ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

北斎展(ホノルル美術館所蔵)

2012年02月27日 | 一寸そこまで



今朝は風花と言うか、雪がチラチラと舞っておりました。県北部から、はるば
るとやって来たのだろうか? 早朝の出来事が夢であったような、お天気な1
日でしたが…。


2月25日(土)京都文化博物館へ「北斎展」を見に行って来ました。この展覧
会は前期後期と分かれていて、全品入れ変えとなっていますので、私としては
両方にいきたいと思っていました。

ところが前期が、後2日になってしまいました。それも25日は雨、26日は冷
え込むというのです。前期は諦めるかと思ったのですが、如何しても行きたい
と思い、今日は雨は小雨のようですし、京都の底冷えの寒さより雨を選びま
した。

時間的には遅かったのですが、小雨をものともせず、思い切って出かけました。
あと2日となれば、それも土曜日です。込んでいるのは予想済みでいきました
が、思い以上の混雑でした。人がきは2重3重に出来ています。あまりの人の
多さに「入場制限したらいいのに!」と思ったほどです。これだけの人波なの
に、それを感じさせない静けさで皆絵に見入っておられました。

後期には、期間中ごろには行きたいと思っています。私たちが帰る4時ごろ
(会場の人では減っていました)に、まだゾクゾクと人が来ていましたから、
「この時刻頃に来るのも狙い目かな?」と話しながらかえって来ました。


 買っ絵葉書  ↑  「冨嶽三十六景 神奈川沖波裏」     ↓  「冨嶽三十六景 凱風快晴」


NHKの「歴史ヒストリア」と言う番組が北斎を取り上げていましたので、前
日に取っておいたビデオを見ました。北斎は長寿で90歳まで生きておられて、
生涯絵を描き続けられたのですが、生涯貧乏だったようです。何故なのでしょ
うね? お金に無茶苦茶無頓着と言うのも一因ですが…。 

長谷川等伯等「絵師」と違い、北斎は「画工」といわれる階級の人だからでし
ょうか。「画工」とは絵を描くだけで、その絵は「彫師」によって彫られ、次に
「刷師」によって色刷りされ、その版画は大量に刷られる。しかし、大量に刷
られる故に単価が安いと言うことでしょうか。

と言うことは、北斎の「絵」は、腕の確かな「彫り師」「刷り師」がいなければ、
評判にならなかったとも言えませんか? 何事も一人では出来ない、縁の下
の力持ちがいてこそだと思います。又、何時でしたか、浮世絵展を見に行っ
た時に、その絵を売り込む人、今で言えば営業の職も、人気に力を貸したと
読んだことがあります。勿論数は少ないが「肉筆絵」もあるようです。

今、日経に連載している「等伯」も、本人の才、努力は言うに及ばず、加えて、
周りの人の惹きがあって、大きな仕事が出来ると感じています。

「北斎の漫画絵」の版画ゆえ、安価なもので、陶器の輸出品の包み紙として
使われ海を渡ってって行ったようです。その絵がパリのブラックモン(画家)の
目に留まり、周りの人に見せて歩いたので、有名になったというエピソードが
ありました。何が幸いするか、包み紙として海を渡ったが為に、世に、世界に
認められたということになります。

国内では飽きれば紙くずのように扱われた版画ですが、海外での人気は凄ま
じく「北斎」の絵から学んだ、西洋の画家は多いそうです。ゴッホ、マネ、モネ
も構成を真似て書いています。モネが日本びいきなのも「北斎」の絵の影響だ
そうです。日本の「シチダンカ」と言うアジサイを、神戸・六甲山でみつけた、
あのシーボルトとも面識があったようです。

北斎は、一つの派に属するのではなく狩野派、土佐派、その他色んな人の気
に入ったものを自分の絵に取り入れた、後には西洋画も取り入れたそうです。

北斎は引越しが好きで、生涯で転居93回、名を変えたのは30回といわれて
います。

上の「神奈川沖波裏」は海外では「グレイト・ウエイブ」と呼ばれて、「モナリザ」
と同じぐらい有名だそうです。

先年、この1000年の間に生きた、色んなジャンルの有名人100人を選ぶ
ことがあって、「ナポレオン」や「アインシュタイン」と共に、日本人として
は唯一人「北斎」が選ばれたというのです。凄いことですね。

250年前に生まれた北斎の、そしてその絵は、国内ではあまり残されず、海
外に多く残されています。今回の北斎の絵も、もともとは個人の収集だそうで
すが、ホノルル美術館に寄贈されたものです。ホノルル美術館には「日本の浮
世絵」が1万点以上あるそうです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ゆとり教育で「平均値」が分... | トップ | 新小岩パラダイス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

一寸そこまで」カテゴリの最新記事