緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

フェデリコ・モンポウ作曲 「前奏曲集」を聴く

2016-12-03 21:10:39 | ピアノ
Youtubeでピアノ曲を探していたら、フェデリコ・モンポウ(Federico Mompou、1893~1987)の前奏曲集(Préludes、全12曲 1927年~1960年)の演奏に出会った。



https://youtu.be/NGof3TxeuL0

Youtubeには演奏者名が記載されてなかったが、モンポウ自身の演奏による1974年の録音である。
30代前半にこのモンポウ自作自演集のCDを買った時に一度聴いているはずだが、それ以来長いこと聴いていなかった。

モンポウのピアノ曲で人気があるのは、「内なる印象(Impresiones intimas - Planys)」、「ひそやかな音楽(沈黙の音楽と訳されることもある、Musica callada)、「歌と踊り」(Cançons i danses、但し第13番はギター曲、第15番はオルガン曲)など。

モンポウは初めピアニストを目指したが、極端に内気な性格のため断念し、作曲に専念するようになったという。
しかし本屋で立ち読みした、モンポウの紹介本(熊本マリ著だったかな?)では多くの有名作曲家や演奏家との交流を示す写真を見た記憶がある。

モンポウのピアノ曲を聴いていくと、 内なる印象の「悲しい鳥」に代表されるような、哀愁を感じる曲と、この前奏曲集の第3番、第6番や第11番のように、心の深層の暗い部分を表したかのような曲があることに気付く。
ギター曲「コンポステラ組曲」でいうと、第1曲Preludioのmolto expressからa Tempoを経て次のa Tempoに至る部分や第4曲Reccitativoが後者、第1曲Preludioの終曲部、第3曲Cunaや第5曲Cancionが前者にあたる。

今日紹介する「前奏曲集」では第1曲と第5曲と第11曲がお勧め。
短い簡素な曲であるが、とても繊細。そして深い。
心が疲れた時や目が冴えて眠れない静かな深夜に聴いて欲しい。
モンポウの録音は84歳頃の演奏であるが、とても高齢者のものとは思えない。
感性が若々しく、瑞々しく、テクニックも凄い。
録音環境は悪いが、音にとてもエネルギーを感じる。

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