緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

チョーリャン・リン演奏 メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を聴く

2024-02-10 23:21:11 | バイオリン
三連休の初日、随分久しぶりに中古CD、レコード、書籍を買いにお茶の水と新宿に行ってきた。
お茶の水に着いたのは午後2時頃。
駅から歩いてすぐの、神田明神、元祖豚骨ラーメンの小さな小汚い店でもやしラーメンを食べる。
ソーメンのような細さの硬めの麺と白いクリーミーなスープが特徴の豚骨ラーメンで、御茶ノ水に行くとよく食べたものだった。

そして何年かぶりでディスクユニオンに入った。
入り口を入ると新入荷のCDがダンボールに入れられていたので、中を覗いてみると、最近また聴き比べを再開した、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータのめずらしいCD(セリジウ・ルカ演奏、1977年録音)が目に入った。



こういう珍しい録音には当たり外れがあるが、何となく直感で聴く価値有り、と判断して買うことにした。
帰宅後聴いてみたら、これは当たりだった。
まだソナタ第1番のフーガまでしか聴いていないが、なかなかの腕前。しかも研究肌でバッハの自筆譜を検証し準備したうえで録音したとのこと。
楽器も弓は17世紀の当時の構造によるものを使用しているみたいだ。だから、いわゆる一般的な演奏とはかなり異なる解釈、奏法による演奏だ。
たしかクイケンという演奏家だったと思うが、古楽器を使っての演奏を聴いたことがあるが、正直、殆ど印象に残っていない。
しかし今日入手したルカの演奏には期待が持てる。

第2曲「フーガ」の途中部分を何と、リュート編曲版と同じように弾いていたのには驚いた。
自筆譜を研究していたというが、ヴァイオリンの自筆譜にはこの部分がどのように記載されていたのだろうか。
手持ちの楽譜を見ると、多くの奏者が採用している16分音符の連続であったが、ルカの演奏はリュートと同じ8分音符だ。
明日、残りの演奏を聴くことにしたい。

次に神保町まで出て、店名は忘れたが古い楽譜を売っている古書店に行くことにした。
しかしこの店を探しても見当たらない。変だなと思いつつこの店でなかったか、と思われる店に入ってみると、様変わりしていた。
楽譜は無く、売られている書物も音楽とは異なるものが多かった。
もしかして廃業したのか。ちょっと残念だ。

そしてディスクユヌオンの神保町店で、安い、メンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲のCDを見つけ、直感で聴いてみようという気持ちになった。
聴いてみたらこれが当たりだった。
チョーリャン・リン演奏 メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」。1982年10月録音。
めずらしい録音だ。





1982年と言えば私が大学に入った年。当時まだレコードの時代だった。
ネットで検索してみると、レーベルがCBSでオランダで録音されたようだ。サン=サーンス/作曲ヴァイオリン協奏曲第3番も収録されている。
チョーリャン・リンはどちらかというと音は細めであるが、繊細さの表現が多彩で、情感に満ちている。
解説者の宇野功芳は、チョーリャン・リンのことを「心の琴線に触れてくるヴァイオリニスト」と絶賛している。
確かに聴き手の心の深い所まで届く演奏だ。メンデルスゾーンのこの曲がこんなんに美しかったのか、改めて認識させれられた。
Youtubeでこの録音がないか探してみたが、無かった。
チョーリャン・リンの演奏そのものも投稿はごくわずか。これは意外だった。

それにしてもクラシック音楽の中でも屈指の美しさを持つ曲だ。
メンデルスゾーンが28歳で作曲したと言われている。メンデルスゾーンがどのような実際に人物であったか現実には知ることが出来ないが、この音楽を聴く限りにおいては、繊細な感性に溢れていただけでなく、天使の如く優しい心を持っていたのではないかとさえ思えてくる。
この曲を初めて聴いたのが中学2年生のときの音楽の授業で、当時の若い女性の先生が授業でこの曲のレコード(第1楽章だけであったが)を聴かせてくれたのがきっかけだ。
その先生はこの曲が好きだったに違いない。普通は1回だけしか聴かないで終わってしまうのであるが、この時の授業では、3回くらいレコードをかけてくれたと思う。
この時の演奏をもう一度聴きたいと思って、演奏者を知るためにヤフオクで当時の音楽の教科書を買ったことがあるのだが、その教科書には演奏者名が書いていなかった。しかし私の記憶では確かに演奏者名が記載されていた(カタカナ3文字だったような記憶があるのだが)。これもいつかは分かるに違いない。
この曲もこれから聴く比べが進んでいくに違いない。

次は新宿のディスクユニオンに向かった。
ここではベートーヴェンのピアノソナタが収録されためずらしいレコードを2枚買ったが、後で聴いてみたところ、いずれも駄盤だった。
こういうことは今までも何度もあった。
書籍コーナーでチャイコフスキー作曲交響曲第6番「悲愴」のスコアが見つかった。
同じものが2冊あったが、1つは表紙がまんべんなく濃い黄色に変色し、小口も手垢によるシミが付いていた。価格280円。
ちょっと綺麗な方は580円だったが安い方を買うことにした。
スコアを見ながらの悲愴の鑑賞。これによりいろいろな発見を得ることいが出来るかもしれない。









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