晴耕雨ログ

晴れの国の片田舎で暮らす自然派おばさん
畑仕事に生甲斐感じながらゆるゆる歩む農婆の人生

たかがジャガイモ

2012-05-13 21:47:18 | Weblog
 コツコツと作り上げた畑にジャガイモが育っています。
 ゴロゴロと石ころだらけの造成地でしたから、当初は作物が育つよりもまずは土作りが仕事のようなものでした。
コツンと鍬に当たれば石ころを拾い、堆肥を入れながら数年、やっと作物が育つ畑になりました。
 たかがジャガイモ、だけどここまで育ったジャガイモがなぜか愛おしく思えます。
 
 野菜作りに懸命な人の気持ちは、ジャガイモ育ての私にはよくわかります。
先日、大先輩のご婦人がこんなことをおっしゃいました。
 ”野菜作りを始めて30年鍬を振りましたのよ。”
 ”土起しに使ったミツメ鍬が30年で3センチ擦り減ったのよ。”
 ”3センチも短かくなると効率が少し悪いの・・・。”
 ”すごいでしょう・・・。これを磨いて床の間にでも置きたいわ。そんな気分よ。”
 自分と共に働いてくれた鍬がとても愛おしく、大切な宝物のように思えるようです。

 独り暮らしのご婦人ですが、土が好き、畑が好きということで熱心に野菜や花を育てられます。
私が尊敬するのは、ただ畑仕事をするだけでなく、土に向かいながら頭の中では短歌を詠まれること。そして、仕事を終えると土に汚れた爪をみがき、マニュキュアで染めピアノを弾く。
人生を謳歌されています。たかが畑仕事ですが・・・。

  < 心地よく 滲む汗に 初夏の風 >