緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

黒檀でサドルを作ってみた

2012-06-24 18:46:07 | ギター
こんにちは。
先日インターネットで、某ショップの中古ギターの写真を見ていたら、ナットとサドルが黒檀で作られたものがありました。
普通、ギターのナットとサドルは殆どが牛骨製か象牙製、まれにプラスチック製なのですが、黒檀で作られたものは初めてみました。
今メインで弾いている楽器は、象牙製のサドルを自作したものを付けています。チップ(弦止め)を付けるなど、もっといい音を引き出したいと考えていました。
そこでこの黒檀のサドルで音が良くなるのでは、という期待を抱き、黒檀のサドルを自作することにしました。
まず材料の黒檀を買いに東京まで出て、東急ハンズで探しました。
新宿店と池袋店両方で探しましたが、売っているのは下の写真のような縞模様のある縞黒檀だけでしたね。





写真のものはそれでも一番縞の少ないのを選んで買ったのですが、まだらの無い漆黒の黒檀(本黒檀)は無かったですね。下の写真は20年前に爪を磨くために東急ハンズで買ったものですが、縞模様は無くまさに漆黒で非常に硬いです。本当はこういう黒檀が欲しかった。黒檀も良材が手に入りにくくなっているのかもしれません。



サドル用はサイズ5mm×20mm×200mmで105円、ナット用は10mm×50mm×100mmで262円。サドルは最低でも4本、ナットは6本取れます。

次に製作ですが、今までサドルは何本も自作したことがあるので道具は一通り揃っており、下の写真のように小型万力をテーブルに固定し、あらかじめ鉛筆で型取りしておいたサイズに合わせてのこぎりで切断していきます。



切り終わったら、板の厚みが5mmもあるのでひたすらサドル溝の幅(2.1mm)まで写真のようなやすりで削っていきます。これが一番大変だ。
最初いつも使っている小型のヤスリで削っていたが、あまり削れないので大型の木工用ヤスリを出してきて、これで削ったら速く削れるようになった。
この縞黒檀は牛骨よりはやわらかく、象牙よりは硬いといったところか。



サドル溝の幅に近くなってきたらサンドペーパーを木の角棒に巻きつけ表面を削っていきます。そして何度もブリッジのサドル溝にあてがい、少しずつ慎重に削っていきます。削りすぎると全てが水の泡になってしまいます。
下の写真が完成したサドルです。



早速ギターに取り付けました。



ブリッジと同じ色なのでお歯黒のようだ。
さて肝心の音ですが、もしかしてつまったようなこもった様な音になるかもしれないという心配があったものの、実際に音を出して弾いて見ると、低音は(4~6弦)全く問題なく、高音は少し音が詰まっているような感触でした。
しかしサドルを別のものに替えた当初はこのような音の詰まりはよくあることで、何時間か弾いてみないとわからないものです。
数時間弾いてみましたが、低音は前よりも反応が良くなりました。高音も最初の詰まりが取れてきて、音も伸びるようになりました。
全体的には前のサドルよりも良くなったという印象です。
しかしサドルを交換したことによる効果は、日を改めてあと何日か弾いてみないとはっきりとはわかりません。昨日今日と部屋の湿度をずっと50%に保っていたので、そのことがギターの鳴りを良くしていたかもしれないからです。
しかしこの黒檀のサドルで音が悪くなったということは今日一日弾いた限りではありません。もう少し様子を見て結論を出したい。
ブリッジも表面板も木材で出来ている以上、サドルも木材にしても相性が良いのではないかと思う。
次は本黒檀やそれ以外の硬い種類の木材も試そうと考えています。
またナットも近いうちに用意した黒檀で作ろうと思っています。しかしナットの自作は難しく、過去に何度も失敗しているので上手く作れるかちょっと気がかりです。

コメント (6)