角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

知的所有権。

2006年12月10日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
深緑基調に縞模様をベースに、緒は青のプリント柄を合わせてみました。なんか、こんな柄の野生動物がいませんでしたかね。面白い草履になったと思います。

今日は寒い一日です。朝から雪が舞い落ちて、日中は日も差したんですが、気温は上がりませんでした。それでも昨冬の今ごろは毎日除雪に追われてましたから、まあまあの12月と思います。

一年ほど前から、手作り品を生業としている方、あるいは独自の商標をお持ちの方から言われていたのが、『知的所有権は取っておいだほうがエエよ』のアドバイスでした。公開実演でもお客様から結構言われていたのが、『特許取ってるの?』です。
世の中にこの手の申請はいろいろな種類があって、ほかの誰にも作らせないという強い制約を必要とするなら、特許庁に申請するいわゆる「特許」です。
私の草履の場合は、追随しそうな人あるいは業者がそうそう出てくるとは思えないので、強い制約はなくとも気軽に申請できる、文化庁管轄のいわゆる「知的所有権」に属すると思います。

公開実演も終了し、またオーダー草履の発送もほぼ終えましたから、いよいよこの申請に取り掛かることにしました。
角館のお隣り旧中仙町に、この手の申請の専門家がいらっしゃいます。昨日ご連絡を差し上げたところ、今日早速お出でくださいました。「知的所有権」であれば費用も比較的安価で、2週間もあれば取得できるとのこと、思っていたよりずっと簡単で驚きました。

私がこの権利を取得する意図は、ほかの誰にも売らせないなどということにはありません。つまり、この権利を盾に誰かと争うなんてことは、ひとつも考えてないんですね。そこに意図があるとすれば、草履台や材料の販売に矛盾します。草履台をお買い上げの方に、『売物になるまで頑張りましょうヨ』と言っていた言葉も、嘘や冗談ではありませんでした。
取得の意図をしいて挙げるとすれば、イ草を利用した「布巻草履」の元祖は角館にあるという証しでしょうか。

今日、旧千畑町で草履作りに取り組んでらっしゃる女性が、材料の購入にわが家を訪れました。こちらの女性にこの「知的所有権」の話をすると、『そうですよねぇ、やっぱりそういうのはハッキリしといたほうがイイですヨ。あとは編み方ビデオがあれば完璧じゃないですかっ!』。

そうなんです、「知的所有権」の取得は案外簡単そうですが、この「編み方ビデオ」がなかなか進まないんですよぉ。

コメント (4)
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