角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

長い長い三日間。

2006年12月20日 | 家族の話
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
緑の唐草をベースに、同系の緑を合わせた配色Ⅱパターンです。今年はこの唐草シリーズをずいぶん作りましたから、なんと言いますか、編む手が自然に動きます。所要時間も幾分短く感じますね。

角館に好天が戻りました。おととい降った雪も、ほとんど解けてなくなっています。大雪の言葉にずいぶん脅されましたが、過ぎてみるとそれほどでもなかったようです。

一昨日から今日まで、実に長い三日間を過ごしました。二女の入院・手術です。
中学に進学してすぐの健康診断、二女に「難聴の疑い」という紙が届きました。えっ、耳!?それこそ寝耳に水の話です。学校からの「要検査」ですから、これには素直に従わなければなりません。町内の町医者からはじまり、三箇所の病院で検査を受けましたが、どこも言うのは『分かりませんねぇ、まず経過を見ましょう』。
医者が分からないというのでは、こちらとしてもどうにもなりません。しかし、ほどなく二女が耳の痛みを訴え出しました。

最後にすがったのは秋田市の大学病院。耳のうしろをCT撮影し、見つかりました、白い塊です。「難聴の疑い」から一年が経過していました。
しかし、この「白い塊」が何かというのは、さすがの大学病院でも分からないと言います。ただ、明らかに「異物」が判明したのですから、主治医は早期の切開を勧めました。

およその入院日数を尋ねると、3週間~4週間。夏休み、もしくは冬休みを利用しなければとても無理です。主治医は少しでも早いほうが良いとの考えから夏休みを勧めますが、夏場は私もカミさんも超多忙な毎日です。経過の途中で深刻な事態になったらすぐに手術を受けるという約束で、この冬休みを計画しました。そしてその手術日が、今日12月20日です。

入院は一昨日の18日、大雪予報に脅された日です。もっと私たちが脅されたのは、手術により懸念される後遺症の羅列でした。まず切開してみなければ、一体ナニが原因でどこまで病巣が進行しているのか分からないこと、そして「顔面表情筋の麻痺」「味覚障害」「さらなる難聴」。もちろん予測されるすべてを話しておかなければならない病院側のマニュアルでしょうが、これを聞く本人と親にはなかなか厳しいものがあります。
本人は覚悟を決めたのか、いたって平静でした。わが娘ながら、その潔さには頭が下がります。

そして迎えた今日、午前9時15分に手術室へ入った娘、手術開始は午前10時との知らせが入りました。それから待つこと4時間、午後2時に手術室から出てきた娘は、未だ麻酔の中でした。
すぐに主治医からの説明です。病名は「先天性真珠腫」、言葉だけで聞いたときに『それって漢字でどう書くんですか?』と尋ねたくらい、耳慣れない病名です。
真っ白い球状の腫瘍から付けられた名前で、主に耳で発病し、次第に骨を溶かす病巣でした。事実、娘の骨もかなり冒されていたようです。

再発の危険は半年以内、聴力回復検査も半年後と言いますから、本当に安堵できるのはいま少し後になります。それでも今日のところは無事に終わりました。今晩だけ大事をとって、カミさんが病院へ泊まっています。
長い長い三日間、退院まで片道一時間強の通いは続きますが、明日からは気分的に楽になれそうです。

二女へ、『えぐ頑張ったナ~!』。

コメント (14)
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