緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

追悼 冨田勲氏

2016-05-09 23:54:01 | 邦人作曲家
今日(9日)の朝刊に、作曲家の冨田勲氏の死去を知らせる記事が載っていた。
享年84歳だった。

冨田勲といえば、まず思い浮かぶのはNHK「新日本紀行」のテーマ曲である。
この番組は昭和38年から昭和57年まで続いた長寿番組であったが、私が小学生から中学生くらいの頃までよく聴いた音楽であった。
とにかく、素朴でありながらインパクトのある曲で、音楽に殆ど興味が無かった子供の頃の私でもはっきりとこの曲は記憶に残っている。
日本の農村の景色が浮かんでくるような曲想であるが、日本古来の旋法を使用していないのに、とても日本的なものが伝わってくるところがこの曲の最大の魅力だ。
この音楽はまさしく1960年代の日本を象徴している音楽だと思う。
高度経済成長が始まる前に作られたのであろう。
まだ日本の自然が破壊されずに、日本ののどかな自然の良さが残っていた時代の雰囲気が蘇ってくる。
ギター曲でいうと、宍戸睦郎作曲の「ギターのためのプレリュードとトッカータ」(1969年作曲)の「プレリュード」がこのような雰囲気を持っている。

意外だったのは「ほっかいどう7:30」という北海道地区のローカル番組のテーマ曲が、冨田勲氏の作曲だったことだ。
この曲は私が小学校高学年の頃に、この番組を見て聴いたのであるが、これも強く印象にのこる曲で、今でもはっきりとその旋律が思い出せる。
口笛で演奏されるその旋律は素朴であり、番組よりもその音楽に聴き入ったものだ。

あと「リボンの騎士」という少女アニメの主題歌も印象に残っている。
これは私が幼いころに、姉が見ていたテレビで聴いて覚えていたが、この曲も強烈な印象を残し、今でもそのメロディは忘れていない。

他にも印象に残る彼の曲はいくつかあるだろうが、とにかくこれらの曲が知らず知らずのうちに私の心に残り続け、私が後年、音楽好きになる下地を作ったことは間違いないと思う。
その意味で冨田勲氏の存在は大きかった。
ご冥福をお祈りいたします。

(新日本紀行はオリジナルで聴くに限ります。下記はYoutubeでのオリジナル演奏です)



【追記20160510】
NHK北海道放送で昭和48年から昭和62年まで放映されたテレビ番組「ほっかいどう7:30」のテーマ曲を、Youtubeで見つけました。
音がかなり歪んでいましたが、40年ぶりにこの曲を聴いて、当時の暮らしが懐かしく思い出されました。
(昔はこんないい曲があったんだ!)


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2 コメント

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Unknown (Tommy)
2016-05-10 09:06:57
我が家にTVが入って来たのは遅く高校3年頃で見る
機会も少なかったせいかもしれません。

新日本紀行、はっきりとは覚えていないのですが
どこかで聞いた覚えのある曲ですが、当時は輪を
かけて音楽に疎かったこともありそうです。

今聴くとなかなか素晴らしい曲ですね。真っ暗な部屋
で映像だけを見ながらヘッドホンで聴いていたですね。

https://www.youtube.com/watch?v=YoMRp3P8d_g

いつもご紹介ありがとうございます。
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Unknown (緑陽)
2016-05-10 22:48:46
Tommyさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
記事で紹介した「新日本紀行」、お聴き下さりありがとうございました。
短いですが、本当にいい曲です。
おっしゃるように映像との組み合わせで聴くともっと聴き応えがありますね。
「ほっかいどう7:30」のテーマ曲もYoutubeで見つけました。
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