緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

マイケル・レビン演奏 メンデルスゾーン作曲「 ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を聴く

2024-02-23 23:29:55 | バイオリン
メンデルスゾーン作曲「 ヴァイオリン協奏曲ホ短調」で素晴らしい演奏に出会った。
ヴァイオリン独奏:マイケル・レビン、指揮:エイドリアン・ボールト、管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団 1957年スタジオ録音。

マイケル・レビンは1936年生まれだから、21歳の時の録音。
音楽家の両親のもとに育ち、若くして成功を収め、早熟の天才として注目されたが、20代半ば以降、精神疾患を病み、36歳の若さで悲劇的な死を遂げた。

クリスチャン・フェラスの人生と重なるが、このマイケル・レビンの弾く、メンデルスゾーンの ヴァイオリン協奏曲は間違いなく素晴らしい。名盤の1つに入る。
この曲でこれほど感情が刺激される演奏は極めて少ない。
これ以上ないというくらい非常に美しい音と感情表現、美しいけどその陰に悲しさが宿っているようにも感じられる。

マイケル・レビンの録音はそのほとんどが廃盤であるが、中市市場では非常に高値が付いている。
彼の演奏に真に魅せられた愛好家が少なからずいることを示している。

Michael RABIN -MENDELSSOHN Violin concerto-(AUDIO REMASTERED)


こうなったら、メンデルスゾーン作曲「 ヴァイオリン協奏曲ホ短調」の聴き比べを徹底的にやることにしよう。
チャイコフスキーの悲愴を聴き比べをやったときのように。




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初めて聴いたメンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲ホ短調の録音がついに見つかった

2024-02-23 00:36:36 | バイオリン
最近、メンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲ホ短調の演奏の聴き比べをしているのだが、この曲を初めて聴いたのはいつだったかというと、中学2年生の時の音楽の授業の時であった。
音楽の授業で女の先生がこの曲のレコード(中学校音楽鑑賞用)をかけてくれたのだ。
思春期の多感な時期に、初めて聴く極めて甘美な音楽に知らず知らずに惹き込まれてこの曲のことに関心を抱き、このレコードの演奏者が誰なのか教科書を見たら、「グルカ」と書かれていた。
そして、それから40年が過ぎ、たまたまYoutubeで聴いたヨハンナ・マルツィのこの曲の演奏を聴いて大いに感動して、いろいろな奏者の演奏を聴くようになった。
その中で思い出に残る、中学2年生の時に初めて聴いた「グルカ」の演奏録音を聴きたくなり、かなり探したが見つけることが出来なかった。

「グルダ」というと有名なピアニストがいるが、同じような名前でヴァイオリストがいるという情報は皆無だった。
ところが、今日、Youtubeでこの曲の検索をしていたとき、”kulka”という文字が目に入った。
日本語読みすると「クルカ」ではないか。
そうだ!。「グルカ」は記憶違いで正しくは「クルカ」だったのだ。
レコードなので録音された時期は恐らく1960年代後半から1970年代前半頃、だとすると中学時代に聴いたタイミングとも一致する。
中学2年生で初めて聴いたのはこの「クルカ」の演奏に相違ない。

聴いてみると、上手い。
無名だけど、かなりの実力者だ。一聴の価値は十分にある。
ウィキペディアで調べると以下のことが分かった。

コンスタンティ・アンジェイ・クルカ(Konstanty Andrzej Kulka, 1947年3月5日 - )はポーランド出身のヴァイオリニスト。
1947年、グダニスク生まれ。8歳の頃からヴァイオリンを始め、生地の音楽院でステファン・ヘルマンの薫陶を受けた。1964年のパガニーニ国際コンクールで特別賞を受賞し、1966年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した。以後、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団、ミネアポリス交響楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団など世界有数のオーケストラと共演し、名声を確立している。(ウィキペディアより転載)

Youtubeの投稿を貼り付けさせていただく。

F Mendelssohn Bartholdy Koncert skrzypcowy e moll op 64



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ムローヴァ演奏、小澤征爾指揮、メンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲ホ短調ライブ録音を聴く

2024-02-16 23:35:49 | バイオリン
先日死去した小澤征爾氏の指揮、ベルリン・フィルハーモニー、ヴィクトリア・ムローヴァ演奏のメンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲ホ短調ライブ録音を聴いた。
1984年の録音。1982年にチャイコフスキー国際コンクールで優勝してから2年後、彼女が20代半ばでの演奏だ。

この曲としてはかなり早いテンポ。
技巧がすごいが、技巧だけが浮き上がるような演奏とは全然違い、パッションと同時に落ち着きも感じさせる演奏だ。
3楽章は若干、オケとかみ合わない面もあるが全く淀みの無い、むしろ、あのベルリン・フィルを自分から引っ張っていっているような演奏だ。

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64/ムローヴァ/小澤征爾/ベルリン・フィル(1984 12 18)
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チョーリャン・リン演奏 メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を聴く

2024-02-10 23:21:11 | バイオリン
三連休の初日、随分久しぶりに中古CD、レコード、書籍を買いにお茶の水と新宿に行ってきた。
お茶の水に着いたのは午後2時頃。
駅から歩いてすぐの、神田明神、元祖豚骨ラーメンの小さな小汚い店でもやしラーメンを食べる。
ソーメンのような細さの硬めの麺と白いクリーミーなスープが特徴の豚骨ラーメンで、御茶ノ水に行くとよく食べたものだった。

そして何年かぶりでディスクユニオンに入った。
入り口を入ると新入荷のCDがダンボールに入れられていたので、中を覗いてみると、最近また聴き比べを再開した、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータのめずらしいCD(セリジウ・ルカ演奏、1977年録音)が目に入った。



こういう珍しい録音には当たり外れがあるが、何となく直感で聴く価値有り、と判断して買うことにした。
帰宅後聴いてみたら、これは当たりだった。
まだソナタ第1番のフーガまでしか聴いていないが、なかなかの腕前。しかも研究肌でバッハの自筆譜を検証し準備したうえで録音したとのこと。
楽器も弓は17世紀の当時の構造によるものを使用しているみたいだ。だから、いわゆる一般的な演奏とはかなり異なる解釈、奏法による演奏だ。
たしかクイケンという演奏家だったと思うが、古楽器を使っての演奏を聴いたことがあるが、正直、殆ど印象に残っていない。
しかし今日入手したルカの演奏には期待が持てる。

第2曲「フーガ」の途中部分を何と、リュート編曲版と同じように弾いていたのには驚いた。
自筆譜を研究していたというが、ヴァイオリンの自筆譜にはこの部分がどのように記載されていたのだろうか。
手持ちの楽譜を見ると、多くの奏者が採用している16分音符の連続であったが、ルカの演奏はリュートと同じ8分音符だ。
明日、残りの演奏を聴くことにしたい。

次に神保町まで出て、店名は忘れたが古い楽譜を売っている古書店に行くことにした。
しかしこの店を探しても見当たらない。変だなと思いつつこの店でなかったか、と思われる店に入ってみると、様変わりしていた。
楽譜は無く、売られている書物も音楽とは異なるものが多かった。
もしかして廃業したのか。ちょっと残念だ。

そしてディスクユヌオンの神保町店で、安い、メンデルスゾーン作曲ヴァイオリン協奏曲のCDを見つけ、直感で聴いてみようという気持ちになった。
聴いてみたらこれが当たりだった。
チョーリャン・リン演奏 メンデルスゾーン作曲「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」。1982年10月録音。
めずらしい録音だ。





1982年と言えば私が大学に入った年。当時まだレコードの時代だった。
ネットで検索してみると、レーベルがCBSでオランダで録音されたようだ。サン=サーンス/作曲ヴァイオリン協奏曲第3番も収録されている。
チョーリャン・リンはどちらかというと音は細めであるが、繊細さの表現が多彩で、情感に満ちている。
解説者の宇野功芳は、チョーリャン・リンのことを「心の琴線に触れてくるヴァイオリニスト」と絶賛している。
確かに聴き手の心の深い所まで届く演奏だ。メンデルスゾーンのこの曲がこんなんに美しかったのか、改めて認識させれられた。
Youtubeでこの録音がないか探してみたが、無かった。
チョーリャン・リンの演奏そのものも投稿はごくわずか。これは意外だった。

それにしてもクラシック音楽の中でも屈指の美しさを持つ曲だ。
メンデルスゾーンが28歳で作曲したと言われている。メンデルスゾーンがどのような実際に人物であったか現実には知ることが出来ないが、この音楽を聴く限りにおいては、繊細な感性に溢れていただけでなく、天使の如く優しい心を持っていたのではないかとさえ思えてくる。
この曲を初めて聴いたのが中学2年生のときの音楽の授業で、当時の若い女性の先生が授業でこの曲のレコード(第1楽章だけであったが)を聴かせてくれたのがきっかけだ。
その先生はこの曲が好きだったに違いない。普通は1回だけしか聴かないで終わってしまうのであるが、この時の授業では、3回くらいレコードをかけてくれたと思う。
この時の演奏をもう一度聴きたいと思って、演奏者を知るためにヤフオクで当時の音楽の教科書を買ったことがあるのだが、その教科書には演奏者名が書いていなかった。しかし私の記憶では確かに演奏者名が記載されていた(カタカナ3文字だったような記憶があるのだが)。これもいつかは分かるに違いない。
この曲もこれから聴く比べが進んでいくに違いない。

次は新宿のディスクユニオンに向かった。
ここではベートーヴェンのピアノソナタが収録されためずらしいレコードを2枚買ったが、後で聴いてみたところ、いずれも駄盤だった。
こういうことは今までも何度もあった。
書籍コーナーでチャイコフスキー作曲交響曲第6番「悲愴」のスコアが見つかった。
同じものが2冊あったが、1つは表紙がまんべんなく濃い黄色に変色し、小口も手垢によるシミが付いていた。価格280円。
ちょっと綺麗な方は580円だったが安い方を買うことにした。
スコアを見ながらの悲愴の鑑賞。これによりいろいろな発見を得ることいが出来るかもしれない。









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クリスチャン・フェラス演奏バッハ作曲無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番(ライブ録音)を聴く

2024-02-02 22:49:59 | バイオリン
先日記事にしたクリスチャン・フェラス(1933-1982、フランス)の貴重なバッハ作曲無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番のライブ録音をYoutubeで見つけた。
ギリシャのテッサロニキでのコンサートで録音されたものではないかと思われる。Thessaloniki, 1970.とある。

先日、クリスチャン・フェラス演奏のJ.S.バッハ作曲、無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲のCDを入手して聴いたが、この録音は1977年、彼がうつ病、アルコール依存症、ギャンブル依存症に悩まされていた時期に演奏されたものだ。
このライブ録音はその7年前のものである。

2曲目のフーガを是非聴いていただきたいと願う。
これほどのレベルのフーガの演奏はなかなか聴くことが出来ない。
どんな聴き手であっても、心の深いところから感情が引き出される演奏ではないかと思う。
すなわちもし仮にBGMとして聴いていたとしても、自然にこの演奏に惹き込まれてしまうのである。

しかしライブでもこれほどの演奏を出来るヴァイオリニストというのはそういるものではない。
彼が円熟期にさしかかろうとしている時期に命を失ったことは本当に残念だ。

Christian Ferras plays Bach's Violin Sonata No. 1 (BWV 1001)


ちなみに、1977年にスタジオ録音された音源もYoutubeに投稿されていた。是非聴き比べをお願いしたい。

J.S. Bach Sonata for Violin in g minor (Christian Ferras)


私はこの演奏を聴くと、音に深い悲しみが宿っているように思われてならない。
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