晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

東川 篤哉 『はやく名探偵になりたい』

2018-07-06 | 日本人作家 は
この作品は(烏賊川市)という架空の街が舞台の
シリーズのひとつで、短編集となっています。

ただし基本設定の、私立探偵の鵜飼、その助手の
戸村がメインキャストなのは同じ。烏賊川市警察
の警部は名前だけチラッと登場します。

ある男が叔父である資産家を殺害し密室状態にす
るも、そこには鵜飼と名乗る探偵が・・・という
「藤枝邸の完全なる密室」。

不倫調査の依頼を受けた鵜飼と戸村は、別荘から
出てきた不倫相手の男が箱に入ってトラックに積
まれて逃げようとしたのを見て、戸村がバイクで
トラックを追いますが、トラックの荷台にいた男
が血まみれで・・・という「時速40キロの密室」。

住宅街に出かけ依頼者宅に訪問するも留守で鵜飼
と戸村は近くの酒屋で小休止しますが、そこでは
昨夜にビールケースの盗難があって、さらに近所
では謎の事件が多発し・・・という「七つのビー
ルケースの問題」。

戸村は女性とふたりで森の中に。この女性とは、
市内の有名な和菓子屋の西園寺家の会長の孫。
「話がある」と森に呼ばれたのですが、そこに
体が不自由な会長が車椅子で何者かに押されて
森を移動しているのを見かけます。が、どこか
に行って帰ってくると車椅子に乗ってたはずの
会長の姿は無く押している人のみ。その道の突
き当りは崖でその下は海・・・という「雀の森
の異常な夜」。

花見小路家の屋敷で宝石泥棒が発生。警察は呼
ばずにあらわれたのは鵜飼。しかし怪しいとさ
れる当時この屋敷にいた男二人の部屋からは宝
石は発見されず・・・という、花見小路家で飼
われているペットの視点の「宝石泥棒と母の
悲しみ」。

謎解きで短編ですと、大掛かりなトリックは使
えませんが、コンパクトにまとめられていて、
それでいて小粒感は感じさせない技術はスゴイ
です。そして相変わらずフザケてます。
コメント
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