緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

感動した合唱曲(NHK全国学校音楽コンクール:Nコン)(6)

2012-06-10 00:16:47 | 合唱
こんにちは。
随分時間が空きましたが、NHK全国学校音楽コンクール:Nコンの感動した曲の紹介、今回は6回目になります。
今回紹介するのは、作詞:谷川俊太郎、作曲:三善晃、混声合唱のための「やさしさは愛じゃない」から「さびしいと思ってしまう」です。
演奏は平成13年度Nコン全国大会、高等学校の部に出場した、北海道地区代表の北海道立札幌北高等学校です。



このCD、平成14年だったと思いますが、当時邦人作曲家の曲に興味を持ち、色々録音を探していた時に見つけて買ったものです。高田馬場のムトウ楽器という店でした。邦人作曲家、特に合唱曲のCDがたくさん置いてあったんですね。
その当時は合唱曲には全く興味がなかったのですが、私の故郷である北海道から出場した高校の演奏が収録されていたので、じゃ聴いてみようかと思ったのです。
何度か聴いてみてそれっきりでした。その時は合唱曲の素晴らしさに気がついていなかったのです。ただ「さびしいと思ってしまう」は一番繰り返し聴いていました。
何年か経ち、今から1年半前に中学校時代に歌った「木琴」という曲を数十年ぶりに聴いてからまたたくうちに合唱曲にのめりこみました。Nコンや全日本のコンクールの録音を聴きまくりましたね。
その中の録音にもこの「さびしいと思ってしまう」がありました。
とても素晴らしい演奏です。
札幌北高の演奏スタイルはこの平成13年の頃と現在も変わっていませんね。指導者が同じだからでしょう。
北高の演奏スタイルは、女声は透明感があり聡明で美しく、男声は内面の叫びを臆することなくストレートに表現する、同時に両方とも高い技術に裏付けられた表現力を聴かせてくれる。
この曲の詩、とても普通の気分では読めないし、曲も暗いです。しかし単なる暗さではない。
このさびしさは一時のものではなく、人間の心に常に深く根ざし、苦しめるさびしさだ。このさびしさは経験した人しか分からないと思う。
この短い詩から主人公がどんな年代、性別、境遇にあるか想像しがたいが、死と隣り合わせるほどまでに至ったさびしさが感じとれる。
作曲者の三善晃氏はその気持ちを見事に表現している。
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