冬特有の乾燥した空気に支配され、私の指にはアカギレが出来てしまった。ろくに家事もしていないのに。
寝る前はデルベのハンドクリーム(ホワイトティー)を、仕事中はアトリックスを塗りまくっているのだが、一向に改善せず。干物女だからって指まで干上がらなくてもいいじゃん!
指のみならず、会社で使うスタンプインク台も乾燥してしまっている。自分の分だけインクを補充するのもナンなので、吉熊上司と後輩男女にも声を掛けた。
「スタンプ台のインク、補充される方、いますかー」
トイレから帰ってきた私に、唐突に後輩男子タイスケくんが言った。
「インクおばさん…」
え?
おばさん?
誰が?
思わず背後を確かめたのだが、オッサン三人しかいない。
恐る恐るタイスケくんに問い尋ねてみると、彼は私を見てニコっと笑った。
その「ニコっ」に何度騙されてきただろう。私。
そう、その小池撤平みたいな笑顔に、よ。
今日は騙されないからな!
と強気な自分も数秒後には消失。
「おばさん」と称されたの、初めてだったもんで。
中学時代からの親友あやみちゃんの上のお嬢さんだって、私のことを「クマのお姉さん」って言うのに。
些かショックである。
「おばさんに見える人におばさんとは言いませんよ」
とフォローするタイスケくん。何?その話術?
「そうだよ!〇〇さん(私)は全然おばさんじゃないよ!…俺らにはおばさんに見えるけど。な?」
とタイスケくんの方を見ながら言い放つ吉熊上司。ガーン。
「インクおばさんって語感がいいですねー」
と後輩女子Cちゃん。そうだねー。「スプーンおばさん」みたいだよねー。癒されるー。
って!
もう!
寝る前はデルベのハンドクリーム(ホワイトティー)を、仕事中はアトリックスを塗りまくっているのだが、一向に改善せず。干物女だからって指まで干上がらなくてもいいじゃん!
指のみならず、会社で使うスタンプインク台も乾燥してしまっている。自分の分だけインクを補充するのもナンなので、吉熊上司と後輩男女にも声を掛けた。
「スタンプ台のインク、補充される方、いますかー」
トイレから帰ってきた私に、唐突に後輩男子タイスケくんが言った。
「インクおばさん…」
え?
おばさん?
誰が?
思わず背後を確かめたのだが、オッサン三人しかいない。
恐る恐るタイスケくんに問い尋ねてみると、彼は私を見てニコっと笑った。
その「ニコっ」に何度騙されてきただろう。私。
そう、その小池撤平みたいな笑顔に、よ。
今日は騙されないからな!
と強気な自分も数秒後には消失。
「おばさん」と称されたの、初めてだったもんで。
中学時代からの親友あやみちゃんの上のお嬢さんだって、私のことを「クマのお姉さん」って言うのに。
些かショックである。
「おばさんに見える人におばさんとは言いませんよ」
とフォローするタイスケくん。何?その話術?
「そうだよ!〇〇さん(私)は全然おばさんじゃないよ!…俺らにはおばさんに見えるけど。な?」
とタイスケくんの方を見ながら言い放つ吉熊上司。ガーン。
「インクおばさんって語感がいいですねー」
と後輩女子Cちゃん。そうだねー。「スプーンおばさん」みたいだよねー。癒されるー。
って!
もう!