世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

パンの香りで起きた朝

2005年06月15日 21時23分47秒 | Weblog
久々にパンが食べたくなり、夕御飯はヴィトフランスで。
滅多に夕御飯にパンを選択しないのだが、今日は珍しく。
風邪で味覚が変なのだろうか。

パンといえば、実家での朝食はパンが多かった気がする。
中学生の時、我が家に自動パン焼き機が来て、その頻度は増した。
夜のうちにイースト菌や粉を入れておくと朝にはパンができているんである。
画期的な商品だった。
しかし、私がパン作りに参加した記憶はなく、
たいがい妹と母によって事が進められていた。

朝、1階の台所から流れてくる焼きたてのパンの香りは、
幸せな家族の象徴だった。
飼っていた文鳥のさえずりを聞きながら、
コーヒーの香りと共に口にしたパン。

今、夫婦二人になった実家では、
パンの需要がなく、あの機械は台所の隅で埃を被っていることだろう。

母は言う。「みんなが小さかった頃なんて一瞬だった」と。

あの頃、「今」が永遠に続くものだと思っていた。
時の流れが普遍性を持たないと分かった今も、…そんな気がする。
というより、明日も今日の続きだとなんとなく思うのである。


パンの香りと同じで、いつかは「今」も消えて無くなる…そんな事実から逃避したくて…。
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