緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ローカル線廃止の危機に思う

2022-09-28 21:04:30 | 鉄道
今年は鉄道開業150年ということもあっては、新聞に鉄道関係の記事が多い。
中でもローカル線の記事が多いが、9月24日の新聞に「鉄路1万6700キロ 曲がり角」というタイトルの記事に目が止まった。



この記事に「輸送密度200人未満の主なローカル線」として、以下の路線があげられていた。

・宗谷線
・留萌線 ※
・根室線
・津軽線 ※
・五能線 ※
・花輪線 ※
・北上線 ※
・山田線 ※
・陸羽東線 ※
・陸羽西線 ※
・米坂線 ※
・水郡線 ※
・只見線 ※
・久留里線
・飯山線 ※
・大糸線 ※
・名松線
・木次(きすぎ)線 ※
・因美線 ※
・芸備線 ※
・姫新線 ※
・福塩線 ※
・牟岐線
・筑肥線
・予土線
・豊肥線
・日南線

※印は全区間乗車実績のある路線。

記事によると例えば陸羽東線の鳴子温泉・最上間の輸送密度(1キロ当たりの1日平均乗客数)は約40人。100円の収入を得るために2万2149円かかる計算だという。
24日に乗車した芸備線(広島県)の備後庄原(びんごしょうばら)・備後落合(びんごおちあい)間も同様の状態だと、備後落合駅でボランティア活動をしている元機関士の方から話を聞いた(上記の新聞記事にも厳しい赤字区間の一つだと記載されている)。
新聞記事ではこのような路線は「不採算路線でも必要な社会基盤」だと指摘しているが、こういうローカル線には社会基盤のみならず、もっと都会の人を観光で呼び込む何らかの手段での魅力発信が必要だと思う。
私の学生時代には青春18きっぷを使って、小汚い身なりで貧乏旅行する学生がたくさんいたが、昨今は夏休みでもあまりこういう学生は見かけない。
むしろ多いのは中高年の根っからの鉄道旅行好きの単独行の男性客だ。

観光目的で地方のローカル線に乗車するにはかなりのお金がかかることが観光客を呼びこめない最大の要因だと思う。
ローカル線の出発地まで移動するのに大変の時間とお金を要することが多い。
ローカル線でもただ乗るだけではつまらないという人もいる。

昔、既成の周遊券があったし、旅行会社でオーダーメイドの周遊券を作ってもらうことが出来たが、だいぶ以前に廃止された。
私はどちらも利用したことがあったが、すごく金銭面で助かったし、既成の周遊券は重複して同じ路線を何度でも利用できたから使い勝手が良かった。
コロナで収益が悪化した鉄道各社は、次々とローカル線の廃止対象候補を発表している。

鉄道旅行は乗客の多い路線では旅愁というものは感じにくい。
唯一、このような路線でも旅愁が感じられたのが寝台夜行列車だった。
しかしこの寝台、もしくは座席の夜行列車はそのほとんどすべてが廃止されてしまった。

ローカル線の中には走行困難な難所を、歩くような速度で走行する路線がある。大糸線や木次線などの一部の区間だ。
早く目的地に着きたいと考える人からするとじれったいことであるが、これがまたローカル線の魅力であり醍醐味なのだ。
気に入った路線であれば、四季折々のタイミングで乗車したいと思うに違いない。車窓から見る景色はそれぞれに異なった感動を与えてくれるだろう。
そして途中駅で降車して、駅周辺を歩いてみる。その土地に存在するものを五感をフルに使って感じてみる。
次の列車が来るまでの時間はたっぷりある。
昔、北海道の路線でこういうのをやったことがあった。小沢とか追分で降りたときだ。
そして意外にも思わぬ面白いものに出会ったことがある。

有名な観光地に行くと、人がうじゃうじゃいて、観光スポットも金儲け丸出しのものであふれかえり、上塗りされ、うんざりすることがある。
今回行った出雲大社がそうだった。
ローカル線沿線にはそのようなものは無い。

この10年の間でも北海道の路線を中心にいくつかのローカル線が廃止されたが、これから数年の間にさらに加速されていくであろう。
何とも寂しい話だ。
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