晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

髙田郁 『あきない世傳金と銀(八)瀑布編』

2021-10-20 | 日本人作家 た

本を読んでるときや今まさにブログを更新しているときによくコーヒーを飲んでるのですが、もともとはそんなに好きではありませんでした。まあ「砂糖とミルクを入れれば飲んであげてもいいよ」という謎の上から目線でたまに飲んではいましたが、何年くらい前でしょうかね、砂糖ミルク抜きのいわゆるブラックで飲むことが普通になってしまいました。そうすると、いっぱしに家でもドリップで淹れたりなんかしちゃったりして、でもなかなかお店のようにうまくいかなくて、はじめこそ「泥水よりはマシ」なレベルでしたが、いろいろ聞いたり調べたりして、今ではそこそこなレベルにはなったと自負しております。

 

以上、コーヒーと私。

 

さて、シリーズ八巻。大坂の呉服商「五鈴屋」は江戸に支店を出したのはいいですが、勝算があったわけではなく、要望があって来たわけでもなく、さてどうしようと七代目(暫定)主人の幸をはじめ奉公人一同アイデアを出し合い、無料で着付けの指南をやったり、端切れで作ったお土産を配ったり、小さなことからコツコツとはじめ、やがて、縁というか出会いといいますか、人気の歌舞伎役者のお披露目で着る衣装を手掛けることとなり、それまで武士しか着ることが許されなかった「小紋」を、紋様を変えて小さくして、遠くから見たら無地に見え、近くで見るとはじめて柄がわかるといった反物を考案し、それが話題となります。しかし、いくら「武士ではなく町人が着るもの」といっても、絹織物など高くて一般の町人(職人など)には手が出ません。

 

さらに、江戸だけではなく全国的に疫病が大流行し、世間ではとても反物など買ってる余裕などありません。そんな中、あり一人の客が「あの歌舞伎役者が着ていた小紋を切り売りしてほしい」とやって来ます。店先で売る商売ですと、一反を丸々買っていく人は少なく、半分で売ったりすることもありますが、この女性客は「四寸(約十二センチ)」というではありませんか。話を聞けば、江戸紫に染めた反物はもともと虫除けに効果があり、転じて熱や痛みが取れると病気見舞いに使われるそうで、気位の高い呉服屋などでは売ってくれないと思ったのか「やっぱりいいや」と帰ろうとしますが、幸は「お子さん用の鉢巻きに作りやすい長さで切りましょう」と売ることに。

これが話題を呼んで、どこの店も売り上げは冷え込んでいますが、五鈴屋は大賑わい。しかし一人につき端切れ程度の長さを売っても一日の売り上げが一反分に届くか届かないか。それでも嫌な顔ひとつせずに切り売りに応じます。

 

それはそうと、五鈴屋の七代目はあくまで暫定。八代目を決めなければならず、幸は、自分にとって「商いの師匠」といえる、元番頭の治兵衛の息子で今は江戸にいる賢輔を八代目に、と推挙しますが、これに父親の治兵衛は反対。

 

そんな話もある中、なんと公儀から「上納金」を払えと言われます。その額なんと千五百両。表向きは「貸す」ことになっていますが、まず戻ってはきません。新しい小紋の図柄も考えなければならないのですが・・・

 

この巻のラスト、とんでもないことが起こります。それまで商い上の問題ばかりでしたが、ここにきて人間関係の問題が大爆発。まさに大映ドラマ、韓流ドラマ、昼ドラ。

コメント
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