなにイイだろうとかねがね思っていました。
さすがにシーズン中はそうした時間を割けずにいましたから、今冬のテーマは「在庫作り」と共に、この「土踏まず」なわけです。

そして第一作が出来ました。土踏まずをアップで撮影したものを掲示板へ載せています。ちょっと分かりづらいかとは思いますが、いわゆる縦糸に相当する芯の土踏まずの部分に、硬質ゴムをかぶせます。そしてそのまま横糸に相当する布を巻いたイ草を編み進んでいくと、土踏まずの部分だけがポッコリ盛り上がるという寸法です。

草履作りを知っている方はお分かりですが、最後に二本の芯を引っ張って「踵」を作りますから、この硬質ゴムが引っ張りと同時に移動するようではいけないわけです。
ここまでのところ、この心配はなさそうですね。しっかりその部分で止まってくれています。
あとは最も履き心地の良い「位置」を決めることと、コストでしょうか。

いずれ、来春には新仕様も発売できると思いますが、この研究している時間が苦労だけど楽しいんですヨ。やはり、進化に苦労はつきものですね。

コメント (2)
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