晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

髙田郁 『みをつくし料理帖 残月』

2020-04-16 | 日本人作家 た
個人的な話ではありますが4月からガラリと環境が変わって、気が付いたら先週は1度も投稿できませんでした。ですがまったく本を読む時間すら無かったかというとそんなこともなく、ちまちまと読んでいました。
そんな環境の変化にもようやく対応できてきたと思っておりますので、これからは怒涛の投稿ラッシュ。
の予定。

さて『みをつくし料理帖』です。5巻から10巻までをまとめ買いし、今回投稿するのが8巻。あと2巻で終わってしまいます。それはとてもさみしいので、ゆっくりと読んでいくことにします。

吉原の火災で「つる家」にとって大切な人が亡くなり、またそれとは別に世間では伝染病が流行り、医師の源斉は診察にかけずりまわってふらふらの状態だったのですが、澪の料理を食べてようやく人心地がつきます。そこで源斉が「食は、人の天なり」という言葉の意味を説明すると、新メニューになやんでいた澪は・・・という「残月 かのひとの面影膳」。

もとは吉原の遊女で身請けされて今は大店の隠居の後添いとなった(しのぶ)。その夫婦が「つる家」に訪れ、澪らと会話をしていると、なにげなく「そういえばこの前、釣り忍売りが・・・」という話題になると澪と芳はびっくりします。というのも、芳の行方不明の息子、佐兵衛にそっくりの釣り忍売りを見かけたことがあるとの目撃情報が唯一の手掛かりだったのです。ですが、この話に(しのぶ)はなにか訳ありな事情があって真実を話せないような・・・という「彼岸まで 慰め海苔巻」。

「登龍楼」の店主から、澪に話があるというので行ってみると、なんと新店の料理長になってほしいというスカウトの話だったのです。澪は頭にきて「なら四千両出せ」と吹っ掛けたのですが、相手は「面白い。ならそれに見合う料理を考えてきたらその話を受けよう」と言うではありませんか。もう登龍楼と付き合うのは勘弁してほしい澪でしたが・・・という「みくじは吉 麗し鼈甲玉」。

「つる家」の常連の坂村堂から、知り合いの旅籠の主の宴会があるので、その料理を作ってほしいという依頼が。ですが、その旅籠の主というのは、名料亭「一柳」の亭主の親友。しかし一柳側は「うちは仕出しはしません」ということで「つる家」にこの話が回ってきたのはいいのですが、じつは坂村堂の実家は一柳、つまり亭主の子だったのです。宴会というメインテーマとは別に、久しぶりに顔を合わせる親子。澪の考える仕出し料理とは・・・という「寒中の麦 心ゆるす葛湯」。

いよいよ澪は、自分が野江ちゃんこと「あさひ太夫」の身請けをするんだと心に決めて動き出します。が、まっとうな商いでは一生かかっても稼げない金額。
「つる家」の主は、澪をこんな小さな飯屋の板前として縛り付けてはいけない、料理で大成してほしいと思うようになり、芳には縁談が持ち上がり、といよいよクライマックスに近づいてきた、なんだかそんな雰囲気ですね。

じつはまだ『みをつくし料理帖』シリーズの結末は知りません。耳に手をあてて「アーアー」と情報をシャットアウトしております。
コメント
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