晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジェフリー・ディーバー 『コフィン・ダンサー』

2010-02-07 | 海外作家 タ
前作「ボーン・コレクター」に続く、脊椎損傷により首から下の
動かない元ニューヨーク市警察科学捜査部長のリンカーン・ライム
と、ライムの指揮で現場で動くアメリア・サックスのコンビが活躍
するミステリー。
「ボーン・コレクター」では、立て続けにニューヨークで起こる凄惨な
殺人事件を、ライムの神がかり的な鑑識眼と推理力で犯人を追うの
ですが、『コフィン・ダンサー』は、相手はプロの殺し屋、その名も
「コフィン・ダンサー」と呼ばれる、棺桶と踊る女性の刺青を腕に持つ
名うての暗殺請負人で、まさに神出鬼没、正体不明で依頼は完璧に
遂行するすご腕。

話は、小さな民間航空会社のシカゴ行きの飛行機が上空で爆破し、
副社長で航空会社副社長のエドワードが爆死。その妻で社長の
パーシーともう一人の社員は、この航空会社がある武器密売業者
を乗せたときに密売業者にとって都合の悪い何かを目撃されたこと
で、この航空会社の飛行機を時限爆弾で爆発させ、さらに生き残った
ふたりも暗殺のターゲットとなってしまったのです。

そして、業者が依頼した暗殺者は、ニューヨーク市警ならびにFBIが
前から追っていた「コフィン・ダンサー」であることが分かり、ふたたび
監察のスペシャリストであるライムに協力を要請し・・・

検察側は、このふたりを証人として、武器密売業者を陪審にかける
ために保護しようとしますが、ダンサーの恐ろしさをよく知る市警
とライムは拒否し、自分たちの知っている「隠れ家」にふたりを匿い
ます。
しかし、その隠れ家もダンサーにばれてしまい、ライムの読みは後手
後手にまわってしまいます。
はたしてダンサーとライムの駆け引き、頭脳戦はどちらが勝利を
手にするのか・・・

ダンサーとは一体何者なのか。途中、盗聴でライムの存在を知るダン
サーは、自分と肩を並べるほどの頭の回転に驚き、なんとかライムの
居場所を知ろうとしているときに、捕まりそうになるのですが、ある
浮浪者と手を組み、地下に逃げ込みます。
なぜかダンサーは、この浮浪者に心を許し、自分の過去を話します。

現場を動き回るサックスとは、恋愛関係に発展しそうになるも、保護
されている航空会社社長のパーシーとライムの仲に嫉妬します。
それが現場とライムの指揮の歯車が狂って、何度かサックスは危ない
目に合います。

ライムのかつての恋人であり妻の話も出てきて、手に汗握るアクション
ミステリーの合間に人間ドラマも垣間見え、物語の幅が拡がります。

そして、なんだかんだあって、とうとうダンサーを捕まえたかと思いきや
、それはダンサーではなく、ふたたび証人とサックスは殺し屋の恐怖に
脅えることになってしまうのですが、この仕掛け、久しぶりに「えっ!?」
と、思わず声を出してしまったほど、ビックリしてしまいました。


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